弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
     当審における未決勾留日数中二〇〇日を原判決の刑に算入する。
     当審における訴訟費用は被告人の負担とする。
         理    由
 本件控訴の趣意は、弁護人松本和英名義の控訴趣意書に記載のとおりであるか
ら、これを引用する。
 そこで、原審記録及び証拠物を調査し、当審における事実取調べの結果をも併せ
て検討する。
 一 訴訟手続の法令違反の主張について
 論旨は、被告人は、原判示日時場所において、本件覚せい剤所持の現行犯人とし
て逮捕されたものであるが、右覚せい剤の押収手続には令状主義の精神を没却する
ような重大な違法があり、押収された覚せい剤並びにその押収手続書類、鑑定嘱託
書及び鑑定書等の関係書証には証拠能力がなく、それにもかかわらずこれらを事実
認定の証拠として用いた原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな訴訟手続
の法令違反がある、というのである。
 1 当審公判調書中証人A1、同B1及び被告人の供述部分並びに当審第七回公
判廷における被告人の供述(以下、公判調書中の供述部分及び公判廷における供述
を区別せず、単に「供述」という。)をはじめ関係証拠を総合すると、本件覚せい
剤の押収について次のような経緯が認められる。
 「1」 警視庁捜査四課及び立川警察署ほかの警察署は、C1会D1一家E1組
幹部及びその輩下組員による多摩地区一帯における組織的、かつ、大規模な覚せい
剤及びコカインの密輸入、密売事件の共同捜査の過程で、右E1組幹部F1の覚せ
い剤譲渡事犯の捜査を進めていた。
 「2」 立川警察署警察官らは、被疑者F1に対する覚せい剤取締法違反被疑事
件(平成四年一一月一〇日ころ、東京都福生市内の右被疑者方居室において、G1
に対し覚せい剤約三グラムを無償譲渡したという譲渡事犯)につき、平成五年二月
一九日、立川簡易裁判所裁判官から、捜索場所を原判示「東京都八王子市a町b丁
目c番地dB棟e号室H1ことH1方居室」、差し押えるべき物を右被疑事実に関
係のある「取引メモ、電話番号控帳、覚せい剤の小分け道具」とする捜索差押許可
状の発付を受けた。
 「3」 H1は、昭和二一年生れで、I1会J1会K1連合の幹部であるとこ
ろ、内偵の結果、H1とF1は親しく付き合っており、H1方はF1の立ち回り先
のひとつであることが判明しており、また、警察官らは、H1がL1(被告人)名
義の乗用車を利用していることを把握していた。
 「4」 立川警察署の捜査員A1警部補、M1巡査部長、N1巡査部長、B1巡
査及び警視庁派遣O1巡査の計五名は、右許可状に基づく捜索差押を実施するた
め、同月二六日午前八時四五分ころ、H1方マンションに至り、H1が利用してい
る前示被告人名義の乗用車が駐車しているのを確認し、H1が在室するものと判断
して、管理人と共にH1方玄関に至った。
 「5」 午前九時ころ、管理人がチャイムを押したが応答がなかったので、手で
ドアを、三、四回ノックし、「H1さん、H1さん」と大きな声で呼び掛けたとこ
ろ、中からドアが開けられた。そこで、A1、B1の順にまず玄関のたたきに入っ
たところ、乳飲み子を抱えた女性(H1の妻P1)と、短いパンツをはき、軽くセ
ーターを羽織るという服装の若い女性(被告人の内妻Q1)が出てきていたので、
A1は警察手帳を示して「立川警察署のものだ。ガサに来た。親父さんいるの」と
告げた。
 「6」 Q1はおろおろした様子で落ち着きがなく、後ろを振り返るような素振
りをし、玄関右奥の部屋の方を気にしている様子だった。そこで、B1がその方を
見たところ、ドアが少し開いており、人の気配を感じた。B1は、H1がいるので
はないかと思いその部屋へ入ったところ、そこに、紺色のトレーナー(スウェット
スーツ)上下を着て両手をズボンのポケットに突っ込んで立っている被告人を認め
た。
 「7」 B1は、被告人に対して「警察だ。お前何しているんだ。ガサに来た」
との趣旨のことを告げ、被告人に名前を聞いたところL1と答えたので、自動車の
所有者の名前と一致したことや前示の風体、年格好などから被告人はH1の舎弟で
あり、H1方に居候しているものと判断した。
 「8」 B1は、被告人がポケットに両手を突っ込んだままであることや被告人
の表情などに不審を抱き、ポケットに何が入っているんだと追及したところ、依然
として手を出そうとしないので、捜索の目的物などを隠しているものと判断した。
もし被告人を同部屋にそのまま残せば、目的物などを発見困難な場所に隠匿した
り、投棄したり、飲み込んだりするおそれがあるところから、また、H1方に居合
わせた者を一堂に集めて捜索差押許可状の提示等をする必要上、B1は、俺は関係
ないとして素直に応じようとしない被告人を、A1らがH1の妻やQ1を集めてい
たりビングルームへ連れ込んだ。
 「9」 九時三分ころ、A1は、リビングルームにH1の妻、Q1及び被告人が
揃ったところで、H1の妻を捜索の立会人とし、同女に対して前記捜索差押許可状
を示して趣旨を説明した。
 「10」 B1らは、その前後を通じて、依然としてポケットに両手を突っ込
み、俺は関係ないなどと言いながら捜査員を振り切ってリビングルームを出て行こ
うとする気配を示していた被告人に対し、「ポケットに手を突っ込んでいるが何が
入っているんだ。手を出してみなさい」と再三再四強い口調で説得した。しかし、
被告人は、「俺は知らねえ」、「うるせえ」などと言って応ずる気配もなく、出て
行こうとするので、とにかく落ち着いて座るように説得し、両肩を押さえ付けるな
どして床の絨毯の上に座らせ、説得を続けた。
 「11」 被告人は、なおも、両手をポケットに入れたまま、両肩を揺さぶり、
起き上がって捜査員に体当たりするなど、その場から逃れようと次第に激しく抵抗
を続けたので、B1が被告人の背中を膝で押さえ付けるなどして数人がかりで制圧
し、もつれ合ううち、被告人は絨毯の上にうつ伏せで押さえ込まれる格好になっ
た。
 「12」 この間、B1は、被告人の抵抗があまり激しいので、H1の妻及びQ
1に対し、「ぼうっと見てないで何か言ったらどうなんだ」と言ったところ、Q1
が、被告人に対しては「L1ちゃん、L1ちゃん、もう騒がないで」、捜査員らに
対しては「もうおとなしくするからやめて」という趣旨のことを言った。
 「13」 捜査員らは、うつ伏せ状態の被告人の腕を引っ張って、まず左手、次
いで右手を順次ポケットから引き抜いたが、左手を引き抜いた際、左ポケットから
茶色の小物入れが飛び出したので、B1がこれを拾い上げ、中を確認したところ、
何も入っていなかった。また、右手は、右ポケットから引き抜いた後も拳を握った
ままであったので、指を一本ずつこじ開けて掌中を確認したが、何も握っていなか
った。
 「14」 そうこうするうち、被告人の下半身に覆いかぶさるようにして押さえ
付けていたN1が被告人の股間付近の絨毯の上にピンク色の小物入れが落ちている
のを発見し、その中を確認したところ、覚せい剤と思われる白色結晶の入ったビニ
ール袋三袋を発見した。
 「15」 捜査員らは、被告人に対し「これは何だ」と言ったが答はなく、「こ
れは覚せい剤じゃないのか。今から予試験をして確認するから」と告げたところ、
被告人は「俺は知らない。俺は見たことはない」と言って応じないので、側にいた
H1の妻とQ1にその物を見せ、「これから予試験をする。これに薬を入れて青い
色に変われば覚せい剤だからよく見ていてくれ」と告げ、両名がこれに同意したた
め、B1が試薬を使って予試験をした。
 「16」 予試験の結果、右結晶は覚せい剤の反応を呈したので、その直後の同
日午前九時一一分、被告人を覚せい剤所持の現行犯人として逮捕し、なおも暴れて
抵抗する被告人に対し、うつ伏せのまま後手錠を施し、前記小物入れの中にあった
覚せい剤三袋、注射針二本、小型はさみ一本、綿棒三本、爪楊枝一本、大小のビニ
ール袋合計二〇数枚及び右小物入れを差し押さえた。その後、A1らは被告人を前
手錠にし、立川警察署に派遣を要請した応援の警察官が到着した時点で同人らにH
1方の捜索を引き継ぎ、同日午前一〇時四〇分、被告人を同署の司法警察員に引致
した。
 以上のような経緯が認められ、被告人の供述中右認定に反する部分は、その余の
関係証拠に照らし信用できない。
 2 所論は、本件捜索差押許可状は、「H1方居室」という場所に対するもので
あり、被告人の身体に対する捜索令状(所論は「被告人の身体に対する検査令状」
というが、本件で被告人の身体検査が行われていないことは明らかであるから、そ
の言わんとするところは身体捜索令状の趣旨と解するのが相当である。)は発せら
れていないから、被告人に対する捜査は任意捜査の方法によるべきところ、本件警
察官らの行為は、特別公務員暴行陵虐といっても過言でないような、任意捜査の限
界をはるかに超えた違法不当なものである、と主張する。
 ところで、本件捜査における警察官らの行為の適法性は、前記一連の経過を、
(一)捜索差押許可状に基づく捜索の段階(前記1の「2」ないし「14」)、
(二)捜索の結果発見した差押の対象外の覚せい剤らしき物の領置、予試験実施の
段階(前記1の「15」)、(三)予試験の結果に基づく現行犯人逮捕及び差押の
段階(前記1の「16」)に分けて考察する必要がある。このうち、右(三)の現
行犯人逮捕については、その要件は十分充たされており、それ以前の捜査の違法を
引き継ぐものと認められない限り、その適法性に疑問はない。また、現行犯人逮捕
が適法であれば、その現場において令状によらない差押が許されることはいうまで
もない(刑訴法二二〇条参照)。そこで、右(一)及び(二)の点につき、以下に
検討する。
 (一) 捜索差押許可状による着衣・身体捜索の適法性について
 本件捜索差押許可状が被疑者F1に対する被疑事実につき関連場所とみられる
「H1方居室」を捜索すべき場所として指定するものであることは、所論のとおり
である(前記1の「2」参照)。
 <要旨第一>しかしながら、場所に対する捜索差押許可状の効力は、当該捜索すべ
き場所に現在する者が当該差し押さえるべき物をその着衣・身体に隠匿
所持していると疑うに足りる相当な理由があり、許可状の目的とする差押を有効に
実現するためにはその者の着衣・身体を捜索する必要が認められる具体的な状況の
下においては、その者の着衣・身体にも及ぶものと解するのが相当である(もとよ
り「捜索」許可状である以上、着衣・身体の捜索に限られ、身体の検査にまで及ば
ないことはいうまでもない。)。
 これを本件についてみるに、まず、前示のとおり、(1)捜査員がH1方玄関内
に入った際、応対に出た女性二人のうち、若い方の女性(被告人の内妻Q1)がお
ろおろした様子で落ち着きがなく、玄関右奥の部屋の方を気にしていたこと、
(2)その部屋で発見された被告人は、真冬であるのにトレーナー上下という服装
であり、Q1も短いパンツをはき、その上に軽くセーターを羽織るという服装であ
ったこと、(3)B1が被告人の氏名を尋ねたところ、L1と答えており、H1が
使用する乗用車の登録名義人と一致したこと、(4)H1の妻やQ1は被告人を
「L1ちゃん」と呼んでいたことなどの状況から、捜査員は、被告人は一時的な来
客ではなく、H1方に継続的に同居している者で、H1の輩下であると判断してお
り、その判断は客観的事実と一致する。
 次に、(5)本件は、暴力団関係者による組織的かつ大規模な覚せい剤密売事犯
の一端をなすものと目され、したがって、関係者による罪証隠滅の虞が高いこと、
(6)本件差押の目的物は「取引メモ、電話番号控帳、覚せい剤の小分け道具」と
いう比較的小さい物で、衣服のポケットなどに容易に隠匿できるものであること、
(7)H1は捜索差押許可状の被疑事実と関係のある暴力団の幹部であることなど
の事情からすれば、本件捜索に際し、同人と前示のような関係にある被告人におい
て、H1方に存在する差押の目的物を隠匿・廃棄しようとする虞は十分に考えられ
るところである。しかも、(8)被告人は、最初に発見されたときから両手をトレ
ーナーのズボンのポケットに突っ込んだままという異常な挙動を続けていたのであ
るから、そのポケット内に本件差押の目的物を隠匿している疑いはきわめて濃厚で
ある。したがって、捜査員において、被告人に対し、ポケットから手を出し、中に
入っている物を見せるよう説得したことは、適切な措置と認められる。(9)これ
に対し、被告人は、「関係ない」などと言って説得に従わず、部屋を出ていく素振
りを見せ、捜査員において、部屋に留まるよう両肩を押さえ付けて座らせ、説得を
続けたにもかかわらず、なおも激しく抵抗してその場から逃れようとしているので
あるから、捜査員の目の届かない所でポケットの中の物を廃棄するなどの行為に出
る危険性が顕著に認められる。
 以上のような本件の具体的状況の下においては、被告人が本件捜索差押許可状の
差押の目的物を所持していると疑うに足りる十分な理由があり、かつ、直ちにその
物を確保すべき必要性、緊急性が認められるから、右許可状に基づき、強制力を用
いて被告人の着衣・身体を捜索することは適法というべきである。前示のとおり、
捜査員らが用いた強制力はかなり手荒なものであるが、それは被告人の抵抗が激し
かったことに対応するものであり、抵抗排除に必要な限度を超えるものとは認めら
れない。被告人の両手をポケットから引き抜き、ポケットの中から出てきた小物入
れの中身を確認するまでの捜査員の行為に所論の違法はない。
 (二) 捜索の結果発見された物の領置・予試験について
 以上のような経過で被告人のズボンのポケット内から発見された茶色の小物入れ
は空であり、また、ピンク色の小物入れには覚せい剤と思われる結晶その他が入っ
ていただけで、捜索差押許可状により差し押さえるべき物と指定された「取引メ
モ、電話番号控帳、覚せい剤の小分け道具」は発見されなかった。
 もとより、ピンク色の小物入れから発見された覚せい剤と思われる結晶は、新た
に被告人による覚せい剤所持の犯行を疑わせるものであって、捜査員においてこれ
を確保し、覚せい剤であることを確認するための予試験を行う必要のあったことが
認められる。しかし、それは、明らかに本件捜索差押許可状の差押の対象外の物で
あるから、これを取得するために右許可状による強制処分を行うことは認められな
い。そこで、これを発見した段階でその所持者と認められる被告人に任意提出を求
め、更に、被告人の同意を得た上で予試験(鑑定処分の一種である。)を行うのが
本筋である。
 <要旨第二>しかし、(1)右覚せい剤と思われる結晶は、被告人に対する適法な
着衣・身体の捜索の結果絨毯の上から取得した右ピンク色の小物入れの
中から発見されたもので、捜査員がその占有を取得するために新たに被告人の積極
的な行為を必要とするものではないこと、(2)被告人は、捜査員の「これは何
だ」との問いにも答えていないこと、(3)ビニール袋に入った結晶は、その形
状、包装などから予試験の結果をまつまでもなく、覚せい剤である蓋然性がきわめ
て高く、現行犯人逮捕も不可能とはいえない状況であること、(4)被告人は、予
試験をする旨の捜査員の発言に対しても「俺は知らない。俺は見たことない」など
とそれが被告人の所持する物であることすら否定するようなことを言って応じない
ので、やむなくH1の妻とQ1に予試験の趣旨を説明して同意を得たことなど、一
連の経過及び状況を総合すると、捜査員が、右党せい剤と思われる物の任意提出及
びこれに対する予試験の実施について、なお被告人に対する説得を継続し、その明
確な同意を得なかったことをもって、直ちに違法な捜査であるとまでは断定し難
く、仮に若干の違法が認められるとしても、その違法はこれに引き続く現行犯人逮
捕の適法性及びこれに伴う差押によって取得された証拠物の証拠能力を否定するほ
どの重大なものとは認められない。
 以上のとおり、本件捜査の違法をいう論旨は理由がない。
 二 事実誤認等の主張について
 論旨は、要するに、本件覚せい剤は、被告人が二月二六日早朝H1方に戻った際
玄関脇下駄箱の上に置いてあるのを発見し、自分らの寝室に持ち込んでおいたもの
を、捜査官らの入室に際し、咄嗟に着衣のポケットに入れたものであって、被告人
の所有物ではないから、これを被告人所有のものと認定し、覚せい剤所持の罪の成
立を認めた原判決は事実を誤認したものであり、これを没収したのは違法である、
というのである。
 まず、実体関係から検討すると、覚せい剤所持の罪の成立にその所有関係の如何
は問うところではないから、被告人において、それが覚せい剤であることを認識し
た上でこれを隠匿携帯した以上、同罪の成立に欠けるところはない。原判決は、本
件覚せい剤が被告人の所有に属するとは何ら判示していないから、所論誤認の主張
は前提を欠くものというべきである。
 次に、手続関係を検討すると、被告人以外の者の所有に属する物を没収するに
は、その者に被告事件の審理に参加する機会を与える必要があるが、原審において
そのような手続を経た形跡は窺われない。しかし、本件覚せい剤は被告人の所有に
属する物と認められるから、原審の訴訟手続に法令の違反は認められない。すなわ
ち、被告人は、逮捕直後を除き、捜査及び原審公判段階を通じて一貫して本件覚せ
い剤が自己の所有する物であることを認めており、右供述は、P1及びQ1の司法
警察員に対する各供述調書の内容とも符合し、信用性が認められる。
 なお、被告人は、当審公判廷において、「本件当日の午前零時過ぎころ、父が経
営しているオートバイ修理工場の建て替え現場へ行って工事の進み具合を見た上、
工場横の空き地に自動車を止めて暫く仮眠し、午前六時過ぎころH1方に戻った。
玄関に入ったら、下駄箱の上にピンクの小物入れが置かれているのに気付いたの
で、それを手に取り中を見ながら内妻が寝ている部屋に入ってベッドの枕元の棚の
上に広げてなお中を確かめたところ、ビニール袋入りの覚せい剤や注射針等が入っ
ていることが分かった。内妻が目を覚ましそうになったので、あわててまた詰め直
し、プラスチック製の皿の下に隠した。そうこうするうちに、人(警察官)が来た
ので、そのままではまずいと思って、その辺にあった綿棒とかはさみなども右ピン
クの小物入れに納め、側にあった茶色の小物入れと一緒に手に取り、隣の部屋(前
示玄関右奥の部屋)へ行ってトレーナーの上下を着込み、二つの小物入れを左右の
ポケットにいれて立っていた。そこへ人(警察官)が入ってきた」という。しか
し、右のような外出の経緯をはじめ、玄関先の下駄箱の上に覚せい剤が入った小物
入れが置かれていたということ、それを居候の被告人が勝手に自分の所に持って行
ったということ、しかもそれを、被告人に言わせれば警察官が来たと思わないの
に、やばいと思ってわざわざポケットに入れて隠したということなどは、いずれも
きわめて不自然な状況であって、被告人の右供述は前記捜査及び原審段階における
供述と対比して到底信用できない。
 論旨は理由がない。
 よって、刑訴法三九六条により本件控訴を棄却し、刑法二一条を適用して当審に
おける未決勾留日数中二〇〇日を原判決の刑に算入し、刑訴法一八一条一項本文に
より当審における訴訟費用は被告人に負担させることとして、主文のとおり判決す
る。
 (裁判長裁判官 半谷恭一 裁判官 森眞樹 裁判官 浜井一夫)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛