弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人松田義之の上告理由について
 一 原審の適法に確定した事実関係の概要は、次のとおりである。
 1 亡Dは、第一審判決別紙物件目録二記載の借地権を有する土地上に同一記載
の建物(以下「本件建物」という。)を所有し、右建物において妻であるEらと居
住していた。
 2 Dは、昭和五四年二月二四日に死亡し、その相続人は、E並びに子である上
告人A1及び同A2の三名である。上告人A1は昭和五二年に、同A2は同五七年
に、それぞれ婚姻し、その後、他所で居住するようになったが、Eは、本件建物に
居住している。
 3 被上告人は、平成五年一〇月二九日、F及びGを連帯債務者として、同人ら
に対して三〇〇万円を貸し渡し、Eは、同日、被上告人に対し、右金銭消費貸借契
約に係るFらの債務を連帯保証する旨を約した。
 4 本件建物の所有名義人は亡Dのままであったところ、Fらの被上告人に対す
る右債務に基づく支払が遅滞し、その期限の利益が失われたことから、被上告人は、
平成七年一〇月一一日、Eに対し、右連帯保証債務の履行及び本件建物についての
相続を原因とする所有権移転登記手続をするよう求めた。
 5 E及び上告人らは、平成八年一月五日ころ、本件建物について、Eはその持
分を取得しないものとし、上告人らが持分二分の一ずつの割合で所有権を取得する
旨の遺産分割協議を成立させ(以下「本件遺産分割協議」という。)、同日、その
旨の所有権移転登記を経由した。
 6 Eは、被上告人の従業員に対し、右連帯保証債務を分割して長期間にわたっ
て履行する旨を述べていたにもかかわらず、平成八年三月二一日、自己破産の申立
てをした。
 二 【要旨】共同相続人の間で成立した遺産分割協議は、詐害行為取消権行使の
対象となり得るものと解するのが相当である。けだし、遺産分割協議は、相続の開
始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部又は一部を、各
相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産
の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする法律行為である
ということができるからである。そうすると、前記の事実関係の下で、被上告人は
本件遺産分割協議を詐害行為として取り消すことができるとした原審の判断は、正
当として是認することができる。記録によって認められる本件訴訟の経緯に照らす
と、原審が所論の措置を採らなかったことに違法はない。所論引用の判例は、事案
を異にし本件に適切でない。論旨は採用することができない。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 福田 博 裁判官 河合伸一 裁判官 北川弘治 裁判官 亀山
継夫)

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