弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1高松市福祉事務所長が平成18年7月24日付けでした生活保護法78条に
基づく費用徴収金決定処分を取り消す。
2原告の被告香川県に対する請求を棄却する。
3訴訟費用は,原告に生じた費用の2分の1と被告高松市に生じた費用を被告
高松市の負担とし,原告に生じたその余の費用と被告香川県に生じた費用を原
告の負担とする。
事実及び理由
第1請求
1甲事件
香川県知事が平成19年3月27日付けでした平成19年2月22日付けで
提起された生活保護法78条に基づく費用徴収金決定処分に関する再審査請求
を棄却する旨の裁決を取り消す。
2乙事件
主文第1項と同旨。
第2事案の概要
1甲事件は,原告が,高松市福祉事務所長に対して生活保護申請をした際,原
告と同一世帯に属する長男を被保険者とし,同一世帯に属しない長男の父を契
約者とする育英年金付きこども保険契約が存在しており,長男の父の死亡によ
り長男が同保険契約に基づく育英年金の受給権を得ていたにもかかわらずこれ
を申告せず,また,保護開始後に育英年金を受け取ったにもかかわらずこれを
申告しなかったことが,生活保護法78条にいう「不実の申請その他不正な手
段」に当たるとして,高松市福祉事務所長がした費用徴収金決定処分につき,
原告が,保護申請時には長男が育英年金受給権を取得したことを確認しておら
ず,また,学資保険に類する上記保険については申告義務がないと誤信してい
たなどとして,被告高松市に対し,費用徴収金決定処分の取消しを求める事案
である。
乙事件は,原告が,高松市長に対し,上記費用徴収金決定処分につき審査請
求をしたがこれを棄却するとの裁決がされ,香川県知事に対し,同裁決につき
再審査請求をしたがこれを棄却するとの裁決がされたことから,原告が,被告
香川県に対し,上記香川県知事のした裁決の取消しを求める事案である。
2前提事実(以下の事実は,当事者間に争いがないか,各掲記の証拠によって
容易に認められる)。
(1)生活保護制度の概要
ア生活保護制度について
生活保護法(昭和25年5月4日法律第144号。以下,単に「法」と
いうことがある)は,憲法25条の生存権の保障を実現するため制定さ。
れたものであり,国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程
度に応じ,健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに,その自立
を助長することを目的としている(法1条,3条。)
イ基本原理について
法は,生活保護制度における基本原理として,無差別平等の原理(法2
条,最低生活の原理(法3条)及び補足性の原理(法4条)を規定して)
いる(法5条。)
補足性の原理とは,法が国民の最低生活を保障するための最後の施策で
ある建前上,まず自力により,又は他の法律による扶助により,生活の維
持のためにあらゆる努力を行い,それでも最低限度の生活を営むことがで
きない場合に,はじめて法が適用されることを意味する。この補足性の原
理のもとでは,保護を受けるためには,各自がその持てる能力に応じて最
大限の努力をすることが先決であり,そのような努力をしてなお最低限度
,(「」の生活を営むことができない場合にはじめて法による保護以下保護
という)が行われることになる。。
ウ保護の要否の判定方法
保護は,厚生労働大臣の定める保護基準に基づき,その者の属する世帯
の最低生活費を算定し,この金額とその世帯の収入とを比較した結果,世
帯の収入が最低生活費を下回る場合に初めて,当該不足分に限り行われる
(法8条1項参照。)
そして,上記保護基準は,要保護者の年齢別,性別,世帯構成別,所在
地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の
需要を満たすに十分なものであって,かつ,これをこえないものでなけれ
ばならない(法8条2項参照。)
エ本件に関係する生活保護法の定め等
本件に関係する生活保護法の定め及び生活保護行政実務に関する通知の
内容は別紙記載のとおりである。
(2)育英年金付きこども保険に基づく年金受給権の発生
ア原告の長男Aの父であるBは,F保険相互会社との間で,平成元年7月
19日,次のような内容の育英年金付きこども保険(以下「本件保険」と
。)(,,)。いう契約を締結した甲37の1及び2甲110調査嘱託の結果
被保険者A
満期日平成21年7月18日
育英年金受取人被保険者
同支払事由保険契約者が死亡又は約款所定の高度障害状態に該当
し,被保険者が支払日に生存しているとき
同支払日保険契約者の死亡(高度障害)日及び毎年の死亡(高度
障害)応答日
同支払額11歳まで40万円
12歳から14歳まで60万円
15歳から17歳まで80万円
18歳から21歳まで100万円
入学祝金受取人保険契約者
同支払事由被保険者が入学の適齢時直前の2月1日に生存していた
とき
同支払額小学校20万円
中学校30万円
高等学校40万円
大学50万円
満期祝金受取人保険契約者
同金額60万円
イBは,本件保険の保険料を支払っていたが,平成▲年▲月▲日死亡した
(甲1)
原告は,Bと婚姻しておらず,BがAを認知していなかったことから,
Bの死亡後,Aの認知を求める裁判を提起し,認知の裁判は平成15年8
月8日確定して,同月11日,その旨の戸籍届出がされた。
(3)生活保護支給決定
高松市福祉事務所長は,平成14年11月14日,原告及びAの二人世帯
に対する生活保護の支給を決定した(乙イ10の1。)
(4)育英年金の受け取り
平成16年6月の課税調査等により,平成15年9月29日,Aが育英年
金73万5200円(育英年金80万円から6万4800円の所得税を源泉
徴収した残額)を受け取っていたことが判明した(甲37の4。Aは,平)
成16年9月29日にも,同額の育英年金を受け取った(甲37の5。)
(5)当初の費用徴収金決定処分及びその取消し
高松市福祉事務所長は,上記育英年金を原告の世帯の収入として認定し,
平成17年3月9日付けで,原告に対し,不正受給期間を平成15年9月2
9日から平成17年2月28日,費用徴収金額を160万円とする生活保護
法78条に基づく費用徴収金決定処分をした(甲25の1。)
原告は,この処分について,同月31日付けで,高松市長に対し,審査請
求をしたが,高松市長が同年11月1日付けで審査請求を棄却する裁決をし
,,,(,たため同月30日付けで香川県知事に対し再審査請求をした甲18
19の2,甲24。香川県知事は,原告が処分取消しの根拠として引用す)
る最高裁判所平成16年3月16日第三小法廷判決・民集58巻3号647
頁(以下「本件最高裁判決」という)は,生活保護法の趣旨目的にかなっ。
た目的と態様で保護金品等を原資とした貯蓄等は収入認定の対象とすべき資
産に当たらないと判示したものであり,本件保険は,世帯員以外の者が保険
料を支払い,保護金品等を原資としていないから,本件最高裁判決で問題と
なった学資保険とは異なり,収入認定の対象となるとしつつも,源泉徴収さ
れている所得税を控除せずに費用徴収金額を決定した点は妥当でないとし
,,()。て平成18年2月17日付けで原処分全部を取り消した甲17の2
(6)本件決定及び本件裁決
高松市福祉事務所長は,上記裁決を受け,同年7月24日,上記費用徴収
金決定処分を取り消すとともに,改めて,原告に対し,源泉徴収された所得
税を控除した残額の147万0400円を費用徴収金額とする生活保護法7
(「」。)。8条に基づく費用徴収金決定処分をした以下本件処分という甲13
原告は,本件処分について,高松市長に対し,審査請求をしたが,高松市
長は,平成19年1月22日付けで,原告の審査請求を棄却したため,香川
県知事に対し,再審査請求をした。しかし,香川県知事は,同年3月27日
,(「」。付けで原告の再審査請求を棄却する裁決をした以下本件裁決という
甲4の2,甲5,甲6の2,甲12。)
3争点及び争点に関する当事者の主張
(1)争点(1)(原告の生活保護の申請は「不実の申請その他不正な手段」に当
たるか)
(被告高松市の主張)
ア本件保険の契約申込書は,保険契約者と被保険者との姓が異なる場合や
保険契約者と親権者が異なる場合には「保険契約者・被保険者の親権者,
または後見人「被保険者」の欄に被保険者の親権者が署名捺印等を自」,
署で行い,申込書と同時に提出する健康状態等告知書も被保険者の親権者
が記入(告知)することになっている。本件保険の契約申込書の「保険契
」,「」「」約者・被保険者の親権者または後見人の欄にはCと記載されC
という印鑑も押捺されているから,原告は,本件保険契約締結時(平成元
年7月19日)にはその存在を知っていたといえる。さらに,原告は,本
件保険契約締結時,保険外交員をしていたから,本件保険の内容に精通し
ており,保険契約者であるBの死亡により,育英年金が支給されることも
知っていた。原告は,平成14年11月11日から,Bの弟等関係者に電
話をかけており,そのころには,Bが死亡したことを知っていたと考えら
れる。しかし,原告が生活保護申請時に提出した申請書には,本件保険に
関する記載は一切なく,育英年金の振込口座についての記載もなかった。
なお,原告は,生活保護申請時,育英年金の振込口座が記載された児童
扶養手当証書を提出したと主張しているが,原告が児童扶養手当証書を提
出したのは平成18年3月8日であり,その証書は平成17年度のもので
あった。
イ高松市福祉事務所の職員は,生活保護申請時,原告に対し「生活保護,
」,,のしおりを使用して学資保険を含む保険の申告の必要性を説明した上
「生活保護のしおり」を渡した「生活保護のしおり」には,年金,生命。
保険,補償金等を受ける場合には,資料の提出義務があること,生命保険
の解約返戻金や保険金(満期・特約)を受け取ったときには,費用の返還
義務があることが記載されている。原告は,以前に生活保護を受給してい
た際,就労収入申告により収入認定されたことがあるから,学資保険の申
告の必要性について,説明を受けなかったため知らなかったということは
あり得ない。
ウ原告は,本件最高裁判決などから,本件保険に基づく育英年金は収入認
定の対象とはならず,申告の必要性もないと誤信していたと主張するが,
本件最高裁判決は,原告が生活保護を申請した後の平成16年3月16日
に言い渡されたものである。
エこのように,原告は,生活保護申請時,学資保険の申告の必要性を認識
,,。・理解していたにもかかわらず本件保険の存在を申告せず隠ぺいした
(原告の主張)
ア原告は,Bが本件保険契約を締結する際,契約申込書に親権者として署
名捺印したことも,健康状態等の告知をしたこともない。契約申込書の署
名は原告のものではないし,押印されている印影も原告の知らないもので
ある。原告は,生活保護申請時,Bが本件保険に加入していたことは覚え
ていたが,本件保険契約が有効に継続しているかどうかについては知らな
かった。また,生活保護申請時には,AはBから認知を受けておらず,本
件保険の給付の詳細などを認識できる状況にはなかった。
育英年金の振込口座の記載がない点については,同口座は児童扶養手当
の振込先でもあり,高松市福祉事務所発行の児童扶養手当証書にも記載さ
れ,生活保護申請時,この証書も提出していたから,あえて記載する必要
はないと早合点して記載しなかっただけである。
イ原告は,生活保護申請時,学資保険の申告が必要であることを知らなか
ったし,そのことについて具体的な説明も受けなかったから,本件保険に
ついて申告しなかったのである「生活保護のしおり」を渡しただけで,。
その記載内容を詳細に理解しているはずだと決めつけることはできない。
ウ原告は「学資保険は収入認定の対象とならないとする」本件最高裁判,
決の原審である福岡高等裁判所の判決(平成10年10月9日言渡し。そ
の後,本件最高裁判決で内容が是認された。以下「本件福岡高裁判決」と
いう)が新聞等で大きく報道されたことから,本件保険も学資保険と同。
,。様に収入認定の対象とならないと誤信したため申告しなかったのである
(2)争点(2)(本件保険に基づく育英年金を受け取ったにもかかわらず,収入
「」)申告書を提出しなかったことが不実の申請その他不正な手段に当たるか
(被告高松市の主張)
ア被告高松市は,原告に対し,収入,支出その他生計の状況について変動
があったときは,すみやかに,福祉事務所長にその旨を届け出なければな
らないという法61条の文言が記載された収入申告書を年2回郵送し,提
出するよう指導していたが,原告は,本件保険に基づく育英年金を実際に
受け取りながら,収入申告書を提出していない。また,平成15年2月2
8日,ケースワーカーがAの学費等について確認した際にも,その前に本
件保険に基づく育英年金を受け取っているにもかかわらず,育英年金のこ
とを伝えていない。このように,原告は,収入申告書提出の必要性を認識
していたにもかかわらず,本件保険に基づく育英年金を受け取ったことを
届け出ず,その存在を隠ぺいした。
イ原告は,確定申告をしていたと主張しているが,確定申告は,所得税の
取扱いに関するもので,生活保護法に基づく収入申告等の考え方とは異な
るものである。
ウ原告は,本件福岡高裁判決や本件最高裁判決から,本件保険に基づく育
英年金は収入認定の対象とはならないと誤信していたと主張するが,原告
は,平成16年7月6日付けの誓約書を提出しており,この時点で,本件
福岡高裁判決等を知っていたとすれば,そのことを根拠にして,誓約書を
提出することはないと考えられるから,原告は後付けの主張をしているに
すぎない。
(原告の主張)
ア原告は,年2回の収入申告書の提出について,指導を受けたことはない
し,福祉事務所の職員からその提出を催促されたこともない。収入申告書
を郵送していることをもって,原告がその内容を理解しているはずという
ことはできない。
イ原告は,平成14年度分以降,本件保険に基づく育英年金について所得
税の申告をしているところ,確定申告書は高松市役所にも渡るから,本件
保険の存在を故意に隠ぺいしようとするならば,所得税の申告をするはず
がない。
ウ原告は,福祉事務所の職員から,学資保険も収入に当たると言われ,納
得できない点があったものの,深く考えずに,平成16年7月6日付けの
誓約書に住所等を記入し,押印してしまったのである。原告は,その後,
同様の書類に署名するよう求められた際には,拒否すると伝えたが,保護
費と引き換えであると言われ,やむなく署名して提出した。
(3)争点(3)(本件処分通知書の瑕疵の有無)
(原告の主張)
本件処分通知書には,理由として,育英年金による収入を得たためという
,,記載しかなくどの年度の収入が返還の対象であるのか特定されていないし
147万0400円という金額になる理由も一切不明で,どのような不実の
申請その他不正な手段が行われたのかについての記載もない。処分理由は,
相手方の知不知にかかわらず,処分通知書の記載自体から知り得るものでな
ければならないから,審査請求段階で説明したからといって瑕疵が治癒され
ることはない。このように,本件処分通知書には,それ自体で本件処分の取
消しを免れない行政手続上の瑕疵が存在する。
(被告高松市の主張)
被告高松市は,課税調査の結果を受けて原告と協議する中で,不実・不正
の内容及び金額等を特定しているから,原告は本件処分通知書の内容を十分
承知していた。また,原告は,審査請求等をしており,その裁決書にも理由
が付記されていることなどからすると,原告は,どのような事実,法的理由
により本件処分がされたのかを十分認識できたといえ,原告に不利益があっ
たとは考えられない。
(4)争点(4)(本件裁決の固有の瑕疵の有無)
(原告の主張)
誤った事実に基づいてされた本件裁決には瑕疵がある。
(被告香川県の主張)
原告の主張する事実はすべて本件裁決固有の瑕疵ではない。
第3当裁判所の判断
1認定事実
(1)証拠(甲1,2,37の1ないし5,甲70,71ないし73(いずれ
も枝番を含む,79,82,110,115,乙イ1,3ないし5,7な)
(,),,,いし10ただし10は枝番を含む17ないし19調査嘱託の結果
証人D,証人E,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認め
られる。
ア原告は,昭和50年ころから平成3年ころまで,京都で暮らしており,
昭和▲年▲月▲日,Bとの間にAが生まれた。ただし,原告とBは婚姻す
,。,。ることはなく同居したこともなかったまたBはAを認知しなかった
,,,イBは平成元年7月19日Aを被保険者とする本件保険契約を締結し
その保険料を支払っていた(甲37の1及び2,甲110)。
「」本件保険の契約申込書の保険契約者・被保険者の親権者または後見人
の欄には「続柄(母」と記載され「C」という署名があり「C」と,),,
いう印鑑が押されている(調査嘱託の結果)。
ウ原告は,平成元年11月1日から平成4年5月1日まで,F保険相互会
社G支社に勤務していたが,その間の平成2年ころ,本件保険の存在を知
り,Bとの話し合いによりその保険証券を入手した。
エ原告は,平成7年及び10年にも生活保護を受給していたことがある。
(甲71)
オ平成10年10月9日,保護費等を原資として保険料を支払っていた学
資保険の満期保険金は収入認定の対象となるべき収入ないし資産等に当た
らない旨判示した本件福岡高裁判決が言い渡された。
カBは,平成12年4月26日,本件保険に基づき,中学校入学祝金を請
求し,受け取った。また,Bは,本件保険の証券の再発行を請求し,同年
5月2日,再発行を受けた(調査嘱託の結果)。
キBは,平成▲年▲月▲日死亡した(甲1)。
原告は,そのころ,香川県内で暮らしていたが,Bが経営していた飲食
,,。店に電話したことで同年11月10日ころBが死亡したことを知った
そこで,原告は,Aの相続に関して問い合わせるため,同月11日から何
度か,Bの経営していた飲食店等に電話し,Aの相続権を守るための調停
や裁判を起こすようになった(甲82,乙イ7)。
なお,原告は,Bの死亡を知ったころまでには,本件保険の証券が再発
行されていることに気付いていた。
ク原告は,同月14日,高松市福祉事務所において,生活保護の申請を行
った。福祉事務所の職員は,その際,原告に対し「生活保護のしおり」,
を見せながら,その内容を説明した「生活保護のしおり」には,収入に。
は,年金,生命保険等が含まれること,収入・支出その他生計の状況につ
いて変動があったときは,すみやかに届け出る必要があること等が記載さ
れている(甲72,乙イ1)。
,,,,,原告は申請の際職員に対し本件保険のことを伝えず保護申請書
収入申告書及び資産等の保有状況届出書にも,本件保険に関する記載をせ
ず,本件保険に基づく育英年金の振込先に指定したH銀行I支店の口座も
記載しなかった(甲72,73)。
ケ原告は,同年12月,Bの長男であるJから,Bが所持していた再発行
された本件保険の証券を受け取った。
原告は,同月4日,本件保険に基づく育英年金の開始請求をし,同月1
8日には,本件保険の証券の再発行を受けた。Aは,本件保険に基づく育
英年金として,同月25日に80万円,平成15年3月に40万1183
円,同年9月29日に80万円,平成16年9月29日に80万円を受け
取った(甲2,37の3ないし5,調査嘱託の結果)。
コ高松市福祉事務所においては,年2回,法61条の条文を記載した収入
申告書を郵送し,提出を指導しているが,原告は,生活保護の支給を受け
始めてから,収入申告書を提出したことはなく,本件保険に基づく育英年
金を受け取った際も,収入申告書を提出しなかった(乙イ19)。
サ原告は,平成15年2月28日,高松市福祉事務所において,職員に対
し,AがK高等専門学校に合格したことを伝えたが,その際,本件保険に
基づく育英年金を受け取ったことを話さなかった(乙イ10の5)。
シ平成16年3月16日,生活保護法の趣旨目的にかなった目的と態様で
保護金品等を原資とした貯蓄等は収入認定の対象とすべき資産に当たらな
いと判示し,本件福岡高裁判決に対する上告を棄却した本件最高裁判決が
言い渡された。
ス原告は,平成15年,本件保険に基づく育英年金を収入として所得税の
確定申告をしていたところ,高松市福祉事務所は,平成16年6月の課税
調査で,その事実を知り,同年7月,原告を高松市福祉事務所に呼び出し
て事実を確認した。すると,原告がこれを認めたため,原告に対し,その
育英年金は返還対象となるとして,返還手続のために,平成16年7月6
日付け誓約書(乙イ8)に署名させた。しかし,本件保険契約の詳細が不
明であったことから,原告に対し,保険証券を持参するよう指示し,上記
誓約書の不正受給金額欄等は空白のままこれを提出させた。
原告は,その数日後,本件保険の証券を高松市福祉事務所に持参し,こ
れを複写することを承諾したが,本件最高裁判決を根拠にして,本件保険
に基づく育英年金が返還対象となることについて異議を述べた(乙イ1。
0の13及び14)
セ高松市福祉事務所は,平成16年9月29日に育英年金80万円が支払
われたことから,同年10月以降,保護費の返還を指導するため原告に来
所を求めたが,原告は,多忙等を理由にすぐには来所せず,同年12月に
来所した際には,弁護士に相談するので待ってもらいたいなどと述べて,
保護費の返還には応じなかった(乙イ10の14及び15)。
原告は,平成17年2月,高松市福祉事務所の職員が,返還義務を認め
る誓約書に署名・押印しなければ,同月分の保護費を支弁しないかのよう
に述べたことからやむなく誓約書甲27の1及び履行延期申請書甲,()(
27の2)に署名・押印し,同月分の保護費の入った封筒(甲27の3)
を受け取った(甲70)。
ソ高松市福祉事務所長は,診断会議において,本件最高裁判決は,生活保
護法による保護を受けている者が同法の趣旨目的にかなった目的と態様で
保護金品又はその者の金銭若しくは物品を原資としてした貯蓄等は,同法
4条1項にいう「資産」又は同法(平成11年法律第160号による改正
前のもの)8条1項にいう「金銭又は物品」に当たらないとするものであ
り,原告の長男の父が保険契約者として保険料を支払っていた本件とは事
案を異にするとの意見で一致し,①原告が本件保険を知りながら生活保護
申請時にこれを申告しなかったこと,②育英年金の支払を受けながら,こ
れを申告しなかったこと,③年2回郵送される収入申告書を1年半にわた
り提出しなかったこと,④被告高松市の課税調査により育英年金受領の事
実が判明したことなどから,原告が故意に本件保険に基づく収入を隠ぺい
したとの意見が集約されたことから,その結果に基づき,同年3月9日,
費用徴収金額を160万円とする当初の費用徴収金決定処分をした(乙。
イ19)
同処分はその後再審査請求で取り消され,高松市福祉事務所長は,改め
て,本件処分をし,これに対する審査請求が棄却され,さらに,再審査請
求を棄却する本件裁決がされた。
タ高松市福祉事務所長は,原告が提出した資料によれば,Aが18歳から
21歳までの間は育英年金が支払われることから,平成18年9月29日
付けで,原告に対し,育英年金の活用により保護を要しないと認められる
ことを理由に,同年10月1日より保護を停止するとの決定をした(乙。
イ10の20)
高松市福祉事務所長は,その後原告が保護の再開を求めたため,停止以
降の育英年金の使途や預金通帳の写しを提出させて検討し,同年11月2
2日から保護を再開した(乙イ10の21)。
(2)被告高松市は,平成15年2月28日,ケースワーカーが原告方を訪問
した際,長男がK高等専門学校に合格したと聞き,その学資等について確認
した際,原告は,合格したばかりで考えていないと回答し,本件保険に基づ
く育英年金を受給していることを隠したと主張する。証人Dの証言には,こ
れと同旨を述べる部分があるが,原告方を訪問した際ではなく,原告が高松
市福祉事務所に来所した際のこととされており,くい違いがみられる。これ
に対し,原告は,ケースワーカーから学費をどうするつもりかとは聞かれて
いない,入学のときまでに育英年金は全部使ってしまっていたので,どうし
ようかと相談したら,貸付けを受けたらいい,生活保護費からは学費は出な
いなどと言われたと供述する(原告本人54頁。証人Dの証言に確たる裏)
付けはなく,原告が育英年金を意図的に隠すような言動をしたと認めるには
足りないというべきである。
2争点(1)(原告の生活保護の申請は「不実の申請その他不正な手段」に当た
るか)について
(1)「不実の申請その他不正な手段(法78条)には,積極的に虚偽の事」
実を申請することはもちろん,消極的に故意に事実を告げないことも含まれ
ると解されるところ,生活保護行政実務では,①届出又は申告について口頭
又は文書による指示をしたにもかかわらずそれに応じなかったとき,②届出
又は申告に当たり明らかに作為を加えたとき,③届出又は申告に当たり特段
の作為を加えない場合でも,実施機関又はその職員が届出又は申告の内容等
の不審について説明を求めたにもかかわらずこれに応じず,又は虚偽の説明
を行ったようなときが,法78条を適用して費用徴収をするのが妥当な場合
とされている(乙イ4,5。)
(2)前提事実及び上記認定事実によれば,原告は,平成2年には,本件保険
の存在及びその内容を知り,平成14年11月10日ころ,Bが死亡したこ
とを知ったのであるから,そのころには,本件保険に基づく育英年金支払請
求権が発生した可能性があることを認識していたと認められる。しかしなが
ら,原告は,そのころ,本件保険の証券が再発行されたことにも気付いてお
り,原告がそのとき所持していた保険証券では育英年金の支払請求ができな
いことも知っていたと認められるから,その当時,本件保険に基づく育英年
金支払請求権が発生し,その権利がAに属していることについて,原告に確
たる認識があったとまでは認めることができない。
原告が生活保護を申請したのは平成14年11月14日であるところ,申
請時の育英年金に関する原告の認識がこのようなものにすぎなかったことか
らすれば,原告は,申請時,故意に本件保険の存在を隠ぺいしたとまではい
えず,申告に明らかに作為を加えたとは断定できない。
(3)したがって,生活保護申請の際,原告が本件保険の存在を申告しなかっ
たことが,法78条にいう「不実の申請その他不正な手段」に当たるとは認
められない。
3争点(2)(本件保険に基づく育英年金を受け取ったにもかかわらず,収入申
告書を提出しなかったことが「不実の申請その他不正な手段」に当たるか)に
ついて
(1)前提事実及び前記1の認定事実によれば,原告は,平成14年12月4
日,本件保険に基づく育英年金の開始請求を行っているから,遅くともこの
時点では,本件保険に基づく育英年金支払請求権が発生し,その権利がAに
,,,属していることについて確たる認識を有していたと認められるが原告は
本件福岡高裁判決を報道で知り,生活保護受給者であっても学資保険の保有
が認められると思っており,その保険金を収入として申告する必要があると
は思っていなかったと主張する。
原告は過去に生活保護を受給していたことがあり,平成2年には本件保険
,,の存在を知っていたことからすると本件福岡高裁判決が広く報道された際
関心を持ってこれに接したものと考えられる。しかし,原告は,本件福岡高
裁判決を報道で見聞きしたにすぎず,その内容を詳細に検討したわけではな
いとも述べており(原告本人,原告が法律や生活保護制度について専門的)
知識を有していないことも合わせて考えると,同判決について,生活保護受
給者に学資保険の保有が認められた程度の認識しかなかったとも考えられ
る。そうすると,原告が,本件保険も学資保険と同様の保険であるから,保
有が認められるものであって,これに基づく育英年金を受け取っても収入と
して申告する必要はないと誤信していたということは,十分にあり得るとこ
ろである。
したがって,原告が,本件保険に基づく育英年金の開始請求をした際にこ
,,れを申告せず育英年金を受け取った後に収入申告書を提出しなかったのは
本件福岡高裁判決の趣旨を誤解していたことに起因すると考える余地があ
り,原告が故意にそれらの事実を隠ぺいしたと認めるには足りないから,申
告に明らかな作為を加えたと断定することはできない。
(2)被告高松市は,原告が平成16年7月6日付け誓約書を提出しているこ
とから,本件保険に基づく育英年金が収入認定の対象にならないと誤信して
いたという原告の主張は後付けのものであると主張するが,前記1で認定し
,,,たとおり原告は不正受給に当たることや保護費を返還することについて
,,納得した上で誓約書に署名・押印したものとは認められずその数日後には
実際に,本件最高裁判決を根拠として異議を述べていることからすれば,原
告が後付けの主張をしていると決めつけることはできない。
(3)なお,原告は,平成16年10月以降,高松市福祉事務所から,育英年
金が収入に当たるとして保護費の返還を求められたのに,本件最高裁判決を
根拠として,返還義務はないと主張し返還に応じなかった。本件最高裁判決
は,被告高松市も主張するように,学資保険の原資の点において本件とは事
案を異にするものであるから,その点では,本件最高裁判決を根拠に保護費
の返還義務がないとする原告の主張は,法的判断としては誤っていたという
ことになる。
しかし,高等専門学校の就学に要する経費について,生活保護行政実務の
扱いに関しては,別紙記載の通知があり,これに照らすと,本件保険に基づ
く育英年金の全額について,当然に収入として認定すべきものとは解されな
い。別紙記載のように,高等専門学校の就学に要する経費については,必要
不可欠なものは技能修得費として支給対象とされ,支給対象とならない経費
にあてられた一定の収入についても,収入として認定しないものとして,自
立更生につながるような考慮がされている。世帯員以外の者が保険料を負担
した学資保険に基づく育英年金は,自立更生を目的として恵与される金銭に
,,近い性質を有するのであるから別紙記載の通知の趣旨に照らして考えると
直ちに就学等にあてられるもの等については,収入として認定すべきではな
いといえる。
そうすると,本件保険契約に基づく育英年金については,その存在が判明
したときに,当然にその全額に相当する保護費を返還すべきものとして指導
,,をするのではなく上記の趣旨に照らして収入から除外すべき金額を確定し
法63条に基づいてその一部を返還させるのが穏当な処理であったといえ
る。その点では,保護費の返還を拒んだ原告の対応にも,理由のある部分は
あったのであるから,原告の対応にそれほどの違法性・不当性があったとは
いえない。
(4)したがって,原告が,本件保険に基づく育英年金を受け取ったにもかか
わらず,収入申告書を提出しなかったことが,法78条にいう「不実の申請
その他不正な手段」に当たるとは認められない。
4争点(3)(本件処分通知書の瑕疵の有無)について
処分の理由を提示する際は,単に根拠規定を示すだけでは足りず,処分通知
書の記載自体から理由を知り得るものでなければならない。
本件処分通知書には,簡潔に過ぎるきらいはあるものの,育英年金による収
入を得たためと理由の記載がある(甲13)から,本件処分通知書に行政手続
上の瑕疵があり,違法であるということはできない。
5争点(4)(本件裁決の固有の瑕疵の有無)について
裁決取消しの訴えにおいては,当該裁決固有の瑕疵が存在するか否かが審理
の対象とされるところ(行政事件訴訟法10条2項,原告の主張は,原処分)
である本件処分の実体的な適法性を争うにとどまるものであるから,本件裁決
の取消しを求める原告の主張は失当である。
また,本件全証拠によっても,本件裁決に固有の瑕疵があったと認めること
はできない。
第4結論
以上によれば,本件裁決は適法であると認められるが,本件処分は違法であ
ると認められる。
よって,原告の被告高松市に対する請求は理由があるから認容し,被告香川
県に対する請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
高松地方裁判所民事部
森實将人裁判長裁判官
真鍋麻子裁判官
松田克之裁判官
別紙
1生活保護法の定め
61条
被保護者は,収入,支出その他生計の状況について変動があったとき,又は居
住地若しくは世帯の構成に異動があったときは,すみやかに,保護の実施機関又
は福祉事務所長にその旨を届け出なければならない。
62条1項
被保護者は,保護の実施機関が,第30条第1項ただし書の規定により,被保
護者を救護施設,更生施設若しくはその他の適当な施設に入所させ,若しくはこ
れらの施設に入所を委託し,若しくは私人の家庭に救護を委託して保護を行うこ
とを決定したとき,又は,第27条の規定により,被保護者に対し,必要な指導
又は指示をしたときは,これに従わなければならない。
63条
被保護者が,急迫の場合等において資力があるにもかかわらず,保護を受けた
,,,ときは保護に要する費用を支弁した都道府県又は市町村に対してすみやかに
その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額
を返還しなければならない。
78条
不実の申請その他不正な手段により保護を受け,又は他人をして受けさせた者
があるときは,保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は,その費用の全部又
は一部を,その者から徴収することができる。
2生活保護法による保護の実施要領について(昭和36年4月1日厚生省発社第
123号厚生事務次官通知乙イ20)
第8収入の認定
3認定指針
(3)次に掲げるものは,収入として認定しないこと。
エ自立更生を目的として恵与される金銭のうち当該被保護世帯の自立更
生のためにあてられる額
ク高等学校等で就学しながら保護を受けることができるものとされた者
の収入のうち,生活保護法による保護の基準(昭和38年厚生省告示第
158号)別表第7「生業扶助基準」に規定する高等学校等就学費の支
給対象とならない経費及び高等学校等就学費の基準額で賄いきれない経
費であって,その者の就学のために必要な最小限度の額(ウからキまで
に該当するものを除く。)
3生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246
号厚生省社会局長通知(厚生労働省ホームページ))
第6最低生活費の認定
8生業費,技能修得費及び就職支度費
(2)技能修得費
イ高等学校等就学費
(ア)高等学校等就学費は,高等学校等に就学し卒業することが当該世
帯の自立助長に効果的であると認められる場合について,原則として
当該学校における正規の就学年限に限り認定すること。
(ウ)学校教育活動のために全ての生徒について学級費,生徒会費及び
PTA会費等(以下「学級費等」という。)として保護者が学校に納付
する場合であって,保護の基準別表第7に規定する基本額によりがた
いときは,学級費等について月額1560円の範囲内において特別基
準の設定があったものとして必要な額を認定して差しつかえない。
(エ)教材代の認定を行う場合には,必要に応じて教材の購入リスト等
の提出を求めるなど,必要とする実費の額の確認を行うこと。
正規の授業で使用する教科書等の範囲は,当該授業を受講する全生
徒が必ず購入することとなっている教科書,副読本的図書,ワークブ
ック及び和洋辞典であること。
(オ)高等学校等に入学する生徒が,入学の際,入学準備のための費用
を必要とする場合は,6万1400円の範囲内において特別基準の設
定があったものとして必要な額を認定して差しつかえないこと。この
場合,原則として金銭給付によることとするが,現物給付によること
が適当であると認められるときは現物給付によることとして差しつか
えないこと。
(カ)生徒が身体的条件,地理的条件又は交通事情により交通費を伴う
方法による以外には通学する方法が全くないか,又はそれによらなけ
れば通学がきわめて困難である場合においては,その通学のため必要
な最小限度の交通費の額を計上すること。
第7収入認定の取扱い
2収入として認定しないものの取扱い
(3)貸付資金のうち当該被保護世帯の自立更生のために当てられることに
より収入として認定しないものは次のいずれかに該当し,かつ,貸付けを
受けるについて保護の実施機関の事前の承認があるものであって,現実に
当該貸付けの趣旨に即し使用されているものに限ること。
イ就学資金(高等学校等就学費の支給対象とならない経費及び高等学校
等就学費の基準額でまかないきれない経費であって,その者の就学のた
めに必要な最小限度の額にあてられる場合に限る。)
(4)自立更生のための恵与金,災害等による補償金,保険金若しくは見舞
金,指導,指示による売却収入又は死亡による保険金のうち,当該被保護
世帯の自立更生のためにあてられることにより収入として認定しない額
は,直ちに生業,医療,家屋補修等自立更生のための用途に供されるもの
に限ること。ただし,直ちに生業,医療,家屋補修,就学等にあてられな
い場合であっても,将来それらにあてることを目的として適当な者に預託
されたときは,その預託されている間,これを収入として認定しないもの
とすること。
また,当該金銭を受領するために必要な交通費等及び補償金等の請求に
要する最小限度の費用は,必要経費として控除して差しつかえない。
4生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて(昭和38年4月1日社保
第34号保護課長通知乙イ21)
第3資産の活用
問20保護受給中に学資保険の満期保険金(一時金等を含む)又は解約返戻金
を受領した場合について高等学校等就学費との関係も踏まえて取扱いを
示されたい。
答満期保険金等を受領した場合,開始時の解約返戻金相当額については,法
第63条を適用し返還を求めることとなるが,本通知第6の問40の(2)の
オに定める就学等の費用にあてられる額の範囲内で,返還を要しないものと
して差しつかえない。なお,この場合,高等学校等就学費の支給対象となら
ない経費及び高等学校等就学費の基準額でまかないきれない経費であって,
その者の就学のために必要な最小限度の額にあてられる場合については,高
等学校等就学費は基準額どおり計上しても差しつかえない。
開始時の解約返戻金相当額以外については「保護費のやり繰りによって,
生じた預貯金等の取扱い」と同様に,使用目的が生活保護の趣旨目的に反し
ない場合については,収入認定の除外対象として取り扱い,当該収入があて
られる経費については,保護費の支給又は就労に伴う必要経費控除の必要が
ないものであること。
第8収入の認定
問40局長通知第8の2の(3)及び(4)にいう自立更生のための用途に供され
る額の認定は,どのような基準によるべきか。
答被保護世帯の自立更生のための用途に供されるものとしては,次に掲げる
経費にあてられる額を認めるものとすること。これによりがたい特別の事情
がある場合は,厚生労働大臣に情報提供すること。
なお,この場合,恵与された金銭又は補償金等があてられる経費について
は,保護費支給又は就労に伴う必要経費控除の必要がないものであること。
(2)(1)に掲げるもののほか,実施機関が当該被保護世帯の構成,世帯員の
稼働能力その他の事情を考慮し,次に掲げる限度内において立てさせた自
立更生計画の遂行に要する経費
オ当該経費が,就学等にあてられる場合は,次に掲げる額
(ウ)当該経費が高等学校等,夜間大学又は技能修得費(高等学校等就
学費を除く)の対象となる専修学校若しくは各種学校での就学にあて
られる場合は,入学の支度及び就学のために必要と認められる最小限
度の額(貸付金については,原則として,高等学校等就学費の支給対
象とならない経費及び高等学校等就学費の基準額でまかないきれない
経費であって,その者の就学のために必要な最小限度の額にあてられ
る場合に限る。)

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