弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人針谷紘一の上告趣意のうち、判例違反をいう点は、事案を異にする判例を
引用するものであって、本件に適切でなく、その余は、事実誤認、単なる法令違反
の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
 なお、所論にかんがみ、職権によって判断する。
 原判決の認定及び記録によると、本件の事実関係は、次のとおりである。
1 株式会社A不動産は、平成四年一二月ころ、その所有する大阪市a区所在の宅
地一二六・一五平方メートル(以下「本件土地」という。)を、転貸を禁止し、直
ちに撤去可能な屋台営業だけを認めるとの約定で、Bに無償で貸し渡した。
2 Bは、そのころ、本件土地上に、(1)約三六本の鉄パイプをアスファルト面
に穴を開けて差し込み、これにねじ締め式器具を使って、長さ約三メートルの鉄パ
イプを縦につないで支柱とし、(2)支柱の上部、下部及び高さ約一・五メートル
の部分に、右器具を使って鉄パイプを横に渡し、(3)以上の骨組みの上面に、鉄
パイプを網の目状に配して右器具でつなぎ、その上に角材を載せて針金で固定した
上、トタンの波板等をくぎ付けして屋根にし、(4)側面にビニールシートを垂ら
し鉄パイプにひもで結び付けて壁面とするという方法により、L字型の仮設の店舗
を構築した。Bは、その後、さらに、(1)約四本の鉄パイプを埋設してセメント
で固定し、(2)右パイプの上部から既存の鉄パイプに鉄パイプを渡して溶接して
固定し、(3)その上部に塩化ビニール樹脂の波板を張って屋根にし、側面にビニ
ールシートを垂らして壁面とするという方法により、これをく形にするための増築
を加えた。
3 Bは、前記施設(以下「本件施設」という。)で飲食業を営んでいたが、平成
六年六月ころ、Cに対し、本件土地を転貸や直ちに撤去できる屋台以外の営業が禁
止されていることを伝えて賃貸し、本件土地及び本件施設を引き渡した。
4 Cもまた、本件施設で飲食業を営んでいたが、同年一一月ころ、被告人に対し、
本件土地を転貸や直ぐ撤去できる屋台以外の営業が禁止されていることを伝えて賃
貸し、本件土地及び本件施設を引き渡した。
5 被告人は、同月下旬ころから同年一二月一日ころにかけて、(1)本件施設の
側面の鉄パイプにたる木を縦にくくり付けるなどした上、これに化粧ベニヤを張り
付けて内壁を作り、(2)本件土地上にブロックを置き、その上に角材を約一メー
トル間隔で敷き、これにたる木を約四五センチ間隔で打ち付け、その上にコンクリ
ートパネルを張って床面を作り、(3)上部の鉄パイプにたる木をくくり付けるな
どした上、天井ボードを張り付けて天井を作り、(4)たる木に化粧ベニヤを両面
から張り付けて作った壁面で内部を区切って八個の個室を作り、各室にシャワーや
便器を設置するという方法により、風俗営業のための店舗(以下「本件建物」とい
う。)を作った。
6 本件建物は、本件施設の骨組みを利用して作られたものであるが、同施設に比
べて、撤去の困難さは、格段に増加していた。
 以上によれば、Bが本件土地上に構築した本件施設は、増築前のものは、A不動
産との使用貸借契約の約旨に従ったものであることが明らかであり、また、増築後
のものは、当初のものに比べて堅固さが増しているとはいうものの、増築の範囲が
小規模なものである上、鉄パイプの骨組みをビニールシートで覆うというその基本
構造には変化がなかった。ところが、【要旨】被告人が構築した本件建物は、本件
施設の骨組みを利用したものではあるが、内壁、床面、天井を有し、シャワーや便
器を設置した八個の個室からなる本格的店舗であり、本件施設とは大いに構造が異
なる上、同施設に比べて解体・撤去の困難さも格段に増加していたというのである
から、被告人は、本件建物の構築により、所有者であるA不動産の本件土地に対す
る占有を新たに排除したものというべきである。したがって、被告人の行為につい
て不動産侵奪罪が成立するとした原判断は、正当である。
 よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、
主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 福田 博 裁判官 河合伸一 裁判官 北川弘治 裁判官 亀山
継夫 裁判官 梶谷 玄)

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