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平成28年10月26日判決言渡
平成28年(行ケ)第10058号審決取消請求事件
口頭弁論終結日平成28年10月12日
判決
原告X
被告富士重工業株式会社
訴訟代理人弁理士久米川正光
木下茂
澤田優子
主文
1特許庁が無効2015-800071号事件について平成28年1月
26日にした審決を取り消す。
2訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第1原告の求めた裁判
主文同旨
第2事案の概要
本件は,特許無効審判請求を不成立とした審決の取消訴訟である。争点は,明確
性要件違反の有無,新規性・進歩性の有無である。
1特許庁における手続の経緯
被告は,平成17年9月30日,発明の名称を「ドライブスプロケット支持構造」
とする発明につき,特許を出願し(特願2005-287276号),平成24年2
月24日,設定登録(特許第4933764号)を受けた(請求項の数3。甲1。
以下「本件特許」という。)。
原告は,平成27年3月23日,本件特許の請求項1ないし3に係る発明につい
て特許無効審判を請求した(無効2015-800071号。甲7。)。
特許庁は,平成28年1月26日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審
決をし,その謄本は,同年2月4日,原告に送達された。
2本件発明の要旨
本件特許の請求項1ないし3の発明に係る記載は,次のとおりである(甲1。以
下,これらの発明をそれぞれ「本件発明1」ないし「本件発明3」といい,本件発
明1ないし3を併せて「本件発明」という。本件特許の特許公報(甲1)記載の明
細書及び図面を併せて「本件明細書」という。)。
【請求項1】(本件発明1)
「ドライブスプロケットが軸方向に移動自在かつ回転方向に規制された状態でト
ルクコンバータからの回転が伝達された回転軸に係合したドライブスプロケット支
持構造であって,
前記ドライブスプロケットは,前記回転軸と嵌め合うことで前記回転軸のみによ
って回転中心を定められ,
前記回転軸との嵌め合い前の前記ドライブスプロケットと嵌め合うことで前記ド
ライブスプロケットの回転中心を保持するドライブスプロケット保持部が設けられ、
前記スプロケット保持部と前記ドライブスプロケットとの間の嵌め合い間隙が前
記回転軸と前記ドライブスプロケットとの間の嵌め合い間隙よりも大きく設定され
ていることを特徴とするドライブスプロケット支持構造。」
【請求項2】(本件発明2)
「前記ドライブスプロケットと前記スプロケット保持部は,前記ドライブスプロ
ケットの内周面と前記スプロケット保持部の外周面が対向するようにそれぞれ配置
されていると共に,
前記ドライブスプロケットの内周面と前記スプロケット保持部の外周面との間に
生じている間隙が,前記回転軸と前記ドライブスプロケットとの間の半径方向の間
隙よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のドライブスプロ
ケット支持構造。」
【請求項3】(本件発明3)
「前記ドライブスプロケットと前記スプロケット保持部は,前記ドライブスプロケ
ットの外周面と前記スプロケット保持部の内周面が対向するようにそれぞれ配置さ
れていると共に,
前記ドライブスプロケットの外周面と前記スプロケット保持部の内周面との間の
間隙が,前記回転軸と前記ドライブスプロケットとの間の半径方向の間隙よりも大
きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のドライブスプロケット支持
構造。」
3審判における請求人(原告)の主張
本件発明は,①請求項1の「ドライブスプロケットが軸方向に移動自在かつ回転
方向に規制された状態でトルクコンバータからの回転が伝達された回転軸に係合し
たドライブスプロケット支持構造」という事項が,ドライブスプロケットが回転軸
に組み付けられて支持された状態で軸方向に移動可能であることを意味するのか,
ドライブスプロケットと回転軸とを組み付ける際に軸方向に挿入することができる
ドライブスプロケットと回転軸の係合関係のみを意味するのか,不明であるから,
特許を受けようとする発明が明確であるとはいえず,特許法36条6項2号の明確
性要件に違反する,②請求項1の「前記ドライブスプロケットは,前記回転軸と嵌
め合うことで前記回転軸のみによって回転中心を定められ,」「前記スプロケット保
持部と前記ドライブスプロケットとの間の嵌め合い間隙が前記回転軸と前記ドライ
ブスプロケットとの間の嵌め合いの間隙よりも大きく設定されている」という事項
が,甲2(特開平4-337151号公報)に実質的に記載されており,特許法2
9条1項3号に該当する,③仮に,「前記スプロケット保持部と前記ドライブスプロ
ケットとの間の嵌め合い間隙が前記回転軸と前記ドライブスプロケットとの間の嵌
め合いの間隙よりも大きく設定されている」という事項を甲2の記載から読みとれ
ないとしても,ドライブスプロケットはポンプハブによってのみ回転中心を定め,
ドライブスプロケット張出部外周は変速機ハウジングの円形開口部内周及びカバー
の円形開口部内周とは接触しないように設計することが普通であり,相違点に係る
構成は,当事者が必要に応じて適宜設計する設計事項であるから,甲2に記載され
た発明(甲2発明)に基づいて,当業者が容易に発明できたものであり,特許法2
9条2項に該当するから,特許を受けることができない。
4審決の理由の要点
(1)明確性要件について
本件発明1の「ドライブスプロケットが軸方向に移動自在かつ回転方向に規制さ
れた状態でトルクコンバータからの回転が伝達された回転軸に係合したドライブス
プロケット支持構造」との事項は,その文言及び本件明細書の記載からみて,ドラ
イブスプロケットが回転中の回転軸に係合していることを明確に特定しているとい
える。
したがって,前記事項は,特許を受ける発明を明確に記載したものであるから,
請求項1並びにこれを引用する請求項2及び3の記載は,特許法36条6項2号の
規定に適合する。
(2)新規性・進歩性について
ア甲2発明の認定
甲2発明は,次のとおりである。
「ドライブスプロケット21が左側張出部の内周面でポンプハブ11の外周面に
結合し,中央部の内周面及び右側張出部の内周面でポンプハブ11にスプライン結
合した状態でトルクコンバータ1からの回転が伝達されたポンプハブ11に係合し
たドライブスプロケット21の取付構造であって,
前記ポンプハブ11との組み付け前の前記ドライブスプロケット21の左側張出
部の外周面又は右側張出部の外周面の端部と嵌め合うことで前記ドライブスプロケ
ット21を保持するカバー52の内周面又は変速機ハウジング張出部の内周面が設
けられるドライブスプロケット21の取付構造。」
イ本件発明1と甲2発明の対比
(ア)一致点の認定
本件発明1と甲2発明とを対比すると,次の点で一致する。
「ドライブスプロケットがトルクコンバータからの回転が伝達された回転軸に係合
したドライブスプロケット支持構造であって,
前記回転軸との嵌め合い前の前記ドライブスプロケットと嵌め合うことで前記ド
ライブスプロケットの回転中心を保持するドライブスプロケット保持部が設けられ
るドライブスプロケット支持構造。」
(イ)相違点の認定
本件発明1と甲2発明とを対比すると,次の点が相違する。
a相違点1
本件発明1は,「ドライブスプロケットが軸方向に移動自在かつ回転方向に規制さ
れた状態でトルクコンバータからの回転が伝達された回転軸に係合」するのに対し,
甲2発明は,「ドライブスプロケット21が左側張出部の内周面でポンプハブ11の
外周面に結合し,中央部の内周面及び右側張出部の内周面でポンプハブ11にスプ
ライン結合した状態でトルクコンバータ1からの回転が伝達されたポンプハブ11
に係合」する点。
b相違点2
本件発明1は,「前記ドライブスプロケットは、前記回転軸と嵌め合うことで前記
回転軸のみによって回転中心を定められ」るのに対し,甲2発明は、かかる構成を
備えるか不明である点。
c相違点3
本件発明1は,「前記スプロケット保持部と前記ドライブスプロケットとの間の嵌
め合い間隙が前記回転軸と前記ドライブスプロケットとの間の嵌め合い間隙よりも
大きく設定されている」のに対し,甲2発明は,かかる構成を備えるか不明である
点。
(ウ)相違点の判断
a相違点1の判断
本件発明1と甲2発明とは,「ドライブスプロケットが軸方向に移動自在かつ回転
方向に規制された状態でトルクコンバータからの回転が伝達された回転軸に係合」
するという事項において実質的に相違しているから,両者は同一でない。
そして,甲2には,ドライブスプロケット21を回転中のポンプハブ11に軸方
向に移動自在とすることを想起させる記載や示唆はないから,甲2発明において,
相違点1に係る本件発明1の構成とすることは,当業者が容易に想到し得たという
ことはできない。
また,甲3及び4にも,前記事項を想起させる記載や示唆はないから,甲2発明
において,甲3又は4に記載された事項を適用して、相違点1に係る本件発明1の
構成とすることは、当業者が容易に想到し得たということはできない。
そして,本件発明1が奏する効果は、甲2発明、甲3又は4に記載された事項か
ら当業者が予測できるものといえない。
したがって,本件発明1は,甲2発明と同一でなく,甲2発明に基づいて当業者
が容易に発明することができたものでなく,また,甲2発明及び甲3又は4に記載
された事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものでもない。
本件発明2及び3は,本件発明1の発明特定事項の全てを含んだものであるとこ
ろ,本件発明2は,甲2発明及び甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に
発明することができたものではなく,また,本件発明3は,甲2発明と同一でなく,
甲2発明及び甲3又は4に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明すること
ができたものでもない。
b相違点2の判断
甲2発明のドライブスプロケット21は,径方向において、ポンプハブ11以外
の部材に支持されていないから,甲2発明は,ポンプハブ11のみによって回転中
心を定めるものである。
また,甲2発明のポンプハブ11にドライブスプロケット21を組み付けること
は,本件発明1の回転軸にドライブスプロケットを嵌め合うことに相当する。
したがって,甲2発明は,相違点2に係る本件発明1の構成を備えるものである
から,相違点2は,実質的に相違点ではない。
c相違点3の判断
甲2発明は,ポンプハブ11にドライブスプロケット21を組み付ける際に,ポ
ンプハブ11をドライブスプロケット21に挿入して行うから,ポンプハブ11と
ドライブスプロケット21とが接した状態で挿入するか,又は,両者の間に間隙を
設けて挿入することは,技術的に自明である。
また,甲2発明は,カバー52の内周面及び変速機ハウジング張出部の内周面と
ドライブスプロケット21の左側張出部の外周面及び右側張出部の外周面の端部と
の間に,回転中の接触を生じさせない程度の間隙を有する。
そうすると,回転中に,カバー52の内周面及び変速機ハウジング張出部の内周
面とドライブスプロケット21の左側張出部の外周面及び右側張出部の外周面の端
部との間隙を維持するために,組み付ける際の当該間隙を,ポンプハブ11とドラ
イブスプロケット21との前記組み付ける際の間隙より大きく設計することは,当
業者にとって普通のことである。
そして,甲2発明の「ポンプハブ11とドライブスプロケット21との前記組み
付ける際の間隙」は,本件発明1の「前記回転軸と前記ドライブスプロケットとの
間の嵌め合い間隙」に相当し,甲2発明の「カバー52の内周面及び変速機ハウジ
ング張出部の内周面とドライブスプロケット21の左側張出部の外周面及び右側張
出部の外周面の端部との組み付ける際の間隙」は,本件発明1の「前記スプロケッ
ト保持部と前記ドライブスプロケットとの間の嵌め合い間隙」に相当する。
したがって,甲2発明は,相違点3に係る本件発明1の構成を備えるものである
から,相違点3は,実質的に相違点ではない。
第3原告主張の審決取消事由
1取消事由1(明確性要件違反に関する認定・判断の誤り)
(1)明確性要件について
本件発明1の「ドライブスプロケットが軸方向に移動自在かつ回転方向に規制さ
れた状態でトルクコンバータからの回転が伝達された回転軸に係合したドライブス
プロケット支持構造」との事項(以下「構成要件A」という。)については,次の3
つの解釈が成り立つ。
①ドライブスプロケットが回転中に回転軸に係合した状態(ドライブスプロケッ
トが変速機に組み付けられ,支持された状態)を特定したもの
②ドライブスプロケットと回転軸を組み付ける際の状態を特定したもの
③回転軸とドライブスプロケットとの係合関係(ドライブスプロケットの外周面
と回転軸の外周面との間に微小なすきまがあること)のみを特定したもの
すなわち,特許請求の範囲の記載の一般的な文言解釈によれば,構成要件Aは,
前記①のとおりに解することができる。一方,本件明細書の発明の詳細な説明には,
そのように解した場合のドライブスプロケット25と回転軸19とが軸方向移動可
能であることの技術的意義が記載されておらず,ドライブスプロケット25と回転
軸とを組み付ける際の作用しか記載されていないから,構成要件Aを,前記②のと
おりに解することができ,前記①の状態でのドライブスプロケットと回転軸との関
係については何ら特定されていないと解することもできる。また,回転軸とドライ
ブスプロケットは,変速機に組み込まれた状態では,他の部材に軸方向の移動を規
制されるから,相対的に軸方向に移動することができる場合とできない場合がある
ところ,いずれの場合であっても,ドライブスプロケットが回転軸に対して軸方向
に移動可能に係合しているというためには,回転軸が貫通するドライブスプロケッ
トの内周面と回転軸の外周面との間にすきまがなければならないから,構成要件A
を,前記③のとおりに解することもできる。
ドライブスプロケット25と回転軸19とが軸方向に移動自在な結合手段に関す
る技術的意義を考慮せずに,発明の詳細な説明に記載された発明の効果のうちの一
部のみを取り上げてした審決の認定は誤りであり,この認定の誤りは,審決の結論
に影響を及ぼす。
(2)被告の主張について
文言上,ドライブスプロケットと回転軸との関係が特定されているからといって,
その関係が,いずれの状態における関係を特定したものであるかは明らかではない。
審決の「回転中」とは,変速機の運転中を意味するから,ドライブスプロケット
が回転軸に組み付けられ支持された状態にほかならない。「回転中」の状態に限定し
た解釈は,「トルクコンバータからの回転が伝達された」を文言どおり解釈したもの
ではないから,「『トルクコンバータからの回転が伝達された』を回転中に言い換え
たことによって,何らかの新たな解釈が付加されたとは考え難い。」との被告の主張
は,誤りである。
2取消事由2(新規性・進歩性の判断の前提となる本件発明及び甲2発明の認
定の誤り)
審決は,本件発明の認定を誤るとともに,甲2発明の認定を誤り,その認定の誤
りの結果,本件発明と甲2発明の相違点の認定を誤ったものであって,この認定の
誤りは,審決の結論に影響を及ぼす。
(1)本件発明1の認定の誤りによる相違点1の認定の誤り
ア本件発明の構成要件Aについては,前記1(1)①~③の3つの解釈が成り
立つ。
イ甲2発明は,カバー52を変速機ハウジング51に結合するボルト52
aが,トルクコンバータ1の外形よりも小さな径の位置にあり,ドライブスプロケ
ット21をポンプハブ11と結合した後に,変速機ハウジング51とカバー52と
を組み付けることはできない。そうすると,ドライブスプロケット21とポンプハ
ブ11との組付けは,まず,変速機50に組み付けられた変速機ハウジング51に
ドライブスプロケット21とチェーン22を組み込み,その後,カバー52をかぶ
せてボルト52aで固定してアセンブリとし,これにトルクコンバータ側のアセン
ブリを組み付けることにより,ドライブスプロケット21とポンプハブ11とを結
合させて組み付けるものである。
このような組付けをするためには,ドライブスプロケット21とポンプハブ11
とは,軸方向移動自在の状態でなければならないし,軸方向移動自在の関係(ドラ
イブスプロケット21の内周面とポンプハブ11外周面との間に微小なすきまがあ
る関係)になければならない。
ウ本件発明1の構成要件Aを前記1(1)②又は③のように解釈すれば、甲2
発明の「ドライブスプロケット21が左側張出部の内周面でポンプハブ11の外周
面に結合し,中央部の内周面及び右側張出部の内周面でポンプハブ11にスプライ
ン結合した状態でトルクコンバータ1からの回転が伝達されたポンプハブ11に係
合」する構成は,本件発明1の構成要件と異なるところはない。
(2)甲2発明の認定の誤りによる相違点1の認定の誤り
ア前記(1)イのとおりであって,甲2発明においては,ドライブスプロケッ
ト21とポンプハブ11とは,全体構造からみて軸方向移動自在の状態でなければ
ならないし,相互に軸方向移動自在の関係(ドライブスプロケット21の内周面と
ポンプハブ11外周面との間に微小なすきまがある関係)になければならない。
したがって,本件発明1の構成要件Aにつき③の解釈をとっても,本件発明1と
甲2発明は相違しない。
イ一般的に,トルクコンバータにおいては,運転中(ポンプハブの回転中)
のトルクコンバータの熱膨張やトルクコンバータ内の油圧によって,ポンプハブの
先端部は軸方向に移動する。
甲2発明において,ドライブスプロケット21は,変速機51及びカバー52に
よって軸方向への移動が規制されているのに対し,ポンプハブ11には,軸方向に
移動を規制するような支持構造はない。また,ポンプハブ11の右側には,空間が
設けられている。
そうすると,甲2発明においては,トルクコンバータの運転中,その熱膨張や内
部の油圧によって,ポンプハブ11がドライブスプロケット21に対して軸方向に
移動することになる。
したがって,本件発明1の構成要件Aにつき①の解釈をとっても,本件発明1と
甲2発明は相違しない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件発明1が甲2発明と実質的に相違しているとする本件審決の
認定は,誤りである。
したがって,この認定を根拠とする本件発明2及び3についての本件審決の判断
も,誤りである。
3取消事由3(本件発明1の効果についての認定の誤り)
本件発明1の奏する効果は,甲2発明の奏する効果そのものであるから,本件発
明1の効果は甲2発明等から予測することができないとの審決の認定は誤りであり,
この認定の誤りは,審決の結論に影響を及ぼす。
(1)効果について
本件発明1の効果は,次のとおりである。
①「ドライブスプロケットはトルクコンバータからの回転が伝達された回転軸によ
りドライブスプロケットの回転中心が定められるので、従来のようにドライブスプ
ロケット組み付けるに際してベアリング等を介して支持する必要がないため、生産
コストを抑制することが可能となる。」(甲1の【0014】)
②「ドライブスプロケットがベアリング等を介して本体ケース等に位置規制される
ことがなければ、回転軸の振れに応じてドライブスプロケットもその振れに追従す
ることができるのでドライブスプロケットと回転軸との間おいて回転軸の振れによ
り磨耗が生じることを抑制することができる。」(甲1の【0015】)
甲2発明は,ドライブスプロケット21がポンプハブ11によってのみ回転中心
を定められているのであるから,前記①及び②の効果を奏するものである。
(2)被告の主張に対する反論
甲2に直接作用効果の記載がないとしても,相違点2及び3において,本件発明
1の構成と実質的に同じ構成を備える甲2発明が,被告主張の後記第4の3(1)ア記
載の効果(ⅰ)及び(ⅱ)を一切奏しないというものではない。
特許発明の効果の顕著性は,特許発明と引用発明との相違点から判断されるもの
であり,相違点2及び3の判断とは無関係に審決がした本件発明1の効果の顕著性
の認定は,誤りである。
第4被告の反論
1取消事由1について
本件発明1の構成要件Aは,文法的にも用語的にも何ら不明確さはなく,以下の
事項を明確に特定している。
①ドライブスプロケット支持構造は,ドライブスプロケットが回転軸に係合した
ものであること
②回転軸は,トルクコンバータからの回転が伝達されたものであること
③ドライブスプロケットが回転軸に係合した状態として,(ドライブスプロケット
が)軸方向に移動自在かつ回転方向に規制された状態であること
このことは,特許請求の範囲の記載から一義的に明確であり,原告の主張するよ
うな多義的解釈は存在しない。
回転軸にトルクコンバータからの回転が伝達されるという現象が,回転軸の回転
中に生じ,停止中には生じないことは当然であるから,審決が,「トルクコンバータ
からの回転が伝達された」を「回転中」に言い換えたことによって,何らかの新た
な解釈が付加されたとは考え難い。
したがって,記載要件を満たすとした審決の認定は,結論において誤りはなく,
取消事由1には理由がない。
2取消事由2について
審決は,本件発明の認定(構成要件Aの解釈)を誤るものであり,かかる認定の
誤りは,実質同一とすべきはずの相違点1を非実質同一・非容易想到と判断した論
拠となるものであるから,審決の結論に影響を及ぼすものであり,取消事由2には
理由がある。
(1)本件発明の認定について
本件発明1の構成要件Aは,前記1①~③の事項を明確に特定したものである。
甲2発明は,ドライブスプロケット(ドライブスプロケット21)と回転軸(ポ
ンプハブ11)とがスプライン結合するものであって,スプライン結合は,軸方向
に移動自在かつ回転方向に規制された係合状態である。
したがって,本件発明1と甲2発明は,ドライブスプロケットが軸方向に移動自
在かつ回転方向に規制された状態でトルクコンバータからの回転が伝達される回転
軸に係合しているという点において,差異はなく,相違点1は,実質同一とすべき
ものである。
審決は,「本件特許発明1は,回転中の回転軸にドライブスプロケットが軸方向に
移動自在かつ回転方向に規制された状態で係合するものである。」(20頁9~11
行)と認定しており,これは,ドライブスプロケットが回転軸に係合した状態につ
き,ドライブスプロケットが軸方向に移動自在かつ回転方向に規制された状態であ
ることを認定したものと理解できる。
しかしながら,審決は,「他方,引用発明(裁判所注:甲2発明)は,ドライブス
プロケット21の左側張出部の内周面がポンプハブ11の外周面に結合するもので
ある。そうすると,左側張出部の内周面がポンプハブ11の外周面の全体で対向す
ることになるから,ドライブスプロケットの中央部及び右側張出部の内周面がスプ
ライン結合であるとしても,全体の構造からみて,引用発明において,ドライブス
プロケット21は,回転中のポンプハブ11に軸方向に移動自在であるということ
はできない。」(20頁12~18行),「したがって,引用発明のドライブスプロケ
ット21は,回転中のポンプハブ11に軸方向に移動自在に係合するものではない。」
(同頁23~24行),「そうしてみると,本件特許発明1と引用発明とは,『ドライ
ブスプロケットが軸方向に移動自在かつ回転方向に規制された状態でトルクコンバ
ータからの回転が伝達された回転軸に係合』するという事項において実質的に相違
しているから,両者は同一でない。」(同頁25~28行)と認定している。これは,
甲2発明において,全体の構造において,ドライブスプロケットが軸方向に移動自
在ではないから,構成要件Aには該当しないと判断するものであり,実質的には,
本件発明1の構成要件Aを,二者の係合状態ではなく,全体構造におけるドライブ
スプロケットの支持状態と解していることにほかならない。
(2)甲2発明の認定について
審決は,スプライン結合との認定をもって,甲2発明について,ドライブスプロ
ケット及び回転軸の係合状態が,軸方向に移動自在かつ回転方向に規制された状態
であることを認めているから,全体構造として,ドライブスプロケットが軸方向に
移動可能であるかどうかは,本件発明1との関係で認定すべき引用発明とは関係が
なく,審決の結論に影響を及ぼすものではない。
なお,被告は,原告の主張する引用発明の認定の誤りを認める。
3取消事由3について
(1)効果について
甲2には,本件発明1の効果について何ら記載・示唆されておらず,甲2の図2
に示された構成に照らせば,甲2発明は,その構造上,本件発明1の効果を本来的
に奏し得ない。
ア本件発明1の効果は,次のとおりである。
(i)「ドライブスプロケットはトルクコンバータからの回転が伝達された回転軸によ
りドライブスプロケットの回転中心が定められているので、従来のようにドライブ
スプロケットを組み付けるに際してベアリング等を介して支持する必要がないため,
生産コストを抑制することが可能となる。」(【0014】,【0039】)
(ⅱ)「ドライブスプロケットがベアリング等を介して本体ケース等に位置規制され
ることがなければ,回転軸の振れに応じてドライブスプロケットもその振れに追従
することができるのでドライブスプロケットと回転軸との間において回転軸の振れ
により摩耗が生じることを抑制することができる。」(【0015】,【0041】)
甲2発明の効果としては,①ポンプハブの支持構造寸法を軸方向及び径方向とも
に短縮して,この構造をコンパクト化できる,②油圧ポンプ配設位置の自由度が高
く,油圧ポンプをコントロールバルブの近くに配設し,油圧ポンプからコントロー
ルバルブまでの油路長さを短くすれば,油圧供給のロスを低減することが可能とな
る,③油圧ポンプの駆動軸をポンプハブと別軸にすることで,油圧ポンプ自体の径
方向寸法を小型化できる,及び,④ポンプハブを支持するニードルベアリングを,
ポンプハブの内周とステータシャフトの外周との間に軸方向に延びる空間内に配設
することで,ポンプハブの支持構造を更にコンパクト化することができることが挙
げられている(【0014】,【0015】)。
これらは,構造のコンパクト化や油圧供給系の自由度等に関するもので,本件発
明1の効果とは関係がなく,甲2において,前記効果(ⅰ)及び(ⅱ)に関する事項
は,何ら記載・示唆されていない。
イ甲2の図2に示された構造においては,ポンプハブ11にスプライン結
合したドライブスプロケット21は,カバー52によって径方向に支持されており,
カバー52はドライブスプロケット21の回転中心を定める役割を担っている。ま
た,ポンプハブ11にスプライン結合したドライブスプロケット21も,ハウジン
グ51によって径方向に支持されており,ハウジング51はドライブスプロケット
21の回転中心を定める役割を担っている。
そうすると,ドライブスプロケット21の回転中心は,ポンプハブ11のみによ
って定められるものではないから,甲2発明は,その構成上,本件発明1の効果を
本来的に奏し得ない。
ウしたがって,本件発明1は,甲2発明からは予測できない顕著な効果を
奏するものである。
(2)審決の相違点2及び3の判断と前記(1)の主張との整合性について
本件発明1の効果は,相違点2及び3として認定された,本件発明1の請求項に
ある「前記ドライブスプロケットは,前記回転軸と嵌め合うことで前記回転軸のみ
によって回転中心を定められ」という事項(以下「構成要件B」という。)及び「前
記スプロケット保持部と前記ドライブスプロケットとの間の嵌め合い間隙が前記回
転軸と前記ドライブスプロケットとの間の嵌め合い間隙よりも大きく設定されてい
ることを特徴とするドライブスロケット支持構造」との事項(以下「構成要件D」
という。)に基づくものであって,相違点1として認定された本件発明1の構成要件
Aとは直接関係がなく,相違点1の同一性・容易想到性が肯定されようと否定され
ようと,その判断のいかんによって,本件発明1の効果についての顕著性の有無が
変わることはない。
(3)まとめ
したがって,本件発明1の効果の顕著性を認めた本件審決の判断は,結論におい
て誤りはなく,取消事由3には理由がない。
第5当裁判所の判断
1取消事由2について
(1)原告の主張等
原告は,取消事由2として,甲2発明において,ドライズスプロケット21とポ
ンプハブ11とは軸方向移動自在の状態でなければならない(このことは本件発明
1の構成要件Aの解釈により左右されない。)から,審決の相違点1の判断における
甲2発明の認定は誤りであると主張する。
これに対し,被告も,審決における上記甲2発明の認定の誤りを認める。
そこで,以下検討する。
(2)甲2発明について
甲2には,次の記載がある。
【請求項1】トルクコンバータのポンプ部材に連結され,このトルクコンバータのステータ
シャフト上に回転自在に配設されたボンプハブと,このポンプハブの回転を油圧ポンプに伝達
するチェーン機構とを備えてなり,前記ポンプハブの内周と前記ステータシャフトの外周との
間に配設されたニードルベアリングを介して前記ポンプハブが前記ステータシャフトにより回
転自在に支持されており,前記チェーン機構のドライブスプロケットが,前記ニードルベアリ
ングと径方向にほぼ重なる位置において,前記ポンプハブの外周上に結合されていることを特
徴とするトルクコンバータのポンプハブ支持構造。
【0005】・・・本発明は・・・ポンプハブの回転をチェーン機構を介して油圧ポンプに伝達
する構造とするとともに全体構造のコンパクト化を図ることができるような構成のポンプハブ
支持構造を提供することを目的とする。
【0006】・・・本発明に係るポンプハブの支持構造においては,ポンプハブの内周とステー
タシャフトの外周との間に配設されたニードルベアリングを介して,ポンプハブをステータシ
ャフトにより回転自在に支持し,一方,ポンプハブの回転を油圧ポンプに伝達するためのチェ
ーン機構のドライブスプロケットを,ニードルベアリングと径方向にほぼ重なる位置において,
ポンプハブの外周上に結合している。なお,ポンプハブの内周とステータシャフトの外周との
間に軸方向に延びる空間を形成してこの空間をトルクコンバータ内の油の供給もしくは排出を
行う油路として用いることができ,この場合には,ポンプハブを支持する上記ニードルベアリ
ングはこの空間内に配設される。
【0007】【実施例】・・・図1に示すように,トルクコンバータ1は,ポンプ2,ステータ
3およびタービン4から構成される。ポンプ2は図において左側に位置するエンジン(図示せ
ず)の出力軸に連結され,エンジンの出力軸と同一回転で駆動される。ステータ3はワンウェ
イクラッチ5を介してステータシャフト6に連結支持されており,ステータシャフト6は変速
機ハウジング51にボルト11aにより(図2参照)固定されている。タービン4はタービン
ハブ4aを介して変速機入力軸7に連結されており,タービン4の回転は変速機入力軸7から
変速機50に入力される。なお,この変速機入力軸7はステータシャフト6と同軸で,ステー
タシャフト6内を貫通して配設されている。
【0008】ポンプ2の内径端部にはポンプハブ11が結合されており,このポンプハブ11
はその内周に配設されたニードルベアリング12を介してステータシャフト6により回転自在
に支持されている。このため,ポンプハブ11はポンプ2とともにエンジンと同一回転で駆動
される。・・・ポンプハブ11の外周には,ニードルベアリング12に対して径方向にほぼ重な
るようにして,すなわち,軸方向にほぼ同位置に位置して,ドライブスプロケット21がスプ
ライン結合して取り付けられている。
【0009】一方,油圧ポンプ30は,ポンプハブ11から径方向外方に離れた位置において
変速機ハウジング51に取り付けられて配設されている。この油圧ポンプ30の駆動軸31に
はドリブンスプロケット23がスプライン結合されて取り付けられており,このドリブンスプ
ロケット23とポンプハブ11上のドライブスプロケット21とにチェーン22が巻掛けられ
てチェーン機構20が構成されている。なお,このチェーン機構20は、変速機ハウジング5
1とこれにボルト52aにより取り付けられたカバー52とにより囲まれたオイルシール13
により封止された空間55内に配設される。
【0010】このため,エンジンによりポンプ2が回転駆動されると,ポンプハブ11および
ドライブスプロケット21がエンジンと同一回転で駆動され,この回転がチェーン機構20を
介して油圧ポンプ30に伝達されて,油圧ポンプ30が駆動される。この場合に,ドライブス
プロケット21に作用する径方向力は,ドライブスプロケット21の内径側に位置するニード
ルベアリング12により受ける。このように,ニードルベアリング12およびドライブスプロ
ケット21を軸方向ほぼ同じ位置に重なるように配設することにより,ドライブスプロケット
21に作用する力をニードルベアリング12により確実に受けることができるだけでなく,こ
の部分の軸方向寸法を短縮してこの部分の構造をコンパクト化することができる。
図1断面図図2断面図
(3)検討
ア前記(2)のとおり,甲2には,甲2発明に係るポンプハブの支持構造につ
いて,ドライブスプロケットがポンプハブの外周上に結合していること(【請求項1】,
【0006】),ドライブスプロケットは,ある実施形態では,ポンプハブの外周に,
スプライン結合して取り付けられていること(【0008】)が記載されているとこ
ろ,スプライン結合された2つの部材は,相互に軸方向に移動自在であると解され
る。
この点,前記(2)の図2のとおり,甲2発明の実施例において,ドライブスプロケ
ット21は,その内周面において,ポンプハブ11と,2か所(前記図2のドライ
ブスプロケットの左側張出部分の左端から中央部手前までと,中央部から右側張出
部分の右端まで)において接しており,そのうち,右側の部分は,接する面に該当
する部分に斜線等が付されていない細長い長方形が記載されているが,左側の部分
にはそのような記載はないことが認められる。
イ前記認定事実((2)【0008】)及び弁論の全趣旨によれば,甲2発明
において,ドライブスプロケット21がポンプハブ11と接している部分のうち,
前記の右側の長方形の部分がスプライン結合の構造を表していると解されるのであ
って,この部分においては,相互に軸方向に移動自在な状態で組み付けられている
と認められる。
一方,前記の左側の部分については,前記の長方形に相当する部分が記載されて
おらず,前記図2からは,この部分がスプライン結合であるとはいえない。
さらに,前記(2)のとおり,甲2には,ドライブスプロケット21とポンプハブ1
1が接している部分が左右2か所に分かれていることを区別せず,ドライブスプロ
ケット21がポンプハブ11にスプライン結合により取り付けられている旨の記載
しかない。そして,前記の右側の部分のみをポンプハブに対して軸方向に移動自在
にしても,前記の左側の部分が固定されていては,ドライブスプロケット21がポ
ンプハブ11に対して相対的に軸方向に移動することができなくなり,前記の右側
の部分をポンプハブ11に対して軸方向移動自在にする意味がなくなる。
以上を考え合わせると,前記の左側の部分が,ドライブスプロケット21とポン
プハブ11が軸方向に相互に移動自在ではない状態で固定されていると認定するこ
とはできない。
ウところが,審決は,甲2発明は,「ドライブスプロケット21が左側張出
部の内周面でポンプハブ11の外周面に結合し,中央部の内周面及び右側張出部の
内周面でポンプハブ11にスプライン結合した状態」であるとして,「左側張出部の
内周面」の「ポンプハブ11の外周面」との「結合」が,軸方向移動自在ではない
状態で固定されており,そのため,ドライブスプロケット21が回転中のポンプハ
ブ11に対して軸方向に移動自在ではないことを前提に,相違点1を認定している
と認められる。
したがって,審決の上記認定は,誤りといわなければならない。
2小括
本件発明1は,その請求項1の文言からして,少なくとも,ドライブスプロケッ
トと回転軸が相互に軸方向に移動自在であるドライブスプロケット支持構造である
と認められる。これに対し,審決は,上記1(3)のとおり,甲2発明において,ドラ
イブスプロケット21がポンプハブ11に対して軸方向に移動自在でないとし,こ
の点を両発明の実質的な相違点とする。この審決の判断は,甲2発明の認定を誤っ
た結果,相違点の認定を誤ったものである。
そうすると,かかる相違点の認定を前提とする相違点の判断も誤りであり,これ
らの誤りは,審決の結論に影響を及ぼすといえる。
第6結論
以上の次第で,審決は,本件発明1の新規性・進歩性判断の前提となる甲2発明
の認定に誤りがあり,この誤りは,審決の結論に影響を及ぼすものであって,取消
しを免れないから,原告主張のその余の点を判断するまでもなく,原告の請求を認
容することとして,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官
清水節
裁判官
中村恭
裁判官
森岡礼子

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