弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原略式命令を破棄する
     被告人Aが農林大臣の建造許可を受けないで動力漁船を建造したとの事
実につき同被告人を免訴する。
     被告人Aを罰金一二万円に処する。
     右罰金を完納することができないときは金一、〇〇〇円を一日に換算し
た期間被告人Aを労役場に留置する。
     被告人Bを免訴する。
         理    由
 記録を調査すると、被告人A、同Bは、共謀のうえ昭和四六年五月二〇日ころ農
林大臣の建造許可を受けないで株式会社Cに注文して動力漁船である船体の長さ一
五メートル以上の第3一福丸を建造したとの漁船法違反の事実及び被告人Aに対し
ては、さらに右事実以外の漁船法違反、船舶法違反、船舶安全法違反の各事実につ
き、昭和四九年六月一九日起訴略式命令を請求され、福江簡易裁判所は、同月二一
日「被告人Aを罰金一五〇、〇〇〇円に、同Bを罰金三〇、〇〇〇円に処する。被
告人らに対して右罰金を完納することができないときは金一、〇〇〇円を一日に換
算した期間当該被告人を労役場に留置する。被告人らに対し、右罰金に相当する金
額を仮に納付すべきことを命ずる。」との略式命令を発し、右略式命令は同年七月
九日確定したものであることがうかがわれる。
 しかしながら、前記被告人両名共謀の漁船法違反の事実は、被告人Aのその余の
犯罪事実と併合罪の関係にあるところ、右両名共謀の違反の罪の公訴時効は三年で
あり、公訴提起当時において既に公訴時効が完成しているのであるから、福江簡易
裁判所は、事件を通常手続に移して審判のうえ、被告人両名共謀の漁船法違反の事
実については免訴の裁判をし、被告人Aのその余の事実についてのみ有罪の言渡を
すべきであつたのであり、これをしなかつた原略式命令は違法であり、かつ、被告
人らに不利益であることが明らかである。
 よつて、刑訴法四五八条一号により原略式命令を破棄し、右略式命令の罪となる
べき事実中被告人両名共謀の漁船法違反の事実につき、刑訴法三三七条四号により
被告人Aを免訴し、その余の右略式命令によつて確定された第二の一の1ないし8
の各所為は各漁船法九条一項、二九条に、第二の二の1ないし8の各所為は各船舶
法六条、二三条に、第二の三の1ないし8の各所為は各船舶安全法一八条一号に、
それぞれ該当するところ、漁船法違反、船舶法違反、船舶安全法違反の罪はそれぞ
れ一個の行為にして数個の罪名に触れる場合であるから刑法五四条一項前段、一〇
条により最も重い船舶法違反の罪につき定めた刑に従い罰金刑を選択し、以上1な
いし8の罪は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罪につ
き定めた罰金額を合算した刑期範囲内で被告人Aを罰金一二万円に処し、右罰金を
完納することができないときは同法一八条により金一、〇〇〇円を一日に換算した
期間同被告人を労役場に留置するととし、被告人Bに対する本件公訴事実について
は、刑訴法三三七条四号により同被告人を免訴することとし、裁判官全員一致の意
見で、主文のとおり判決する。
 検察官田村秀策公判出席
  昭和五一年四月三〇日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    吉   田       豊
            裁判官    岡   原   昌   男
            裁判官    大   塚   喜 一 郎
            裁判官    本   林       讓

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛