弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     但し、原判決の当事者の表示中「被控訴人D」とあるを「被控訴人D相
続人B」と更正する。
     上告費用は上告人らの負担とする。
         理    由
 上告代理人石川惇三の上告理由第一点について。
 被上告人は、本件家屋を明治二五年家督相続により先代から取得したものであり、
大正七年当時これをEに贈与したことがない旨の原審のなした事実認定は、原判決
挙示の証拠および証拠説明により、首肯できないものではなく、原判決には所論の
違法はない。論旨は採用できない。
 同第二点について。
 昭和七年当時から、あるいは同一八年四月からEが本件家屋を自主占有したもの
でない旨の原審のなした事実認定は、原判決挙示の証拠および証拠説明に照らして
首肯できないものではない。所論は、原判決の認定事実と異なつた事実に基づく独
自の見解であり、原判決には所論の違法はない。論旨は採用の限りでない。
 同第三点について。
 被上告人はEに対し、本件家屋を昭和一八年四月、期限を定めず、Eが将来他に
転居し得るに至るまでの間、その居住の用に供することを目的として、黙示に使用
貸借したものである旨の原審のなした事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし
て首肯できないものではない。原判決には所論の違法はない。論旨は採用できない。
 同第四点について。
 民訴法八五条は訴訟代理権は本人の死亡によつて消滅しないと規定しているが、
これは新しい正当な当事者の代理人として任務を続行させる趣旨と解すべきである。
したがつて、もとの当事者が上訴の特別授権をしているときは、その授権事項の完
了するまでは、代理人ある間ということになつて、たとえ、委任した当事者につき
死亡の事由が生じても、訴訟追行者なきに帰するということにならないから、手続
を中断する必要はない(同法二一三条)。この場合には当事者の変動はあるが、中
断受継の手続を省略しただけであるから、判決には当事者として新当事者を表示す
べきであり、旧当事者を表示しているときには、判決を更正すべきである(同法一
九四条)。
 これを本件についてみるに、被控訴人であつたDは昭和三九年六月二四日死亡し
たが、同人が控訴審で提出した本件の委任状においては、控訴上告の権限をその代
理人信正義雄に与えておること(上告の代理権を与えているから、相手方からなさ
れた上告に対して応訴する権限を当然含むと解せられる。)、Dの死亡により、そ
の妻Bが相続して本件家屋の所有権を取得したこと、そして、本件の原審口頭弁論
は昭和四〇年八月二五日終結されたものであることは、いずれも本件記録上明らか
である。そうすれば、前記説示に照し、本件については、Dの死亡にも拘らず訴訟
手続の中断受継は生ぜず、ただ当事者として、「D」に代えて相続人の「B」を掲
げれば足りる場合と解すべきである。したがつて、Dは死亡し、その訴訟代理人も
なくなつているのに、Dを被控訴人としてなされた原判決は効力を生じないとの所
論の理由ないことは明らかである。論旨は採用できない。ただ原判決は、右のとお
り、新当事者を表示すべきであるのに、誤まつて旧当事者を表示しているから、民
訴法一九四条により、職権で同判決の当事者の表示中「被控訴人D」とあるを「被
控訴人D相続人B」と更正する。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外
            裁判官    色   川   幸 太 郎

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