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平成一四年一月二四日宣告
平成一二年(わ)第二五一一号
判決
 右七名に対する出入国管理及び難民認定法違反被告事件について、当裁判所は、
検察官富松茂大出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
 主文
被告人Aを懲役六年及び罰金五〇〇万円に、その余の被告人をいずれも懲役二年六
月及び罰金一〇〇万円にそれぞれ処する。
被告人らに対し、未決勾留日数中各三一〇日をそれぞれその懲役刑に算入する。
被告人らにおいてその罰金を完納することができないときは、金一万円をそれぞれ
一日に換算した期間、その被告人を労役場に留置する。
被告人らから、当裁判所の押収に係る、名古屋市a区b岸壁に係留保管中のc船籍
貨物船甲号一隻(押収番号略)を没収する。
理由
(罪となるべき事実)
 被告人Aは、c船籍の貨物船甲号の一等航海士、同Bは、同船の三等航海士、同
Cは、同船の甲板員、同Dは、同船の機関長、同Eは、同船の二等機関士、同F
は、同船の三等機関士、同Gは、同船の調理長として、それぞれ同船に乗り組んで
いたものであるが、被告人七名は、同船船長H、同船甲板員Iらと共謀のうえ、営
利の目的で、平成一二年一一月中旬ころ、中華人民共和国d港沖合から同船に乗船
させた中華人民共和国の国籍を有し、入国審査官から上陸の許可等を受けないで本
邦に上陸する目的を有するJら一七名の集団密航者を自己の管理の下に置いたう
え、同月二四日、本邦の領海内である千葉県銚子市e番地所在のf灯台から真方位
g度、h海里付近海域において、同船により右集団密航者を本邦に入らせ、引き続
き、同月二五日、同県船
橋市i番地先所在のiふ頭j岸壁に接岸中の同船から右集団密航者を同岸壁に降り
立たせ、もって、右集団密航者を本邦に入らせて上陸させたものである。
(証拠の標目) 略
(事実認定の補足説明)
 被告人B、同C、同Dの弁護人は、被告人B、C、Dらには故意、共謀、営利目
的のいずれも認められない旨主張し、被告人B、C、Dらもそれぞれ右主張に沿う
供述をするほか、被告人Aの弁護人においても、本件においては同被告人は首謀者
でも指示的立場にあった者でもなく、営利目的についても報酬に関する漠たる期待
を有していたに過ぎないと主張し、同被告人も右主張に沿う供述をするので、以
下、当裁判所の事実認定につき補足して説明する。
一 まず、関係各証拠によれば、以下の各事実が認められる。
1 本件被告人らの乗り組んでいた船舶である貨物船甲号は、全長約七〇メート
ル、総トン数は約一二〇〇トンのc船籍の貨物船である。
  甲号は、以前はc国の会社が所有し、その名称も「乙号」であったもので、本
件の前々月である平成一二年九月の一五日付で船名が変更されていた。
  甲号には、船内フォアピークタンク最下層後方壁面に続くバラストタンク内が
改造されて隠し部屋が造られ、この部屋のための電気設備、配線等も鉄パイプ等に
隠蔽されていたが、これらは甲号がいまだ乙号の名称であった平成一一年二月一二
日の検査の際には存在しないものであった。
2 甲号及び乙号は本件以前にも数回にわたり本邦に密航者を輸送していた。
  乙号当時においては、平成一一年二月二日にr港において密航者二名を本邦に
上陸させ、乗組員らが逮捕された他、同一二年五月二五日には茨城県k港、同年六
月一六日には千葉県のl港、同年九月二日には愛知県m港において密航者を上陸さ
せていた。
  名称が甲号になって以降は、同年一〇月一二日に愛知県n港において、密航者
十数名を上陸させていた。
  そして、これら乙号ないし甲号による密航者の各上陸に際し、平成一二年五月
二五日の茨城県k港上陸の際には被告人A、同B、同G、同Eが乗組員として同船
に乗り組み、甲板長から報酬を貰い受けているほか、同年六月一六日のl港上陸の
際には被告人A、同B、同G、同Eが、同年九月二日のm港上陸の際には被告人A
及び同Dが、同年一〇月一二日のn港上陸の際には被告人A、同C、同Fが、それ
ぞれ同船に船員として乗り組み、それぞれに報酬を貰い受けた。
3 甲号は、平成一二年一〇月一二日に前記n港を出港し、同月二七日、上海港に
入港した。そして同日、前記のとおり既に乗り組んでいた被告人A、同C、同F及
びIに加え、被告人Bが三等航海士として、同Eが二等機関士として、同Gが調理
長として乗り組み、同月三〇日には分離前の相被告人Hが船長として、被告人Dが
機関長としてそれぞれ甲号に乗り組んだ。
  他方、本件密航者らは、それぞれに本邦に入国して稼働したいなどと考え、老
板という密航ブローカーに本邦への密航を依頼し、飛、あるいは陳などと名乗るブ
ローカーらの手引きで、同年一一月一一日ころまでにそれぞれd市付近に集結して
いた。
  甲号は上海港を出港し、香港、マカオを経由して、同年一一月一一日、中国d
港沖合に錨泊した。同日夜、被告人AとIはd港に上陸し、共に、あるいは別々
に、数回に渡ってブローカーから密航者を受け取り、ボディーチェックをするなど
してから甲号に乗船させ、フォアピークタンク内に連れ込むなどした。両名は翌一
二日朝にも甲号から交通船でd港に上陸し、同様に密航者を受け取って乗船させる
などした。
  この間の同月一一日朝、被告人Aは被告人B、同G、同Eに指示して錨鎖庫に
集合させ、密航者のための食料等をフォアピークタンク内の隠し部屋に運び込ませ
るなどした。
  その後甲号は同月一二日午後二時二五分ころd港に接岸して御影石の搭載を始
め、翌一三日午後四時五〇分ころ、同港を出港した。
4 甲号がd港を出港した後、密航者らは、隠し部屋を出てその付近で過ごし、寝
るなどしていた。排泄はバケツを使うなどしており、その片づけ等はIと被告人C
が行っていた。被告人Aが指示して、被告人C及び同Gに、密航者らのための布団
や毛布を持ち込ませたり、前記タンク内の片づけ等をさせたこともあった。
  食事についてはIの指示で二組に分けられ、毎日三回、フォアピークタンク付
近から機関室を通り、船員用の食堂で食事を取っていた。食事は被告人Gが作り、
被告人Cが運ぶなどしていた。密航者らは、食堂への行き帰りには船員用のトイレ
を使うことを、また航海中二度船員用のシャワーを使うことを、許されるなどもし
ていた。
  甲号は、同月二一日、o港に入港し、海上保安官による立入検査を受けたが、
これに先立ちIは密航者全員を隠し部屋に閉じ込め、AはEに指示してフォアピー
クタンク内に注水するなどして隠蔽し、また分離前の相被告人H及び被告人Dは海
上保安官の質問に対し密航者が乗船している事実を秘していた。
  また、甲号がo港に入港する数日前、被告人Eの部屋に、被告人B、同D、同
F、同Gの五人が集まり、密航の報酬について役に応じていくらくらい貰えるかを
話し合うなどした(その際被告人Aの受ける報酬が桁違いに多額であることの話も
出た)ことがあった。
5 甲号はo港を出港して一旦本邦の領海外に出た後、同月二四日、再度本邦の領
海内に入り、同日午前一一時ころp港へ入港した。被告人A及びIは、o港で密航
者を降ろす予定であったが、甲号の荷揚げ作業が予定よりも早く終了したため、次
のi港で降ろすこととし、その旨本邦内の受け取り役であるKなる中国人に電話し
てその旨伝えた。
  p港を出港した後、甲号は、同月二五日午前七時二〇分ころi港に入港して錨
泊を開始し、同日午前九時一五分ころ、iふ頭j岸壁に接岸した。この間、Iは再
度密航者らを前記タンク内隠し部屋に隠匿し、被告人Aが被告人Eに指示して同タ
ンク内に注水させた。
  その後の同日午後四時ころ、被告人AとIは下船して、本邦側の受け入れ要員
である前記K及びLらと接触し、Kから携帯電話等を受け取り、同船に戻って、被
告人Eに指示して前記タンク内の水を排水させた。
  同日午後五時五一分ころ、Kから被告人Aに間もなく着く旨の連絡が入ったこ
とから、同被告人及びIは被告人E、同C及び同Gらに指示して密航者らから預か
っていた衣類を持って甲板長倉庫に行き、密航者らに着替えさせた。そして、被告
人Aは岸壁に降り立って見張りと誘導にあたり、Iは密航者らを機関室まで連れて
きて待機させ、午後六時ころ、五人ないし七人の組に分けて密航者らを上陸させ
た。
二 検討
1 以上の事実から検討するに、まず、本件に用いられた船舶である甲号は、乙号
との名称であった当時も含めて、本件以前にも複数回密航者を輸送していたもので
あるところ、被告人らはいずれも、多い者で判明している限り全て、少ない者でも
一回はこれら密航に関与し、その際それぞれ報酬も受け取っていたというのである
から、いずれの被告人においても、船で密航者を輸送することがどういうものであ
るか、密航者の輸送に協力すると報酬をもらえるものであること、そして本件甲号
に船員として乗船すれば密航者の輸送に協力することになる可能性があることを十
分認識できたことが認められる。
  また、これら甲号ないし乙号の過去の密航者の輸送歴において、被告人Aはそ
のいずれもに関与していたというのであるから、本件においても、乗船時に被告人
Aの姿を見て、被告人Aが船員として乗船しているのを見れば、当然今回も密航者
を輸送していることの可能性を認識しうるものであったことが認められる。
  そのうえで、本件においては、甲号の船内構造が決して広いともいえず、船内
を移動する人物が存在すれば全く気づかないはずはないことに加え、密航者らは航
行中普段は隠し部屋を出て周囲を動き回っていたこと、食事の際はIの指示で食堂
まで移動していたこと、船員用のトイレやシャワーを使うことも許されていたこと
等が認められるのであるから、これらの事実を併せ考えれば、被告人らはいずれも
甲号船内における密航者らの存在と、これに関与することで報酬をもらえるもので
あることを十分認識していたことが認められる。
2 そして本件では、被告人Aは、Iなる人物とともに、密航者らをd港にて乗船
させ、その後も他の船員に指示して、密航者らの日常の世話から検査の際の密航者
の隠匿、さらには上陸の際の日本国内の担当者との連絡調整、上陸の手引き等まで
行っていることが認められるから、被告人Aは本件の実行担当者の主犯格として、
当然、他の船員との共謀と営利目的の存在とのいずれもが明らかに認められる。
  また、その他の被告人においても、Iもしくは被告人Aの指示の下、被告人B
においては密航者らの食材を倉庫に運び込み、被告人Cにおいては、密航者らの排
泄物の処理やフォアピークタンク内の清掃に加え、日々の密航者らの食事を運ぶ、
密航者の上陸を手伝う、被告人Dにおいては、o港における海上保安庁の検査の際
に密航者らが乗船している事実を秘して検査に臨み、また船長であるHに密航者ら
の存在とこれに関与することで報酬を受け取ることになる旨告げる、被告人Eにお
いては密航者らの食材を倉庫に運び、海上保安庁の検査の際には密航者らを隠し部
屋に隠匿し、上陸の際もその作業を手伝う、被告人Fにおいては、前記フォアピー
クタンクからの排水操作を密航者のためにやることと知って二度行い、被告人Gに
おいては、密航者ら
の食材を運ぶ、右タンク内の清掃を行う等したほか、日々の密航者らの食事を作
る、上陸させる手伝いをする等、それぞれに密航者の輸送に関する作業に携わって
いることが認められるのであるから、これらの事実に、前記認定の甲号がo港に入
港する数日前、被告人Eの部屋に、被告人B、同D、同F、同Gの五人が集まり、
密航の報酬について話し合うなどしたとの事実を併せ考えれば、被告人B、同C、
同D、同E、同F、同Gについても、本件密航者らを本邦に上陸させることにつ
き、I、被告人A及び他の被告人との共謀、そしてそれによる報酬を貰う等の営利
目的が存したことを、いずれも認めることができるものである。
  なお、被告人Dにおいては、直接密航者らの輸送等に関わる行為を積極的にな
していることまでは認められないものではあるが、被告人Dは甲号の機関長という
重要な地位にあり、密航者らが多数乗船しているのを十分認識していながら、自ら
の部下である他の機関士らが密航者らの手伝いをするのを妨げることもせず、また
自身においても、密航者らが乗船していることを当局等に告げて逃げることが可能
であったし、また告げるべきであったのに、前記の通りの海上保安庁の検査の際に
これを秘し、船長のHにも密航者らの存在を告げ、他の船員とも過去の経験を踏ま
えた報酬の話をしていた事実が認められるから、被告人Dについても、密航者らを
輸送して本邦に上陸させることについて、これに関与して報酬を得ること、すなわ
ち共謀関係、営利目
的のいずれをも認めることができる。
三 以上、本件では、いずれの被告人についても、共謀関係、営利目的等を含む判
示事実を優に認めることができる。
  よって、各弁護人の主張はいずれも認められない。
(法令の適用)
 被告人らの判示所為はいずれも刑法六〇条、出入国管理及び難民認定法七四条二
項、一項に該当するので、その所定の刑期及び金額の範囲内で被告人Aを懲役六年
及び罰金五〇〇万円に、その余の被告人を懲役二年六月及び罰金一〇〇万円にそれ
ぞれ処し、被告人らに対し刑法二一条を適用して未決勾留日数中各三一〇日をそれ
ぞれその懲役刑に算入することとし、被告人らにおいて、右罰金を完納することが
できないときは、それぞれ同法一八条により金一万円を一日に換算した期間その被
告人を労役場に留置することとし、当裁判所が押収し、名古屋市a区b岸壁に係留
保管中のc船籍貨物船甲号一隻(押収番号は略)は、判示犯罪行為の用に供した船
舶で犯人の占有に係るものであるから、出入国管理及び難民認定法七八条本文によ
り被告人らからこれ
を没収し、訴訟費用については、いずれの被告人についても刑事訴訟法一八一条一
項ただし書を適用してこれを負担させないこととする。
(量刑の理由)
 本件は、被告人らが共謀のうえ、営利の目的で、自己らの乗船する貨物船に乗り
組んだ集団密航者を本邦に上陸させたという、出入国管理及び難民認定法違反の事
案である。
 まず本件事案全体の概要をみるに、本件においては、あらかじめ中国国内におい
て密航組織の者の手配で募集された密航者らが、密航用の船舶として用意され、改
造して隠し部屋まで用意された船舶である甲号に乗船して本邦に上陸し、他方で中
国国内の右組織関係者と日本国内の組織関係者らとが連絡を取り、本邦の受け入れ
要員側で輸送用車両を用意するなどして手筈を整えたうえで、夜間、着岸した同船
舶から密航者らを受け取り、直ちに蔵匿場所まで輸送するというものであって、本
件は大規模な密入国組織の手配の下に周到に敢行された、極めて組織的、計画的な
犯行であり、船員派遣会社や船舶所有者の関与すら窺わせる形跡のある大規模なも
のであるから、本件犯行態様はまことに悪質この上ないものである。
 このような本件犯行により、一七名にも及ぶ大量の密入国者が発覚困難な方法で
一旦は本邦に上陸したというのであり、このことが我が国の出入国管理行政に与え
た打撃は大きいといわざるを得ず、密航者らが本邦に侵入した場合に起こりえたで
あろう種々の事犯等をも併せ考えれば、本件結果は重大というべきである。
 係る重大な事犯において、被告人らはいずれも甲号の船員として甲号に乗り組
み、密航者らを船首下部に設置された隠し部屋に隠匿し、食事・排泄等日常生活に
必要な世話を施し、海上保安庁の検査の際にはフォアピークタンク内に注水して密
航者らの発見を免れさせ、上陸の際も人目を避けて上陸させて、密航者らの着衣等
の痕跡を隠滅するなど、密航者らの輸送、上陸のためそれぞれにおいて様々な活動
を行っていたものであるから、被告人らの本件犯行態様は極めて巧妙で悪質なもの
であるといえる。
 また被告人らは、本件における役割やこれに係わる意欲の程度には差異があるも
のの、いずれも本件密航者を輸送し、本邦に上陸させることに関与協力することで
報酬を得るべくそれぞれに本件犯行に及んだものであるが、前記のような密航事案
自体の重大性、我が国の出入国管理行政への打撃等など一顧だにせず、ただ自らの
利欲の赴くままにかかる重大事案に及んだ本件動機はいずれも短絡的、自己中心的
なものであり、酌量の余地は存しない。
 そして、かかる本件犯行の中で、被告人Aは、Iなる船員とともに、密航者らの
中国での受け取りから上陸に至るまでのすべてを手配し、他の被告人らに指示して
種々の作業を行わせるなど、実行担当者における主犯格たる地位役割を担っていた
中心人物と認められるから、その刑事責任は他の者に比してもまことに重いものが
ある。しかるに被告人Aは、当公判廷においても「私は何もやっていない」等述べ
て、証拠上明らかな事実をひたすら否認するなどしており、係る態度からは反省の
情を窺うことはできないといわざるを得ない。
 他の被告人らにおいても、上記の通りそれぞれに、食材の運び込み、隠し部屋の
掃除、食事・排泄の世話その他密航者らのための行為を種々行ってきたものである
から、その責任には軽からぬものがある。
 また、密航組織に関わっていると思しき被告人Aはもちろん、他の被告人らにお
いても、本件以前にも同じく甲号に乗船した際、密航者らの輸送に関与し、報酬を
受け取っているというのであるから、いずれの被告人らにも、本件のような事案に
対する規範意識の欠如が窺われる。
 以上、被告人らの責任はいずれも重大であるから、他方において、被告人A以外
の被告人ら、とくに機関長である被告人D以外の者においては、船内の地位は一介
の船員に過ぎず、I及び被告人Aの指示命令には抗し難かったであろう面も認めら
れないではなく、その限度では酌むべき点もないではないこと、被告人E、同F、
同Gにおいては事実を認めて当公判廷でも反省の情を述べているほか、被告人B、
同C、同Dにおいてもそれぞれ当公判廷において反省の情を示しており、更生の意
欲が窺われること、被告人らはそれぞれに、母国に帰りを待つ家族等がいること、
被告人らの身柄拘束期間はすでに一年を超えており、事実上の制裁をある程度受け
たともいいうること、被告人らにはいずれも本邦における前科はないこと、被告人
B、同C、同E、同
F、同Gはいずれも若年であること等の事情も認められるが、これら被告人らに有
利ないし酌むべき事情を充分考慮しても、本件の犯情、罪質等に鑑みれば、被告人
らに対し、各主文掲記の刑を量定するのもまことにやむを得ないと判断した次第で
ある。
 よって、主文のとおり判決する。
(求刑 被告人Aにつき懲役六年及び罰金五〇〇万円、その余の被告人につき懲役
四年及び罰金一〇〇万円、船舶の没収)
平成一四年一月二四日
千葉地方裁判所刑事第二部
裁判長裁判官小池洋吉
   裁判官  左近司映子
   裁判官  安福達也

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