弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、本件を福岡高等裁判所宮崎支部に差し戻す。
         理    由
 上告代理人持永義夫の上告理由第一、二点について。
 原判決(その訂正、引用する第一審判決を含む。以下同じ。)の確定したところ
によると、本件農地買収処分当時、本件(イ)の土地の所有者は被上告人であり、
本件(ロ)の土地の所有者は、Dであったというのである。したがって、本件(イ)・
(ロ)の各土地の所有者をEとしてした本件各買収処分は、被買収者を誤った違法
な処分と認めるべきことは原判決の説示するとおりである。
 ところで、原判決は、右説示に引き続き、本件(イ)の土地については、登記簿
上の所有者であるFではなく、また、真実の所有者である被上告人でもない第三者
であるEを所有者と誤認し、また、本件(ロ)の土地については、真実の所有者で
あるDが登記簿上も所有者として表示されているのにかかわらず、右登記簿の記載
を無視して、関係のない第三者であるEを所有者と誤認し、それぞれ、買収処分を
したものであり、このような所有者を誤認したかしは重大かつ明白なかしとして、
前記各買収処分を当然無効ならしめるものである旨を説示している。
 しかし、右の説示は、本件の具体的事情に対する配慮を欠く嫌いがあつて、ただ
ちに納得しがたい。すなわち、所有者以外の第三者を被買収者としてした農地買収
処分であつても、当然に重大かつ明白なかしがあるものとして無効であるとはいえ
ない。けだし、農地買収処分にあたつて、政府において、誰が所有者であるかを認
定するには、登記簿上の記載を重視することは当然ではあるが、登記簿上に所有者
と記載されていない第三者を被買収者としてした農地買収処分の効力を判断するた
めには、登記簿上所有者と記載されていない者の名義で農地買収処分がされるにい
たつた過程、目的農地の占有ないし耕作の状態、その時期、被買収者と表示されて
いる者と真実の所有者ないし登記簿上の所有者との関係、その他右農地に関するす
べての事情を綜合的にしんしやくしたうえで、その買収処分に重大かつ明白なかし
があるかどうかを判断して決すべきであるからである。
 しかるに、原判決は、以上の諸点に思いをめぐらすことなく、原判決の確定した
事実関係から、ただちに、このような所有者誤認のかしは重大かつ明白なかしにあ
たり、本件各買収処分は当然無効になる旨を判示しているのは、法令の解釈を誤り、
ひいては審理不尽の違法をおかしたものというべきである(原判決引用の判例は、
本件事案に適切でない。)。この点をつく論旨は理由がある。
 よつて、その余の論旨に対する判断を省略して、民訴四〇七条の規定にもとづき、
原判決を破棄して本件を原審に差し戻すこととし、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    田   中   二   郎
            裁判官    柏   原   語   六
            裁判官    下   村   三   郎

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