弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人丹篤の上告趣意第一点について。
 所論は原判決宣告後の事実に関するものであつて、原判決の当否の判断に影響す
るところはないから、上告適法の理由とならない。
 同第二点について。
 拘禁されている被告人は裁判所が必要と認める場合の外公判廷外の検証に立会う
ことは許されない(旧刑訴一七八条、一五八条)。また公判廷外の証人尋問につい
て、特別の事由がない限り弁護人に立会の機会を与えた以上、必しも常に拘禁され
ている被告人を立会わせなくても憲法三七条二項に違背するものでないことは、当
裁判所の判例の示すところである(昭和二四年(れ)第一八七三号、同二五年三月
一五日大法廷判決)。記録に徴すれば、被告人は拘禁中で所論の検証並びに証人尋
問に立会わしめられなかつたが、弁護人は終始これに立会つているのであり、なお
拘禁中の被告人を特に立会わしめなければならない事由も見出されないから、所論
の点はこれを違法とするに足りない。論旨は理由がない。
 同第三点について。
 裁判所が人の精神状態を認定するには、必ずしも専門家の鑑定による必要はなく、
他の証拠によつても差支えない(昭和二二年(れ)第三一七号、同二三年七月六日
第三小法廷判決)。また裁判所が弁護人の申請した被告人の精神鑑定の要求を却下
しながら、被告人の供述その他の資料によつて被告人を精神異常者でないと判断し
たからといつて、経験則に反するものということはできない(昭和二三年(れ)第
一一四号、同年一一月一七日大法廷判決)。なお記録に徴しても、原審が被告人の
犯行当時の精神状態について鑑定人による鑑定の申請を容れず、心神喪失または心
神耗弱の主張を排斥したことが不当であるとは認められないから、論旨は理由がな
い。
 同第四点について。
 記録によれば、所論の奉公袋は証拠物として押収されて居り、原審公判において
その証拠調がなされていることは明かであるから、論旨は理由がない。(所論の印
鑑及び通帳については、原審公判においても所論上申書においても、その取調の請
求はなされていない。)
 同第五点について。
 所論の司法警察官または予審判事の訊問調書記載の被告人の供述が強制または誘
導によるものであることは、記録に徴してもこれを疑うに足りないのみならず、原
判決は右被告人の供述の外各般の証拠と相俟つて判示事実を認定しているのである
から、原判決に所論の如き違法があるということはできない。論旨は理由がない。
 同第六点について。
 強盗の機会に殺人の所為がなされた場合には、刑法二四〇条後段(未遂の場合は
なお刑法二四三条)に当るのであるから、原判決がAに対する強盗の所為に際し、
BCに対する殺人または殺人未遂の所為がなされたことを認定し、これに対し前示
法条を擬律したことは正当であり、また擬律について説明を加える必要はないので
あるから、所論は理由がない。
 被告人の上告趣意第一点、第二点、第三点及び第四点は、それぞれ丹弁護人の上
告趣意第四点、第三点、第五点と同旨に帰するものであるから、右各点に対する前
記説示を援用する。
 被告人の上告趣意第五点について。
 証拠調をなすべき範囲は、事実審裁判所がその専権に属する裁量によりこれを決
すべきものであり、所論Dに関する証人尋問請求については原審がこれを却下して
いること記録上明かである。
 その他の所論は被告人独自の見解により原判決を非難するものであつて、採るに
足りない。論旨は理由がない。
 よつて旧訴四四六条に従い裁判官全員の一致した意見により主文のとおり判決す
る。
 検察官 田中巳代治関与
  昭和二六年七月一〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛