弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決中被告人Aに関する部分を破棄する。
     被告人Aの正式裁判の請求を棄却する。
     被告人Bに関する本件控訴を棄却する。
         理    由
 本件控訴の趣意は、検察官小西茂提出の控訴趣意書記載の通りであるから、これ
を引用するが、原判決には事実の誤認があるというにあり、これに対する弁護人大
道寺慶男の答弁は、同弁護人の答弁書の通りであるから、これを引用する。
 先ず、職権を以て、被告人Aに関する原審の訴訟手続の適否について調査する
に、本件は、昭和二十七年五月三十日被告人Aに対し、検察官より、職業安定法違
反被告事件として、公訴を提起し略式命令を請求し、岐阜簡易裁判所は、同年六月
五日附略式命令を発し、その謄本が同年六月十日被告人Aに送達されたのである
が、同被告人がこれに対し正式裁判の請求をしたのが同年六月十八日であること
は、本件訴<要旨>訟記録に徴して、極めて明瞭である。およそ、正式裁判の請求
は、略式命令の告知を受けた日から七日以内になすべきものであることは、
刑事訴訟法第四百六十五条第一項の明らかに規定するところであるから、同被告人
は、前記の略式命令の謄本の送達を受けた同年六月十日から七日以内である同月十
七日までの間に、正式裁判の請求をなすことを要し、右の同月十七日が日曜日その
他の一般の休日にあたらないことは顕著なところであるから、同月十八日になした
同被告人の正式裁判の請求は、請求権の消滅後にされたものであるというの外はな
い。然るに、原審は、この点を看過して、右正式裁判の請求を適法として、通常の
訴訟手続に従つて、審判をしたもので、その訴訟手続は法令に違反しその違反が判
決に影響を及ぼすことが明らかである。よつて、原判決中被告人Aに関する部分
は、検察官の控訴趣意についての判断をなすまでもなく、刑事訴訟法第三百七十九
条に則り、これを破棄し、同法第四百条但書に従い、当裁判所において自判するこ
ととし、同法第四百六十八条第一項により、同被告人の正式裁判の請求を棄却する
こととする。
 次に、被告人Bに関する検察官の控訴趣意について判断するに、同被告人が、被
用者以外の者であるCの紹介によりD及びEの両名を女工として雇用したことは、
原裁判所において取り調べた証拠によつて、これを認むるに十分であるけれども、
被告人が、右Cに対して、女工募集方を依頼し同人をして右両名の女工を勧誘募集
させたものであるという点については、原裁判所において取り調べた証拠による
も、十分な心証を得ることができない。
 従つて、同被告人に対する本件公訴事実については、犯罪の証明がないことに帰
するから、原審がこれと同趣旨の認定をしたのは相当であり、原判決には事実の誤
認はない。検察官の論旨は採用できない。
 よつて、検祭官の被告人Bに関する本件控訴は、刑事訴訟法第三百九十六条に則
り、これを棄却することとする。
 以上の理由により、主文の通り判決する。
 (裁判長判事 河野重貞 判事 高橋嘉平 判事 山口正章)

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