弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人深川実、同白井誠の上告理由第一点について。
 いわゆる経営の委任または委託の場合、法律上委任の形式をとるにかかわらず受
任者が自己の計算において自己の裁量に従つて経営を行い、委任者に対して一定の
金員を支払うことが少なくない。かかる場合、経営の委任といつても実質は営業の
賃貸借に外ならないと解すべきである(このようなことはコンツエルン関係で屡々
その例を見るところである)。しかして原審の認定によれば上告人と訴外Dとの間
において経営委託契約の形式の下に、Dは上告人が被上告人より賃借する本件家屋
のうちの二坪余の店舗を使用し、同人自身の計算において鳥禽類の仕入販売を行い、
収益如何にかかわらず上告人に対して月額六〇〇〇円を下らざる金員を支払うこと
を約し、Dは該契約に基づいて右店舗を使用するものであるというのであつて、右
認定は挙示の証拠によつで肯認し得る。しからば上告人は経営委託契約の名の下に、
その賃借する本件家屋の一部をDに転貸したものと認むべきであり、これと同旨に
出でた原審の判断は正当であり、原判決には所論の違法はない。それ故論旨は採用
できない。
 同第二、第三点について。
 原審の適法に認定した事実関係の下においては上告人による右店舗の転貸が「背
信行為と認めるに足りない特段の事情」に該当しないとしまた被上告人のした本件
家屋賃貸借契約の解除および強制執行が権利濫用でないとした原審の判断は正当で
あり、原判決には何等所論の違法はない。それ故、論旨は採用できない。
 上告代理人寺島祐一の上告理由第一、第二点について。
 原審の認定したところによれば、本件家屋に関する調停の転貸借禁止条項は、調
停成立当時、右家屋内の店舗を占有使用中の者は格別、それ以外の者に対し上告人
は被上告人の承諾なくして右店舗を転貸してはならない趣旨であり、しかもDは右
調停成立当時該家屋の店舗を占有使用していなかつたものであるにかかわらず、上
告人は被上告人の承諾を得ずして、その店舗をDに転貸したというのであり、右認
定は挙示の証拠によつて肯認でき、その判断の過程には所論の違法はない。所論は
畢竟、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実認定の非難に帰し、採用できない。
 同第三点について。
 所論の理由のないことは、上告代理人深川実、同白井誠の上告理由につき既に説
示したところであり、論旨は採用できない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    松   田   二   郎
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    長   部   謹   吾

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛