弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄する。
     被告人を免訴する。
         理    由
 弁護人徳田禎重の上告趣意は末尾添附のとおりである。
 職権により調査すると、本件公訴事実は、被告人は鹿児島市a町b番地A所有の
機帆船Bの乗組員であるが同船々長C、船員Dと共謀の上昭和二六年二月二〇日頃
鹿児島県熊毛郡c港においてE某が北緯三〇度以南の南西諸島より税関の免許を受
けないで輸入した、銅屑、真鍮屑等一九九八瓩の運搬方の依頼を受けるや密輸入貨
物であるとの情を知りながらこれを右Bに積み込み、同月二一日同港を出港して同
月二二日肝属郡d町f港に到着し以て同船で右密輸入貨物を不法に運搬したという
のである。
 そして記録によると右公訴事実の南西諸島というのは、或は大島方面といい或は
大島沖縄方面という証拠があるだけで、その所在はいずれであるか判然としないが、
訴訟条件の存否が疑わしい場合もまた被告人の利益に従うべきであるから、これを
奄美大島群島方面と解すると、右奄美大島群島は右犯行当時以降昭和二八年一二月
二四日までは旧関税法(昭和二四年五月一四日法律六五号により改正された明治三
二年法律六一号)一〇四条、昭和二四年五月二六日大蔵省令三六号により、続いて
昭和二六年一一月二九日法律二七一号により改正された旧関税法一〇四条、昭和二
七年四月七日政令九九号により、右関税法の適用については、外国とみなされてい
たのであるが、昭和二八年一二月二四日政令四〇七号「奄美群島の復帰に伴う国税
関係法令の適用の暫定措置に関する政令」附則八項により、右政令九九号は改正さ
れ、同月二五日以降は、税関の免許を受けないで貨物を奄美大島群島方面から輸入
することは、右政令九九号改正の結果として何ら犯罪を構成しないものとなつたの
であり、従つて本件公訴事実のような輸入に係る右貨物を運搬することもまた可罰
性を失つたものというべきである。されば本件は、刑訴三三七条二号にいう刑の廃
止に該当することになる。(昭和二五年(あ)二七七八号同三二年一〇月九日大法
廷判決、昭和二七年(あ)二四五六号同三二年一〇月九日大法廷判決参照)従つて、
弁護人の論旨に対しては判断を与えるまでもなく刑訴四一一条五号により原判決を
破棄し、同四一三条、四一四条、四〇四条、三三七条二号により、被告人に免訴の
云渡をなすべきものである。
 この判決は、裁判官島保を除くその余の裁判官一致の意見によるものである。
 裁判官島保の少数意見は、昭和二五年(あ)二七七八号同三二年一〇月九日云渡
大法廷判決に示されたとおりであり、裁判官小林俊三の補足意見は、昭和二七年(
あ)四三四号同三〇年二月二三日大法廷判決に示されたとおりであるからここに援
用する。
 検察官 井本台吉出席
  昭和三二年一二月一〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    垂   水   克   己

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛