弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を広島高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人廣兼文夫、同福永綽夫の上告理由第二点について
 建物所有を目的とする借地契約の更新拒絶につき借地法四条一項所定の正当の事
由があるかどうかを判断するにあたつては、土地所有者側の事情と借地人側の事情
を比較考量してこれを決すべきものであるが(最高裁昭和三四年(オ)第五〇二号
同三七年六月六日大法廷判決・民集一六巻七号一二六五頁)右判断に際し、借地人
側の事情として借地上にある建物賃借人の事情をも斟酌することの許されることが
あるのは、借地契約が当初から建物賃借人の存在を容認したものであるとか又は実
質上建物賃借人を借地人と同一視することができるなどの特段の事情の存する場合
であり、そのような事情の存しない場合には、借地人側の事情として建物賃借人の
事情を斟酌することは許されないものと解するのが相当である(最高裁昭和五二年
(オ)第三三六号同五六年六月一六日第三小法廷判決・裁判集民事一三三号四七頁
参照)。しかるに、原審は、上告人らがした本件借地契約の更新拒絶につき正当の
事由があるかどうかを判断するにあたり、本件土地の共有者の一人である上告人A
と借地人である被上告人B1の土地建物の所有関係及び営業の種類、内容のほか、
右被上告人B1から本件土地上の建物を賃借している被上告人B2、同B3の営業
の種類、内容などを確定したうえ、上告人側の本件土地の必要性は肯定できるとし
ながら、他方、借地人側の事情として、なんら前記特段の事情の存在に触れること
なく、漫然と本件土地上の建物賃借人の事情をも考慮すべきものとし、これを含め
て借地人側の事情にも軽視することができないものがあり、前記更新拒絶につき正
当の事由が備わつたものとは認められないと判断しているのであつて、右判断には、
前述したところに照らし、借地法四条一項の解釈適用を誤り、ひいて審理不尽、理
由不備の違法があるといわなければならず、右違法が原判決中第一次請求を棄却し
た部分に影響を及ぼし、更には第二次請求の当否につき判断した部分にも影響を及
ぼすことは明らかである。論旨は理由があり、原判決は、その余の論旨につき判断
を加えるまでもなく、破棄を免れない。そして、本件については、更に審理を尽く
させる必要があるから、これを原審に差し戻すのが相当である。
 よつて、その余の論旨に対する判断を省略し、民訴法四〇七条一項に従い、裁判
官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    谷   口   正   孝
            裁判官    団   藤   重   光
            裁判官    藤   崎   萬   里
            裁判官    中   村   治   朗
            裁判官    和   田   誠   一

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