弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人中沢信雄の上告理由第一について
 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当とし
て是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することがで
きない。
 同第二について
 記録によれば、本件第一審判決は、昭和五二年一二月二七日名古屋地方裁判所に
おいて言い渡され、同日公示送達の方法により上告人に送達され、翌二八日送達の
効力を生じたものであるところ、上告人は、その控訴期間経過後である昭和五三年
一月二三日に至り、弁護士中沢信雄を訴訟代理人として名古屋高等裁判所に控訴を
提起したものであることが、明らかである。
 所論は、右控訴の提起が控訴期間経過後にされたことにつき上告人の責めに帰す
ることのできない事由によるものではないとして控訴の追完を許さなかつた原審の
判断は違法である、というのである。
 しかしながら、原審の確定した事実関係によれば、(1) 被上告人と告人を代表
者とする有限会社D鋳工所とは、ともに、本件訴訟の背景となつている別件の名古
屋地方裁判所昭和四八年(ワ)第一三一八号事件において被告の一人とされていた、
(2) 被上告人は、同訴訟において、上告人に対して不動産の不法占拠に基づく損
害賠償請求権のあることを主張し、別途その請求をすることを匂わせていた、(3)
 右別件訴訟においては、被上告人の訴訟代理人の一人は本件訴訟の訴訟代理人で
ある弁護士湯木邦男であり、有限会社D鋳工所の訴訟代理人は本件訴訟の訴訟代理
人である弁護士中沢信雄であつて、両代理人とも別件訴訟における右の状況を了知
していた、(4) 被上告人は、昭和五二年四月二一日、弁護士湯木邦男を訴訟代理
人として本訴を提起したが、上告人に対する訴状等の訴訟書類の送達は数次にわた
りいずれも送達不能となり、被上告代理人の数回にわたる調査上申にもかかわらず
上告人あての送達がされないまま経過した、(5) その後、たまたま被上告代理人
が上告代理人に会つた際、被上告代理人から、上告人を相手方として訴訟を提起し
たが上告人の住所が明確でなく書類が送達不能になつていることを伝え、上告人の
住所がわかつていれば教えてほしい旨を依頼した、(6) 上告代理人は、昭和五二
年秋ごろ、被上告代理人から申出のあつた事項を上告人に伝えた、(7) 上告人及
び上告代理人ともこのころには被上告人から上告人に対して訴訟が提起されている
ことを確知した、というのである。
 右の事実関係のもとにおいては、他日判決が言い渡されるであろうことは十分予
想され、しかもその内容が上告人にとつて不利なものとなることも優に予測される
のであるから、上告人がなんらの調査もせずに控訴期間を徒過したことは重大な怠
慢というべきであつて、右判決の送達が公示送達によつてされたからといつて控訴
期間を遵守することができなかつたことが上告人の責めに帰することのできない事
由によるものであるということはできないとした原審の判断は相当であつて、原判
決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    横   井   大   三
            裁判官    江 里 口   清   雄
            裁判官    高   辻   正   己
            裁判官    環       昌   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛