弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人白井源喜の上告理由第一点について。
 論旨は、要するに、上告人は本件立木所有権に基づく引渡請求権の執行保全のた
め、「被上告人の右立木の占有を解き、執行吏の占有に移し、被上告人に対し売買、
譲渡、伐採その他一切の処分を禁ずる、執行吏は右条項につき適当なる公示方法を
施せ」との仮処分命令を得て執行したのであるから、右仮処分執行は本件立木所有
権が上告人に属することの公示方法として十分であり、被上告人に対抗できると解
すべきであるのに、これを認容しなかつた原判決は法解釈を誤り、判例に違背する
と主張する。しかし、立木の物権変動の対抗要件たる明認方法たるためには、何人
がその立木の現在所有者であるかを明らかならしめることを要するのであつて、所
有権に基づく引渡請求権ありとして、その執行を保全するため、仮処分命令を得て
これが執行として該立木の占有を執行吏に移し且これが売買、譲渡、伐採その他一
切の処分を禁ずる旨の公示をなさしめても、右公示によつては、当該立木の所有権
が係争中であつて、その占有が国家機関である執行吏の手中に存することが一般世
人に公示さるるのみであつて、未だ該立木の所有権が右仮処分債権者に属すること
の公示方法とするには足らないことは、従来の判例(昭和一二年(オ)第一、一三
四号同年一〇月三〇日大審院判決民集一、五六五頁参照)とするところであり、今
ここに右判例を変更する要を見ない。従つて、これと同趣旨の判断をした原判決に
は所論違法はなく、引用の判例は本件に適切でないから、所論は採用できない。
 同第二点について。
 論旨は、原審が弁論期日に出頭しなかつた上告代理人に対し判決言渡期日を通知
せず、又上告人が予備的請求について唯一の証拠であるD外一名の証人申請をした
のに、これを取調べずに結審したのは審理不尽の違法があると主張する。しかし、
適法な呼出をうけて期日に欠席した当事者に対しては、期日における言渡期日の告
知は効力を有し、更に呼出状の送達を要しないことは当裁判所の判例(昭和二三年
(オ)第一九号同年五月一八日第三小法廷判決民集二巻五号一一五頁参照)とする
ところである。又申請の証拠調の範囲、時期、順序は裁判所の訴訟指揮に任せられ
ている事項であり、立証事項が証明を必要とする事項でなければ、たとい、唯一の
証拠方法であつても取調べる必要はないのである。本件において、上告人の予備的
請求は、所論仮処分執行が法律上明認方法として効力を有することを前提としてい
るのであるから、これを有効と認めなかつた原審が、その余の上告人の主張事実に
ついて証拠調をするまでもなく、上告人の請求を排斥したのは当然であつて、右証
拠調をしなかつたことを以つて審理不尽として攻撃することは当らない。よつて論
旨は採用しない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一
致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    長   部   謹   吾
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫
            裁判官    斎   藤   朔   郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛