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平成13年(ワ)第15276号 特許権侵害差止等請求事件
平成14年11月13日口頭弁論終結
判          決
        原         告  ドナルドソン カンパニー インコ
ーポレイティド
   原         告  日本ドナルドソン株式会社
  原告ら訴訟代理人弁護士阿  部   佳  基
同            渡  辺   広  己
  同         中  川      豊
同            大  場   正  成
同            嶋  末   和  秀
同            山  崎   順  一
同            新  井   由  紀
  同補佐人弁理士   大  塚   康  徳
同            高  柳   司  郎  
        同            大  塚   康  弘
        同            木  村   秀  二
    被         告株式会社マーレテネックス
同訴訟代理人弁護士    青  木      康  
        同訴訟復代理人弁護士 青  木   清  志
同補佐人弁理士      荒  垣   恒  輝
主         文
 1 原告らの請求をいずれも棄却する。
 2 訴訟費用は,原告らの負担とする。
 3 原告ドナルドソン カンパニー インコーポレイティドのための控訴の付加
期間を30日と定める。
事 実 及 び 理 由
第1 請求の趣旨
 1 被告は,別紙被告製品目録1の1ないし4記載のエアフィルタ装置及び別紙
被告製品目録2の1ないし4記載のフィルタエレメントを製造し,販売してはなら
ない。
 2 被告は,その占有する別紙被告製品目録1の1ないし4記載のエアフィルタ
装置及び別紙被告製品目録2の1ないし4記載のフィルタエレメントを廃棄せよ。
 3 被告は,原告ドナルドソンカンパニーインコーポレイティドに対し,金1
億3922万5000円及びこれに対する平成13年8月11日から支払済みまで
年5分の割合による金員を支払え。
 4 被告は,原告日本ドナルドソン株式会社に対し,金6億1239万円及びこ
れに対する平成13年8月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払
え。
第2 事案の概要
   原告らは,被告に対し,①別紙被告製品目録1の1ないし4記載のエアフィ
ルタ装置(以下,それぞれ「イの1号物件」ないし「イの4号物件」といい,これ
らを総称して「イ号物件」という。)を販売する被告の行為が,原告ドナルドソン
 カンパニーインコーポレイティド(以下,「原告ドナルドソン」という。)が有
するエアフィルタ装置についての特許権及び原告日本ドナルドソン株式会社(以
下,「原告日本ドナルドソン」という。)が有する同特許権の独占的通常実施権を
侵害する,②別紙被告製品目録2の1ないし4記載のフィルタエレメント(以下,
それぞれ「ロの1号物件」ないし「ロの4号物件」といい,これらを総称して「ロ
号物件」という。「イ号物件」と「ロ号物件」を併せて「被告製品」という。)を
販売する被告の行為が,原告ドナルドソンが有するエアフィルタエレメントについ
ての特許権及び原告日本ドナルドソンが有する同特許権の独占的通常実施権を侵害
する,③ロ号物件を製造する被告の行為が,原告らの上記エアフィルタ装置につい
ての特許権等の間接侵害に当たるとして,上記各行為の差止及び損害賠償金の支払
等を求めた。
これに対し,被告は,被告製品が,各特許権の技術的範囲に属することを争
うとともに,各特許には進歩性欠如又は分割要件違背による明らかな無効理由が存
在し,原告らの請求は権利の濫用に当たると主張している。
 1 前提事実(認定事実については証拠を付した。)
  (1) 当事者
 原告ドナルドソンは,アメリカ合衆国デラウェア州法に基づいて設立され
た法人であり,エアフィルタ装置及びフィルタエレメント等の内燃機関用部品等を
業として製造販売している。
  原告日本ドナルドソンは,原告ドナルドソンの日本子会社であり,エアフ
ィルタ装置及びフィルタエレメント等の内燃機関用部品等を業として製造及び販売
している。
  被告は,エアフィルタ装置及びフィルタエレメント等の自動車用部品及び
内燃機関用部品等を,業として製造及び販売している。
 (2) 原告ドナルドソンの有する権利
   原告ドナルドソンは,以下のア及びイ記載の各特許権(以下,それぞれ
「本件特許権1」,「本件特許権2」といい,併せて「本件各特許権」と総称す
る。また,それぞれの発明を「本件発明1」,「本件発明2」といい,併せて「本
件各発明」と総称する。)を有する。
   なお,本件発明2は,本件発明1についての出願である特願昭62-505
675から平成8年8月20日に分割出願されたものである。
ア 発明の名称 エアフィルタ装置
  特許番号 第2605072号
  出 願 日 昭和62年9月3日
  登 録 日 平成9年2月13日
特許請求の範囲 別紙特許公報(以下「本件明細書1」という。)の該
当欄を訂正した別紙「特許請求の範囲」1記載のとおり
イ 発明の名称 フィルタエレメント
  特許番号 第2688479号
  出 願 日 昭和62年9月3日(分割出願の日は上記のとおり)
  登 録 日 平成9年8月22日
  特許請求の範囲 別紙特許公報(以下「本件明細書2」という。)の該
当欄を訂正した別紙「特許請求の範囲」2記載のとおり
(3) 本件各発明の構成要件
  本件各発明を構成要件に分説すると,以下のとおりである。
ア 本件発明1
A エアフィルタ装置であって,
B 第1の端部(11)と第2の端部(10b)と側壁とを有するハウジン
グ(10)を具備し,
    C 該側壁は該側壁内に空気入口開口部(14)を有し,
    D 更に,内方部分(20b)を備えた空気出口部材(20)を具備し,
    E 更に,該ハウジング(10)内に組み付け可能に受容されるようになっ
ているフィルタエレメント(15)を具備し,
    F 該フィルタエレメント(15)はハウジング(10)から着脱可能となっ
ており,
    G かつ該フィルタエレメント(15)は上記空気出口部材(20)と空気流
が連通する状態で取り付けられるようになっており,
    H 該フィルタエレメント(15)は,開放した管状のフィルタ内部領域を
形成するフィルタ(16)を備え,
    I 更に,該開放した管状のフィルタ内部領域内に配置された環状支持
体(15a)を備え,
    J 上記空気出口部材(20)の上記内方部分(20b)が外側表面と内側表面
とを有し,
K 上記フィルタ(16)が第1の端部と第2の端部とを有し,
L 該エアフィルタ装置は更に,濾過されていない空気が該フィル
タ(16)の該第1の端部内に流入することを防止するための第1の端部キャッ
プ(17)と,第2の端部キャップ(25)とを具備し,
M 該第2の端部キャップ(25)が該フィルタ(16)の該第2の端部に配
置され,
N 該第2の端部キャップ(25)が柔軟なエラストマ材料からなり,
O かつ該第2の端部キャップ(25)は該第2の端部キャップ(25)を貫
通する中央開孔を有して,上記開放した管状のフィルタ内部領域との空気流の連通
を与えるようにし,
P 上記フィルタエレメント(15)は,濾過中に空気が該フィルタエレメ
ント(15)を通って上記環状支持体(15a)に向かう方向に向けられるように上記ハ
ウジング(10)内に配向される,エアフィルタ装置において,
Q 上記第2の端部キャップ(25)は該第2の端部キャップ(25)の上記
中央開孔に上記内方部分20bが内張りされたときに密封状態となる密封部分を備え,
R 該密封部分は柔軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料からなり,
S 該密封部分は,上記開放した管状のフィルタ内部領域内に配置される
と共にフィルタ(16)と反対側の上記環状支持体(15a)の側面上で該環状支持
体(15a)に隣接して配置され,
T 上記フィルタエレメント(15)が上記ハウジング(10)内に組み付け
可能に配置されたときに該密封部分が,上記開放した管状のフィルタ内部領域内に
おいて,該開放した管状のフィルタ内部領域内の該環状支持体(15a)と,上記空気
出口部材(20)の上記内方部分(20b)の上記外側表面との間で半径方向に圧縮され
て挟持され,
U 該密封部分は,該フィルタエレメント(15)が該空気出口部材(20)
上に組み付け可能に取り付けられたときに該空気出口部材(20)との半径方向シー
ルを形成するように該空気出口部材(20)に対して寸法を定められ,
V 該空気出口部材(20)の上記内側表面が上記開放した管状のフィルタ
内部領域からの空気出口通路の内壁を形成し,
W 上記第1の端部キャップ(17)が該フィルタエレメント(15)の第1
の端部全体を覆うことを特徴とする,エアフィルタ装置。
   イ 本件発明2
a エアフィルタ装置の空気出口部材(20)内への空気流を濾過するよう
に適合され且つハウジング内に組み付け可能に受容されるように適合されたフィル
タエレメント(15)であって,
b 該空気出口部材(20)は管状をなし,かつ該空気出口部材(20)は外
側表面と内側空気流通路とを備え,
c 開放した管状のフィルタ内部領域を形成するフィルタ(16)を具備
し,該フィルタ(16)が第1の端部と第2の端部とを備え,
d 更に,濾過されていない空気が該フィルタ(16)の該第1の端部を通
過しないように該フィルタ(16)の該第1の端部を閉鎖する第1の閉鎖端部キャッ
プ(17)を具備し,
e 更に,該フィルタ(16)の該第2の端部を覆う第2の端部キャッ
プ(25)を具備し,該第2の端部キャップ(25)が柔軟なエラストマ材料からな
り,
f かつ該第2の端部キャップ(25)は該空気出口部材(20)上に嵌合す
るような大きさに形成された中央開孔を備え,
g 該空気出口部材(20)は,該開放した管状のフィルタ内部領域内に突
出する空気出口部材(20)の部分(20b)を有し,
h 更に,該開放した管状のフィルタ内部領域内に配置された環状支持
体(15a)を具備し,
i 該環状支持体(15a)の少なくとも一部が,該第2の端部キャッ
プ(25)内に埋め込まれると共に該第2の端部キャップ(25)の該中央開孔を包囲
し,
j 該環状支持体(15a)が該フィルタ(16)の一部を心出しし,
k 該第2の端部キャップ(25)は該第2の端部キャップ(25)の該中央
開孔に該部分20bが内張りされたときに密封状態となる密封部分を備え,
l 該密封部分は柔軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料からなり,
m 該密封部分は,該開放した管状のフィルタ内部領域内に配置されると
共にフィルタ(16)と反対側の該環状支持体(15a)の側面上で該環状支持
体(15a)に隣接して配置され,
n 該フィルタエレメント(15)が該空気出口部材(20)上に組み付け可
能に配置されたときに該密封部分が,上記開放した管状のフィルタ内部領域内にお
いて,該フィルタ(16)の該開放した管状のフィルタ内部領域内の該環状支持
体(15a)と,該空気出口部材(20)の該部分(20b)の外側表面との間で半径方向
に圧縮されて挟持され,
o 該密封部分は,該空気出口部材(20)を該第2の端部キャップ(25)
の該中央開孔を通して突出させることにより該フィルタエレメント(15)が該空気
出口部材(20)上に使用可能に取り付けられたときに該空気出口部材(20)の該部
分(20b)の外側表面との半径方向シールを形成するように該空気出口部材(20)の
該外側表面に対して寸法を定められ,
p 上記第1の端部キャップ(17)が該フィルタエレメント(15)の第1
の端部全体を覆う,
q フィルタエレメント。
(4) 訂正請求及び訂正審判
  原告ドナルドソンは,本件特許権1については平成14年10月15日付
訂正請求書により以下のア記載の訂正を求める訂正請求を,本件特許権2について
は同日付け審判請求書により,以下のイ記載の訂正を求める訂正審判を請求した
(甲12,13。訂正部分には下線を引いた。)。
 ア 本件特許権1についての訂正
D 「更に,内方部分(20b)を備えた管状の空気出口部材(20)を具備
し,」
  T 「前記第2の端部キャップ(25)は全体的に円筒状の内側表面(25
a)を有し,上記フィルタエレメント(15)が上記ハウジング(10)内に組み付
け可能に配置されたときに,前記第2の端部キャップ(25)の内側表面(25a)は,
前記空気出口部材(20)の上記内方部分(20b)上に嵌合すると共にこの内方部
分(20b)と密封的に係合するように配置構成され,該密封部分が,上記開放した管
状のフィルタ内部領域内において,該開放した管状のフィルタ内部領域内の該環状
支持体(15a)と,上記空気出口部材(20)の上記内方部分(20b)の上記外側表面
との間で半径方向に圧縮されて挟持され,」
 イ 本件特許権2についての訂正
 n 「前記第2の端部キャップ(25)は全体的に円筒状の内側表面(25
a)を有し,該フィルタエレメント(15)が該空気出口部材(20)上に組み付け可能
に配置されたときに,前記第2の端部キャップ(25)の内側表面(25a)は,前記
空気出口部材(20)の前記部分(20b)上に嵌合すると共にこの部分(20b)と密封
的に係合するように配置構成され,該密封部分が,上記開放した管状のフィルタ内
部領域内において,該フィルタ(16)の該開放した管状のフィルタ内部領域内の該
環状支持体(15a)と,該空気出口部材(20)の該部分(20b)の外側表面との間で
半径方向に圧縮されて挟持され,」
(5) 被告の行為
  被告は,被告製品を業として製造及び販売し,また,その所有に係る被告
製品を占有している。
 2 争点
(1) 被告製品の構成
(2) イ号物件の本件発明1の構成要件充足性
ア イ号物件は,本件発明1の構成要件D,G,J,Q,T,U,V記載の
「空気出口部材(20)」を具備しているか。
イ イ号物件は,本件発明1の構成要件W記載の「第1の端部キャッ
プ(17)」を具備しているか。またイの3号及び4号物件は,「第1の端部キャッ
プ(17)」と均等な構成を備えているか。
(3) ロ号物件の本件発明2の構成要件充足性
ア ロ号物件は,本件発明2の構成要件a,b,f,g,k,n,o記載の
「空気出口部材(20)」を具備しているか。
イ ロの1号及び2号物件は,本件発明2の構成要件d及びp記載の「第1
の端部キャップ(17)」を具備しているか。またロの3号及び4号物件は,「第1
の端部キャップ(17)」と均等な構成を備えているか。
(4) ロ号物件の製造行為は,本件特許権1の間接侵害を構成するか。
(5) 本件特許1には,進歩性欠如等による無効理由があることが明らかといえ
るか。
(6) 本件特許2には,進歩性欠如又は分割要件違背による無効理由があること
が明らかといえるか。
(7) 損害
 3 当事者の主張
(1) 被告製品及び同製品の構成
(原告らの主張)
 ア 被告製品
 被告製品は,別紙「被告製品図面(原告主張)」及び「被告製品説明書
(原告主張)」記載のとおりである(争いのある部分については,下線を引い
た。)。
 イ 被告製品の構成
 被告製品の構成を,本件各発明の構成要件に対応して分説すると,それ
ぞれ別紙「イ号物件の構成(原告主張)」の1及び2並びに「ロ号物件の構成(原
告主張)」の1及び2記載のとおりである(争いのある部分については,下線をひ
いた。)。
 被告製品の構成を,訂正後の本件各発明の構成要件に対応して分説する
と,それぞれ別紙「イ号物件の構成(原告主張)」の3及び「ロ号物件の構成(原
告主張)」の3記載のとおりである。
(被告の認否及び反論) 
ア 被告製品
 別紙「被告製品図面(原告主張)」のうち,第1,2,6,7及び17
図は否認する。上記図面は,それぞれ別紙「被告製品図面(被告主張)」1ないし
5のとおりとすべきである。
イ 被告製品の構成
(ア) 別紙「イ号物件の構成(原告主張)」のうち,イの1号及び2号物
件の構成D’,G’,J’,Q’,T’,U’,V’については,別紙「被告物件
の構成(被告主張)」1のとおりとすべきである。
  また,イの3号及び4号物件の構成L’については,別紙「被告物件
の構成(被告主張)」2のとおりとすべきである。
(イ) 別紙「ロ号物件の構成(原告主張)」のうち,ロの1号及び2号物
件の構成a’,b’,d’,f’,g’,k’,n’,o’については,別紙「被
告物件の構成(被告主張)」3のとおりとすべきである。
  また,ロの3号及び4号物件の構成d’については,別紙「被告物件
の構成(被告主張)」4のとおりとすべきである。 
(2) イ号物件の本件発明1の構成要件充足性
ア イ号物件は,本件発明1の構成要件D,G,J,Q,T,U,V記載の
「空気出口部材(20)」を具備しているか。
 (原告らの主張)   
  (ア) 「空気出口部材(20)」の解釈
    本件発明1の前記各構成要件記載の「空気出口部材(20)」とは,
「フィルタ内部領域とハウジングの空気出口との間を連通する空気出口通路を形成
している,空気流を囲包する内壁を持つ部材」を意味し,ハウジングと別の部材で
あることは要しない。また,「空気出口部材(20)」の「内方部分(20b)」とは,
①外側表面と内側表面とを有し(構成要件J),②第2の端部キャップ(25)の中
央開孔に内張りされたときには第2の端部キャップの密封部分を密封状態にし(同
G),③フィルタエレメント(15)がハウジング(10)内に組付け可能に配置され
たときに,その外側表面と環状支持体(15a)との間で第2の端部キャップ(25)の
密封部分を半径方向に圧縮挟持する(同T)部分を意味する。
  (イ) イ号物件との対比 
   a イ号物件は,別紙「イ号物件の構成(原告主張)」のD’,G’,
J’,Q’,T’,U’,V’記載のとおり,「空気出口部材(20)」及びその
「内方部分(20b)」に当たる構成を備えている。
   b 仮に,イの1,2及び4号物件の構成が,別紙「被告製品図面(被
告主張)」記載のとおりであるとしても,イの1号及び2号物件については,「レ
ゾネータ30の環状内壁30a,ハウジング10の管状部分10e及び環状ガイド
10f」が,イの4号物件については,「出口パイプ10e及び環状ガイド10
f」が,それぞれ空気出口通路を形成しているから,本件発明1の前記各構成要件
記載の「空気出口部材(20)」を備えている。
     また,上記各物件の「環状ガイド10f」は,①外側表面と内側表
面とを有し,②それが端部キャップ25の中央開孔に内張りされたときには端部キ
ャップ25の密封部分は密封状態になり,③フィルタエレメント15がハウジング
10内に組付け可能に配置されたときに,密封部分が,環状支持体15aと環状ガ
イド10fとの間で半径方向に圧縮し挟持されているから,本件発明1の前記各構
成要件記載の「内方部分(20b)」を備えている。     
 (被告の反論)
  (ア) 「空気出口部材(20)」の解釈
    本件発明1の前記各構成要件記載の「空気出口部材(20)」とは,以
下のとおり,ハウジング(10)とは別の部材であることを要する。
    まず,本件明細書1の【発明の実施の形態】欄には,「空気出口部
材」について,「管状の空気出口部材20がハウジング10の内部から軸線方向空
気出口開口部10c内に挿入されたとき,空気出口部材20の外方部分20aが管
状部分10e上にぱちんと嵌まると共に管状部分10eとぴったりと係合し,かつ
リング状部分20cがハウジング10の端部壁10bの内側表面と係合して,管状
の空気出口部材20を所定の場所に保持するようにする。」(7欄38~44
行),「フィルタエレメント及び空気出口部材をハウジングに対して軸線方向に挿
入嵌合するだけで確実で完全なシール作用が確保される。」(10欄20~23
行)と記載されているにとどまり,それ以外の構成は全く開示されていない。そし
て,符号の付け方をみると,ハウジング10に付属する要素は10にa~eを付し
て表示し,空気出口部材20に付属する要素は20にa~cを付して表示してお
り,ハウジング10と空気出口部材20とは明確に区別された部材として記述され
ている。
    また,原告ドナルドソンは,本件発明1の審査過程において特許庁に
提出した平成8年8月20日付け意見書(乙16)で,「補正後の請求項1に記載
の本願発明によれば・・・フィルタエレメント(15)及び空気出口部材(20)をハ
ウジング(10)に対して軸線方向に挿入嵌合するだけで確実で完全なシール作用が
確保されます。」(3頁下から8行~4頁5行)と述べている。すなわち,原告ド
ナルドソンが本件発明1の「空気出口部材」に関して説明したものは,ハウジング
と別体でかつ着脱自在の構成のものだけであり,空気出口部材とハウジングとを一
体成形した構成については何らの示唆もない。
    以上によれば,本件発明1にいう「空気出口部材(20)」とは,発明
者が認識した限度である「ハウジング(10)とは別部材でハウジング(10)に着脱
可能なもの」に限定されるべきであるし,禁反言の法理からも,原告らが,空気出
口部材(20)とハウジング(10)とを一体成形した装置を本件発明1の技術的範囲
に含まれると主張することは許されない。
  (イ) イ号物件との対比
   イ号物件は,別紙「被告物件の構成(被告主張)」及び「被告製品図
面(被告主張)」記載のとおり,いずれも,環状ガイド10f,出口パイプ(管状
部分)10eがハウジング10に一体成形されているので,本件発明1の構成要件
D,G,J,Q,T,U,V記載の「空気出口部材20」を具備しない。
 イ イ号物件は,本件発明1の構成要件W記載の「第1の端部キャッ
プ(17)」を具備するか。また,イの3号及び4号物件は,「第1の端部キャッ
プ(17)」と均等な構成を備えているか。
(原告らの主張)
 (ア) 主位的主張(イ号物件について)
   本件発明1の構成要件W記載の「第1の端部キャップ(17)」とは,
フィルタエレメント(15)の端部全体を覆うことにより,濾過されていない空気が
フィルタエレメント(15)の第1の端部からその内部に流入することを防止する作
用を発揮する部分である。
   これに対し,イの1号及び2号物件は,「環状のウレタン製キャップ
とその環内部の円板状金属板」が「フィルタエレメント15の第1の端部」全体を
覆い,端部161側からフィルタ16の内部の空間へ空気が流入することを防止し
ている。
   また,イの3号及び4号物件は,「環状のウレタン製端部キャップ1
7とフィルタエレメント15の孔252に挿入されるカバー11’の上面に設けら
れた管状の部材110」が,「フィルタエレメント15の第1の端部」全体を覆
い,端部161側からフィルタ16の内部の空間へ空気が流入することを防止して
いる。
   したがって,イ号物件はいずれも,構成要件W記載の「第1の端部キ
ャップ」を具備するから,本件発明1の構成要件Wを充足(文言充足)する。
 (イ) 予備的主張(イの3号及び4号物件について)
   イの3号及び4号物件は,いずれも本件発明1の構成要件Wと均等な
構成を備えており,その技術的範囲に属する。
   すなわち,①本件発明1の本質的部分は,柔軟で圧縮可能な発泡エラ
ストマ材料からなる,第2の端部キャップの密封部分を,空気出口部材と環状支持
体との間で圧縮挟持して半径方向シールを形成することにあり,第1の端部キャッ
プがフィルタエレメントの第1の端部全体を覆うこと(構成要件W)は,本件発明
1の本質的部分ではない。②本件発明1の構成要件Wを,イの3号及び4号物件の
ように「端部キャップ17に孔252を設け,カバー11’の部材110をこの孔
252に挿入して,フィルタエレメント15の第1の端部161全体を覆う」構成
に置き換えても,本件発明1の目的を達することができ,同一の作用効果を得られ
る。③上記のような置換は,甲8の1(平成元年12月18日公開)の第1図に記
載されているから,イの3号及び4号物件の製造時点において,当業者にとって容
易に想到できたものといえる。④イの3号及び4号物件のような構成は,本件発明
1の出願時における公知技術と同一又はこれから容易に推考できたものではない。
また,⑤イの3号及び4号物件の構成が,本件発明1の出願手続において意識的に
特許請求の範囲から除外されたという事情もない。  
 (被告の反論)
  (ア) 主位的主張について
   a 「第1の端部キャップ(17)」の解釈
     本件明細書1には,「第1の端部キャップ(17)」について,「閉
鎖端部17は,フィルタエレメント15上に成形され且つ比較的柔軟でゴム状の稠
度を有する発泡ウレタン材料からなる。・・・キャップ17はキャップ17側のフ
ィルタエレメント15の端部を横切って延びて閉鎖端部を形成するようにする。」
(7欄12~19行),「この閉鎖端部はキャップ17によって完全に覆われてい
る。」(9欄18~19行)と記載されている。
     そうすると,本件明細書1には,「フィルタエレメント(15)の第
1の端部全体」を,「エラストマ製の端部キャップ(17)」で覆う構成のみが開示
されており,その他の構成は何も開示されていないから,本件発明1の構成要件W
記載の「第1の端部キャップ(17)」は,エラストマ製のものに限定されると解す
るのが相当である。
   b イ号物件との対比
     イの1号及び2号物件の「フィルタエレメント15の第1の端部」
は,環状のウレタン製キャップ171とその環内部の円板状金属板172とにより
全体が覆われている。
     イの3号及び4号物件は,ハウジング10の第1の端部11に着脱
可能なカバー11’を備えており,カバー11’の上面に設けられた管状の部材1
10がウレタン製キャップ17の孔252に挿入可能であり,「第1の端部」は,
「ウレタン製キャップ17とカバー11’の管状の部材110」とにより全体が覆
われている。
     したがって,イ号物件は,いずれも,ウレタン製のキャップ(17
1,17)が第1の端部全体を覆っていないから,本件発明1の構成要件Wを充足
しない。
  (イ) 予備的主張について
    未濾過空気が,フィルタエレメントの端部を通過することを防止する
手段を講じることは,フィルタにとって不可欠な技術的手段であり,「未濾過空気
の侵入を防止する」という作用効果が同一であるからといって,置換可能性がある
とはいえない。また,本件発明1の構成要件Wは,端部キャップ(17)が「第1の
端部全体を覆う」と規定しているから,第1の端部キャップが「全体」を覆ってい
るもの以外は,意識的に特許請求の範囲から除外されている。 
 (3) ロ号物件の本件発明2の構成要件充足性
   ア ロ号物件は,本件発明2の構成要件a,b,f,g,k,n,o記載の
「空気出口部材(20)」を具備しているか。
   (原告らの主張)
     本件発明2は,「内方部分(20b)を有する空気出口部材(20)」を備え
るエアフィルタ装置に適合し,組付け可能な,フィルタエレメントについての発明
である。
     ロの1号ないし4号物件は,それぞれイの1号ないし4号物件の専用フ
ィルタエレメントであり,それぞれに適合し,かつ,組付け可能であるところ,イ
の1号ないし4号物件は,上記(2)ア(原告らの主張)のとおり,いずれも「内方部
分20bを有する空気出口部材20」を備えている。
     したがって,ロ号物件は,いずれも本件発明2の構成要件a,b,f,
g,k,n,o記載の「空気出口部材(20b)」を具備している。
   (被告の反論)
     本件発明2の構成要件a,b,f,g,k,n,oには,「空気出口部
材(20)」との記載があるが,ロ号物件はフィルタエレメントであるから,もとも
と,「空気出口部材(20)」に相当する部材を備えていない。また,上記(2)ア(被
告の反論)記載のとおり,ロ号物件を組み付けるイ号物件も,本件発明2の「空気
出口部材(20)」を具備しない。
     したがって,ロ号物件は本件発明2の構成要件a,b,f,g,k,
n,oを充足しない。
イ ロの1号及び2号物件は,本件発明2の構成要件d及びp記載の「第1
の端部キャップ(17)」を具備するか。また,ロの3号及び4号物件は,「第1の
端部キャップ(17)」と均等な構成を備えているか。
(原告らの主張)
    (ア) ロの1号及び2号物件について
      本件発明2は,「第1の端部キャップ(17)が該フィルタエレメン
ト(15)の第1の端部全体を覆うことを特徴とする」(構成要件p)が,「第1の
端部」が「ウレタン製キャップ」ですべて覆われていることを何ら要件としていな
い。
      これに対し,ロの1号及び2号物件は,「フィルタエレメント15の
第1の端部全体」が,「環状のウレタン製キャップ171」とその環内部の「円板
状金属板172」とにより全体が覆われている。したがって,ロの1号及び2号物
件は,本件発明2の構成要件d及びp記載の「第1の端部キャップ(17)」を具備
している。
    (イ) ロの3号及び4号物件について
      ロの3号及び4号物件は,端部キャップ17に孔252が存在するた
め,本件発明2の構成要件d及びp記載の「第1の端部キャップ(17)」を具備し
ていない。しかし,ロの3号及び4号物件は,以下のとおり,いずれも本件発明2
の「第1の端部キャップ(17)」と均等な構成を備えており,その技術的範囲に属
する。
      すなわち,①本件発明2の本質的部分は,「環状支持体」と「空気出
口部材」との間に半径方向のシールを形成する点にあり,第1の端部キャッ
プ(17)が,フィルタエレメントの第1の端部全体を覆うことが本件発明2の本質
的部分ではない。②本件発明2の「第1の端部キャップ(17)」という構成を,ロ
の3号及び4号物件のように,「組み付け時にカバー11’の部材110が挿入さ
れることにより端部161が閉鎖されるように孔252の開いた端部キャップ1
7」という構成に置き換えても,本件発明2の目的を達することができ,同一の作
用効果を奏する。③上記のような置換は,甲8の1(平成元年12月18日公開)
に記載されているから,ロの3号及び4号物件の製造時点において,当業者にとっ
て容易に想到することができたものである。④ロの3号及び4号物件の構成は,本
件発明2の出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから右出願時に容易に
推考できたものとはいえない。⑤ロの3号及び4号物件の構成が,本件発明2の出
願手続において意識的に特許請求の範囲から除外されたというような事情もない。
   (被告の反論)
(ア) ロの1号及び2号物件について
  本件発明2の「第1の閉鎖端部キャップ(17)」は,上記(2)イ(被告
の反論)(ア)aのとおり,エラストマ製のものに限定されると解すべきである。
  一方,ロの1号及び2号物件は,端部キャップ171が環状に形成さ
れ,環の内部には円板状金属板172が存在しているから,本件発明2記載の「第
1の閉鎖端部キャップ(17)」を具備しない。
(イ) ロの3号及び4号物件について
  上記(2)イ(被告の反論)(イ)のとおり,「第1の閉鎖端部キャッ
プ(17)」という構成は置換可能性がなく,また,本件発明2においては,第1の
端部キャップが「全体」を覆っているもの以外は,意識的に特許請求の範囲から除
外されている。
(4) ロ号物件を製造する行為は,本件特許権1の間接侵害を構成するか。
  (原告らの主張)
 ロ号物件はいずれもイ号物件専用のフィルタエレメントであり,本件発明
1の無断実施品であるエアフィルタ装置の製造にのみ使用するものであるから,こ
れを製造する行為は特許法(以下「法」という。)101条1号に当たり,本件特
許権1を侵害(間接侵害)する。
(被告の反論)
 争う。 
(5) 本件特許1には,進歩性欠如等による無効理由があることが明らかといえ
るか。
(被告の主張)
 ア 本件発明1は,以下のとおり,乙11記載の発明にすべて開示されてい
るか,乙6又は11記載の発明に,乙2の1及び2,3,13又は17記載の発明
を組み合わせることにより,当業者が容易に発明をすることができたものであり,
明らかな無効理由を有する。したがって,本件特許権1に基づく請求は権利の濫用
として許されない。
  (ア) 乙6(米国特許3078650号明細書)記載のエアフィルタの発
明には,本件発明1の構成要件AないしPと同様のハウジング(容器)の構成が開
示されている。
  (イ) 乙2の1(実開昭59-141150号)及び2(実願昭58-3
4929号の当初明細書)記載のエアフィルタの発明には,①「弾性端板32」
(密封部分)を「軟質発泡ウレタン」製とする構成(構成要件R)が開示されてい
る。
    また,上記発明には,本件発明1の構成要件QないしVと同様の「半
径方向シール」の構成が開示されている。すなわち,乙2の2には,「弾性端板突
起部34はカバー21,ボデー25の直立部24,28と圧接状態でダスト洩れを
防止し」(5頁9~11行)と記載されている。「圧接状態」とは,突起部34と
直立部28との接触面に圧力が生じている状態を意味する。したがって,乙2の1
及び2記載の発明においては,突起部34の内径dが直立部28の外径Dよりも小
さく(D>d),弾性端板32を直立部28に嵌め込むと,突起部34が半径方向
に押し拡げられて突起部34と直立部28との接触面に圧力が生じてシール(半径
方向シール)が形成されている。このことは,「突起部34」が汚染空気と清浄空
気の境に位置し,汚染空気の侵入を確実に阻止できることが必要不可欠であるこ
と,かつ,弾性を有する素材を圧縮することによって密封を確保する(半径方向シ
ールを形成する)手法がエアフィルタ設計の初歩的かつ基本的な必須事項であるこ
とからも明らかである。
  (ウ) 乙3(特開昭56-111081号公報)記載の水フィルタに関す
る発明には,「シールリップ25」(密封部分)を「弾性ポリ塩化ビニル」製とす
る構成,フィルタエレメントの端部全体を端部キャップ17で覆う構成が開示され
ている。
    また,乙3記載の発明に,半径方向シールを形成する構成が開示され
ていることは,「孔23の内縁のシールリップ25はリングフランジ13を水密に
包囲する。」(491頁左下欄2~4行)との記載があること,「水密」の意味
は,「機械,装置において,内部の液体が他へ漏れないような状態をいう」(コロ
ナ社「機械用語辞典」)こと,「シールリップ25」が汚水と清水の境に位置し,
汚水が浄化されたまま素通りすることを確実に阻止できることが必要不可欠である
こと,かつ,このような機能のために弾性を有する素材を圧縮することによって密
封を確保する(半径方向シールを形成する)手法がエアフィルタ設計の初歩的かつ
基本的な必須事項であることから明らかである。
    なお,乙3は水フィルタに関する発明であるが,エアフィルタと水フ
ィルタはしばしば「流体フィルタ」と総称されているほど,同一又は極めて近接す
る技術分野に属している。
  (エ) 乙11(米国特許第3147100号明細書)記載のエアフィルタ
の発明には,①フィルタエレメント15を収納するハウジング(容器)10につい
て,本件発明1の構成要件AないしPと同様の構成,②密封部分をエラストマ製と
する構成,③半径方向シールの技術及び構成,④フィルタ12の端部全体を端部キ
ャップ64で覆う構成が,それぞれ開示されている。
    乙11記載の発明に,半径方向シールを形成する構成が開示されてい
ることは,乙11に「蓋71が第1図に示すとおりハウジング11の頂部に置かれ
たときに,排出ダクト72は端部キャップ65の開口にぴったり挿入される。」
(3欄20~23行)との記載があること,「排出ダクト72」と「端部キャップ
65(エラストマ製)」との接触面は,清浄空気側と汚染空気側との境界に位置し
ており,汚染空気が清浄空気側へ侵入するのを確実に阻止できる機能を有している
ことが必要不可欠であること,「端部キャップ65」がエラストマ素材を用いてい
ることから明らかである。また,排出ダクト72の先端部72aは尖っているが,
これは,排出ダクト72を端部キャップ65の開口に挿入し易くするためであり,
このことからも,排出ダクト72の外径が端部キャップ65の穴の内径よりも大き
いことが分かる。
  (オ) 乙13(米国特許第3505794号明細書)記載のエアフィルタ
の発明にも,①密封部分をエラストマ製とする構成,②半径方向シールの構成が開
示されている。
    乙13記載の発明において半径方向シールが形成されていることは,
汚染空気と清浄空気との境目に「Oリング48」が設けられていること,Oリング
とは,「漏止めに用いられる円形断面の環状パッキングをいう。ゴム製であって,
みぞにはめ込んで用いる。」(乙14「機械用語辞典」)であり,エラストマ材料
製であること,Oリング48が,汚染空気と清浄空気側の境目にあり,汚染空気の
侵入を確実に阻止する機能を有していることが必要不可欠であること,エラストマ
を圧縮することによって密封を確保するという技術的思想は人類共通の知恵である
こと,などから明らかである。
  (カ) 乙17(英国特許第1499922号明細書)記載のフィルタカー
トリッジの発明にも,半径方向シールの技術及び構成が開示されている。
    このことは,乙17には「ラジアルシール(“radial sea
l”)」(2頁124行,3頁45行)との記載があること,第3図には,フィル
タエレメント11のプラスチック製のシール部材13の中央開口をハウジング17
と一体成形された垂直壁16に嵌め込むと,シール部材13の内周壁15部分が矢
印24の方向に圧縮されて半径方向シールが形成される構造が開示されていること
から,明らかである。
 イ 本件発明1について原告らから訂正請求がされている。しかし乙2及び
3記載の発明には,端部キャップが全体的に円筒状の内側表面を有する構成が開示
されているから訂正後の本件発明1も,当業者が上記各発明を組み合わせて,容易
に発明をすることができる。
(原告らの反論)
 ア 本件発明1の特徴
    (ア) 従来技術と課題
      従来のエアフィルタ装置においては,管状のフィルタエレメントの端
部とハウジング端部との間に密封部材を挟み,フィルタエレメントをハウジング端
部に向けて,ボルトのネジ締め等により軸方向圧力により強く締めつけて密封す
る,いわゆる「軸線方向シール」が採用されていた。しかし,軸線方向シールで
は,振動に耐えるためにハウジングを強く締めつけておく必要があるため,ハウジ
ングの材料は金属で,フィルタエレメントも大圧力に耐えるため,頑丈に作ること
が必要であった。そのため,従来のエアクリーナーは高重量化の傾向にあり,フィ
ルタエレメントの交換,清掃作業は,その都度ボルトやネジの締め外しが必要で,
時間のかかる煩雑な作業であった。
      本件発明1による半径方向シール方式のエアクリーナは,主としてト
ラック及び農耕用トラクタ用の円筒状の襞付濾紙フィルタエレメントを有するエア
クリーナに関するものであり,ネジによる軸線方向締めつけから解放することによ
り,材料をプラスチック等の軽量なものに代え,取換え作業も作業員の手で容易
に,かつ短時間に行うことができるようにしたものである。
    (イ) シール構造の特徴的構成
      本件発明1は,単に「半径方向シール」を採用したのみではなく,半
径方向シール方式でも,従来の軸線方向シールと同等かそれ以上の機能を有し,ト
ラックやトラクター等に使用される場合のような過酷な条件下でも信頼性の高いシ
ール機能を発揮する,特殊な半径方向シールを発明したものである。すなわち,本
件発明1においては,①密封部分が柔軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料からな
り,②該密封部分は空気出口部材(20)の内方部分(20b)とフィルタエレメン
ト(15)の環状支持体(15a)との間に半径方向に圧縮されて挟持されており,③該
密封部分を構成する第2の端部キャップ(25)の内側表面(全体的に円筒状)が,
空気出口部材の内方部分(20b)と密封的に係合し,両者が面接触をしている。な
お,上記③の点は,本件発明1の訂正請求が認められれば,より一層明確となる。
    (ウ) 作用効果
     a 「軸線方向シール」のエアフィルタ装置と等価な密封力
      本件発明1のシール機構は,半径方向シールを採用しながら,以下
のとおり,従来の軸線方向シールのエアフィルタ装置と同等又はそれ以上の密封性
及び耐久性を発揮している。
     (a) 理想的密封状態
        上記のとおり,管状の空気出口部材(20)の内方部分(20b)とフ
ィルタエレメントの環状支持体(15a)との間で密封部分が圧縮されて挟持され,し
かも内方部分(20b)の外側表面と密封部分の内面とが面接触しているため,従来の
軸線方向シールに劣らない「理想的密封状態」となる。また,フィルターエレメン
トの一方を完全にキャップで塞ぎ,シールを必要とするのは第2の端部だけである
ため,シール漏れの確率も理論上半減する。
      (b) 密封力の自己生成
        フィルタエレメントを組み付け,端部キャップ(25)を管状の空
気出口部材に嵌合しただけで,その間に挟持された密封部分に対する圧縮力で,密
封力が自己生成される。したがって,軸線方向シールのようなネジ締めなどによる
特段の押圧は不用である。そして,この半径方向圧縮力は,作動中,空気の流入に
よる入口と出口の圧力差でフィルタエレメントに加わる圧力で高められる。
      (c) 理想的耐振動,ショック構造
        上記のとおり,フィルタエレメントの環状支持体(15a),密封部
分及び空気出口部材(20)が一体的に挟持される結果,走行する車両,回転するエ
ンジンが発生する振動,外部からのショック(衝撃)に対して理想的に対応でき
る。
     b 実用上の効果 
       本件発明1は,以下のような多くの実用上の効果を有する。
      (a) 軽量化
        必然的に高重量化されていた,トラック等に用いられるエアフィ
ルタ装置の軽量化に成功した。特にプラスチック材料などを採用可能にしたこと
で,コストの低減にも成功した。
      (b) 耐久性
        密封部分が管状の空気出口部材(20b)と環状支持体(15a)に圧
縮挟持されて一体として車両走行時の振動やショックに対応するので,振動やショ
ックによる軸方向のズレ,摩擦がなく,これらの振動やショックも柔軟な密封部分
で吸収され,長期の使用でもほとんど摩耗が起こらない。
        また,プラスチックのハウジングとフィルタエレメントを利用で
きるため,これらの材料の振動減衰,振動吸収特性が得られる。
      (c) フィルタエレメントの取換交換作業の容易化
        軽量で,空気出口部材(20)の外周にフィルタエレメント(15)
を嵌め込むだけで必要なシールが完了し,器具を用いたネジ止めによる締付けが不
要なため,作業員が,極めて容易に短時間で,手作業で取換えや清掃作業ができ,
またサービスコストの低減をもたらす。
      (d) 過酷な使用条件への耐久性
        密封機構の一体化構成が振動に強い特性を発揮するため,トラッ
クや舗装道路外でのほこりと振動の激しい所で使われるトラクタなどに特に有効で
ある。
      (e) 広い温度差への耐久性
        トラックやトラクターではマイナス40度からプラス110度ま
での広範囲な温度幅に耐えるエアフィルタ装置が求められるが,密封材に発泡エラ
ストマを用いるので,部材間の温度変化の差で生ずる歪等を柔軟に吸収し,密封力
が温度変化で変化することなく,またハウジングなども温度変化に強いプラスチッ
ク材料など選択の幅が広がったので,温度が大きく異なる環境下での使用が可能で
ある。
   イ 各引用例について
     被告が主張する引用例は,以下のとおり,いずれも,本件発明1とは技
術分野,技術的課題,シール機構及び効果が異なり,本件発明1の構成が開示され
ているとも,本件発明1を容易に想到し得たともいえない。
  (ア) 乙2記載の発明について
   a 技術的課題の相違
     乙2記載の発明は,自動車の気化器に組み付けたエアフィルタ装置
に関して,従来の軸線方向シール型のエアフィルタ装置を騒音低減の観点から改良
することを課題としているものであり,本件発明1のように,装置の軽量化や,激
しい振動やショックなどの過酷な条件下で使用されるトラック等のエアフィルタ装
置という技術課題には全く着目していない。とりわけ,乙2記載の発明はハウジン
グの締付けを前提とするものであり,これを排除しようとする本件発明1とは前提
が全く異なる。
   b シール構造の相違       
    (a) 密封部分の材料の相違
      乙2には,突起部34を有する弾性端板32の材料として,「例
えば,軟質発泡ウレタンで形成され」と記載されているが,軟質発泡ウレタンの軟
らかさの程度についての記載がない上,乙2の第2図及び第4図では,突起部34
は嵌合状態でもほとんど変形しておらず,その形状(突起)が弾性変形し易くする
ようにしてあることからすれば,乙2の密封部分は,圧縮に適さない,相当軟度の
低い硬い材料から形成されている。
    (b) 密封部分の圧縮挟持の相違
     ⅰ 乙2には,突起部34によるシールの構成として,「弾性端板
突起部34はカバー21,ボディー25の直立部24,28と圧接状態でダスト洩
れを防止し」と記載されているが,突起部34が半径方向に圧縮されて挟持されて
いる旨の記載はなく,第2図及び第4図においても,突起部34が変形している形
跡はない。なお,「圧接」とは,「圧することによって部材間を接触させる」こと
を意味し(甲11),一方,「圧縮」とは,物質に圧力を加えてその容積を縮小さ
せること,或いは,おしちぢめることをいう(甲10)から,両者はその意味が明
確に異なる。したがって,乙2には,突起部34が直立部24,28とインナーチ
ューブ11との間で半径方向に圧縮されて挟持されていることは記載されていな
い。
       すなわち,乙2のシール構造は,突起部34の半径方向の圧縮
を伴わないものであって,突起部34の内径が直立部24,28の外径と略等しく
設定され,直立部24,28に対するフィルタエレメント31の挿入により,環状
の突起部34を有する弾性端板32が全体的に極微量だけ伸び広がり,ちょうど輪
ゴムで物を束ねるときのように,その復帰力により直立部24,28に圧接し,シ
ールを形成するものというべきである。
     ⅱ また,インナーチューブ11は,当時の技術常識からすれば,
専らフィルタエレメント31全体を補強するための一般的な部材にすぎなかったも
のであり,インナーチューブが密封部分を半径方向に圧縮挟持するための部材であ
ることは全く開示されていない。かえって,明細書には,第5図に示された従来の
ものと同様である旨の記載がある(4頁5ないし6行目)。したがって,インナー
チューブ11は,環状の突起部34を有する弾性端板32の伸びに逆らわないよう
に形成され,濾材を保持すると共にフィルタエレメント全体の強度を保持する役割
しかなく,密封部分のバックサポートとしての役割を担っていなかった。    
     ⅲ 仮に,突起部34が極めて柔軟な材料からなり,かつ,突起部
34の内径が直立部24,28の外径よりも小さく設定されていたとしても,フィ
ルタエレメント31は,軸線方向に直立部24,28に挿入されるため,突起部3
4は直立部24,28から軸線方向の反力を受けて,軸線方向に屈曲して作用す
る。したがって,突起部34は,上方向へ屈曲してシールを構成するだけで,本件
発明1のように直立部24,28とインナーチューブ11との間で圧縮して挟持す
るものではない。
    (c) 密封部分の接触面の相違
      乙2の図2及び図4から明らかなように,弾性端板32の内側
は,全体的に円筒状ではなく,山形に突出した突起部34の先端が直立部25に面
で接触せずに線で接触してシールを形成する。したがって,乙2の発明は,面接触
のシール構造を開示していない。   
   c 効果の相違
     乙2のシール構造では,フィルタエレメントに衝撃や振動が加わっ
た場合や,温度変化による熱膨張や熱収縮が生じた場合,シール部分に隙間を生じ
易く,トラック等に用いられる場合のように過酷な条件下では,充分なシール機能
を得ることはできない。特に,突起部34は断面釣鐘形をしており,直立部24又
は28と点で(線で)接触しているから,衝撃等によりフィルタエレメント34が
ぶれた場合,これを充分に支持することはできず,シール漏れを生じ易い。   
       また,乙2では,ボディー25にカバー21を装着した上で,セン
タボルト17とナット18によりこれらを締め付けなければシールは実現されない
ため,激しい振動,ショックにより外周パッキンのクッションで,円環状の突起部
34,35がそれぞれカバー21,ボディ25の直立部24,28と滑動して摩耗
する。このことは,乙2の出願人である被告自身が,半径方向シールに関する自ら
の後願実用新案(甲8の2)の審判請求理由補充書中で従来技術の欠陥として自白
している。
       また,乙2では,シール箇所が2か所となり,本件発明1のように
1か所ではないため,単純に見ても本件発明1の倍のシール漏れを起こす危険性を
持っている。その上,締付け構造を採用しているため,ボルトの貫通孔とのシール
でさらにシールポイントが加わり,シールの信頼性は益々低いものといわざるを得
ない。 
 (イ) 乙3記載の発明について
 a 技術分野及び技術的課題の相違
   乙3記載の発明は,飲料水等を浄化する水フィルタに関する技術で
あり,水フィルタ内の水が静止状態の場合に,細菌後増殖を防止する濾材自体を課
題にしている。また,水フィルタは,家庭等に設置され,しかも,手のひらに乗る
程度の小型のものである。したがって,乙3の発明は,エアフィルタである本件発
明1とは,技術分野が異なるし,本件発明1のような,トラックなどにおけるフィ
ルタエレメントの取換え”作業”の効率化,振動やショックが発生する過酷な条件
下で安定した確実なシールを達成するなどの技術課題に着目していない。
b シール構造の相違
(a) 密封部分の材料の相違
  乙3には,密封部分となるシールリップ25を含む弾性カバー板
17の材料として,「弾性ポリ塩化ビニル」と記載されているが,当時の弾性ポリ
塩化ビニルは,現在とは違い剛体であり,固い材料であったはずであるから,本件
発明1でいうところの「柔軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料」ではない。
(b) 密封部分の圧縮挟持の相違
 ⅰ 乙3には,「孔23の内縁のシールリップ25はリングフラン
ジ13を水密に包囲する。」と記載されているだけで,シールリップ25が,リン
グフランジ13と壁21との間で本件発明1のように半径方向に圧縮されて挟持さ
れているか否かは説明がない。かえって,シールリップ25の材料が弾性ポリ塩化
ビニルであり,圧縮に適さない固い材料であることからすれば,シールリップ25
は,リングフランジ13と壁21との間で圧縮挟持されるものではないと理解すべ
きである。すなわち,乙3に記載されているシール構造とは,シールリップ25の
圧縮を伴わないものであって,シールリップ25の内径がリングフランジ13の外
径と略等しく設定され,リングフランジ13の挿入によりシールリップ25が極微
量だけ伸び広がり,ちょうど輪ゴムで物を束ねるときのように,その復帰力により
リングフランジ13に圧接し,シールを形成するものである。
 ⅱ また,乙3には,「壁21」の材料として,「多孔性もしくは
孔を有する管またはフリースから製造した円筒によって形成することができる。材
料としてはとくにポリプロピレンが適する。」と記載されているが,フリース(独
語:Vlies)とは,繊維質材料を意味し,このような材料からなる「壁21」が,シ
ールリップ25を圧縮挟持するための強度を有しているとは考えられない。したが
って,「壁21」はシールリップ25を圧縮挟持するための部材ではなく,単にフ
ィルタ挿入体5全体の強度を補強し,形状を維持する程度の部材であるというべき
である。
 ⅲ 仮に,シールリップ25が極めて柔軟な材料からなり,かつ,
壁21が十分に強度があったと解釈しても,楔形のシールリップ25は,リングフ
ランジ13がフィルタ挿入体5の軸線方向に挿入される圧力を受けて,軸線方向へ
屈曲してシールを構成するだけで,リングフランジ13と壁21との間で圧縮して
挟持するものではない。
(c) 密封部分の接触面の相違
  乙3記載の発明は,弾性カバー17の内縁が円形テーパ状に開孔
しており,一応全体的に円筒状の内側表面を形成しているが,シールを構成するの
は,その先端部分のシールリップ25のみであり,同シールリップが,内側へ楔形
に突出して,点でリングフランジ13と接触してシールを構成する。したがって,
乙3においては,本件発明1のように面で密封的に係合する構成を何ら開示してい
ない。
 c 効果の相違
   乙3記載のシール構造は,シールリップ25が圧縮挟持されずに,
リングフランジ13の表面に単に接触する程度のものであり,このような接触面積
の小さいシールは,非常に脆く,水フィルタでは利用可能であっても,トラック等
の過酷な条件下で使用されるエアフィルタ装置に適用できるはずがない。すなわ
ち,乙3のシール構造では,本件発明1のような強力なシールを得ることはできな
い。 
 (ウ) 乙11記載の発明について
  a 技術的課題の相違
    乙11の発明は,エアフィルタ装置から内燃機関に排出される空気
の温度制御を課題とするものであり,本件発明1のような,エアフィルタ装置の軽
量化や,振動,ショック等の過酷な条件に耐久する必要性には着目されておらず,
技術的課題が全く異なる。
  b シール構造の相違
    乙11記載の発明は,そもそも半径方向シールの技術を用いるもの
ではなく,トグルクランプ76をロックすることにより,「端部キャップ65の上
端の盛り上がった部分」(密封部分)が軸線方向の荷重を受けて「カバー71」に
押し付けられ,軸線方向シールを形成するものである。
    「排出ダクト72」と「端部キャップ65」の穴の嵌合によりシー
ルが生じるものではないことは,以下の記載からも明らかである。すなわち,乙1
1には,「端部キャップ65の内周」部分が密封部分であるという記述は全くな
く,「"Theexhaustduct72...isadaptedtobeinsertedsnuglyintoaxial
boreofendcap65"」(第3欄19~23行)とだけ記載されているところ,
①"snugly"は,「きちんと,ぴったり」という意味(株式会社大修館書店「ジーニ
アス英和辞書」4版),"snugfit"は,「すべりばめ=slidefit」(工業教育研究
会編日刊工業新聞社「英和和英機械用語図解事典」)という意味であること,②乙
11の第2欄5,6行目には,"Ashallow,cup-shapedcap23ispressfitor
otherwisesnuglysecuredoverthelowerendofcaller21."と記載されてお
り,"pressfit"と"snuglysecured"とが区別して用いられていることからすれ
ば,"snugly"とは,"snugfit"の場合と同様に"press"(圧縮)を伴わない,すべり
ばめを意味すると解釈するのが妥当である。そうすると,「排出ダクト72」は,
「端部キャップ65」の軸方向の開口にぴったり嵌め込まれているだけで,開口を
押し広げた状態で嵌め込まれているものではない。   
 (エ) 乙13記載の発明について
  a 技術的課題の相違
    乙13記載の発明は,エアフィルタ装置を通過する圧縮空気の圧力
低下を防止することを課題とするものであり,本件発明1のような,エアフィルタ
装置の軽量化や,シールが過酷な条件に耐久する必要性には着目されておらず,本
件発明1とは課題が全く異なる。
  b シール構造の相違
   (a) 密封部分の素材の相違
     乙13の図2には,密封部分としてOリング48が図示されてい
るが,Oリング48が柔軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料であるとは記載されて
いない。
   (b) 密封部分の圧縮挟持の相違
      乙13には,フィルタ内部領域内に配置された環状支持体とし
て,図2には管50が図示されているが,管50はOリング48を圧縮挟持するも
のではなく,本発明のように,密封部分を空気出口部材と環状支持体との間で圧縮
挟持する機構もない。    
   (c) 密封部分の接触面の相違
     乙13記載の発明は,物理的に完全に独立したOリング48がキ
ャップ40の溝に設けられているだけで,キャップ40が密封部分を有していな
い。また,キャップ40の内側は,Oリング48の突出により円筒状ではなく,O
リング48の接触も線状である。
  c 効果の相違
    乙13記載の発明は,上部キャップ40の溝にOリング48を嵌め
込むものであり,Oリング48が脱落の危険性がある。また,部品点数も増えると
共に組み立てが面倒である。
 (オ) 乙17記載について
  a 技術的課題の相違
    乙17記載の発明は,あらゆる流体フィルタも含む一般的フィルタ
を対象とした漠然としたもので,トラック,トラクターなど過酷な条件を意識した
記載はない。また,主として長期間シール材等に荷重が加わることによるシール機
能の低下に着目しており,本件発明1の課題である軽量化やフィルターエレメント
取替作業の簡易化は全く問題にしていない。
b シール構造の相違
 (a) 密封部分の材料の相違
   乙17記載の発明の密封部分を含むシールエレメント12及び1
3の材料は,プラスチックであり(2頁47~52行),本件発明1の密封部分に
おける柔軟で圧縮可能な材料と相違する。
 (b) 密封部分の圧縮挟持の相違
   乙17記載の発明には,本件発明1の環状支持体に相当する構成
が存在せず,シールエレメント12及び13の縁14及び15は,壁16及び18
から押圧されるが,これを押し返す構成が存在しない。したがって,乙17には,
密封部分を空気出口部材と環状支持体という2つの部材間で半径方向に圧縮して挟
持する構成が記載されていない。
   なお,乙17には,「シールエレメント12及び13は半径方向
に"compressible"な内側周囲縁14及び15を有し」(2頁54~57行),「こ
の締付けは,フィルタカートリッジの側面のシールエレメント12及び13に何ら
圧力を加えない。これらは,23,24の方向に一度だけ半径方向に"compressed"
される。」(2頁75~78行)等と記載されているが,"compress"とは,2つの
部材間での圧縮という意味で用いられているのではなく,単に一方へ押されるとい
う程度の意味である。
 (c) 密封部分の接触面の相違
   乙17の図7又は図8記載のとおり,シールエレメント12及び
13の内側では,縁14及び15が複数の突起(縁,リップ)に分割されており,
その突起の先端がシールを構成するから,シールエレメント12及び13の内側が
全体的に円筒状ではなく,密封部分は面で接触せずに線で接触するという点で,本
件発明1と相違する。
 c 効果の相違
   上記のとおり,乙17記載の発明は,本件発明1の特徴的シール構
造を有していないため,従来の軸線方向シールのエアフィルタ装置同様,センター
ボルト21で強固に締め付けないと,全体の構成がゆるむ。また,ボルト締めが一
定でも激しい振動下では,カバー20とケース17間のシールエレメント22のク
ッションによりその間隔が変化し,シールエレメントの縁14,15は,ケース1
7又はカバー20の壁と滑動摩耗する。また,乙17記載の発明は,シール箇所が
二か所必要となり,本件発明1の倍のシール漏れを起こす危険性があるし,二か所
のシールをセンターボルトでハウジングを締め付けることで維持しようとしている
ので,ボルトとボルト貫通部のシールも必要となり,シールの信頼性は益々低い。
ウ 「明白性」の欠如
平成12年4月11日の最高裁判決の判示内容及び当事者間の衡平の観
点からすれば,権利濫用の抗弁を適用するためには,無効審判で無効の判断がなさ
れることが確実に予見される程度に,無効が明らかであることが必要である。
  本件訴訟において,被告は,判断に高度の専門技術性を要する進歩性の
欠如を主張しているところ,特許庁が,本件訴訟に先立って行われた異議手続にお
いて,被告が提出する引用例とほぼ同様の証拠資料によって本件各特許の有効性を
認めている以上,本件においては,無効審判が行われてもなお特許が有効であると
の判断がなされる蓋然性が高く,「特許が無効とされることが確実に予見される」
場合に当たらない。
(6) 本件特許2には,進歩性欠如又は分割要件違背による無効理由があること
が明らかといえるか。
(被告の主張) 
 ア 進歩性欠如を理由とする無効理由
   本件発明2は,本件発明1と実質的に同一の発明であり,その構成要件
aないしgは乙6又は11に,構成要件hないしoは乙2の1,3,11,13又
17に,構成要件pは乙3又は11にそれぞれ開示されている。
   また,原告が訂正審判において請求した訂正を前提としても,訂正後の
構成要件は乙2の1又は3に開示されている。
   したがって,本件発明2は,上記の技術的事項に基づいて当業者が容易
に発明をすることができたものであり,無効理由を有することが明らかである。し
たがって,本件特許権2に基づく請求は権利の濫用として許されない。 
イ 分割要件違背を理由とする無効理由
  本件発明2は,原告ドナルドソンが,本件発明1に係る特許出願(以下
「原出願」という。)が拒絶理由通知を受けた後の平成8年8月20日に,原出願
について意見書及び手続補正書を提出するとともに,分割出願をして成立したもの
である。
  しかし,原出願の分割時の明細書(乙7)には,「半径方向シール」が
得られるという1個の発明が記載されているだけであって,その他の発明は何も記
載されていないのであるから,当該出願を分割することは法44条1項の要件に反
する。このことは,上記原出願の手続補正書(乙7)と分割出願の当初明細書(乙
8)とを対比すると,①実施例,②作用効果,③発明の目的,④特許請求の範囲の
記載が実質的に同一であることからも明らかである。   
  よって,本件発明2の分割出願は,出願日遡及の利益を享受することが
できず,その出願日は現実の出願日である平成8年8月20日となるところ,本件
発明2は特表平2-501201号公報(乙9)に記載された発明と同一であるか
ら,本件特許2が無効理由を有することは明らかである。したがって,本件特許権
2に基づく請求は権利の濫用として許されない。
(原告らの反論)
 ア 進歩性欠如を理由とする無効理由について
   乙2,3,6,11,13には,本件発明2の構成要件のうち,少なく
ともl,n,oが開示されていない。また,被告が提出する各引用例には,エアフ
ィルタ装置の軽量化等の課題も記載されておらず,本件発明2に至る動機付けもな
い。そして,本件発明2は,軸線方向シール型のエアフィルタ装置の課題であるエ
アフィルタ装置の軽量化等を実現可能とするのみならず,柔軟で圧縮可能な発泡エ
ラストマ材料からなる密封部分を,空気出口部材と環状支持体との間で圧縮挟持す
るという特徴的構成のシール構造を採用することにより,フィルタエレメントの交
換容易性の向上,及びトラック等の過酷な使用条件にも耐久できるシールが得られ
るという効果を発揮するところ,上記各引用例は,いずれもこのような効果を有し
ない。
   したがって,本件発明2は,公知技術に基づいて当業者が容易に発明す
ることができたものではない。
イ 分割要件違背を理由とする無効理由について
   本件発明2は,原出願に包含されている「エアフィルタ装置の発明」と
「フィルタエレメントの発明」のうち,「フィルタエレメントの発明」を分割出願
したものであり,エアフィルタ装置の発明である本件発明1とはそもそも発明の対
象を異にしている上,本件発明2が「該環状支持体(15a)の少なくとも一部が,該
第2の端部キャップ(25)内に埋め込まれる」という構成を具備するのに対し,本
件発明1ではかかる限定がない点及びこれに伴う効果の点で相違しているから,両
者は同一とはいえない。
   よって,本件発明2にかかる分割出願は,法44条1項の要件を満たし
ており,出願日の遡及が認められる適法な出願である。   
(7) 損害
  (原告らの主張)   
  ア 原告日本ドナルドソンの損害
    (ア) 原告日本ドナルドソンは,本件各特許権の日本における独占的通常
実施権を有する。
    (イ) イ号物件について
      原告日本ドナルドソンは,イ号物件と同種のエアフィルタ装置を製
造,販売している。
      被告は,平成9年2月13日以降平成13年6月30日までに,少な
くとも,イの1号物件を34400台,イの2号物件を25800台,イの3号物
件を64900台,イの4号物件を14400台,それぞれ販売した。
      原告日本ドナルドソンがイ号物件の同種品を販売した場合の1台当た
りの利益額は,イの1号,2号及び4号物件については300円,イの3号物件に
ついては100円である。したがって,原告日本ドナルドソンは,販売利益合計2
887万円相当の損害を被った。
    (ウ) ロ号物件について
原告日本ドナルドソンは,ロ号物件と同種のフィルタエレメントを製
造,販売している。 
      被告は,平成9年2月13日以降平成13年6月30日までに,少な
くとも,ロの1号物件を103200台,ロの2号物件を77400台,ロの3号
物件を129800台,ロの4号物件を43200台,それぞれ販売した。
      原告日本ドナルドソンがロ号物件の同種品を販売した場合の1台当た
りの利益額は,ロの1号及び2号物件については2800円,ロの3号物件につい
ては400円,ロの4号物件については600円である。したがって,原告日本ド
ナルドソンは,販売利益合計5億8352万円相当の損害を被った。  
    (エ) したがって,原告日本ドナルドソンの損害は,上記(イ)及び(ウ)の
合計6億1239万円である。  
   イ 原告ドナルドソンの損害
(ア) 原告ドナルドソンは,原告日本ドナルドソンに対し,本件各特許権
の日本における独占的通常実施権を,本件特許権1については実施製品販売価額の
6%,本件特許権2については実施製品販売価額の8%の実施料で許諾した。
(イ) 被告が,上記ア(イ)及び(ウ)記載の台数の被告製品を販売したこと
によって,原告日本ドナルドソンは,同数の同種品の販売機会を失った。
  原告日本ドナルドソンが被告製品の同種品を販売した場合の1台当た
りの価額は,イの1号及び2号物件については6300円,イの3号物件について
は3300円,イの4号物件については1500円,ロの1号及び2号物件につい
ては4000円,ロの3号物件については1000円,ロの4号物件については1
200円である。
  したがって,原告ドナルドソンの逸失利益は,各種類ごとに,「原告
日本ドナルドソンの販売価格×被告の販売台数×実施料率」を計算した額を合計し
た1億922万5000円である。
(ウ) 原告ドナルドソンは,本件訴訟を提起するに当たって,少なくとも
3000万円の弁護士費用及び弁理士費用を費やした。
(エ) したがって,原告ドナルドソンの損害は,上記(イ)及び(ウ)の合計
1億3922万5000円である。
 (被告の反論)
  否認ないし争う。
   被告製品の販売台数は,イの1号物件については約1万4000台,イの2
号物件については25台,イの3号物件については約64900台,イの4号物件
については約9000台であり,ロの1号物件については約4万4000台,ロの
2号物件については約1万1000台,ロの3号物件については約1万5000
台,ロの4号物件については約1万台である。  
第3 当裁判所の判断
 1 まず,本件各特許に進歩性欠如等による明らかな無効理由が存在するかどう
かについて判断する。
(1) 本件特許1に進歩性欠如等の無効理由が存在するか(争点(5))。
ア 本件発明1
  本件発明1は,第2「事案の概要」1「前提事実」(3)ア記載のとおりで
あり,「フィルタエレメントの環状支持体(15a)」と隣接して配置された「柔軟で
圧縮可能な発泡エラストマ材料からなる密封部分」を,同環状支持体と「空気出口
部材(20)の内方部分(20b)の外側表面」との間で半径方向に圧縮挟持し,同密封
部分の内径を,上記空気出口部材の外径よりわずかに小さい寸法に定めることによ
り,フィルタエレメントと空気出口部材の間に半径方向シールを形成することを特
徴とするものである。
イ 乙11(米国特許第3147100号明細書)記載の発明
(ア) 乙11の記載内容
 乙11記載の発明は,エアフィルタ装置について発明であり,その明
細書には,以下の記載がある。
  a 「新規なエアフィルタは円筒状のハウジング11とフィルタエレメ
ント12とから成る。ハウジング11の円筒壁の下端に近く2個の穴が開いてい
る。・・・2個の金属管18及び19は,それぞれ,管の一端が円筒壁に気密に取
り付けられ,ハウジング11の外方に向かって輻射方向に延び,ハウジング11に
対する空気入口管として働く。
    金属板製のハウジング11の下端は折り返して補強カラー21を形
成する。浅いコップ状のキャップ23を補強カラー21の下端部にぴったり嵌めて
取り付ける。・・・空気入口管18及び19からハウジング11に入った空気はフ
ィルタエレメント12を通過してハウジング11の蓋71に形成された排出ダクト
72へ排出される」(第1欄65行~2欄20行)。
  b 「フィルタエレメント12は,目の細かい金網製の円筒状スクリー
ン61と,半径方向と軸線方向に延び濾布で覆ったひだで形成された金属製スクリ
ーン62が円筒状スクリーン61を取り囲んでいる。スクリーン61と62の上下
端には,それぞれ,エラストマ製の端部キャップ65及び64が鋳込まれている。
端部キャップ64は肉厚で,その下面に截頭円錐状の内周面68を有し軸線方向に
張り出している円形突部67が形成されており,その円形突部67は皿を逆さにし
た形状の支持台27の対応面に軸線に一致して気密に着座している。フィルタ12
の他端の端部キャップ65は円筒状スクリーン61の軸線と同心の開口を有する。
    ハウジング11の蓋71に形成された排出ダクト72は蓋71の内
面を越えて内方へ延び,蓋71が第1図に示すとおりハウジング11の頂部に置か
れたときに,排出ダクト72は端部キャップ65の開口にぴったり挿入される。」
(第3欄3~23行)
(イ) 乙11記載の発明と本件発明1との一致点
  上記認定事実及び乙11の図1によれば,乙11記載の発明と本件発
明1とは,以下の点において一致する。
a 乙11記載の発明と本件発明1とは,本件発明1の構成要件Aない
しP及びVにおいて一致する。
  すなわち,乙11記載の発明は,コップ状キャップ23(第1の端
部)と蓋71(第2の端部)と円筒壁とを有するハウジング11を具備する構成,
円筒壁が空気入口管18及び19を有する構成,ハウジング11の蓋71に形成さ
れた内方部分を備えた排出ダクト72(空気出口管)を有し,該内方部分が外側表
面と内側表面を有する構成,ハウジング11に組付け可能なフィルタエレメント1
2を具備している構成,該フィルタエレメント12はハウジング11に着脱可能
で,排出ダクト72と空気流が連通する状態で取り付けられるようになっている構
成,フィルタエレメント12が,開放した管状のフィルタ内部領域を形成する金属
製スクリーン62(フィルタ)と,その内側に目の細かい金網製の円筒状スクリー
ン61(環状支持体)を備えている構成,金属製スクリーン62が上下端(第1の
端部と第2の端部)を有し,濾過されていない空気が円筒状スクリーン62の第1
の端部内に流入することを防止するための端部キャップ65及び64を具備してい
る構成,端部キャップ65(第2の端部キャップ)が,エラストマ製からなり,か
つ,これを貫通する中央開口を有して,開放した管状のフィルタ内部領域と空気流
の連通を与えるようにしている構成,フィルタエレメント12が,濾過中に空気が
フィルタエレメント12を通って円筒スクリーン61に向かう方向に向けられるよ
うにハウジング11内に配向される構成,排出ダクト72の内側表面が開放した管
状のフィルタ内部領域からの空気出口通路の内壁を形成する構成において,本件発
明1の構成要件AないしP及びVと,それぞれ一致する。
b 次に,乙11記載の発明と本件発明1とは,本件発明1の構成要件
QないしUにおいて一致する。
 (a) すなわち,乙11には,「排出ダクト72」が「端部キャップ6
5の中央開口」に挿入される状態が,「"(inserted)snugly"」と表現されてい
るところ,「"snugly"」とは,「きちんと,ぴったり」という意味を有する(株式
会社大修館書店「ジーニアス英和辞書」4版)から,「排出ダクト72」と「端部
キャップ65の中央開口」とはぴったりと接した状態にある。そして,「端部キャ
ップ65」がエラストマ製(弾性の顕著な高分子物質。乙15)であり,このよう
な弾性のある部材に別の金属製の部材を挿入する場合は,弾性のある部材の中央開
口の内径を,挿入した部材の外径よりも小さくすることにより,両者の間が密封さ
れた状態となるようにすることが技術常識であることからすれば(乙12),「排
出ダクト72」と「端部キャップ65」とは,「端部キャップ65の内径dが排出
ダクト72の外径Dよりも小さい寸法に定められ,排出ダクト72に端部キャップ
65を押し込むと,端部キャップ65は半径方向に押し広げられて,その先端部分
が排出ダクト72の面を押圧する」関係にあり,したがって端部キャップ65の中
央開口の内縁は,排出ダクト72の外側と円筒状スクリーン61の間で圧縮挟持さ
れ,密封部分を形成していると理解するのが合理的である。
 (b) これに対し,原告らは,①"snugfit"は,「すべりばめ=slide
fit」(工業教育研究会編日刊工業新聞社「英和和英機械用語図解事典」)という意
味であること,②乙11の第2欄5,6行目は,浅いコップ状のキャップ23を補
強カラー21の下端部に取り付ける状態を,「pressfitorotherwisesnugly
secured」と表現しており,"pressfit"と"snuglysecured"とが区別して用いられ
ていること,③乙11においては,「端部キャップ65の上端の盛り上がった部
分」(密封部分)が「カバー71」に押し付けられて軸線方向シールを形成してお
り,半径方向シールを形成する必要がないことからすれば,上記"snugly"と
は,"snugfit"の場合と同様に"press"(圧縮)を伴わない「すべりばめ」を意味す
ると理解すべきであり,「排出ダクト72」は,「端部キャップ65の開口」にぴ
ったり嵌め込まれているだけで,開口を押し広げた状態で嵌め込まれているもので
はないと主張する。
   しかし,乙11の第2欄5,6行目の記載は,キャップ23と補
強カラー21という金属同士の嵌め合いに関する記載であり,これについて
「"snugly"」が「圧縮」と区別されて記載されているからといって,金属製の「排
出ダクト72」が,エラストマ製の「端部キャップ65」に挿入される状態につい
ても,”snugly”が「圧縮」状態を除外する意味であると解する根拠とはならない
し,"snugly"が「ぴったり」という意味を有することは上記のとおりであるか
ら,"snugfit"が「すべりばめ」を意味するからといって,端部キャップ65の内
側が排出ダクト72の外面を押圧することがないと理解することはできない。ま
た,乙11記載の発明においては,端部キャップ65をトグルクランプ76でロッ
クすることにより,軸線方向シールが形成されていることが認められるが,このこ
とは,端部キャップ65と排出ダクト72の間で半径方向シールが形成されている
ことを否定する根拠にはならない。したがって,原告らの主張は採用できない。
 (c) 以上によれば,乙11記載の発明には,端部キャップ65(第2
の端部キャップ)が,その中央開口に排出ダクト72(内方部分)が内張りされた
ときに密封状態となる密封部分を備えている構成,同密封部分がエラストマ製であ
る構成,同密封部分が円筒状スクリーン61(環状支持体)の側面上で上記スクリ
ーン61に隣接して配置され,フィルタエレメント12がハウジング11に組み込
まれたときには,金網製のスクリーン61と金属製の排出ダクト72の外側表面と
の間で半径方向に圧縮挟持される構成,端部キャップ65の内径dが排出ダクト7
2の外径Dよりわずかに小さい寸法に定められている構成において,本件発明1の
構成要件QないしUの構成と一致する。
c さらに,乙11記載の発明は,「端部キャップ64(第1の端部キ
ャップ)」が,フィルタエレメント12の下端部(第1の端部)全体を覆っている
構成において,本件発明1の構成要件Wと一致する(乙11記載の図1)。
(ウ) 小括
 以上のとおりであって,乙11記載の発明には,本件発明1の構成の
すべてが記載されていると解して差し支えない。
(なお,本件発明1についての訂正請求においては,本件発明1の構成
に,「第2の端部キャップ(25)は全体的に円筒状の内側表面を有し,その内側表
面が,空気出口部材の内方部分(20b)と密封的に係合し,密封部分を形成する」と
いう構成が付加されている。乙11記載の発明は,端部キャップ65(第2の端部
キャップ)が全体的に円筒状の内側表面を有し,その内側表面全体が排出ダクト7
2の外側表面と密封的に係合する構成が記載されているから(乙11の図1),訂
正請求により付加された構成要件とも一致する。)。
 以上のとおり,本件発明1は,乙11記載の発明に基づいて当業者が
容易に想到することができたか否かを検討するまでもなく,同記載の発明と実質的
に同一であると解して差し支えない。したがって,本件発明1は,法29条1項に
該当し,特許を受けることができないことが明らかであるといえる。
   ウ 乙3(特開昭56-111081号公報)記載の発明
 当裁判所は,前記のとおり,本件発明1は,乙11記載の発明と実質
的に同一であると解する。ただし,乙11記載の発明においては,「端部キャップ
65の内径dが排出ダクト72の外径Dより小さい寸法に定められている点」,及
び「排出ダクト72が,端部キャップ65の中央開口を押し広げた状態で嵌め込ま
れている点」,すなわち,本件発明1の構成要件T及びUに係る構成に関して,明
確に開示されているとまではいえないと解する余地もあり得るところである。そこ
で,以下において,上記の点について,念のため検討する。
    (ア) 乙3の記載内容
      乙3記載の発明は,飲料水を浄化するフィルタについて発明であり,
その公開特許公報の【発明の詳細な説明】欄には,以下の記載がある。
     a 「本発明はフィルタ室が浄化すべき媒体の流略の流入孔と流出孔の
間にフィルタ材料を含む,とくに飲料水を浄化するフィルタに関する。」
     b 「本発明の実施例を飲料水フィルタの断面図により説明する。フィ
ルタはビーカ状の円筒形ケーシング1を有し,その開いた端面は取り外し可能のふ
た3によって水密に閉鎖される。ケーシング1内へフィルタ挿入体5が挿入され,
この挿入体によってケーシング1の内部空間はリング状の外側室7と円筒形内側室
9に分割される。外側室7へ水道管に接続する流入孔11が開口する。内側室9へ
突出するケーシング1のリングフランジ13は流出管へ接続する流出孔を形成す
る。」
     c 「フィルタ挿入体5は2つの弾性カバー板15,17を有し,この
ふたは互いに同軸に配置された2つの円管状の壁19,21へ固定される。固定の
ためカバー板に同心のリング溝が設けられ,この溝へ壁19,21の端部が嵌ま
る。・・・壁19,21は多孔性もしくは孔を有する管またはフリースから製造し
た円筒によって形成することができる。材料としてはとくにプロピレンが適す
る。」
     d 「カバー板15,17は生理的に問題のない種類の弾性ポリ塩化ビ
ニルからなり,フィルタ挿入体5をケーシング1またはふた3に対してシールす
る。カバー板15はこの場合ふた3に平面的に接触する。リングフランジ13はカ
バー板17の中心孔23を貫通する。孔23の内縁のシールリップ25はリングフ
ランジ13を水密に包囲する。」
(イ) 乙3記載の発明と本件発明1との一致点
a 上記のとおり,乙3には,「シールリップ25はリングフランジ1
3を水密に包囲する」と記載されている。「水密」とは,「機械,装置において,
内部の液体が他へ漏れないようになっている状態」(「機械用語辞典」株式会社コ
ロナ社。乙14)を意味する。そして,シールリップ25が,フィルタ装置内の汚
水と清浄水とを分ける境目に配置されていること,シールリップ25とリングフラ
ンジ13の間は,水圧にも耐えられるような十分なシールで,汚染水の侵入を確実
に阻止するという機能を有していることが必要不可欠であり,かかる機能を達成す
るためには,シールリップ25の内径とリングフランジ13の外径とがほぼ等しい
単なる嵌合では不十分であること,「シールリップ25」が「弾性」ポリ塩化ビニ
ルから形成されていることを総合すると,「水密に包囲する」との意味は,「シー
ルリップ25とリングフランジ13の間で半径方向シールが形成されているこ
と」,すなわち「シールリップ25の内径dがリングフランジ13の外径Dよりも
小さい寸法に定められ,リングフランジ13にシールリップ25を押し込むことに
より,シールリップ25は半径方向に押し広げられて,その先端部分がリングフラ
ンジ13の面を押圧していること」であると理解するのが合理的である。
 したがって,乙3記載の発明には,カバー板17が,その中央孔2
3に「内側室9へ突出するケーシング1のリングフランジ13」が内張りされたと
きに密封状態となるシールリップ25を備える構成,シールリップ25が,管状の
フィルタ挿入体5の内部領域内において,壁21とリングフランジ13の外側表面
との間に配置され,半径方向に圧縮されて挟持されている構成,シールリップ25
の内径dが,リングフランジ13との間で半径方向シールを形成するようにリング
フランジ13の外径Dよりわずかに小さい寸法に定められる構成が,それぞれ開示
されている。
b 以上に対し,原告らは,乙3の「壁21」は,フリースのような繊
維質材料から形成されているから,シールリップ25を圧縮挟持するための強度を
有しているとは考えられない旨主張する。
  しかし,上記認定のとおり,「壁21」の素材としては,「多孔性
もしくは孔を有する管またはフリースから製造した円筒によって形成することがで
き,材料としてはとくにプロピレンが適する。」と記載されているのであり,その
素材がフリースに限定されているものではないし,水フィルタとしての機能上,汚
染水のフィルタ内への侵入を確実に阻止するため,シールリップ25とリングフラ
ンジ13の間では水圧にも耐えられるような十分なシールが形成されていることが
必要不可欠であることからすれば,壁21がシールリップ25の押圧に耐えられな
いような強度のものとは考えられず,シールリップ25(密封部分)は,壁21と
リングフランジ13との間で圧縮されたまま挟持されるものと解するのが相当であ
る。この点の原告らの主張は採用できない。
エ 容易想到性の判断
 以上のとおり,本件発明1における,構成要件T及びUを除くその余の
構成は,乙11記載の発明に開示され,また,構成要件T及びU記載の構成は,乙
3記載の発明に開示されている。
 そして,乙3記載の発明は,浄化すべき媒体が水である点において,本
件発明1と相違するが,流体の浄化を目的とするフィルタにおける確実なシールを
形成するという作用の点において共通しているといえるから,当業者であれば,乙
11記載の発明を基礎として,これに乙3記載の発明に係る構成を組み合わせるこ
とが容易であったものと解される。
 これに対し,原告らは,乙3記載のシール構造では,壁21の圧縮挟持
が十分ではなく,本件発明1のような強力なシールを得ることはできない旨主張す
る。しかし本件発明1は,そもそも環状支持体が一定以上の強度ないし硬度を有す
ること又は圧縮挟持が一定以上の強度であることを構成要件とするものではないか
ら,本件発明1が,乙3記載の発明とは異なるシール効果が得られることを前提と
した原告の主張は採用できない。その他,原告らはるる主張するが,いずれも理由
がなく,採用できない。
(なお,本件発明1についての訂正請求においては,本件発明1の構成
に,「第2の端部キャップ(25)は全体的に円筒状の内側表面を有し,その内側表
面が,空気出口部材の内方部分(20b)と密封的に係合し,密封部分を形成する」と
いう構成が付加されている。しかし,乙3記載の発明によれば,上記のとおりシー
ルリップ25はリングフランジ13と壁21の間で圧縮挟持され,リングフランジ
13との圧接面は線ではなく,平坦な面であるということ,シール機能をより確実
にするためにシール部材の接触する面積を増やすということは,本件特許出願当時
に周知であるといえること,シール部材を端部キャップと同じ厚みにするか,突起
部状(端部キャップの厚みの一部)にするかは,適宜選択できる事項であることに
照らすならば,当業者が乙3から上記訂正後の本件発明1のような密封部分の構成
を想到することは容易であったと認められる。したがって,訂正請求により構成要
件が付加された場合であっても,乙11及び乙3に記載された各発明に基づいて当
業者が容易に発明できたものということができる。)。
   オ 本件発明1の無効理由の存在についての結論
 以上のとおり,本件発明1は,そもそも,本件発明の出願時において公
知であった乙11記載の発明と実質的に同一であり,また,少なくとも,乙11及
び乙3記載の各発明に基づいて当業者が容易に想到することができた発明であるこ
とが明らかであるから,本件特許権1に基づく原告らの請求は,権利の濫用として
許されない。
(2) 本件特許2に進歩性欠如の明らかな無効理由が存在するか(争点(6))
  上記判示したとおり,本件発明1については進歩性欠如による明らかな無
効理由が存在するところ,本件発明2は,本件発明1のエアフィルタ装置に適合
し,半径方向シールを形成する構成のフィルタエレメントについての発明であり,
その構成要件(訂正審判により訂正の申立てをしている構成要件を含む。)は,本
件発明1とほぼ同一であるから(本件発明2は,「該環状支持体(15a)の少なくと
も一部が,該第2の端部キャップ(25)内に埋め込まれる」という構成要件が付加
されているが,乙3記載の発明は,壁21の端部がカバー板に設けられた同心のリ
ング溝に嵌められているという構成を有するから,上記構成要件も開示されてい
る。),本件発明2も,乙11記載の発明又は乙11及び乙3記載の発明に基づい
て,当業者が容易に想到することができた発明であることが明らかである。
  したがって,本件特許権2に基づく原告らの請求も,権利の濫用として許
されない。
 2 結語
   以上によれば,本件請求は,その余の点について判断するまでもなく,いず
れも理由がない。よって,主文のとおり判決する。
   東京地方裁判所民事第29部
         
         裁判長裁判官   飯  村  敏  明
     
裁判官   大  寄  麻  代
       裁判官今井弘晃は,海外出張のため署名押印ができない。
         裁判長裁判官   飯  村  敏  明
被 告 製 品 目 録 1
1 イの1号 
 エアフィルタ装置(型番1142107271)
 いすゞ自動車株式会社のトラック「フォワード」に使用されている。
2 イの2号
 エアフィルタ装置(型番16500-Z6019)
 日産ディーゼル株式会社のトラック「コンドル」に使用されている。
3 イの3号
 エアフィルタ装置(型番8972240000)
 いすゞ自動車株式会社のトラック「エルフ」に使用されている。
4 イの4号
 エアフィルタ装置(型番37A-1CA-3010)
 小松フォークリフト株式会社のフォークリフト「FG-15」に使用されてい
る。
被 告 製 品 目 録 2
1 ロの1号
 フィルタエレメント(型番114215211)
 いすゞ自動車株式会社のトラック「フォワード」に使用されている。
2 ロの2号
 フィルタエレメント(型番16546-Z9018及びZ9019)
 日産ディーゼル株式会社のトラック「コンドル」に使用されている。
3 ロの3号
 フィルタエレメント(型番8971902690)
 いすゞ自動車株式会社のトラック「エルフ」に使用されている。
4 ロの4号
 フィルタエレメント(型番3EA-01-31830)
 小松フォークリフト株式会社のフォークリフト「FG-15」に使用されてい
る。
被 告 製 品 図 面 (原 告 主 張)
1.図面の説明
 第1図 イの1号に係るエアフィルタ装置の一部破断正面図である。
 第2図 イの1号に係るエアフィルタ装置の一部破断斜視図である。
 第3図 ロの1号に係るフィルタエレメントの上方から見た斜視図である。
 第4図 ロの1号に係るフィルタエレメントの下方から見た斜視図である。
 第5図 (a)は,第3図の線XXに沿う要部断面図である。(b)は,第4図
の線XXに沿う要部断面図である。
 第6図 イの2号に係るエアフィルタ装置の一部破断正面図である。
 第7図 イの2号に係るエアフィルタ装置の一部破断斜視図である。
 第8図 ロの2号に係るフィルタエレメントの上方から見た斜視図である。
 第9図 ロの2号に係るフィルタエレメントの下方から見た斜視図である。
 第10図 (a)は,第8図の線XXに沿う要部断面図である。(b)は,第9
図の線XXに沿う要部断面図である。
 第11図 イの3号に係るエアフィルタ装置の一部破断正面図である。
 第12図 イの3号に係るエアフィルタ装置の一部破断斜視図である。
 第13図 ロの3号に係るフィルタエレメントの上方から見た斜視図である。
 第14図 ロの3号に係るフィルタエレメントの下方から見た斜視図である。
 第15図 (a)は,第13図の線XXに沿う要部断面図である。(b)は,第
14図の線XXに沿う要部断面図である。
 第16図 イの4号に係るエアフィルタ装置の外観斜視図である。
 第17図 イの4号に係るエアフィルタ装置の断面図である。
 第18図 ロの4号に係るフィルタエレメントの上方から見た斜視図である。
 第19図 ロの4号に係るフィルタエレメントの下方から見た斜視図である。
 第20図 (a)は,第18図の線XXに沿う要部断面図である。(b)は,第
19図の線XXに沿う要部断面図である。
           
第1図第2図第3図第4図第5図第6図第7図第8図第9図第10図第11図第1
2図第13図第14図第15図第16図第17図第18図第19図第20図
被 告 製 品 説 明 書(原 告 主 張)
構造の説明
(1)イの1号
第1図及び第2図を参照して,このエアフィルタ装置は,ハウジング10とハ
ウジング10内に組み付けられるフィルタエレメント15を備える。なお,フィル
タエレメント15は,ロの1号のフィルタエレメントと同じものであり,ロの1号
のフィルタエレメントを示す第3図乃至第5図も参照して説明する。
ハウジング10の側壁10aには,開口部14が設けられており,濾過される
空気は管141から開口部14を通ってハウジング10内に流入する。一方,濾過
された空気は,ハウジング10の一方の端部10bに設けられた空気出口部材20
から外部へ流出する。ハウジング10の他方の端部11には,着脱可能なカバー1
1’が構成されている。このカバー11’を取り外すことにより,ハウジング10
内部へフィルタエレメント15を配置し,また,取り出すことが可能である。空気
出口部材20は,ハウジング10の内部空間に突出した部分20bを有する。
フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ16
を有し,フィルタ16に囲包される内部空間は管状の空間を形成している。また,
フィルタエレメント15は,フィルタ16の内周側に設けられた支持体15a,及
び,外周側に設けられた支持体15bを有する。支持体15a及び15bは,それ
ぞれ多孔質の金属により略円筒状に構成されている。
フィルタ16の一方の端部161には,端部キャップ17が設けられ,また,
他方の端部162には,端部キャップ25が設けられている。
端部キャップ17は,発泡ウレタンから構成される部分171と,金属から構
成される部分172と,を有しており,端部161側からフィルタ16の内部の空
間へ空気が流入することを防止するように端部161全体を覆っている。
端部キャップ25は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した中央
開孔251を有する。フィルタ16の内部の空間に存在する空気は,この中央開孔
251を通って外部と流通可能である。フィルタエレメント15をハウジング10
に組み込み込んだ場合,中央開孔251には空気出口部材の部分20bが挿入され
た状態となる。
中央開孔251は,空気出口部材の部分20bの外径よりも僅かに小さな直径
を有する。従って,フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,
中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタエレメ
ント15の半径方向外向きに押圧される。ここで,支持体15aの端部が,端部キ
ャップ25に埋め込まれているため,端部キャップ25の周縁部分25aは,支持
体15aと空気出口部材の部分20bとの間で圧縮され,フィルタエレメント15
の半径方向のシールを形成することとなる。
次に,このエアフィルタ装置による空気の濾過について説明する。
濾過される空気は,ハウジング10の側壁10aに設けられた開口部14から
流入し,フィルタエレメント15の側方から支持体15b,フィルタ16及び支持
体15aを通過して,フィルタ16の内部空間に流入する。通過の際,空気は,フ
ィルタ16によって濾過される。濾過された空気は,その後,空気出口部材20を
通って外部へ流出する。
この際,空気出口部材20とフィルタエレメント15の端部キャップ25との
間では,端部キャップ25の周縁部分25aにより半径方向のシールが形成されて
いるため,開口部14から流入した空気が,フィルタ16を通過することなく空気
出口部材20から流出することが防止される。
このようにして,このエアフィルタ装置では,ハウジング10の開口部14か
ら流入した空気を完全に濾過することができる。また,フィルタエレメント15の
端部キャップ25の中央開孔251に,空気出口部材20を挿入することにより,
上述したシールが確立されるため,取扱いが簡単である。
(2)イの2号
第6図及び第7図を参照して,このエアフィルタ装置は,ハウジング10と,
ハウジング10内に組み付けられるフィルタエレメント15を備える。なお,フィ
ルタエレメント15は,ロの2号のフィルタエレメントと同じものであり,ロの2
号のフィルタエレメントを示す第8図乃至第10図も参照して説明する。
ハウジング10の側壁10aには,開口部14が設けられており,濾過される
空気は管141から開口部14を通ってハウジング10内に流入する。一方,濾過
された空気は,ハウジング10の一方の端部10bに設けられた空気出口部材20
から外部へ流出する。ハウジング10の他方の端部11には,着脱可能なカバー1
1’が構成されている。このカバー11’を取り外すことにより,ハウジング10
内部へフィルタエレメント15を配置し,また,取り出すことが可能である。空気
出口部材20は,ハウジング10の内部空間に突出した部分20bを有する。
フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ16
を有し,フィルタ16に囲包される内部空間は管状の空間を形成している。また,
フィルタエレメント15は,フィルタ16の内周側に設けられた支持体15a,及
び,外周側に設けられた支持体15bを有する。支持体15a及び15bは,それ
ぞれ多孔質の金属により略円筒状に構成されている。
フィルタ16の一方の端部161には,端部キャップ17が設けられ,また,
他方の端部162には,端部キャップ25が設けられている。
端部キャップ17は,発泡ウレタンから構成される部分171と,金属から構
成される部分172と,を有しており,端部161側からフィルタ16の内部の空
間へ空気が流入することを防止するように端部161全体を覆っている。
端部キャップ25は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した中央
開孔251を有する。フィルタ16の内部の空間に存在する空気は,この中央開孔
251を通って外部と流通可能である。フィルタエレメント15をハウジング10
に組み込み込んだ場合,中央開孔251には空気出口部材の部分20bが挿入され
た状態となる。
中央開孔251は,空気出口部材の部分20bの外径よりも僅かに小さな直径
を有する。従って,フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,
中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタエレメ
ント15の半径方向外向きに押圧される。ここで,支持体15aの端部が,端部キ
ャップ25に埋め込まれているため,端部キャップ25の周縁部分25aは,支持
体15aと空気出口部材の部分20bとの間で圧縮され,フィルタエレメント15
の半径方向のシールを形成することとなる。
次に,このエアフィルタ装置による空気の濾過について説明する。
濾過される空気は,ハウジング10の側壁10aに設けられた開口部14から
流入し,フィルタエレメント15の側方から支持体15b,フィルタ16及び支持
体15aを通過して,フィルタ16の内部空間に流入する。通過の際,空気は,フ
ィルタ16によって濾過される。濾過された空気は,その後,空気出口部材20を
通って外部へ流出する。
この際,空気出口部材20とフィルタエレメント15の端部キャップ25との
間では,端部キャップ25の周縁部分25aにより半径方向のシールが形成されて
いるため,開口部14から流入した空気が,フィルタ16を通過することなく空気
出口部材20から流出することが防止される。
このようにして,このエアフィルタ装置では,ハウジング10の開口部14か
ら流入した空気を完全に濾過することができる。また,フィルタエレメント15の
端部キャップ25の中央開孔251に,空気出口部材20を挿入することにより,
上述したシールが確立されるため,取扱いが簡単である。
(3)イの3号
第11図及び第12図を参照して,このエアフィルタ装置は,ハウジング10
と,ハウジング10内に組み付けられるフィルタエレメント15を備える。なお,
フィルタエレメント15は,ロの3号のフィルタエレメントと同じものであり,ロ
の3号のフィルタエレメントを示す第13図乃至第15図も参照して説明する。
ハウジング10の側壁10aには,開口部14が設けられており,濾過される
空気は管141から開口部14を通ってハウジング10内に流入する。一方,濾過
された空気は,ハウジング10の一方の端部10bに設けられた空気出口部材20
から外部へ流出する。ハウジング10の他方の端部11には,着脱可能なカバー1
1’が構成されている。このカバー11’を取り外すことにより,ハウジング10
内部へフィルタエレメント15を配置し,また,取り出すことが可能である。カバ
ー11’の上面には,管状の部材110が設けられている。
空気出口部材20は,ハウジング10の内部空間に突出した部分20bを有す
る。参照番号200は,リゾネータである。
フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ16
を有し,フィルタ16に囲包される内部空間は管状の空間を形成している。また,
フィルタエレメント15は,フィルタ16の内周側に設けられた支持体15aを有
する。支持体15aは,多孔質の金属により略円筒状に構成されている。
フィルタ16の一方の端部161には,端部キャップ17が設けられ,また,
他方の端部162には,端部キャップ25が設けられている。
端部キャップ17は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した孔2
52を有する。この孔252には,カバー11’の部材110が挿入され,端部1
61側からフィルタ16の内部の空間へ空気が流入することを防止するように閉じ
られる。
端部キャップ25は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した中央
開孔251を有する。フィルタ16の内部の空間に存在する空気は,この中央開孔
251を通って外部と流通可能である。フィルタエレメント15をハウジング10
に組み込み込んだ場合,中央開孔251には空気出口部材の部分20bが挿入され
た状態となる。
中央開孔251は,空気出口部材の部分20bの外径よりも僅かに小さな直径
を有する。従って,フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,
中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタエレメ
ント15の半径方向外向きに押圧される。ここで,支持体15aの端部が,端部キ
ャップ25に埋め込まれているため,端部キャップ25の周縁部分25aは,支持
体15aと空気出口部材の部分20bとの間で圧縮され,フィルタエレメント15
の半径方向のシールを形成することとなる。
次に,このエアフィルタ装置による空気の濾過について説明する。
濾過される空気は,ハウジング10の側壁10aに設けられた開口部14から
流入し,フィルタエレメント15の側方からフィルタ16及び支持体15aを通過
して,フィルタ16の内部空間に流入する。通過の際,空気は,フィルタ16によ
って濾過される。濾過された空気は,その後,空気出口部材20を通って外部へ流
出する。
この際,空気出口部材20とフィルタエレメント15の端部キャップ25との
間では,端部キャップ25の周縁部分25aにより半径方向のシールが形成されて
いるため,開口部14から流入した空気が,フィルタ16を通過することなく空気
出口部材20から流出することが防止される。
このようにして,このエアフィルタ装置では,ハウジング10の開口部14か
ら流入した空気を完全に濾過することができる。また,フィルタエレメント15の
端部キャップ25の中央開孔251に,空気出口部材20を挿入することにより,
上述したシールが確立されるため,取扱いが簡単である。
(4)イの4号
第16図及び第17図を参照して,このエアフィルタ装置は,ハウジング10
と,ハウジング10内に組み付けられるフィルタエレメント15を備える。なお,
フィルタエレメント15は,ロの4号のフィルタエレメントと同じものであり,ロ
の4号のフィルタエレメントを示す第18図乃至第20図も参照して説明する。
ハウジング10の側壁10aには,開口部14が設けられており,濾過される
空気は管141から開口部14を通ってハウジング10内に流入する。一方,濾過
された空気は,ハウジング10の一方の端部10bに設けられた空気出口部材20
から外部へ流出する。ハウジング10の他方の端部11には,着脱可能なカバー1
1’が構成されている。このカバー11’を取り外すことにより,ハウジング10
内部へフィルタエレメント15を配置し,また,取り出すことが可能である。カバ
ー11’の上面には,管状の部材110が設けられている。
空気出口部材20は,ハウジング10の内部空間に突出した部分20bを有す
る。
フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ16
を有し,フィルタ16に囲包される内部空間は管状の空間を形成している。また,
フィルタエレメント15は,フィルタ16の内周側に設けられた支持体15a,及
び,外周側に設けられた支持体15bを有する。支持体15a及び15bは,それ
ぞれ多孔質の金属により略円筒状に構成されている。
フィルタ16の一方の端部161には,端部キャップ17が設けられ,また,
他方の端部162には,端部キャップ25が設けられている。
端部キャップ17は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した孔2
52を有する。この孔252には,カバー11’の部材110が挿入され,端部1
61側からフィルタ16の内部の空間へ空気が流入することを防止するように閉じ
られる。
端部キャップ25は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した中央
開孔251を有する。フィルタ16の内部の空間に存在する空気は,この中央開孔
251を通って外部と流通可能である。フィルタエレメント15をハウジング10
に組み込み込んだ場合,中央開孔251には空気出口部材の部分20bが挿入され
た状態となる。
中央開孔251は,空気出口部材の部分20bの外径よりも僅かに小さな直径
を有する。従って,フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,
中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタエレメ
ント15の半径方向外向きに押圧される。ここで,支持体15aの端部が,端部キ
ャップ25に埋め込まれているため,端部キャップ25の周縁部分25aは,支持
体15aと空気出口部材の部分20bとの間で圧縮され,フィルタエレメント15
の半径方向のシールを形成することとなる。
次に,このエアフィルタ装置による空気の濾過について説明する。
濾過される空気は,ハウジング10の側壁10aに設けられた開口部14から
流入し,フィルタエレメント15の側方から支持体15b,フィルタ16及び支持
体15aを通過して,フィルタ16の内部空間に流入する。通過の際,空気は,フ
ィルタ16によって濾過される。濾過された空気は,その後,空気出口部材20を
通って外部へ流出する。
この際,空気出口部材20とフィルタエレメント15の端部キャップ25との
間では,端部キャップ25の周縁部分25aにより半径方向のシールが形成されて
いるため,開口部14から流入した空気が,フィルタ16を通過することなく空気
出口部材20から流出することが防止される。
このようにして,このエアフィルタ装置では,ハウジング10の開口部14か
ら流入した空気を完全に濾過することができる。また,フィルタエレメント15の
端部キャップ25の中央開孔251に,空気出口部材20を挿入することにより,
上述したシールが確立されるため,取扱いが簡単である。
(5)ロの1号
このフィルタエレメントは,イの1号のエアフィルタ装置に用いられるもので
ある。以下,該フィルタエレメントを示す第3図乃至第5図,及びイの1号のエア
フィルタ装置を示す第1図及び第2図を参照して説明する。
フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ16
を有し,フィルタ16に囲包される内部空間は管状の空間を形成している。また,
フィルタエレメント15は,フィルタ16の内周側に設けられた支持体15a,及
び,外周側に設けられた支持体15bを有する。支持体15a及び15bは,それ
ぞれ多孔質の金属により略円筒状に構成されており,支持体15a及び15b及び
フィルタ16は,略同芯である。
フィルタ16の一方の端部161には,端部キャップ17が設けられ,また,
他方の端部162には,端部キャップ25が設けられている。
端部キャップ17は,発泡ウレタンから構成される部分171と,金属から構
成される部分172と,を有しており,端部161側からフィルタ16の内部の空
間へ空気が流入することを防止するように端部161全体を覆っている。
端部キャップ25は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した中央
開孔251を有する。フィルタ16の内部の空間に存在する空気は,この中央開孔
251を通って外部と流通可能である。フィルタエレメント15をハウジング10
に組み込み込んだ場合,中央開孔251には空気出口部材の部分20bが挿入され
た状態となる。
中央開孔251は,空気出口部材の部分20bの外径よりも僅かに小さな直径
を有する。従って,フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,
中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタエレメ
ント15の半径方向外側へ押圧される。ここで,支持体15aの端部は,端部キャ
ップ25に埋め込まれているため,端部キャップ25の周縁部分25aは,支持体
15aと空気出口部材の部分20bとの間で圧縮され,フィルタエレメント15の
半径方向のシールを形成することとなる。
(6)ロの2号
このフィルタエレメントは,イの2号のエアフィルタ装置に用いられるもので
ある。以下,該フィルタエレメントを示す第8図乃至第10図,及びイの2号のエ
アフィルタ装置を示す第6図及び第7図を参照して説明する。
フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ16
を有し,フィルタ16に囲包される内部空間は管状の空間を形成している。また,
フィルタエレメント15は,フィルタ16の内周側に設けられた支持体15a,及
び,外周側に設けられた支持体15bを有する。支持体15a及び15bは,それ
ぞれ多孔質の金属により略円筒状に構成されており,支持体15a及び15b及び
フィルタ16は,略同芯である。
フィルタ16の一方の端部161には,端部キャップ17が設けられ,また,
他方の端部162には,端部キャップ25が設けられている。
端部キャップ17は,発泡ウレタンから構成される部分171と,金属から構
成される部分172と,を有しており,端部161側からフィルタ16の内部の空
間へ空気が流入することを防止するように端部161全体を覆っている。
端部キャップ25は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した中央
開孔251を有する。フィルタ16の内部の空間に存在する空気は,この中央開孔
251を通って外部と流通可能である。フィルタエレメント15をハウジング10
に組み込み込んだ場合,中央開孔251には空気出口部材の部分20bが挿入され
た状態となる。
中央開孔251は,空気出口部材の部分20bの外径よりも僅かに小さな直径
を有する。従って,フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,
中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタエレメ
ント15の半径方向外側へ押圧される。ここで,支持体15aの端部は,端部キャ
ップ25に埋め込まれているため,端部キャップ25の周縁部分25aは,支持体
15aと空気出口部材の部分20bとの間で圧縮され,フィルタエレメント15の
半径方向のシールを形成することとなる。
(7)ロの3号
このフィルタエレメントは,イの3号のエアフィルタ装置に用いられるもので
ある。以下,該フィルタエレメントを示す第13図乃至第15図,及びイの3号の
エアフィルタ装置を示す第11図及び第12図を参照して説明する。
フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ16
を有し,フィルタ16に囲包される内部空間は管状の空間を形成している。また,
フィルタエレメント15は,フィルタ16の内周側に設けられた支持体15aを有
する。支持体15aは,多孔質の金属により略円筒状に構成されており,支持体1
5a及びフィルタ16は,略同芯である。
フィルタ16の一方の端部161には,端部キャップ17が設けられ,また,
他方の端部162には,端部キャップ25が設けられている。
端部キャップ17は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した孔2
52を有する。この孔252には,カバー11’の部材110が挿入され,端部1
61側からフィルタ16の内部の空間へ空気が流入することを防止するように閉じ
られる。
端部キャップ25は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した中央
開孔251を有する。フィルタ16の内部の空間に存在する空気は,この中央開孔
251を通って外部と流通可能である。フィルタエレメント15をハウジング10
に組み込み込んだ場合,中央開孔251には空気出口部材の部分20bが挿入され
た状態となる。
中央開孔251は,空気出口部材の部分20bの外径よりも僅かに小さな直径
を有する。従って,フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,
中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタエレメ
ント15の半径方向外側へ押圧される。ここで,支持体15aの端部は,端部キャ
ップ25に埋め込まれているため,端部キャップ25の周縁部分25aは,支持体
15aと空気出口部材の部分20bとの間で圧縮され,フィルタエレメント15の
半径方向のシールを形成することとなる。
(8)ロの4号
このフィルタエレメントは,イの4号のエアフィルタ装置に用いられるもので
ある。以下,該フィルタエレメントを示す第18図乃至第20図,及びイの4号の
エアフィルタ装置を示す第16図及び第17図を参照して説明する。
フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ16
を有し,フィルタ16に囲包される内部空間は管状の空間を形成している。また,
フィルタエレメント15は,フィルタ16の内周側に設けられた支持体15a,及
び,外周側に設けられた支持体15bを有する。支持体15a及び15bは,それ
ぞれ多孔質の金属により略円筒状に構成されており,支持体15a及び15b及び
フィルタ16は,略同芯である。
フィルタ16の一方の端部161には,端部キャップ17が設けられ,また,
他方の端部162には,端部キャップ25が設けられている。
端部キャップ17は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した孔2
52を有する。この孔252には,カバー11’の部材110が挿入され,端部1
61側からフィルタ16の内部の空間へ空気が流入することを防止するように閉じ
られる。
端部キャップ25は,発泡ウレタンから構成されており,中央に貫通した中央
開孔251を有する。フィルタ16の内部の空間に存在する空気は,この中央開孔
251を通って外部と流通可能である。フィルタエレメント15をハウジング10
に組み込み込んだ場合,中央開孔251には空気出口部材の部分20bが挿入され
た状態となる。
中央開孔251は,空気出口部材の部分20bの外径よりも僅かに小さな直径
を有する。従って,フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,
中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタエレメ
ント15の半径方向外側へ押圧される。ここで,支持体15aの端部は,端部キャ
ップ25に埋め込まれているため,端部キャップ25の周縁部分25aは,支持体
15aと空気出口部材の部分20bとの間で圧縮され,フィルタエレメント15の
半径方向のシールを形成することとなる。
被告製品図面(被告主張)12345
イ 号 物 件 の 構 成 (原 告 主 張)
1 イの1号及び2号物件の構成
 A’ エアフィルタ装置である。
 B’ 第一の端部11,第二の端部10b,及び側壁10aを有するハウジング
10を具備している。
 C’ ハウジング10の側壁10aには空気を取り入れるための開口部14が設
けられている。
 D’ ハウジング10の内部空間に突出した部分20bを有する空気出口部材2
0を具備している。
 E’ ハウジング10内に組み付けられるフィルタエレメント15を具備してい
る。
 F’ フィルタエレメント15は,ハウジング10内に配置し又取り出すことが
可能であり着脱可能である。
 G’ フィルタエレメント15は,その内部空間から空気が空気出口部材20を
経て流出するように取り付けられている。
 H’ フィルタエレメント15は,濾紙を用いて略円筒状に形成されたフィルタ
16を有し,そのフィルタ16に包囲される内部領域は管状の空間を形成してい
る。
 I’ フィルタ16の内周側には多孔質の金属により略円筒状に構成された支持
体15aが設けられており,これはフィルタ16の内部領域内に配置された環状支
持体である。
 J’ 空気出口部材20の部分20bが外側表面と内側表面を有していることは
明白である。
 K’ フィルタ16は第一の端部161と第二の端部162を有している。
 L’ 該エアフィルタ装置は,濾過されていない空気がフィルタ16の端部16
1内に流入することを防止するために,端部キャップ17を具備している。また,
端部キャップ25を具備している。
 M’ 端部キャップ25はフィルタ16の端部162に配置されている。
 N’ 端部キャップ25は発泡ウレタンから構成されている。発泡ウレタンは,
柔軟なエラストマ材料である。
 O’ 端部キャップ25は,中央開孔251を有する。フィルタ16の内部空間
に存在する空気はこの中央開孔251を通過して外部と流通可能である。
 P’ハウジング10の側壁10aの開口部14から流入した空気は,フィルタエ
レメント15の側方からフィルタ16及び支持体15aを通過する。すなわち,フ
ィルタエレメント15は,濾過中に空気が支持体15aへ向かうような向きでもっ
てハウジング10内に配置されている。
 Q’ 端部キャップ25の中央開孔251には,空気出口部材20の部分20b
が挿入され,この時,中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25
aが密封部分として機能する。
 R’ 密封部分として機能する端部キャップ25の周縁部分25aは,発泡ウレ
タンから構成されている。発泡ウレタンは,柔軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料
である。
 S’ 端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタ16の内部空間内に配置
されている。また,周縁部分25aは,支持体15aの側面のうち,フィルタ16
と反対側,すなわち,内部空間側に面する側面上でこれに隣接して配置されてい
る。
 T’ フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,端部キャッ
プ25の中央開孔251に空気出口部材20の部分20bが挿入され,端部キャッ
プ25の周縁部分25aは,支持体15aと空気出口部材20の部分20bの外側
表面との間で半径方向に圧縮されて挟持される。
 U’ 端部キャップ25の周縁部分25aが半径方向に圧縮されてシールを形成
するように,端部キャップ25の中央開孔251は空気出口部材20の部分20b
の外径よりも小さな直径を有している。
 V’ フィルタ16の内部空間へ流入した空気は,空気出口部材20を通って流
出する。すなわち,空気出口部材20の内側表面が空気出口通路の内壁を形成して
いる。
 W’ 端部キャップ17は,発泡ウレタン部分171と,金属部分172とを有
しており,端部161全体を覆っている。
2 イの3号及び4号物件の構成
  L’及びW’を以下のとおりとするほかは,上記1と同じである。 
 L’ 該エアフィルタ装置は,濾過されていない空気がフィルタ16の端部16
1内に流入することを防止するために,端部キャップ17と端部キャップ17の孔
252に挿入されたカバー11’の部材110と,を具備しており,これらが本件
発明1の第1の端部キャップに相当する。また,端部キャップ25を具備してい
る。
 W’ 端部キャップ17と,その孔252に挿入されたカバー11’の部材11
0と,によって端部161全体が覆われている。
3 訂正後の本件発明1の構成要件に対応するイ号物件の構成
(上記1と異なる部分には下線を付した)
 D’ ハウジング10の内部空間に突出した部分20bを有する管状の空気出口
部材20を具備している。
Q’ 端部キャップ25の中央開孔251には,空気出口部材20の部分20b
が挿入され,この時,中央開孔251を画定する端部キャップ25の内側表面25
aを有する周縁部分が密封部分として機能する。
R’ 密封部分として機能する端部キャップ25の内側表面25aを有する周縁
部分は,発泡ウレタンから構成されている。発泡ウレタンは,柔軟で圧縮可能な発
泡エラストマ材料である。
S’ 端部キャップ25の内側表面25aを有する周縁部分は,フィルタ16の
内部空間内に配置されている。また,内側表面25aを有する周縁部分は,支持体
15aの側面のうち,フィルタ16と反対側,すなわち,内部空間側に面する側面
上でこれに隣接して配置されている。
T’ フィルタエレメント15をハウジング10に組み込んだ場合,端部キャッ
プ25の中央開孔251に空気出口部材20の部分20bが挿入され,端部キャッ
プ25の内側表面25aを有する周縁部分は,支持体15aと空気出口部材20の
部分20bの外側表面との間で半径方向に圧縮されて挟持される。
U’ 端部キャップ25の内側表面25aを有する周縁部分が半径方向に圧縮さ
れてシールを形成するように,端部キャップ25の中央開孔251は空気出口部材
20の部分20bの外径よりも小さな直径を有している。
ロ 号 物 件 の 構 成 (原 告 主 張)
1 ロの1号及び2号物件の構成
 a’ ロの1号物件は,イの1号物件のエアフィルタ装置に,また,ロの2号物
件は,イの2号物件のエアフィルタ装置に,それぞれ組み付けられるフィルタエレ
メントであり,空気出口部材20への空気流を濾過するものである。
 b’ 上記エアフィルタ装置の空気出口部材20は管状をなし,外側表面と内側
空気流通路を備えている。
 c’ フィルタ16は,濾紙を用いて略円筒状に形成されており,その内部空間
は,管状に開放している。また,第一の端部161と第二の端部162を備えてい
る。
 d’ フィルタ16の端部161には,濾過されていない空気がフィルタ16の
端部161を通過しないようにこれを閉鎖する端部キャップ17が設けられてい
る。
 e’ フィルタ16の端部162には,発泡ウレタンから構成された端部キャッ
プ25が設けられている。発泡ウレタンは,柔軟なエラストマ材料である。
 f’ 端部キャップ25は中央に貫通した中央開孔251を有しており,この中
央開孔251は空気出口部材20の外径よりも小さな直径を有し,嵌合可能な大き
さに形成されている。
 g’ 空気出口部材20は,端部キャップ25の中央開孔251に挿入され,フ
ィルタ16内部の空間に突出する部分20bを有する。
 h’ フィルタ16の内周側には多孔質の金属により略円筒状に構成された支持
体15aが設けられており,これはフィルタ16の内部領域内に配置された環状支
持体である。
 i’ 支持体15aの端部は端部キャップ25に埋め込まれており,また,端部
キャップ25の中央開孔251を包囲している。
 j’ フィルタ16は支持体15aに支持されて円筒状に形成され,心出しされ
ている。
 k’ 端部キャップ25の中央開孔251には,空気出口部材20の部分20b
が挿入され,この時,中央開孔251を画定する端部キャップ25の周縁部分25
aが密封部分として機能する。
 l’ 密封部分として機能する端部キャップ25の周縁部分25aは,発泡ウレ
タンから構成されている。発泡ウレタンは,柔軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料
である。
 m’ 端部キャップ25の周縁部分25aは,フィルタ16の内部空間内に配置
されている。また,周縁部分25aは,支持体15aの側面のうち,フィルタ16
と反対側,すなわち,内部空間側に面する側面上でこれに隣接して配置されてい
る。
 n’ このフィルタエレメントをハウジング10に組み込んだ場合,端部キャッ
プ25の中央開孔251に空気出口部材20が挿入され,端部キャップ25の周縁
部分25aは,支持体15aと空気出口部材20の部分20bの外側表面との間で
半径方向に圧縮されて挟持される。
 o’ 端部キャップ25の周縁部分25aが半径方向に圧縮されてシールを形成
するように,端部キャップ25の中央開孔251は空気出口部材20の部分20b
の外径よりも小さな直径を有している。
 p’ 端部キャップ17は,発泡ウレタン部分171と金属部分172とを有し
ており,端部161全体を覆っている。
 q’ フィルタエレメントであることは明らかである。
2 ロの3号及び4号物件の構成
  a’,d’及びp’を以下のとおりとするほかは,上記1と同じである。
 a’ ロの3号物件は,イの3号物件のエアフィルタ装置に,また,ロの4号物
件は,イの4号物件のエアフィルタ装置に,それぞれ組み付けられるフィルタエレ
メントであり,空気出口部材20への空気流を濾過するものである。
 d’ 端部161には,端部キャップ17が設けられている。端部キャップ17
は貫通した孔252を有する。フィルタエレメントを上記エアフィルタ装置のハウ
ジング10に組み付けた場合,この孔252にはカバー11’の部材110が挿入
され,これによってフィルタ16の端部161が閉鎖され,濾過されていない空気
が通過しないようにされている。
 p’ 端部161は,このフィルタエレメントを上記エアフィルタ装置に組み付
けた場合,端部キャップ17とカバー11’の部材110とにより全体が覆われ
る。
3 訂正後の本件発明2の構成要件に対応するロ号物件の構成
(上記1と異なる部分には下線を付した)
 k’ 端部キャップ25の中央開孔251には,空気出口部材20の部分20b
が挿入され,この時,中央開孔251を画定する端部キャップ25の内側表面25
aを有する周縁部分が密封部分として機能する。
 l’ 密封部分として機能する端部キャップ25の内側表面25aを有する周縁
部分は,発泡ウレタンから構成されている。発泡ウレタンは,柔軟で圧縮可能な発
泡エラストマ材料である。
 m’ 端部キャップ25の内側表面25aを有する周縁部分は,フィルタ16の
内部空間内に配置されている。また,内側表面25aを有する周縁部分は,支持体
15aの側面のうち,フィルタ16と反対側,すなわち,内部空間側に面する側面
上でこれに隣接して配置されている。
 n’ 端部キャップ(25)は全体的に円筒状の内側表面25aを有し,このフィ
ルタエレメントをハウジング10に組み込んだ場合,端部キャップ25の中央開孔
251に空気出口部材20が挿入され,端部キャップ25の内側表面25aは,空
気出口部材20の前記部分20b上に嵌合すると共にこの部分20bと密封的に係合
するように配置構成され,上記密封部分が,上記開放した管状のフィルタ内部領域
内において,支持体15aと空気出口部材20の部分20bの外側表面との間で半
径方向に圧縮されて挟持される。
 o’ 端部キャップ25の内側表面25aを有する周縁部が半径方向に圧縮され
てシールを形成するように,端部キャップ25の中央開孔251は空気出口部材2
0の部分20bの外径よりも小さな直径を有している。
被 告 物 件 の 構 成 (被 告 主 張)
  1 イ号の1号及び2号物件について
  D’ ハウジング10に垂直な外方に延びる管状部分10eと内方に延び
る環状ガイド10fが一体に成形されている。
  G’ フィルタエレメント15は環状ガイド10f,管状部分10e,環
状内壁30aと空気流が連通する状態で取り付けられるようになっている。
  J’ ハウジング10の環状ガイド10fは外側表面と内側表面を有して
いる。
  Q’ 端部キャップ25は,端部キャップ25の中央開孔に環状ガイド1
0fが内張りされたときに密封状態となる密封部分を備え
  T’ フィルタエレメント15がハウジング10内に組み付け可能に配置
されたときに,密封部分が,環状支持体15aと環状ガイド10fの外側表面との
間で半径方向に圧縮されて挟持され
  U’ 密封部分は,フィルタエレメント15が環状ガイド10fに組み付
け可能に取り付けられたときに,環状ガイド10fとの半径方向シールを形成する
ように環状ガイド10fに対して寸法を定められ,
  V’ 環状ガイド10f,管状部分10e,環状内壁30aの内側表面が
空気出口通路を形成し
2 イの3号及び4号物件について
  L’ 該エアフィルタ装置は,濾過されていない空気がフィルタ16の端
部161内に流入することを防止するために,端部キャップ17と端部キャップ1
7の孔252に挿入されたカバー11の部材110と,を具備しており,また,端
部キャップ25を具備している。
3 ロの1号及び2号物件について
a’ ハウジング10に一体に成形された管状部分10e内への空気流を
濾過するように適合され且つハウジング10内に組み付け可能に受容されるように
適合されたフィルタエレメント15であって,
b’ 削除。(ロ号物件には,本件発明2にいう「空気出口部材20」が
存在しない。)
d’ 濾過されていない空気がフィルタ16の第1の端部を通過しないよ
うにフィルタ16の第1の端部を閉鎖し,中央部が鉄板172,周辺部が発泡エラ
ストマ171からなる第1の閉鎖端部キャップ17を具備し
f’ 第2の端部キャップ25はハウジング10に一体に成形された環
状ガイド10f上に嵌合するような大きさに形成された中央開孔を備
え,
g’ 削除。(ロ号物件は,本件発明2にいう「空気出口部材」が存在し
ない。)
k’ 第2の端部キャップ25は,その中央開孔251に環状ガイド10
fが内張りされたときに密封状態となる密封部分を備え,
n’ フィルタエレメント15が環状ガイド10fに組み付け可能に配置
されたときに密封部分が,環状支持体15aと環状ガイド10fの外側表面との間
で半径方向に圧縮されて挟持され,
o’ 密封部分は,第2の端部キャップ25の中央開孔を通して突出させ
ることによりフィルタエレメント15が環状ガイド10f上に使用可能に取り付け
られたときに環状ガイド10fの外側表面との半径方向を形成するように環状ガイ
ド10fの外側表面に対して寸法を定められ,
4 ロの3号及び4号物件について
d’ 端部161には,端部キャップ17が設けられている。端部キャッ
プ17は貫通した孔252を有する。(ロの3号物件及びロの4号物件にはカバー
11’,部材110は存在しない。)
特 許 請 求 の 範 囲
             
1 本件特許権1
エアフィルタ装置であって,
 第1の端部(11)と第2の端部(10b)と側壁とを有するハウジング(10)を具備
し,該側壁は該側壁内に空気入口開口部(14)を有し,更に,内方部分(20b)を備
えた空気出口部材(20)を具備し,更に,該ハウジング(10)内に組み付け可能に
受容されるようになっているフィルタエレメント(15)を具備し,該フィルタエレ
メント(15)はハウジング(10)から着脱可能となっており,かつ該フィルタエレ
メント(15)は上記空気出口部材(20)と空気流が連通する状態で取り付けられる
ようになっており,該フィルタエレメント(15)は,
 開放した管状のフィルタ内部領域を形成するフィルタ(16)を備え,
 更に,該開放した管状のフィルタ内部領域内に配置された環状支持体(15a)を備
え,
 上記空気出口部材(20)の上記内方部分(20b)が外側表面と内側表面とを有し,
 上記フィルタ(16)が第1の端部と第2の端部とを有し,該エアフィルタ装置は
更に,濾過されていない空気が該フィルタ(16)の該第1の端部内に流入すること
を防止するための第1の端部キャップ(17)と,第2の端部キャップ(25)とを具
備し,該第2の端部キャップ(25)が該フィルタ(16)の該第2の端部に配置さ
れ,該第2の端部キャップ(25)が柔軟なエラストマ材料からなり,かつ該第2の
端部キャップ(25)は該第2の端部キャップ(25)を貫通する中央開孔を有して,
上記開放した管状のフィルタ内部領域との空気流の連通を与えるようにし,
 上記フィルタエレメント(15)は,濾過中に空気が該フィルタエレメント(15)
を通って上記環状支持体(15a)に向かう方向に向けられるように上記ハウジン
グ(10)内に配向される,エアフィルタ装置において,
 (a)上記第2の端部キャップ(25)は該第2の端部キャップ(25)の上記中央
開孔に上記内方部分20bが内張りされたときに密封状態となる密封部分を備え,該密
封部分は柔軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料からなり,該密封部分は,上記開放
した管状のフィルタ内部領域内に配置されると共にフィルタ(16)と反対側の上記
環状支持体(15a)の側面上で該環状支持体(15a)に隣接して配置され,上記フィ
ルタエレメント(15)が上記ハウジング(10)内に組み付け可能に配置されたとき
に該密封部分が,上記開放した管状のフィルタ内部領域内において,該開放した管
状のフィルタ内部領域内の該環状支持体(15a)と,上記空気出口部材(20)の上記
内方部分(20b)の上記外側表面との間で半径方向に圧縮されて挟持され,該密封部
分は,該フィルタエレメント(15)が該空気出口部材(20)上に組み付け可能に取
り付けられたときに該空気出口部材(20)との半径方向シールを形成するように該
空気出口部材(20)に対して寸法を定められ,
(b)該空気出口部材(20)の上記内側表面が上記開放した管状のフィルタ内
部領域からの空気出口通路の内壁を形成し,
(c)上記第1の端部キャップ(17)が該フィルタエレメント(15)の第1の
端部全体を覆うことを特徴とする,エアフィルタ装置。
2 本件特許権2
 エアフィルタ装置の空気出口部材(20)内への空気流を濾過するように適合され
且つハウジング内に組み付け可能に受容されるように適合されたフィルタエレメン
ト(15)であって,該空気出口部材(20)は管状をなし,かつ該空気出口部
材(20)は外側表面と内側空気流通路とを備え,
 (a)開放した管状のフィルタ内部領域を形成するフィルタ(16)を具備し,該
フィルタ(16)が第1の端部と第2の端部とを備え,
 (b)更に,濾過されていない空気が該フィルタ(16)の該第1の端部を通過し
ないように該フィルタ(16)の該第1の端部を閉鎖する第1の閉鎖端部キャッ
プ(17)を具備し,
 (c)更に,該フィルタ(16)の該第2の端部を覆う第2の端部キャップ(25)
を具備し,該第2の端部キャップ(25)が柔軟なエラストマ材料からなり,かつ該
第2の端部キャップ(25)は該空気出口部材(20)上に嵌合するような大きさに形
成された中央開孔を備え,該空気出口部材(20)は,該開放した管状のフィルタ内
部領域内に突出する空気出口部材(20)の部分(20b)を有し,
 (d)更に,該開放した管状のフィルタ内部領域内に配置された環状支持
体(15a)を具備し,該環状支持体(15a)の少なくとも一部が,該第2の端部キャ
ップ(25)内に埋め込まれると共に該第2の端部キャップ(25)の該中央開孔を包
囲し,該環状支持体(15a)が該フィルタ(16)の一部を心出しし,
 (e)該第2の端部キャップ(25)は該第2の端部キャップ(25)の該中央開孔
に該部分20bが内張りされたときに密封状態となる密封部分を備え,該密封部分は柔
軟で圧縮可能な発泡エラストマ材料からなり,該密封部分は,該開放した管状のフ
ィルタ内部領域内に配置されると共にフィルタ(16)と反対側の該環状支持
体(15a)の側面上で該環状支持体(15a)に隣接して配置され,該フィルタエレメ
ント(15)が該空気出口部材(20)上に組み付け可能に配置されたときに該密封部
分が,上記開放した管状のフィルタ内部領域内において,該フィルタ(16)の該開
放した管状のフィルタ内部領域内の該環状支持体(15a)と,該空気出口部材(20)
の該部分(20b)外側表面との間で半径方向に圧縮されて挟持され,該密封部分は,
該空気出口部材(20)を該第2の端部キャップ(25)の該中央開孔を通して突出さ
せることにより該フィルタエレメント(15)が該空気出口部材(20)上に使用可能
に取り付けられたときに該空気出口部材(20)の該部分(20b)の外側表面との半径
方向シールを形成するように該空気出口部材(20)の該外側表面に対して寸法を定
められ,
 (f)上記第1の端部キャップ(17)が該フィルタエレメント(15)の第1の端
部全体を覆う,フィルタエレメント。

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