弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     一 本件即時抗告を却下する。
     二 抗告費用は抗告人の負担とする。
         理    由
 一 本件即時抗告の趣旨及び理由
 別紙抗告状(写し)記載のとおり。
 二 当裁判所の判断
 1 一件記録によれば、原審(京都地方裁判所)は、平成四年(モ)第二八七四
号免責申立事件につき、平成六年四月二六日相手方を免責する旨の決定(原決定)
をし、右決定書の謄本を同月二八日、相手方(破産者)の債権者で免責につき異議
申立てをしていた抗告人に送達し、かつ、同年六月八日、原決定についての公告を
官報に掲載してなしたこと、抗告人は、原決定に対し、同年六月二二日抗告状を当
裁判所に提出して本件即時抗告の申立てをしたことが認められる。
 免責決定に対する即時抗告期間は、裁判の告知を受けた日から一週間である(破
産法一〇八条、民訴法四一五条)から、抗告人のした本件即時抗告の申立ては、即
時抗告期間を徒過しているものである。
 2 しかし、一件記録によれば、原裁判所は、原決定書の謄本を他の債権者には
送達せす、また、前記のとおり、原決定についての公告を平成六年六月八日官報に
掲載してなしたものであるところ、破産手続に関する裁判についての即時抗告期間
の算定は、その告知方法として送達と公告とが共になされるべき場合には、破産手
続における集団的処理の要請等に照らし、その公告が効力を生ずるとき(破産法一
一五条、一一六条参照)を基準としてこれをするのが相当である。
 3 もっとも、免責の決定の場合にあっては、職権をもって破産者、知れたる債
権者等にそれぞれ当該決定を送達すべきものとされ(破産法一一一条参照)、か
つ、送達に代え公告をすることができるものとされている(破産法一一七条)ので
あるが、そのいずれによるかは、破産裁判所の裁量にゆだねられているところ、前
記のとおり、本件は、知れたる債権者である抗告人に送達がなされているのであっ
て、送達を受けた抗告人としては、送達により裁判の内容を了知しているのである
から、その期間については、送達を基準として、原決定に対する即時抗告の期間を
算定するのが相当である。そして、免責の決定の場合においては、送達のほかに公
告がなされるのが常であるわけでもないのであるから、送達を受けた者について
は、その日から一週間を経過した後に、たまたま公告がなされることがあった場合
においても、そのゆえに、いったん経過してしまった即時抗告期間が、再度公告を
基準として進行を始めるものとは解されな<要旨>い。したがって、原決定の場合の
ように、送達か公告かの一方のみで足りるのに、送達と公告とが重複してな
されているときは、送達から一週間と公告から二週間後のうちの早く到来する時点
をもって、その抗告期間の徒過をみるものと解するのが相当である。
 4 原決定の場合にあっては、前記のとおり、抗告人に対するその送達がなされ
ているのであるから、その後公告がなされてはいるけれども、右公告のなされたが
ゆえに、本件抗告が適法となるものとする余地はなく、同時にまた、右の公告後、
改めて抗告人において抗告かできるものとみる余地もないのであるから、本件即時
抗告が不適法であることは明らかというへきである。
 三 よって、本件即時抗告を不適法として却下し、抗告費用は抗告人の負担とし
て、主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 仙田富士夫 裁判官 竹原俊一 裁判官 渡邊壮)

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