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裁判例


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平成20年(行ウ)第42号政務調査費返還代位請求事件
判決
主文
1本件訴えを却下する。
2訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由
第1請求
被告は,a,b,c,d,e,fに対し,連帯して1358万4541円及びこ
れに対する平成19年5月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払う
ことを請求せよ。
第2事案の概要
本件は,名古屋市の住民である原告らが,名古屋市が名古屋市議会における会派
である「g党名古屋市会議員団」(以下「本件会派」という。)に対し交付した平
成13年度分の政務調査費のうち1358万4541円が目的外に支出されており,
名古屋市は平成14年5月1日以降本件会派に対して同額の不当利得返還請求権
(以下「本件返還請求権」という。)を有していたにもかかわらず,名古屋市議会
の歴代議長らが調査権限を行使しなかったため,上記目的外支出の事実が明らかと
ならず,名古屋市の長である被告が本件返還請求権を行使しないまま,平成19年
4月30日の経過により本件返還請求権が時効消滅し,これによって名古屋市が本
件返還請求権を喪失するという損害を被った旨主張し,地方自治法242条の2第
1項4号に基づき,被告に対し,平成14年4月30日から平成19年4月30日
までの間に名古屋市議会の議長の職にあった者らに対して1358万4541円の
損害賠償請求をすることを求める住民訴訟である。
1前提事実(争いがないか証拠又は弁論の全趣旨から明らかである。)
()当事者等1
ア原告らは,名古屋市の住民である。
イ被告は,地方自治法242条の2第1項4号所定の名古屋市の執行機関で
ある。
ウa,b,c,d,e及びfは,次の期間,名古屋市議会の議長であったも
のである(以下,これらの者を併せて「本件市会議長ら」という。)。
(ア)a平成13年5月21日∼平成14年5月22日
(イ)b平成14年5月22日∼平成15年4月29日
(ウ)c平成15年5月14日∼平成16年5月17日
(エ)d平成16年5月17日∼平成17年5月18日
(オ)e平成17年5月18日∼平成18年5月22日
(カ)f平成18年5月22日∼平成19年4月29日
()政務調査費の支出等2
平成13年度における本件会派所属の議員は24人であった。名古屋市は,本件
会派に対し,平成13年度政務調査費として,本件会派に所属する議員1人当たり
月額55万円を支給した。
()住民監査請求の経緯等3
原告らは,平成20年5月8日,名古屋市監査委員に対し,被告が本件市会議長
らに連帯して1358万4541円を名古屋市に賠償させるために必要な措置を講
ずべきことを求める住民監査請求(以下「本件監査請求」という。)をした。
()本件監査請求に対する監査結果4
名古屋市監査委員は,平成20年5月20日付けで,本件監査請求を不適法とし
て却下する旨の決定をし,原告らに対し,その旨を通知した。
上記決定の理由は,本件監査請求については,原告らの主張する本件返還請求権
が時効によって消滅した平成19年4月30日を基準として地方自治法242条2
項本文の規定(以下「本件規定」という。)が定める1年の監査請求期間の制限に
服するところ,本件監査請求はこれを徒過して平成20年5月8日にされたもので
あり,同項ただし書の適用について何ら主張がないから不適法というものである。
()本訴提起5
原告らは,平成20年6月16日,被告に対し,本件市会議長らに対する135
8万4541円の損害賠償請求権(以下「本件損害賠償請求権」という。)を行使
することを求める本訴を提起した。
2関係法令等の抜粋
()地方自治法(ただし,平成14年法律第4号による改正前のもの)1
100条12項普通地方公共団体は,条例の定めるところにより,その議会
の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として,そ
の議会における会派又は議員に対し,政務調査費を交付する
ことができる。この場合において,当該政務調査費の交付の
対象,額及び交付の方法は,条例で定めなければならない。
13項前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は,条例の定
めるところにより,当該政務調査費に係る収入及び支出の報
告書を議長に提出するものとする。
()名古屋市会政務調査費の交付に関する条例(平成13年名古屋市条例第1号。2
ただし,平成14年名古屋市条例第51号による改正前のもの。以下「本件条例」
という。)
1条この条例は,地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条第1
2項及び第13項の規定に基づき,名古屋市会の議員の調査研究に
資するため必要な経費の一部として,議会における会派に対し,政
務調査費を交付することに関し必要な事項を定めるものとする。
2条政務調査費は,名古屋市会における会派(所属議員が1人の場合を
含む。以下「会派」という。)に対して交付する。
3条1項政務調査費は,月額55万円に当該各派の所属議員の数を乗じて得
た額を会派に対し交付する。
4条政務調査費は,議長が定める使途基準に従って使用するものとし,
市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充てて
はならない。
5条1項政務調査費の交付を受けた会派の代表者は,政務調査費に係る収入
及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を別記様式により
議長に提出しなければならない。
2項収支報告書は,前年度の交付に係る政務調査費について,毎年4月
30日までに提出しなければならない。
6条議長は,政務調査費の適正な運用を期すため,前条の規定により収
支報告書が提出されたときは,必要に応じ調査を行うことができ
る。
7条市長は,政務調査費の交付を受けた会派がその年度において交付を
受けた政務調査費の総額から,当該会派がその年度において市政に
関する調査研究に資するため必要な経費として支出した総額を控除
して残余がある場合,当該残余の額に相当する額の政務調査費の返
還を命ずることができる。
別記様式(略)
()名古屋市会政務調査費の交付に関する規則(平成13年名古屋市規則第113
号)
5条議長は,条例第5条第1項の規定により提出された収支報告書の写
しを市長に送付するものとする。
6条1項会派は,政務調査費に関する経理責任者を置かなければならない。
2項政務調査費の交付を受けた会派の経理責任者は,政務調査費の支出
について会計帳簿を調製するとともに,領収書等の証拠書類を整理
し,これらの書類を当該政務調査費に係る収支報告書の提出期限の
日から起算して5年を経過する日まで保管しなければならない。
()名古屋市会政務調査費の使途基準及び収支報告書の閲覧に関する規程(平4
成13年市会達第1号)
2条条例第4条に規定する政務調査費の使途基準は,別表に掲げる項目
ごとに概ね右欄に掲げるとおりとする。
3原告らの本案に係る主張
()本件会派は,議員1人当たり月額55万円支給される政務調査費のうち,51
万円を本件会派の共通経費とし,残り50万円を議員個人の政務調査活動に係るも
のとしてきたとの説明をしている。しかしながら,本件会派が平成13年度に支出
した政務調査費(共通経費分)中,次のとおり,合計1358万4541円が目的
外支出に該当するから,本件会派は,平成14年5月1日以降,名古屋市に対する
同額の返還債務があった。
ア使途不明金545万8517円
共通経費分の収入は1440万1705円(1705円は利子)であるが,支出
金額を合計しても894万3188円にしかならない。差額は545万8517円
となる。ちなみに名古屋市に返還した残金は0円であったから,この545万85
17円全額が使途不明である。
イ飲食費224万6880円
飲食費はいかなる意味でも政務調査活動に要する費用とはいえない。
ウ懇親会費64万4086円
懇親会費の支出も単なる飲食への支出であって政務調査費による支出は違法であ
る。
エ懇談会費26万9466円
懇談会費の支出に名を借りた飲食費である。懇談会に要した飲食に政務調査費と
しての支出が許されるのは,飲食費の支出が懇談に必要不可欠な場合に限られる。
しかし,本件の飲食については,懇談に必要不可欠とはいえないから違法である。
オ議員総会43万6245円
議員総会はあくまで会派の活動であって,政治活動である。意見交換や情報交換
によって結果的に議員の審議能力が強化されるという効果があるからといって,政
治活動が政務調査活動に変質するものではない。もとより,議員総会の際の昼食の
会食は政務調査活動を目的としたものではない。よって,議員総会への支出も,政
務調査費の支出としては違法である。
カ執行部会19万9167円
会派は,共通の政策の下,議会で多数派を形成することを目指して集合した存在
であるから,政策決定に向けた執行部会の会議は会派の活動そのものであって,政
務「調査」活動ではない。すなわち,執行部昼食会や政調会の場は,政務「調査」
活動の「結果」をもとに議論する場であって,既に政務調査活動は終了した段階で
の会合である。よって,これに対して政務調査費を支出することは目的外支出に当
たる。
キ自由市民,カレンダー費410万8000円
自由市民の発行は会派の広報活動であって,政治活動に含まれるところ,政治活
動に対する政務調査費の支出は,地方自治法100条12項(ただし,平成14年
法律第4号による改正前のもの)に反する。なお,広報費への政務調査費の支出を
認めた上記2()の規程は,同条項に違反するものであって,本支出を正当化する4
ものではない。
ク名刺代6万9930円
名刺代は政務調査費から支出することは許されない。
ケ予算要望印刷費15万2250円
予算要望活動は政務調査費ではなく,会派の政治活動そのものであり,これに対
して政務調査費を支出することは上記100条12項に反する。
()本件市会議長らのうち誰かが本件条例6条の調査権限(以下「本件調査権」2
という。)を行使していれば,本件返還請求権を名古屋市の長である被告が行使で
きたはずであるのに,誰も本件調査権を行使せず,その結果,本件会派の政務調査
費の目的外支出の事実を明らかにできなかった。そのため,被告は本件返還請求権
の存在を覚知できず,その結果,名古屋市の本件会派に対する本件返還請求権は平
成19年4月30日の経過をもって時効消滅した(地方自治法236条)。
本件市会議長らの本件調査権の不行使を許容することは,本件条例6条が名古屋
市議会の議長に本件調査権を付与した趣旨を無視するものであり,同条が許容する
事態ではない。しかも,上記()の政務調査費の目的外支出の事実は,本件会派が1
保有する共通経費の帳簿を見れば容易に理解できたことも明らかであるし,本件会
派において共通経費が余剰金としてプールされていた事実や飲食に政務調査費が支
出されていた事実は,議長に就任するほど長い経験を積んだ議員であればこれを認
識していたと見ることができる。
本件市会議長らは,このような政務調査費の目的外支出を知り又は容易に知り得
べき地位にありながらあえて本件調査権を行使しなかったことが明らかであり,こ
のような違法な本件調査権の不行使によって名古屋市に本件返還請求権を喪失させ
る損害を与えたのであるから,名古屋市に対し同額を賠償する義務がある。
4争点(本案前の双方の主張)
被告は,本件監査請求が本件規定に係る監査請求期間を徒過した不適法なもので
あるとして,本件訴えの却下を求めている。この点に関する双方の主張は,次のと
おりである。
(被告の主張)
本件規定が財務会計行為についての監査請求期間を当該行為のあった日又は終わ
った日から1年に制限したのは,監査請求の対象となるもののうち財務会計行為に
ついて,いつまでも争うことのできる状態にしておくことは,法的安定性の見地か
ら好ましいことではないので早期に確定させようとの趣旨によるものである。他方,
住民監査請求のうち怠る事実を対象とするものについては,本件規定には規定され
ていないから,原則的には期間制限は適用されない。しかしながら,怠る事実を対
象とする監査請求であっても,特定の財務会計行為が財務会計法規に違反して違法
であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権の
行使を怠る事実を対象とするものである場合には,当該行為のあった日又は終わっ
た日を基準として本件規定を適用すべきとするのが最高裁判所の判例である(最高
裁昭和57年(行ツ)第164号同62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1
号122頁,最高裁平成10年(行ヒ)第51号同14年7月2日第三小法廷判決・
民集56巻6号1049頁,最高裁平成9年(行ツ)第62号同14年10月3日
第一小法廷判決・民集56巻8号1611頁参照)。要するに,従前の最高裁判例
は,住民監査対象事実が怠る事実である場合についても本件規定の趣旨を踏まえて
監査請求に期間制限が及ぶことがあることを明示していたものである。
ところで,最高裁平成17年(行ヒ)第341号同19年4月24日第三小法廷
判決・民集61巻3号1153頁(以下「平成19年最高裁判決」という。)は,
「当該怠る事実(以下「第1の怠る事実」という。)が違法であることに基づいて
発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実(以下「第2の
怠る事実」という。)とした上で,第2の怠る事実を対象とする監査請求がされた
ときは,当該監査請求については,第1の怠る事実の終わった日を基準として1年
の監査請求期間の制限に服するものと解するのが相当である。」と判示している。
被告の本件会派に対する本件返還請求権の不行使(平成19年最高裁判決のいう
第1の怠る事実)については,本件返還請求権が消滅時効により消滅した平成19
年4月30日をもって終了し,この日から1年後の平成20年4月30日を経過し
たときは監査請求をすることができない。したがって,平成19年最高裁判決の趣
旨からすれば,被告の本件市会議長らに対する本件損害賠償請求権の不行使(平成
19年最高裁判決のいう第2の怠る事実)についての監査請求も,本件返還請求権
が平成19年4月30日の経過により消滅した日を基準として1年の監査請求期間
の制限に服するものと解するのが相当である。
(原告らの主張)
原告らは,本件市会議長らが本件調査権の行使を怠り本件返還請求権を時効消滅
させたことを名古屋市に対する不法行為であるとし,被告の本件市会議長らに対す
る本件損害賠請求権の行使を怠る事実を改めるために必要な措置を求める監査請求
をしたものであるから,本件規定の適用はないというべきである。本件返還請求権
の時効消滅前においては,被告の本件市会議長らに対する本件損害賠償請求権はそ
もそも発生しておらず,また,被告は本件市会議長らが本件調査権の行使を怠った
ことにより本件会派による政務調査費の違法な支出を知らず,本件返還請求権を行
使し得ず,かつ,行使しないことに違法はなかったのであるから,被告が本件損害
賠償請求権を行使しなかったことが違法か否かの問題は本件返還請求権が時効消滅
して初めて問題となるのである。そうすると,被告の引用する平成19年最高裁判
決においては,町長の請求権不行使の違法が消滅時効完成の前後を通じて争点とな
っていることと比較して,本件においては消滅時効完成前には名古屋市の本件市会
議長らに対する損害賠償請求権はそもそも発生しておらず,被告の権限不行使の違
法の論点(作為義務)は本件返還請求権が時効によって消滅して初めて問題となる
点で,事案を全く異にする。
第3当裁判所の判断
1本件規定は,住民監査請求のうち財務会計行為を対象とするものは,当該行
為があった日又は終わった日から1年を経過したときは,これをすることができな
いものと規定している。これは,財務会計行為は,たとえそれが財務会計法規に違
反して違法であるか,又は財務会計法規に照らして不当なものであるとしても,い
つまでも監査請求ないし住民訴訟の対象となり得るものとしておくことは,法的安
定性を損ない好ましくないことから,監査請求期間を,非継続的な財務会計行為に
ついては当該行為のあった日から,継続的な財務会計行為については当該行為の終
わった日から,それぞれ1年間に限ることとしたものである(前掲平成14年7月
2日最高裁判決,平成19年最高裁判決参照)。
このような本件規定の趣旨からすれば,財産の管理を怠る事実に係る実体法上の
請求権が消滅時効期間の経過により消滅するなどして当該怠る事実が終わった場合
には,継続的な財務会計行為の終わった日から1年を経過したときはこれを対象と
する監査請求をすることができないのと同様に,当該怠る事実の終わった日から1
年を経過したときはこれを対象とする監査請求をすることができないものと解する
のが相当である。また,この場合において,当該請求権の行使を怠り,当該請求権
を消滅時効期間の経過により消滅させるなどしたことが違法であるとし,当該怠る
事実(以下「第1の怠る事実」という。)が違法であることに基づいて発生する実
体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実(以下「第2の怠る事実」
という。)とした上で,第2の怠る事実を対象とする監査請求がされたときは,当
該監査請求については,第1の怠る事実の終わった日を基準として1年の監査請求
期間の制限に服するものと解するのが相当である。なぜなら,前記のとおり,第1
の怠る事実を対象とする監査請求は,第1の怠る事実の終わった日から1年を経過
したときはこれをすることができないにもかかわらず,監査請求の対象を第1の怠
る事実が違法であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使という第2
の怠る事実として構成することにより,監査請求期間の制限を受けずに実質的に第
1の怠る事実を対象とする監査を求めることができるものとすれば,本件規定が監
査請求期間を制限した前記趣旨が没却されるといわざるを得ないからである(平成
19年最高裁判決参照)。
2以上にかんがみれば,当該地方公共団体の長が実体法上の請求権を行使しな
かったこと(以下「怠る事実A」という。)が当該地方公共団体の職員等(議会の
議長等を含む。)の当該請求権に係る調査権限の不行使(懈怠)に基づくものであ
るとし,当該調査権限の行使を懈怠して当該地方公共団体の長をして当該請求権の
行使をさせず,消滅時効期間の経過によりこれを消滅させたことが違法であるとし
て,これに基づいて発生する損害賠償請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事
実(以下「怠る事実B」という。)とした上で,怠る事実Bを対象とする監査請求
がされたときも,当該監査請求については,怠る事実Aの終わった日を基準として
1年の監査請求期間の制限に服するものと解するのが相当である。この場合におい
ても,怠る事実Bを監査するためには怠る事実Aに係る実体法上の請求権の存否を
監査しなければならず,実質的に怠る事実Aが違法であるとしてその監査を求める
のと変わりがないから,監査請求期間の制限を受けずに怠る事実Bを対象とする監
査を求めることができるものとすれば,本件規定が監査請求期間を制限した前記趣
旨が没却されることとなるからである。また,当該地方公共団体の長が実体法上の
請求権を行使しないのは,当該長の判断で怠る場合も存するが,当該地方公共団体
の職員等の職務懈怠に基づく場合も存するところ,この請求権の不行使(怠る事
実)が違法であるか否かは当該長の認識にかかわらず,客観的に判断されるべきも
のであって,後者の場合を前者の場合と別異に解すべき理由はない。
そうすると,原告らの本件監査請求は,被告が本件返還請求権の行使をしなかっ
たこと(怠る事実A)が本件市会議長らの本件調査権の不行使(懈怠)に基づくも
のであるとし,本件調査権の行使を懈怠して被告をして本件返還請求権の行使をさ
せず,消滅時効期間の経過によりこれを消滅させたことが違法であるとして,これ
に基づいて発生する名古屋市の本件市会議長らに対する損害賠償請求権の不行使を
もって財産の管理を怠る事実(怠る事実B)とした上で,この怠る事実を対象とし
て監査請求がされたものであるから,本件監査請求については,本件返還請求権の
消滅した日を基準として1年の監査請求期間の制限に服するものというべきである。
そして,原告らの本件監査請求がされたのは,監査請求期間(平成20年4月3
0日まで)経過後の同年5月8日というのであり,地方自治法242条2項ただし
書に規定する「正当な理由」の主張もないのであるから,本件監査請求を不適法と
して却下した決定は正当というべきである。
3よって,原告らの本件訴えは,適法な住民監査請求を経たものとは認められ
ず,不適法であるから,これを却下することとして,主文のとおり判決する。
名古屋地方裁判所民事第9部
松並重雄裁判長裁判官
前田郁勝裁判官
廣達人裁判官瀨
(別表)
項目内容
調査費本市の事務及び地方行財政に関する調査研究活動並びに調査委託に
要する経費
(調査委託費、交通費、宿泊費等)
研修費調査研究活動のために行う研修会・講演会の実施に必要な経費並び
に他団体が開催する研修会・講演会等への所属議員及び会派の雇用
する職員の参加に要する経費
(会場費・機材借り上げ費、講師謝金、会費、交通費、宿泊費等)
会議費調査研究活動のために行う各種会議に要する経費
(会場費・機材借り上げ費、資料印刷費等)
資料作成費調査研究活動のために必要な資料の作成に要する経費
(印刷・製本代、原稿料等)
資料購入費調査研究活動のために必要な図書・資料等の購入に要する経費
(書籍購入代、新聞雑誌購読料等)
広報費調査研究活動、議会活動及び市政に関する政策等の広報活動に要す
る経費
(広報紙・報告書等印刷費、会場費、送料、交通費等)
事務費調査研究活動に係る事務遂行に必要な経費
(事務用品・備品購入費、通信費等)
人件費調査研究活動を補助する職員(臨時職員を含む。)を雇用する経費
(給料、手当、社会保険料、賃金等)
注()内は例示

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