弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

主文
本件控訴をいずれも棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
事実及び理由
第1当事者の求める裁判
1控訴人
(1)原判決を取り消す。
(2)経済産業大臣が,平成17年9月26日付けでA株式会社に対してした
場外車券発売施設「B」の設置許可処分を取り消す。
2被控訴人
(1)本案前の答弁
原判決を取り消す。
本件訴えをいずれも却下する。
(2)本案についての答弁
主文同旨
第2事案の概要
1本件は,経済産業大臣が,平成17年9月26日付けで,A株式会社(以下
「A」という。)に対して場外車券発売施設「B」(以下「本件施設」とい
う。)の設置許可処分(以下「本件許可処分」という。)を行ったところ,
本件施設の敷地(以下「本件敷地」という。)の近隣において医療施設を開
設する控訴人らが,本件許可処分は場外車券発売施設の設置許可要件を満た
さない違法なものであるなどと主張して,その取消しを求めた事案である。
本件の控訴人ら3名を含む49名は,平成18年3月17日,大阪地方裁判
所に本件許可処分の取消しを求める訴え(同裁判所平成○年(行ウ)第○号)を
提起したところ,同裁判所は,控訴人ら全員の原告適格を否定して,上記訴
えを却下した。これに対し,本件の控訴人ら3名を含む24名(うち2名は,
その後訴えを取り下げた。)が大阪高等裁判所に控訴したところ(同裁判所
平成○年(行コ)第○号),同裁判所は,控訴人ら全員の原告適格を肯定し,原
判決を取り消して本件を第1審に差し戻す旨の判決をした。これに対し,被
控訴人が最高裁判所に上告したところ(同裁判所平成○年(行ヒ)第○号),
同裁判所は,被上告人の1名について,同人の死亡により訴訟が終了した旨
を宣言して控訴審判決を破棄し,その余の被上告人らに関する部分につき,
第1審判決中,本件の控訴人ら3名に関する部分を取り消して本件を大阪地
方裁判所に差し戻し,その余の被上告人らの控訴を棄却する旨,控訴審判決
を変更する旨の判決(以下「本件上告審判決」という。)をした。本件は,
上記により第1審に差し戻された控訴人ら3名に係る事件である。
原判決(差戻後第1審判決)は,控訴人らの原告適格を肯認した上で,その
請求をいずれも棄却したところ,これを不服とする控訴人らが控訴した。
2関係法令の定め,前提となる事実,争点及び当事者の主張は,原判決「事実
及び理由」欄「第2事案の概要」の2及び3並びに「第3争点及び当事者
の主張」(3頁10行目から14頁21行目まで)のとおりである。ただし,
以下のとおり補正する。
(1)4頁10行目の「Aは,」の次に「大阪市α×所在の土地(本件敷地)
に本件施設を設置することとし,」を加える。
(2)5頁4行目から7頁7行目までを次のとおり改める。
「本件上告審判決は,本件許可処分の取消しを求める控訴人らの原告適格
について,次のとおり説示し,本件を第1審に差し戻すのが相当であると
した。
(1)行政事件訴訟法9条は,取消訴訟の原告適格について規定するが,
同条1項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有
する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された
利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうので
あり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専
ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々
人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解
される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益
に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるお
それのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するもの
というべきである。
そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益
の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定の
文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分に
おいて考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合におい
て,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目
的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,
当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根
拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容
及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきものであ
る(同条2項,最高裁平成16年(行ヒ)第114号同17年12月
7日大法廷判決・民集59巻10号2645頁参照)。
(2)上記の見地に立って,控訴人らが本件許可の取消しを求める原告適
格を有するか否かについて判断する。
ア一般的に,場外施設が設置,運営された場合に周辺住民等が被る可
能性のある被害は,交通,風紀,教育など広い意味での生活環境の
悪化であって,その設置,運営により,直ちに周辺住民等の生命,
身体の安全や健康が脅かされたり,その財産に著しい被害が生じた
りすることまでは想定し難いところである。そして,このような生
活環境に関する利益は,基本的には公益に属する利益というべきで
あって,法令に手掛りとなることが明らかな規定がないにもかかわ
らず,当然に,法が周辺住民等において上記のような被害を受けな
いという利益を個々人の個別的利益としても保護する趣旨を含むと
解するのは困難といわざるを得ない。
イ位置基準は,場外施設が医療施設等から相当の距離を有し,当該場
外施設において車券の発売等の営業が行われた場合に文教上又は保
健衛生上著しい支障を来すおそれがないことを,その設置許可要件
の一つとして定めるものである。場外施設が設置,運営されること
に伴う上記の支障は,基本的には,その周辺に所在する医療施設等
を利用する児童,生徒,患者等の不特定多数者に生じ得るものであ
って,かつ,それらの支障を除去することは,心身共に健康な青少
年の育成や公衆衛生の向上及び増進といった公益的な理念ないし要
請と強くかかわるものである。そして,当該場外施設の設置,運営
に伴う上記の支障が著しいものといえるか否かは,単に個々の医療
施設等に着目して判断されるべきものではなく,当該場外施設の設
置予定地及びその周辺の地域的特性,文教施設の種類・学区やその
分布状況,医療施設の規模・診療科目やその分布状況,当該場外施
設が設置,運営された場合に予想される周辺環境への影響等の事情
をも考慮し,長期的観点に立って総合的に判断されるべき事柄であ
る。規則が,場外施設の設置許可申請書に,敷地の周辺から100
0m以内の地域にある医療施設等の位置及び名称を記載した見取図
のほか,場外施設を中心とする交通の状況図及び場外施設の配置図
を添付することを義務付けたのも,このような公益的見地からする
総合的判断を行う上での基礎資料を提出させることにより,上記の
判断をより的確に行うことができるようにするところに重要な意義
があるものと解される。
このように,法及び規則が位置基準によって保護しようとしている
のは,第一次的には,上記のような不特定多数者の利益であるとこ
ろ,それは,性質上,一般的公益に属する利益であって,原告適格
を基礎付けるには足りないものであるといわざるを得ない。したが
って,場外施設の周辺において居住し又は事業(医療施設等に係る
事業を除く。)を営むにすぎない者や,医療施設等の利用者は,位
置基準を根拠として場外施設の設置許可の取消しを求める原告適格
を有しないものと解される。
ウもっとも,場外施設は,多数の来場者が参集することによってその
周辺に享楽的な雰囲気や喧噪といった環境をもたらすものであるか
ら,位置基準は,そのような環境の変化によって周辺の医療施設等
の開設者が被る文教又は保健衛生にかかわる業務上の支障について,
特に国民の生活に及ぼす影響が大きいものとして,その支障が著し
いものである場合に当該場外施設の設置を禁止し当該医療施設等の
開設者の行う業務を保護する趣旨をも含む規定であると解すること
ができる。したがって,仮に当該場外施設が設置,運営されること
に伴い,その周辺に所在する特定の医療施設等に上記のような著し
い支障が生ずるおそれが具体的に認められる場合には,当該場外施
設の設置許可が違法とされることもあることとなる。
このように,位置基準は,一般的公益を保護する趣旨に加えて,上
記のような業務上の支障が具体的に生ずるおそれのある医療施設等
の開設者において,健全で静穏な環境の下で円滑に業務を行うこと
のできる利益を,個々の開設者の個別的利益として保護する趣旨を
も含む規定であるというべきであるから,当該場外施設の設置,運
営に伴い著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認め
られる区域に医療施設等を開設する者は,位置基準を根拠として当
該場外施設の設置許可の取消しを求める原告適格を有するものと解
される。そして,このような見地から,当該医療施設等の開設者が
上記の原告適格を有するか否かを判断するに当たっては,当該場外
施設が設置,運営された場合にその規模,周辺の交通等の地理的状
況等から合理的に予測される来場者の流れや滞留の状況等を考慮し
て,当該医療施設等が上記のような区域に所在しているか否かを,
当該場外施設と当該医療施設等との距離や位置関係を中心として社
会通念に照らし合理的に判断すべきものと解するのが相当である。
なお,原審(差戻前控訴審)は,場外施設の設置許可申請書に,敷
地の周辺から1000m以内の地域にある医療施設等の位置及び名
称を記載した見取図等を添付すべきことを義務付ける定めがあるこ
とを一つの根拠として,上記地域において医療等の事業を営む者一
般に上記の原告適格を肯定している。確かに,上記見取図は,これ
に記載された個々の医療施設等に前記のような業務上の支障が生ず
るか否かを審査する際の資料の一つとなり得るものではあるが,場
外施設の設置,運営が周辺の医療施設等に対して及ぼす影響はその
周辺の地理的状況等に応じて一様ではなく,上記の定めが上記地域
において医療等の事業を営むすべての者の利益を個別的利益として
も保護する趣旨を含むとまでは解し難いのであるから,このような
地理的状況等を一切問題とすることなく,これらの者すべてに一律
に上記の原告適格が認められるとすることはできないものというべ
きである。
エこれを本件について見ると,控訴人らは,いずれも本件敷地の周辺
から約120mないし200m離れた場所に医療施設を開設する者
であり,前記の考慮要素を勘案することなく上記の原告適格を有す
るか否かを的確に判断することは困難というべきである。
オ規則15条1項4号が定める周辺環境調和基準を根拠として本件許
可の取消しを求める原告適格を有するということはできない。
カ控訴人らが上記の原告適格を有するか否か等について更に審理を尽
くさせるため,本件を第1審に差し戻すのが相当である。」
3当審における当事者の主張
(1)被控訴人の原告適格に関する補充主張
原判決は,本件施設の収容予定人員(予想来場者数),本件施設周辺の交
通事情等をごくおおまかに認定しただけで,本件施設の来場者が「周囲の路
地等に流れ込む」ことが予想され,本件施設と控訴人らの開設する各医療施
設の周辺地域との間に格別通行を妨げる物が存在しないことなどをもって,
安易に控訴人らの開設する各医療施設の周辺地域に本件施設の多数の来場者
が通行し又は滞留することが考えられると判断しているが,その予測は,到
底,合理的なものとはいい難い。本件上告審判決が示した判断基準からする
と,来場者の流れや滞留の状況等から合理的に予測される「業務上の支障が
生ずるおそれ」は,抽象的なものでは足りず,具体的なものであることを要
するというべきである。
そして,前述(原判決「事実及び理由」欄「第3争点及び当事者の主
張」の1(1)イ)したところによれば,控訴人らが医療施設を開設する本件
施設の北東地域付近に,本件施設に参集する来場者の流れや滞留が生じると
はおよそ想定し難く,本件各医療施設への業務上の支障が生ずるおそれは具
体的には存在せず,控訴人らの原告適格はいずれも否定されるべきである。
(2)控訴人らの本件許可処分の違法性に関する補充主張
ア位置基準充足性に関する判断基準
位置基準は,医療施設等と場外施設との間を距離的に遮断することによ
り,それら施設を,場外施設の来場者の滞留による直接的な害悪から保護
するというのみならず,より広く周辺環境の悪化から保護することを趣旨
としているものである。
本件上告審判決も「場外施設により周辺住民等が被る被害は交通,風紀,
教育など広い意味での生活環境の悪化であって」と判示し,場外施設が周
辺にもたらす弊害を周辺環境の悪化と捉えており,また,位置基準の規定
する「文教上又は保健衛生上の著しい支障」について「基本的には周辺に
所在する医療施設等を利用する児童,生徒,患者等の不特定多数者に生じ
得るものである」と判示し,位置基準が来場者の滞留に限定せず,より広
く医療施設等の周辺環境の保護を意図していると解していることが明らか
である。
もともと,公共ギャンブル施設は本来違法であり,社会生活に必須なも
のでもないから,それによる害悪を周辺住民や医療施設設置者等が受忍し
なければならない理由は全く無い。ギャンブル施設による弊害は,犯罪の
誘発など多様であるが,多数の来場者が医療施設等の周辺にたむろして騒
がしい状況を生じさせるというのは,害悪の最たるものであり,そのよう
な極限的な状況以外は許容されるというのでは,わざわざ位置基準を設け
て規制する意味が無い。
したがって,控訴人らに原告適格が認められた以上,来場者が当該医療
施設に滞留するか否かという点のみならず,広く環境悪化の点も考慮して
判断されるべきである。
イ環境悪化と本件各医療施設への悪影響
(ア)本件施設の来場者は,マナーが悪く,煙草の吸い殻や新聞,はずれ
車券を通り道によく捨てる。相当数の来場者が,自転車で来場しており,
その多くは,本件施設の地下駐車場を利用せず,駐輪が禁止されている
本件施設前及び直近の歩道に駐輪しており,歩行者の通行上の支障とな
っている。一部の者は,自動車を本件施設前付近に違法駐車し,車券を
買いに入場する。本件施設開業の前後から,従前にはなかったヤミ金融
の貼り紙が町会の掲示板や記念碑等に貼られるようになった。本件施設
付近のコインパーキングやコンビニのトイレで,覚せい剤使用に用いた
と思われる注射器が何度も発見された。本件施設近隣のコンビニで万引
きをした客を店主が捕まえたところ,本件施設来場者だったことがある。
本件施設開業後,その北東地域のテナントビルやマンションでは,一般
商店や住民が転出し,代わって風俗店が入居して開業するという状況が
続いた。風俗店,主として,無料案内所及びホテヘル・デリヘルと呼ば
れる性風俗特殊営業の事務所(実態は客の受付所,待合所)は激増し,
かつ,風俗客と風俗嬢が手をつないでホテルと風俗店を行き来するのが
常態となった。本件施設からC劇場,βにかけての地域は,文字通り,
ギャンブルと風俗の街と化した。
(イ)本件施設開業後,上記のような環境悪化を嫌い,本件施設の立地す
るD町会及びE町会の一部の住民(特に児童のいる家庭)が転出した。
本件施設開業後,その影響を最も強く受けた1つであるF銀行G支店
(本件施設とα駅との中間にある)も閉店した。
(ウ)本件許可処分は,Aが申請した1日当たりの来場者数1700名の
前提でなされているが,これは虚偽の過少申告である。実際には170
0名を上回る日が多く,多い日は1日に4000名から5000名の来
場者がある(甲G2,甲新39,53,乙新16,17)。本件施
設前の歩道は,幅員3メートルであるが,実際には十数か所に街路樹,
電柱,電力設備,電話ボックス,店の看板等の障害物があり,それらの
地点では歩道の幅が2メートル以下であり,また,多くの場所に自転車
が放置され,それらの場所で通行可能な歩道の幅はより狭い。本件施
設には警備員が配置されているが,本件施設前の車道に違法駐車する者,
車道前で自動車を降りて車券を買いに本件施設に入場する者を警備員が
制止することはなく,マナーを守らない来場者(違法駐車,違法駐輪,
車道の違法横断,歩道の占拠)に対し,遠慮がちに応対し,ルール違反
につき,見て見ぬ振りをしている。
(エ)本件各医療施設に入通院する患者の多くは,α駅から本件施設前付
近を通って通院している。患者らの大多数が本件施設の来場者に対し,
不安感,嫌悪感,恐怖感等の否定的感情を抱いており,本件施設開業後,
相当数の者が通院経路を,本件施設前を通らない方向に変更し,一部の
者は,通院回数を減らした,通院し難くなったなどと述べている。α駅
には,本件施設に直近の6番出口のほか,同駅東側に7番出口があるが,
同出口は,遠回りであるだけでなく,人通りの少ない地下部分が長く,
かつ,7番出口の北側一帯は,風俗店が最も密集した雰囲気の悪い地域
であるため,特に女性患者にとっては通行が苦痛なのである(甲新8
0)。
また,医療施設の医師や職員にも,精神的苦痛や通勤上の支障が生じ,
周辺環境悪化に伴う職員の採用困難等の様々な悪影響が生じている。H
医院では,職員の新規採用募集をしているにもかかわらず,現在に至る
まで応募がなく,採用ができていない。控訴人Iは,医院の移設を検討
している状況にある。
(オ)とくに,J医院については,本件施設開業後,後記のとおり,患者
数,新規患者数,売上は急激に減少した。その要因として考えられるの
は,不景気と本件施設による環境悪化(風俗店の増加を含む)であり,
それ以外に医療事故等の特段の事情は認められない。定量的な証明は不
可能であるが,同歯科医院の患者の大部分が電車を利用し,α経由で通
院している高齢の女性であり,ほぼ全員が本件施設への不安感,嫌悪感
を抱いており,一部の者はそのために通院回数を減らした,通院し難く
なったと述べていることから,本件施設の悪影響は確実にある。

患者数新規患者数売上
平成16年703名66名約1620万円
平成17年649名96名約1420万円
平成18年898名110名約1990万円
平成19年795名89名約2030万円
平成20年850名105名約2650万円
平成21年420名70名約1700万円
平成22年激減激減約420万円
(カ)以上のような環境悪化及び本件各医療施設への著しい業務上の支障
に鑑みれば,本件許可処分は違法なものとして,取り消されるべきで
ある。
ウ本件設置許可審査の瑕疵
競輪事業は刑法上違法な賭博であり,社会的に必要不可欠な事業でもな
いから,特別刑法である自転車競技法により,地方財政の健全化を目的と
して,周辺環境に悪影響を及ぼさない限度において正当化され,例外的に
営業が許可される。しかも,その実態は,地方財政に貢献しているどころ
か,赤字で長らく売上減少が続いている斜陽産業であり,もはや,自転車
競技法制定時に想定されていた地方財政への貢献という意義も消滅してい
る。こうした点に鑑みれば,場外施設の設置許可要件である位置基準は,
医療施設等の周辺環境が確保されるよう,厳格に解されるべきであり,そ
の設置に関しては経済産業大臣に広範な裁量は無い。本来違法な施設の設
置を特別に許可するのであるから,十分な資料と検討に基づき,医療施設
等の周辺環境を悪化させるおそれがないと判断できる場合でなければ,設
置許可をすることはできないと考えるべきである。
ところが,本件許可処分に当たり,経済産業大臣(実際には同省製造産
業局車両課の職員)は,保健衛生上の支障に関し,調査も検討もしていな
い。本件許可に当たり,経済産業大臣が「保健衛生上の支障」の有無を判
断する材料になったのは,Aが提出した設置許可申請書(甲G1)のみで
ある。そして,そこには,本件施設に隣接するK診療所や控訴人らの医療
施設を初めとする多数の医療施設等の存在を示す図面と一覧表が含まれて
いる一方で,保健衛生上の支障が生じないことを示す資料は一切無く,か
つ,経済産業大臣は何らの調査や検討も行っていない。周辺住民の多数が
激しい反対運動を行っており,本件施設建設予定地の町会長である控訴人
Lらが経済産業省を訪れて,周辺住民が本件施設の設置に反対している実
情を説明し,設置許可しないよう陳情していたのであり(甲D1の2),
周辺住民の同意という要件を欠くことも明らかであった。にもかかわらず,
経済産業大臣は「保健衛生上の支障」に関し,調査も検討もすることなく,
周辺住民の反対を無視して本件許可処分をし,その結果として,控訴人ら
を含む周辺の病院,周辺住民らに前述したような環境被害を発生させてい
るのであるから,この点からも,本件許可処分は違法であり,取消しを免
れない。
第3当裁判所の判断
1争点①(控訴人らの原告適格の有無(本案前の争点))について
(1)まず,場外車券発売施設の設置許可要件である位置基準は「学校その他
の文教施設及び病院その他の医療施設から相当の距離を有し,文教上又は
保健衛生上著しい支障を来すおそれがないこと」と定めるものであるとこ
ろ(規則15条1項1号),本件上告審判決から導かれる位置基準の解釈
及び場外車券発売施設の設置許可取消訴訟の原告適格の判断基準は,要旨,
次のとおりである。
①位置基準によって保護しようとしているのは,第一次的には,医療施設
等を利用する児童,生徒,患者等の不特定多数者に生じ得る支障を除去し
て,公衆衛生の向上,増進等を図るという,一般的公益に属する利益であ
る。したがって,これらの利益を享受していたというだけでは原告適格を
基礎付けるには足りない。②もっとも,医療施設等の開設者については,
その被る文教又は保健衛生にかかわる業務上の支障が著しい場合に,特に
国民の生活に及ぼす影響が大きいものとして,その業務は個々の開設者の
個別的利益として保護する趣旨も含む。③位置基準を以上の見地からみる
と,当該場外施設の設置,運営に伴い著しい業務上の支障が生ずるおそれ
があると位置的に認められる区域に医療施設等を開設する者は,位置基準
を根拠として当該場外施設の設置許可の取消しを求める原告適格を有する。
④その判断基準は,当該場外施設が設置,運営された場合にその規模,周
辺の交通等の地理的状況等から合理的に予測される来場者の流れや滞留の
状況等を考慮して,当該医療施設等が,場外施設の設置,運営に伴い著し
い業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域に所在し
ているか否かを,当該場外施設と当該医療施設等との距離や位置関係を中
心として社会通念に照らし合理的に判断すべきである。
(2)そこで,本件上告審判決のこの判断基準に則り,控訴人らの原告適格を
判断することとなるが,原告適格の判断は,訴訟の入口の段階の問題にす
ぎないから,画一的かつ簡明な手法を用いて判断せざるを得ない。それゆ
え,本件施設から距離的に近接しているかどうかが,まずもって重視され
るべきではあるが,例えば,場外施設と医療施設等とが距離的に近接して
いても,場外施設の規模が極めて小さく,影響がほとんどないと予測され
る場合,あるいは,それら施設間に大きな河川がありかつ遠方にしか橋梁
がなく,場外施設の来場者が医療施設等に押し寄せ,滞留するような状況
が,まずあり得ないという場合もあるから,単に距離関係のみならず,
「(場外)施設の規模,周辺の交通等の地理的状況等から合理的に予測さ
れる来場者の流れや滞留の状況等」を考慮して判断すべきことが要請され
る。本件上告審判決はこの意をいうものと解される。
(3)以上の見地に立って,本件をみるに,後掲証拠(枝番のあるものは枝番
をすべて含む。)及び弁論の全趣旨を総合すれば次の事実が認められる。
ア本件施設の概要
本件施設は,地上7階,地下1階の建造物であり,地下1階が駐輪場で
ある(収容可能台数は,自転車315台,バイク35台)。なお,本件施
設の1階の北側には駐輪場の入口があるが,その付近にも20台程度のバ
イクを駐輪することができる(乙新14,23)。また,本件施設に専用
駐車場は設置されていない。本件施設の収容人員は1724人であり,1
日当たり約1700人の来場が見込まれており,年間の営業日は340日
が予定されていた(甲新G1,乙新1,2,23,弁論の全趣旨)。
イ本件各医療施設の周辺の状況
(ア)控訴人Lが開設するJ医院は,本件施設の北東方向にあり,本件施
設から約60m(本件施設の来客用出入口から直線距離約120m)に
位置する。本件施設の来客用出入口からγ沿いに北方向に進行し,一つ
目の信号がある交差点をβ通り沿いに東進した位置にある。道路沿いの
移動距離にして約165mである。J医院の周辺にはコインパーキング,
雑居ビル,ラブホテル,風俗店等があり,理容店・喫茶店等の小規模な
店舗も点在している(甲新24,25,乙新18,弁論の全趣旨)。
(イ)控訴人Iが開設するH医院も,本件施設の北東方向にあり,本件施
設から約140m(本件施設の来客用出入口から直線距離約220m)
に位置する。J医院から更に東に約120m進んだ位置にある。道路沿
いの移動距離にして約285mである。H医院の周辺には,雑居ビル,
コインパーキング等が多く立ち並んでいる(前掲証拠)。
(ウ)控訴人Mが開設するN病院も,本件施設の北東方向にあり,本件施
設から約116m(本件施設の来客用出入口から直線距離約180m)
に位置する。本件施設の来客用出入口からγ沿いに北方向に進行し,α
を渡ってβ川を越え,αδの交差点を東進した位置にある。道路沿いの
移動距離にして約262mである。N病院は,外科・整形外科の第2種
救急指定病院である。N病院の周辺には,コインパーキング,雑居ビル,
ホテル等が立ち並んでおり,小規模な飲食店等も点在している(甲新2
4,25,36,乙新18,弁論の全趣旨)。
(エ)本件各医療施設は,いずれも本件施設から徒歩で数分程度の場所に
あり,本件各医療施設と本件施設との間に,物理的にその行き来を大き
く妨げるような建物,自動車専用道路,橋梁のない河川その他の施設等
は存在しない(原判決別紙1参照。なお,N病院と本件施設との間には
β川が存在するが,γ上のαを渡って行き来をすることができる。)
(甲新24,25,乙新18,弁論の全趣旨)。
ウ周辺の交通等の地理的状況等
本件施設の最寄駅はその南方に存在するα駅である。本件施設の来客用
出入口は,本件施設の西側のγに面した場所に1か所設けられており,α
駅の6番出口から地上に出て,γの東側歩道を北方向に約100m進行し
た場所に位置している(原判決別紙2参照,乙新8,18)。α駅の6番
出口から本件施設までは,徒歩約1分程度の距離であり,人通りの多い歩
道である(乙新12,弁論の全趣旨)。なお,本件施設には,北側にある
地下駐輪場の入口からも出入りすることが可能である(乙新23)。
また,本件施設の北方向には,大阪市営地下鉄γ線及びε線の「ζ駅」
があり,本件施設から徒歩で約10分程度を要する位置に所在している
(弁論の全趣旨)。
本件施設の来客用出入口が面するγは,大阪市の中心を南北方向に貫く
幹線道路の一つであり(甲新G1,乙新8,9),本件施設付近は,全5
車線,幅員21.82メートルの北行き一方通行の大通りである。γの車
道の両側には,幅約3メートルの歩道が設置されている(弁論の全趣旨)。
(4)以上の事実をもとに判断する。
本件施設は競輪の場外車券販売施設であって,その収容予定人員は約1
700人,1日当たりの予想来場者数も1700人という多数の来場者が
予想される施設である。本件施設の最寄り駅は,本件施設の南方向にある
α駅か北方向にあるζ駅であるが,本件各医療施設の最寄り駅も同様であ
り,両駅特にα駅からやって来る本件施設の来場者と本件各医療施設の患
者の各施設に向かう主たる動線が重複する位置にある。また,本件施設か
ら本件各医療施設までは数分程度の距離にあり,その間に往来を妨げるも
のはなく,また,本件各医療施設の周辺にはコインパーキング等もあり,
それらを利用する本件施設来場者がいることも想定される。そうすると,
本件施設への予想される来場者数(1日約1700人)との相関から考え
て,本件各医療施設に通院する患者の往来を妨げ,あるいは,本件施設の
来場者が本件各医療施設付近に流れ,あるいは滞留する可能性があるとい
える。また,前記認定事実によれば,N病院は外科・整形外科の第2種救
急指定病院であるところ,N病院の所在する位置と周辺の道路の状況を勘
案すると,α駅方面からN病院に緊急の患者を搬送する救急自動車は,本
件施設前のγを北方向に走行することが多いと予想され,本件施設前の道
路を通行することが想定されるが,本件施設来場者が多数自動車を利用す
る場合などには混雑も予想され,その通行を妨げる可能性もないとはいえ
ない。
このようにみてくると,本件各医療施設は,場外施設の設置,運営に伴
い著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域に
あるとみるのが相当である。
(5)被控訴人の原告適格における補充主張について
被控訴人は,本件上告審判決の判断基準に照らすと,本件来場者の流れ
や滞留の状況等から合理的に予測される本件各医療施設の「業務上の支障
が生ずるおそれ」は,抽象的なものでは足りず,具体的なものであること
を要するところ,本件施設の来場者は,専ら最寄駅であるα駅と本件施設
との間を行き来するのみであり,α駅とは反対方向の北東方向にある本件
各医療施設周辺に多くの来場者が流れ込んでいく可能性はなく,本件各医
療施設の「業務上の支障が生ずるおそれ」は具体的には存在しない旨主張
する。
しかしながら,原告適格の判断基準については前述したとおりであり,
上記の見地からすると,当該医療施設等は,場外施設の設置,運営に伴い
著しい業務上の支障が生ずるおそれがあると位置的に認められる区域に存
在しているとみるのが相当である。被控訴人の上記主張は採用することが
できない。
(6)よって,本件各医療施設を開設する控訴人らは,いずれも本件施設の設
置許可取消訴訟の原告適格を有するものというべきである。
2争点②(本件許可処分の違法性(本案の争点))について
(1)原判決「事実及び理由」欄「第4当裁判所の判断」の2(20頁13
行目から44頁10行目まで)のとおりである。ただし,以下のとおり補
正する。
ア21頁13行目冒頭に「前記1(3)の認定事実が認められるほか,」を
加える。
イ21頁16行目から22行目までを削除する。
ウ23頁3行目から17行目までを「ウ本件施設の安全対策等」に改
め,18行目の「(ウ)」を削除する。
エ25頁10行目の「J医院は」から15行目末尾までを,20行目の
「H医院は」から23行目末尾までを,26頁3行目の「N病院は」か
ら8行目末尾までをそれぞれ削除する。
オ25頁24行目の「N医院」を「N病院」に改める(以下,引用部分
に係る「N医院」について同じ。)。
カ29頁9行目の「北西方向から」を「北西方向又は」に改める。
キ40頁19行目の「職員の」から20・21行目の「また,」までを
削除する。
ク43頁8行目の「移設」を「移設の検討」に,12行目の「移設し
た」を「移設の検討をした」に,それぞれ改める。
(2)控訴人らの当審における補充主張について
ア位置基準充足性に関する判断基準について
控訴人らは,位置基準を満たすかどうかの判断に当たっては,広く環境
悪化の点も考慮して判断されるべきである旨主張する。
しかし,控訴人らが主張するところの環境の利益については,本件上告
審判決において,一般的公益に属する事柄とされており,位置基準によっ
て個々人が保障される法律上の利益には該当しないものと判断されている。
したがって,上記環境の利益の点については,控訴人らの法律上の利益と
はいえないから,控訴人らが,位置基準を拠り所として,環境悪化を違法
事由として主張することはできない(行政事件訴訟法10条1項)。なお,
上記環境悪化の主張が,本件各医療施設の業務上の支障の主張に関連する
部分があるにしても,それは前記業務上の支障の有無の判断において必要
な限度で評価が尽くされているというべきである。よって,控訴人らの前
記主張は理由がない。
なお,控訴人らは,医療施設等の400m以内に場外施設を設置するこ
とは,当然に位置基準に反するとの主張をするが,そのように解すべき法
令上の根拠はない。
イ環境悪化と本件各医療施設への悪影響について
(ア)控訴人らのこの点の主張のうち環境悪化に関する主張(前記第2の
3(2)イ(ア)及び(イ))については,まさに本件施設周辺の環境悪化を
指摘する事実に過ぎず,この点を違法事由として斟酌することができな
いし,これを本件各医療施設の業務上の支障の主張に関連する主張とみ
ても,それが業務に対する著しい支障を裏付けるものでないことは前述
(原判決43頁14行目から20行目まで)したとおりである。
(イ)控訴人らは,そのほか本件各医療施設への悪影響について縷々主張
するが,既に判示したとおり,本件施設前の西側出入口が一定の時間帯
に混雑することは認められるものの,来場者の流れは本件各医療施設が
存在する北東方面に向かうことはほとんどなく,同施設の近辺等に多数
が参集することはないものと認められ,本件各医療施設に業務上の著し
い影響を及ぼすものとは認め難い。このことは,証拠(甲新14,67,
98,乙新17の3,19ないし21)に徴しても裏付けられるところ
である。なお,控訴人ら指摘のとおり,来場者数が多いとしても,一度
に数千人が押し寄せることはないものと認められ(乙新16,17の
1),また,証拠(甲新14,67,98,乙新17の3,19ないし
21)によれば,多数の来場者が退場する時間帯においても,通行に支
障が生じている様子は認められず,警備員による交通誘導も一定の成果
を挙げているものと認められる。同証拠によれば,γの車道を違法横断
する者も相当程度存在することが認められるが,車道側が手前の信号等
で通行の流れが止まったときに多くみられ,車両が流れている最中に,
その進行を著しく妨げるという程度に至っているものとは認められない
から,前掲証拠からみても,救急自動車の進行に影響を及ぼすものとも
認め難い。
控訴人らは,7番出入口の通行に支障があるかのように主張するが,
同出入口はC劇場に赴く際に便利な出入口であり,必ずしもその利用に
強い心理的抵抗を及ぼすものとは認め難い上,そのほかにも,6番出入
口を出て,本件施設前の歩道を避けて東方面から本件各医療施設に向か
うことも可能であると認められる。結局,本件施設前歩道以外の経路が
複数存在する以上,通院に著しい支障を及ぼすものということはできな
い。
控訴人らは,患者,医師,職員が精神的苦痛を感じて業務上の支障が
ある旨主張するが,前記認定判断に照らし,客観的には,患者,医師,
職員の通院や通勤を著しく妨げるものとは認め難く,主として主観的感
情に根ざすものであり,これらのみでは,控訴人らの行う医療業務につ
いて著しい支障が生じるおそれが具体的に認められないことは前述した
とおりである。結局,本件施設の運営により,患者や職員が激減し,業
務に著しい支障を来したことについて,的確に立証されているとはいえ
ない。患者のアンケート調査結果や陳述書等では必ずしも患者の減少度
合いが分かるものではなく,また,H医院での職員の新規採用募集に応
募がないことや,J医院につき売上は急激に減少したことについて,本
件施設運営と因果関係があると認めるに足りない(J医院については,
控訴人らの主張によっても,本件施設設置後の平成19年及び平成20
年は売上が増加している。)。
ウ本件設置許可審査の瑕疵について
控訴人らは,保健衛生上の支障について,経済産業大臣(実際には同
省製造産業局車両課の職員)(以下「処分行政庁」という。)は何らの調
査を行っていないことを手続的瑕疵として主張する。
しかし,法ないし規則は,調査の方法について何ら定めを置いておら
ず,処分行政庁の裁量に委ねられているものと解される。そして,弁論の
全趣旨によれば,処分行政庁は,Aが提出した,規則14条1項所定の事
項を記載し,同条2項所定の図面を添付した平成17年7月22日付け設
置許可申請書ほか添付資料(乙新23)を審査して,その判断を行ったも
のと認められ,その資料の内容に照らし,特段不備があるとは認め難く,
実質的な審査をしていないとは認めることはできない。また,控訴人らは,
周辺住民の同意要件を欠く旨主張するが,本件施設の設置に当たって,そ
のような要件が必要であるとの法令上の根拠は存せず,控訴人らの主張は
その前提を欠き,失当である(「場外車券発売施設の設置に関する指導要
領について」(平成15年4月1日経済産業省製造産業局長名各経済産
業局長宛指導要領)には,場外施設を設置するに当たっては,当該場外
車券発売施設の設置場所を管轄する警察署,消防署等とあらかじめ密接な
連絡を行うとともに,地域社会との調整を十分行うよう指導することとの
規定があるが,周辺住民の同意までは必要とされていない。)。よって,
控訴人らの主張は理由がない。
3以上によれば,控訴人らの原告適格を認めた上,控訴人らの請求を棄却した
原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから棄却することとし,主文の
とおり判決する。
大阪高等裁判所第11民事部
裁判長裁判官前坂光雄
裁判官菊池徹
裁判官遠藤俊郎

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛