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平成一二年(ワ)第六六六三号損害賠償請求事件
    判  決
原       告【A】
被      告    株式会社リコー
右代表者代表取締役    【B】
    主  文
一 本件訴えを却下する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
    事実及び理由
第一 請求
 被告は、原告に対し、金一八三万四○○○円及びこれに対する昭和五六年六
月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
 本件は、別紙実用新案権目録記載の実用新案権(以下「本件実用新案権」と
いい、その実用新案を「本件考案」という。)を有していた原告が、「被告は、別
紙目録(一)記載(以下「イ号製品」という。)、同(二)記載(以下「ロ号製品」と
いう。)及び同(三)記載(以下「ハ号製品」という。なお、全商品を総称して「被
告製品」という。)の各製品を業として製造販売していたところ、被告製品は、本
件考案の技術的範囲に属するものである。」と主張して、主位的に不法行為による
損害賠償請求権に基づき、予備的に不当利得返還請求権に基づき、実施料相当額の
支払を求める事案である。
 原告は、イ号製品については、昭和五三年一月から同五六年六月一三日まで
の間に合計九万台が製造販売されたとして、そのうち当初の一万八一二〇台を除い
たその後の五台に係る実施料相当額二六万七○○○円の、ロ号製品については、右
同期間に合計二万台が製造販売されたとして、そのうち当初の四一二〇台を除いた
その後の五台に係る実施料相当額二六万七○○○円の、ハ号製品については、昭和
五三年八月一五日から同五六年六月一三日までの間に合計四万台が製造販売された
として、そのうち当初の八一二〇台を除いたその後の五台に係る実施料相当額一三
○万円の各支払を求めている。
第三 当裁判所の判断
一 当裁判所に顕著な事実
 原告は、本件訴訟を提起する以前にも、被告に対し、別紙係属事件一覧表
(以下「別表」という。)のとおり、商品名「リコーPPC九○○及びB・Aチェ
ンジャー」、「リコーPPC九○○及びセンタースリッター」及び「リコピーPL
五○○○オート」の各製品について、本件実用新案権を侵害したとして、一定の台
数分についての一部請求に細分化して、一六回にわたり当裁判所へ訴訟を提起し
た。別表番号欄1ないし12の事件に関しては、同1の事件の一審判決が消滅時効を
理由として請求を棄却した以外は、本件実用新案権を侵害するとは認められないと
して、原告の請求を棄却する判決がされ、上告審で訴えが取り下げられた同表4及
び5事件を除き、原告の請求を棄却した判決が確定している。
 さらに、別表番号欄13ないし15事件に関しては、当該訴えの提起は訴権の濫
用に当たり訴えの利益を欠くとの理由で原告の訴えを却下した判決が確定してい
る。
二 前記第二記載の原告の主張に当裁判所に顕著な事実を総合すると、原告は、
商品名「リコーPPC九○○及びB・Aチェンジャー」、「リコーPPC九○○及
びセンタースリッター」及び「リコピーPL五○○○オート」の各製品について、
それぞれ構成の一部を別紙目録(一)ないし(三)のとおり特定した上、それらが本件
考案の技術的範囲に属するとして本訴を提起したものと認められるから、本訴は別
表記載の各事件と実質的に同一の訴訟であるといわざるを得ない。
 そうすると、本訴は、一部請求の名の下に、ことごとく敗訴の判決を受けた
各訴えと実質的には同一の訴えを蒸し返すものであり、民事訴訟において要請され
る信義則に反するものであって、訴権の濫用に当たり、不適法であって、しかもそ
の不備を補正することができないものというべきである。
三 よって、原告の本件訴えは不適法であるから、民事訴訟法一四○条を適用し
て、主文のとおり判決する。
 東京地方裁判所民事第四七部
裁判長裁判官 森 義之
裁判官 内藤裕之
裁判官 杜下弘記

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