弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
     抗告費用は抗告人の負担とする。
         理    由
 抗告人の抗告理由について
 動産の買主がこれを他に転売することによって取得した売買代金債権は、当該動
産に代わるものとして動産売買の先取特権に基づく物上代位権の行使の対象となる
(民法三〇四条)。これに対し、動産の買主がこれを用いて請負工事を行ったこと
によって取得する請負代金債権は、仕事の完成のために用いられた材料や労力等に
対する対価をすべて包含するものであるから、当然にはその一部が右動産の転売に
よる代金債権に相当するものということはできない。したがって、請負工事に用い
られた動産の売主は、原則として、請負人が注文者に対して有する請負代金債権に
対して動産売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することができないが、請負
代金全体に占める当該動産の価額の割合や請負契約における請負人の債務の内容等
に照らして請負代金債権の全部又は一部を右動産の転売による代金債権と同視する
に足りる特段の事情がある場合には、右部分の請負代金債権に対して右物上代位権
を行使することができると解するのが相当である。
 これを本件について見ると、記録によれば、破産者D株式会社は、申立外E部品
株式会社からターボコンプレッサー(TX―二一〇キロワット型)の設置工事を代
金二〇八○万円で請け負い、右債務の履行のために代金一五七五万円で右機械を相
手方に発注し、相手方は破産会社の指示に基づいて右機械を申立外会社に引き渡し
たものであり、また、右工事の見積書によれば、二〇八○万円の請負代金のうち一
七四〇万円は右機械の代金に相当することが明らかである。右の事実関係の下にお
いては、右の請負代金債権を相手方が破産会社に売り渡した右機械の転売による代
金債権と同視するに足りる特段の事情があるということができ、申立外会社が仮差
押命令の第三債務者として右一七四〇万円の一部に相当する一五七五万円を供託し
たことによって破産会社が取得した供託金還付請求権が相手方の動産売買の先取特
権に基づく物上代位権の行使の対象となるとした原審の判断は、正当として是認す
ることができる。右判断は、所論引用の大審院大正二年(オ)第四五号同年七月五
日判決・民録一九輯六〇九頁に抵触するものではない。原決定に所論の違法はなく、
論旨は採用することができない。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
  平成一〇年一二月一八日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    園   部   逸   夫
            裁判官    千   種   秀   夫
            裁判官    尾   崎   行   信
            裁判官    元   原   利   文
            裁判官    金   谷   利   廣
(参照 抗告許可決定)
         許 可 決 定
 申立人は、当庁平成10年(ラ)第463号債権差押及び転付命令に対する執行抗告事
件について、当裁判所が平成10年7月6日にした決定に対し、抗告許可の申立て
をした。申立ての理由によれば、右決定について、民事訴訟法337条所定の事項を
含むと認められる。
 よって、当裁判所は次のとおり決定する。
         主    文
     抗告を許可する。
       (平成10年9月10日 大阪高等裁判所第11民事部)

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