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平成19年3月12日判決言渡
平成18年(行ケ)第10497号審決取消請求事件
(平成19年1月31日口頭弁論終結)
判決
原告ペイレスシューソース
ワールドワイドインコーポレイテッド
訴訟代理人弁理士稲葉良幸
訴訟代理人弁護士五十嵐敦
訴訟代理人弁理士石田昌彦
同森本久美
被告武田製靴株式会社
訴訟代理人弁護士原誠
同佐々木健二
同井上順之
訴訟代理人弁理士合志元延
主文
1特許庁が無効2005−89106号事件について平成18年6月2
7日にした審決を取り消す。
2訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
第1当事者の求めた裁判
1原告
主文第1,2項と同旨
2被告
()原告の請求を棄却する。1
()訴訟費用は原告の負担とする。2
第2当事者間に争いのない事実
1特許庁における手続の経緯
()被告は,平成14年12月4日に登録出願(以下「本件出願」という)1。
され,平成16年4月14日に登録査定され(甲1の2,平成16年5)
(「」月28日に設定登録された登録第4774433号商標以下本件商標
という)の商標権者である。。
本件商標は「MAGICALSHOESOURCE」の欧文字を標準,
文字により書してなり商標法施行令1条別表の第25類以下単に第,(,「
25類」という「短靴,編上靴,運動靴,サンダル靴,スニーカー,ハ。)
イヒール」を指定商品とするものである。
()原告は,平成17年8月18日,特許庁に対し,本件商標の登録を無効と2
することについて審判の請求をした。特許庁は,同請求を無効2005−
89106号事件として審理をした上,平成18年6月27日「本件審,
判の請求は,成り立たない」との審決をし,その謄本は,平成18年7。
月7日,原告に送達された。
()引用商標3
原告(請求人)が審判手続において本件商標の登録無効の理由に引用す
る登録第4608417号商標(以下「引用商標1」という)は「TH。,
ESHOESOURCEの文字を標準文字で書してなり第25類履」,「
物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,被服」を指定商品として,平成14
,,年1月21日登録出願同14年9月27日に設定登録されたものであり
登録第2513739号商標(以下「引用商標2」という)は,別紙商。
標目録(1)のとおりの構成よりなり,第25類「靴類,履物」を指定商
品として,平成2年12月7日登録出願,同5年3月31日に設定登録さ
れた後,同14年12月3日に存続期間の更新登録がされ,同15年4月
30日に指定商品を第25類「靴類,履物」とする指定商品の書換登録が
されたものであり,登録第4137539号商標(以下「引用商標3」と
いう)は,別紙商標目録(2)のとおりの構成よりなり,第25類「被。
服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特
,」,,殊衣服運動用特殊靴を指定商品として平成8年9月24日登録出願
同10年4月17日に設定登録されたものである(以下,上記の3商標を
一括して「各引用商標」という場合がある。,。)
2審判手続における原告(請求人)の主張及び審決の判断
審決の内容は,別紙審決書写しのとおりであり,その要点は,次のとおりで
ある。
()原告(請求人)の主張1
本件商標は,商標法4条1項11号,15号及び19号に該当するから,
同法46条1項の規定により無効にすべきである。
ア商標法4条1項11号について
本件商標の指定商品は,各引用商標に係る指定商品と同一又は類似する
商品である。本件商標においては「SHOESOURCE」の文字部分,
,「」。,が要部でありこの部分からはシューソースなる称呼が生ずる他方
各引用商標からは「シューソース」の称呼が生ずる。本件商標と各引用商
,「」,,標はそれぞれシューソースの称呼を生ずる点において共通しまた
外観,観念においても相紛らわしいから,本件商標は,各引用商標と類似
するものであり,商標法4条1項11号に該当する。
イ商標法4条1項15号について
各引用商標は,原告(請求人)の運営に係る北米最大の規模を誇る靴専
門の小売店(以下「原告店舗」という)の名称(店舗名)として使用さ。
れており,周知・著名商標である。原告の使用に係る商標は,常に「Pa
ylessShoeSource」という一連の標章としてのみ認識さ
れるとはいえず「Payless」や「ShoeSource」の各部,
分も,それぞれ独立して,原告の商品を識別する機能を果たしている。
そして「ShoeSource」の文字は成語ではなく,特定の知られ,
た観念を有しない造語であるから,高い識別性を有する。他方,本件商標
,「」。,はその構成中にSHOESOURCEの文字を含んでいるそして
本件商標に係る指定商品は,原告により各引用商標が使用される商品であ
る「靴類」と共通し,流通経路・取引者・需要者が共通する。これらの事
情によれば,本件商標がその指定商品に使用された場合,取引者・需要者
から,その商品(役務)が原告の出所に係るものか,あるいは原告と何ら
かの経済的・組織的関連がある者の提供に係る商品であるかのように認識
され,出所の混同を生ずるおそれがあるから,本件商標は,商標法4条1
項15号に該当する。
ウ商標法4条1項19号について
原告(請求人)の商品を表示するものとして広く知られている「Sho
eSource」の文字は,前記のとおり造語であり,既成の語とは異な
り,商標中の文字として普通に採択されることは考え難い。このことは,
「SHOESOURCE」の文字を含む商標は,本件商標を除き,請求人
以外の者により採択されている事例が見当たらないことからも明らかであ
る。原告とは何らの関係も有しない他人が,原告の業務に係る商品の出所
表示として広く知られている「ShoeSource」の文字を含む商標
を採択して,その著名商標が使用される商品と正に同じ商品(靴)につい
,,て使用することは本来自らの営業努力によって得るべき業務上の信用を
引用商標の著名性にただ乗り(フリーライド)することにより得ようとす
る行為であり「ShoeSource」の文字に化体した価値を希釈化,
させるおそれがある特に本件商標は当該SHOESOURCES。,,「(
hoeSource」の文字に,ありふれた「MAGICAL」の文字)
を付加することによって,著名商標と極めて近似した印象を残しつつ,不
正に商標登録を受けたといえる。上記のとおり,本件商標は,不正の目
的をもって使用するものであるから,商標法4条1項19号に該当する。
()審決の判断2
以下のとおりの理由から,本件商標は,商標法4条1項11号,15号
又は19号に違反して登録されたものでないから,その登録を無効とする
ことはできない。
ア商標法4条1項11号について
,,,「」本件商標は一連に一体的に表示され殊更SHOESOURCE
の文字部分のみを分離して称呼しなければならない格別の理由は見当たら
ないから,本件商標は「マジカルシューソース」の称呼のみを生ずる。,
他方,引用商標1からは「ザシューソース」の称呼を生じ,また,引用商
標2及び3からは「ペイレスシューソース」の称呼を生ずる。,
本件商標と各引用商標より生ずる上記の両称呼は,相違する各音の音質
の差,音構成の差等により十分に区別できるものであり,仮に,各引用商
標より「シューソース」の称呼を生ずることがあるとしても,本件商標は
不可分一体のものとして看取されるものであるから,各引用商標とは,称
呼において相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。また,本件商標
は,各引用商標と外観,観念において類似とすべき点は見当たらない。本
件商標は,各引用商標と外観,称呼及び観念のいずれの点においても,類
似しない。
イ商標法4条1項15号,19号について
原告(請求人)が北米で最大規模の靴の専門店として「ペイレスシュー
ソース」社の略称(店舗名)で周知・著名であり,ときに「ペイレス」社
と略称されることが認められるとしても,本件商標の登録出願時に日本は
もとより外国の需要者の間で,原告が「SHOESOURCE(シューソ
ース」社と略称されて広く認識されていたこと,及び,その使用に係る)
各引用商標が「SHOESOURCE(シューソース」と略称されて周)
知性を獲得するに至っていたことは認められない。
また,本件商標は,前記のとおり不可分一体の商標として把握・認識さ
れるものであり,原告の名称(店舗名)又は各引用商標とは何ら相紛れる
おそれのない非類似の商標と認められるから,商品の出所について混同を
生ずるおそれはない。
さらに,原告(請求人)が靴の専門店として外国における需要者の間に
広く認識されていたとしても,本件商標は,原告の使用する商標と同一又
は類似の商標ではないから,商標権者が本件商標を使用する行為に不正の
目的があったものとは認められない。
第3原告主張の取消事由
審決は,以下のとおり,4条1項11号,15号及び19本件商標の商標法
号該当性の判断を誤った違法がある。
商標法4条1項11号について(本件商標及び各引用商標より生ずる称呼1
の認定の誤り)
()本件商標の称呼1
本件商標は,アルファベット文字17文字からなるという冗長な構成か
らなり「マジカルシューソース」も9音からなり,比較的長い音の構成か,
らなる。このような長い文字からなる商標にあっては,特段の理由がない
限り,複数の構成部分に分離して理解・把握されるのが自然である。
当該商標が常に一体のものとして把握されるためには,例えば,商標を
構成する各部分が,同じようなデザイン手法をもって表記されるなど,統
一感のある外観を有していることや商標全体が親しまれた熟語的意味合い
を想起させることなど特段の事情のあることが必要であるというべきであ
る。しかるに,本件商標は「MAGICALSHOESOURCE」の文,
字を標準文字で表記しているにすぎず,一体のものとみるべき統一感のあ
る外観を有しているとはいえない。また,観念においても,その全体が親
しまれた熟語的意味合いを認識できるものではなく,一連のものとして把
握すべきものといえない。
また,本件商標において「MAGICAL」の部分は「魅力的」の意を,
有する外来語として馴染まれているのに対して「SHOESOURCE」,
の部分は造語と把握される。したがって,本件商標に接する需要者・取引
者がこれを称呼するときは「マジカル」と「シューソース」の如く,二語,
から構成されるように理解した上で称呼される。
さらに「MAGICAL」の語は,商品の品質等が「魅力的」であるこ,
とを示す,ごくありふれた標章部分であり,出所表示機能は弱いのに対し
て「SHOUSOURCE」の語は,造語であり,高い識別力を有してい,
る点に鑑みれば「シューソース」と略称されて取引に資される場合も決し,
て少なくない。後述するとおり「SHOESOURCE」の文字は,そも,
そも原告の独創に係る特異な商標であって,原告を表す商標として周知な
ものである。
,本件商標からは「マジカルシューソース」の以上のとおりの理由から,
称呼のみならず「シューソース」の称呼も独立して生ずる。,
したがって,本件商標からは「マジカルシューソース」の称呼のみを生
ずるとした審決の認定判断には誤りがある。
()各引用商標の称呼2
引用商標1は「THESHOESOURCE」の文字により構成さア
れている「THE」は英語の定冠詞であって,それに続く語を強調する。
ために使用されることがあるとしても,それ自体,自他商品等の識別標
識としての機能はないので,商標の出所表示としての機能を果たす要部
は「SHOESOURCE」の文字部分にある。以上によれば,引用商,
標1からは「ザシューソース」の称呼のほか「シューソース」の称呼,,
を独立して生ずる。
したがって,引用商標1からは「ザシューソース」の称呼のみを生ず
るとした審決の認定判断には誤りがある。
引用商標2及び3は「PaylessShoeSource」の欧イ,
文字を横書きしてなる。これらの各引用商標は,その全体で17文字と
いう冗長な構成からなるのであって,全体の称呼は9音と比較的長い。
また,前半部の「Payless」と「ShoeSource」の間に
1文字分のスペースを有している関係で,外観において分離して看取さ
れ得るものであり,各文字部分は,その意味において常に一体のものと
して認識されるべき関連性はないので,前半部の「Payless」の
みならず,後半部の「Shoesource」についても,独立して商
標としての特徴的部分を構成する。以上によれば,引用商標2及び3か
らは「ペイレスシューソース」の称呼のほか「ペイレス」又は「シュ,,
ーソース」の称呼を独立して生ずる。
したがって,引用商標2及び3からは「ペイレスシューソース」の称,
呼のみを生ずるとした審決の認定判断には誤りがある。
()まとめ3
上記のとおり,本件商標と各引用商標は,いずれも「シューソース」の
称呼を共通にする類似の商標というべきであり,その指定商品についても
同一又は類似のものである。したがって,本件商標を商標法4条1項11
号に該当しないとした審決の認定判断には,誤りがある。
商標法4条1項15号について(各引用商標の周知・著名性及び出所の混2
同のおそれの認定の誤り)
()各引用商標の周知・著名性1
引用商標1ないし3は,原告が運営する,北米最大の規模を誇る靴専門
の小売店(原告店舗)の名称(店舗名)として使用される周知・著名商標
である。
原告は,1956年にアメリカ合衆国カンザス州トペカにて設立され,
その後,合併・独立を経て,現在は,ニューヨーク証券取引所に上場する
までに至っている。
原告店舗は,顧客がセルフサービスで靴を購入することができるという
点において特色を有するものであり,靴の専門店のチェーン店としては,
北米最大規模にまで成長した。また,原告店舗で販売される商品は,本国
である米国をはじめ各国の雑誌で採り上げられている。これにより,原告
は,アメリカにおける流通(物販)に係わる大手企業として確固たる地位
を築いている。原告店舗は全米50州に展開し,プエルトリコ,グアム,
サイパン,アメリカヴァージン諸島,カナダ,カリブ海,南アメリカにも
,,,。,範囲を拡大しておりその店舗数は総勢約5000店にのぼるまた
原告の売上は,1999年には約27億8000万米ドル,2000年は
約29億4800万米ドル,2001年は29億1300万米ドル,20
02年は,28億7800万米ドル,2003年には27億8300万米
ドル,2004年には29億4600万米ドルに達している。
さらに,原告は,商標権の獲得を通じたブランドの保護を経営戦略の大
きな柱の一つと捉え「PaylessShoeSource」や「TH,
ESHOESOURCE」等に係る商標について,米国はもちろんのこ
と,日本のほか,アルゼンチン,アルーバ(オランダ領,オーストリア,)
バハマ,ベネルックス,ボリビア,ブラジル,カナダ,チリ,中国,コロ
ンビア,コスタリカ,欧州共同体,キューバ,デンマーク,ドミニカ共和
国,エクアドル,エルサルバドル,フィンランド,フランス,ドイツ,グ
,,,,,,ァテマラホンデュラス香港ハンガリーインドネシアイスラエル
,,,,,,イタリアジャマイカクウェートメキシコニカラグアノルウェー
パナマ,パラグアイ,ペルー,フィリピン,シンガポール,韓国,スペイ
ン,スリナム共和国,スウェーデン,スイス,台湾,トリオニダードト
バコ共和国,イギリス,ウルグアイ,ベネズエラ,ベトナムにおいて商標
権を得て,これらの商標を原告の基幹ブランドとして保護を図っている。
我が国においては,平成15年に双日(旧ニチメン)株式会社との間で
合弁会社「ペイレスシューソースジャパン株式会社」を設立し,平成
16年11月には千葉県船橋市所在の日本最大級のショッピングモールT「
OKYO−BAYららぽーと」の日本第1号店を開店した。このことは数
々のウェブサイトや新聞・雑誌で紹介されている。
以上の事実によれば,各引用商標が,本件商標の出願時・登録時におい
て周知・著名であったことは明らかである。
なお,審決においても「請求人より提出された証拠によれば,請求人が,
北米で最大規模の靴の専門店としてペイレスシューソース社の略称店『』(
舗名)で周知・著名であり(審決11頁35行∼36行)として,この点」
を認定している。
各引用商標中の「ShoeSource」の周知・著名性()2
原告が現に使用する標章には,主に「Payless」と「ShoeS
ource」の二段書きに係るもの「Payless「Shoe「So,」」
urceと三段書きの構成に係るものや引用商標2又は3のようにP」,「
ayless」と「ShoeSource」に1文字分のスペースを配し
て構成している標章がある。それらの外観構成に照らすならば「Payl,
essShoeSource」の一連のものとしてのみ認識されるとは
,「」「」,いえずPaylessやShoeSourceの各部分について
それぞれが独立して識別標識としての機能を果たしているとみるのが相当
である。
以上の事実によれば「ShoeSource」の文字部分について,遅,
くとも本件商標の出願時(平成14年12月4日)はもとより登録時(平
成16年5月28日)においても,原告の販売に係る商品を示すものとし
て,我が国の需要者間に広く知られるに至っていた。
したがって,審決において,本件商標の登録出願時に,日本はもとより
外国の需要者の間でも,原告が「ペイレス」社と略称されることはあって,
も「SHOESHOURCE(シューソース」社と略称され,広く認識,)
されていたものとは認められないとした認定判断,原告の使用する各引用
商標が「SHOESOURCE(シューソース」と称されて周知性を獲得)
,。するに至っていたものとは認められないとした認定判断には誤りがある
出所の混同のおそれ()3
「混同を生ずるおそれ」の有無は,①当該商標と他人の表示との類似性
の程度,②他人の表示の周知著名性の程度,③独創性の程度,④当該商標
の指定商品等と他人の業務に係る商品等との性質,用途又は目的における
関連性の程度,⑤商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情な
どに照らし,当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払
われる注意力を基準として,総合的に判断されるべきである。
本件においては,①本件商標が引用商標1ないし3と類似すること,②
各引用商標における「ShoeSource」の文字部分が各引用商標を
取り扱う業界において周知であること,③引用商標中の「SHOESOU
RCE」又は「ShoeSource」の文字部分は,造語(創造語)で
あり,特異な構成によりなるものであるから,既成の語や親しまれた語と
は異なって高い識別性を有すること,④引用標章中の「SHOESOUR
CE」又は「ShoeSource」は,原告の商号(いわゆるハウスマ
ーク)の一部を構成することにより,高い識別性を有すること,⑤本件商
標の指定商品は「短靴,編上靴,運動靴,サンダル靴,スニーカー,ハイ
」,,ヒールであるのに対して各引用商標が使用されるのも履物等であって
同一又は類似の商品であり,商品の生産部門・販売部門・原材料及び品質
・用途をいずれも共通にすること,⑥人々の生活に欠かせない衣食住に関
するものであって,需要者の範囲も一般消費者である点において共通にす
ること等を総合すると,本件商標をその指定商品について使用した場合,
原告の業務に係る商品であるかのように混同を生じさせるおそれがあると
いえる。
したがって,審決が,本件商標について,原告の名称(店舗名)又は各
引用商標とは何ら紛れるおそれのない非類似の商標と認め得るから,本件
商標をその指定商品に使用しても,原告又は各引用商標等を連想・想起す
ることはなく,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないとした
認定判断には,誤りがある。
まとめ()4
したがって,本件商標を商標法4条1項15号に該当しないと判断した
審決の判断は誤りである。
商標法4条1項19号について(不正の目的の有無に関する認定の誤り)3
原告が外国にその本拠地を置く企業であるとしても,被告とは同業に属す
るのであって,世界規模で商取引が行われる今日においては,直接の競争関
係にあるものということができ,また,被告において原告及びその使用商標
の存在を知っていたことは明らかである。そして,原告が北米を中心に50
,,00店以上の店舗を有しその使用商標が周知・著名であることに鑑みれば
原告及びその使用商標に化体した業務上の信用にただ乗り(フリーライド)
する目的で本件商標を採択した蓋然性は高いものといえる。被告による商標
の採択・使用する行為は「SHOESOURCE」又は「ShoeSour,
ce」の文字の採択例が,本件被告を除き,原告以外にはみられないことか
らすれば,引用商標の有する高い識別力を希釈化させる結果を招くものであ
り,不正の目的をもってなされたものである。
したがって,審決において,原告が靴の専門店として外国における需要者
の間に広く認識されていたとしても,本件商標は,原告の使用する商標と同
一又は類似の商標ではないから,商標権者が本件商標を採択使用する行為に
,。不正の目的があったものとは認められないとした認定判断には誤りがある
第4被告の反論
以下のとおり,本件商標の登録が商標法4条1項11号,15号,19号に
違反してされたものではないとした審決の認定判断は相当であり,審決に原告
主張の取消事由はない。
商標法4条1項11号について1
()本件商標1
ア本件商標の特徴的部分について
本件商標は,アルファベットを同書体,同大,等間隔で一連に横書き
してなるものであって,日本人にとってなじみ深い英単語を一体結合さ
,。「」せた一体不可分の造語的結合商標よりなる前半部MAGICAL
が「魔法の,不思議な,魔術的な,神秘的な」等を意味し,後半部「S,
HOESOURCE」が「靴」の「供給元,製造元,販売元,その他何,
らかの出所,源,源泉」等を意味する。このように日本人によく理解さ
れ,普通に使用されて,ありふれた普通名詞化した両単語は,観念上及
び称呼上,結合一体化が容易であるといえる。本件商標からは「魔法の,
靴屋,不思議な靴供給元,マジック的靴製造者」など,全体で1つの熟
語的な観念を生ずる。
本件商標は,指定商品が前記のような履物であることに照らすと「M,
AGICAL」の部分が,自他商品識別力,顕著性が強い特徴的な部分
であり「SHOESOURCE」の部分は,自他識別力,顕著性が低い,
といえる。
イ本件商標の称呼について
本件商標は,前半部が「マジカル」と発音され,後半部が「シュー,」
「ソース」と発音されるが,いずれもシンプルであり,日本人の日常生
活で一般的に親しまれている英単語として発音される。しかも,全体の
音数が7音(長音は1音としては数えない)程度と,冗長にわたるもの。
でもないことも相まって,本件商標は,よどみなく一気に「マジカルシ
ューソース」と一体的に称呼される,一体不可分の造語的結合商標であ
る。
また,音質面及び音調面からも,本件商標は,インパクトの強い前半
部に対しインパクトの弱い後半部が一連に従属結合したものでありマ,,「
ジカルシューソース」と一体的に称呼される,一体不可分の造語的結合
商標である。
上記のとおり,本件商標は「マジカルシューソース」の称呼のみを生,
ずる,構成全体が一連一体不可分の造語的結合商標として,把握される
べきものであるから,後半部「シューソース」のみを分離した称呼は生
じない。
()引用商標2
引用商標1(THESHOESOURCE)ア
引用商標1の前半部「THE」は,称呼識別上重視すべき語頭部にあ
って濁点を伴う強音として発音されるとともに,後半部に自他商品識別
力,顕著性が低い名詞を伴う場合,その名詞と結合し,全体的に一体不
可分の造語的結合商標となることがある。
本件商標1は,同書体,同大で横書きされており,全体として外観上
もまとまりよく表されており「例の靴屋,あの靴供給元」等の観念を生,
み,独特のユニークな一体的イメージを醸し出している。
このように,引用商標1「THESHOESOURCE」は,前半
部「THE」が後半部「SHOESOURCE」と結合されることによ
り,はじめて全体的に商標としての自他商品識別力,顕著性が生じた例
であるといえる。引用商標1は,全体的に一体不可分の造語的結合商標
であり,後半部「SHOESOURCE」だけを分離すべきではなく,
称呼は「ザシューソース」である。
イ引用商標2,3「PaylessShoeSource」
引用商標2,3(PaylessShoeSource)は,前半部
「Payless」が,自他商品識別力,顕著性を備えた特徴的な部分
であり,後半部「ShoeSource」は,使用商品「靴」に照らす
と自他商品識別力顕著性の低い部分であり全体としては観念上ペ,,,,「
イレスという靴屋,ペイレスという靴供給元」を意味している。
,,「」したがって引用商標23PaylessShoeSource
は,造語的結合商標として把握される。そして,同書体,同大,等間隔
で一連表記され全体の音数も7音であり,かつ特に後半部のみを分離し
て称呼すべき理由も存しないので,通常は一体不可分に「ペイレスシュ
ーソース」と称呼される。
なお,特徴的要部の前半部「ペイレス」のみを抜き出し,後半部を省
略して商標的に称呼されることがあり得るとしても,後半部は,付記的
部分にすぎないので「シューソース」のみで称呼されることはない。,
()類否3
本件商標は「マジカルシューソース」の称呼のみを生ずる。,
これに対して,引用商標1は「ザシューソース」の称呼のみを生じ,ま,
た,引用商標2,3は「ペイレスシューソース」又は「ペイレス」の称呼,
を生じ「シューソース」の称呼は生じない。,
したがって,本件商標と各引用商標とは,称呼において非類似である。
なお,同様の理由により,外観及び観念においても非類似である。
2商標法4条1項15号及び19号について
社名略称の周知・顕著性()1
甲号各証によれば,原告「ペイレスシューソースワールドワイド
インコーポレイテッド」が,自らを表わす社名略称(商号略称)として「ペ
イレスシューソース」を使用し,これが周知・著名であった可能性はある。
すなわち,原告の正式社名は,上記のように長いので,自らを表わす場合や
第三者が認識する場合,その前半部「ペイレスシューソース」をもって,略
称とすることは自然であるといえる。
しかし,甲号各証は,主にこのような「ペイレスシューソース」社の事
業動向,実績,取扱商品等に関する記事,パンフレット等であるが,甲号
各証の「本文」中及び「見出し」に,自己の社名について「ペイレスシュ
ーソース」社と一連表記され「ペイレス」社「PAYLESS」社と再,,
略称表記される例はあっても「シューソース」社「SHOESOURC,,
E」社と略称表記された例は存在しない。
以上によれば,原告の社名略称である「ペイレスシューソース」社「ペ,
イレス」社として周知・著名であった可能性は否定できないが,我が国及び
外国の需要者の間で,単に「シューソース」社と略称されて,広く認識され
周知・著名であったことはない。
各引用商標の周知性()2
原告の使用する引用商標1「THESHOESOURCE」及び引用
,「」,,商標23PaylessShoeSourceが甲号各証によって
単に「SHOESOURCE「ShoeSource」と称されて,周知」,
性を獲得していたことは,認められない。
すなわち,甲号各証は,前述したように「ペイレスシューソース」社の,
事業動向,実績,取扱商品等に関するものであるが,いずれも「Payl,
essShoeSource「ペイレスシューソース」と表記されて使用」,
されており「ペイレス「PAYLESS」と略称されている使用例は見,」,
受けられるものの「ShoeSource」と略称されている例はない。,
したがって,引用商標2,3「PaylessShoeSource」
や「Payless」の周知性獲得はさておき「ShoeSource,,」
「SHOESOURCE」が,我が国及び外国の需要者の間で,広く認識さ
れ,周知性を獲得するに至っていたことはない。
出所の混同()3
本件商標は一体不可分の造語的結合商標であり,その称呼は「マジカル
シューソース」である。これに対して,原告の社名略称や引用商標1ないし
3である「PAYLESSSHOESOURCE「PAYLESS「T」,」,
HESHOESOURCE「PaylessShoeSource」の」,
称呼は「ペイレスシューソース「ペイレス「ザシューソース」等である」,」,
から,両者は非類似である。
したがって,本件商標を指定商品である「靴」等に使用しても,原告や各
引用商標等を連想・想起することはなく,その「商品について混同」を生ず
るおそれはない。
また,原告の社名略称や各引用商標中や本件商標中に共通に存する「SH
OESOURCEShoeSourceの部分は前述したようにS」,「」,「
HOE「SOURCE」の語がいずれも日本人にとってなじみ深く親しま」,
れている単語であるとともに「靴屋,靴供給元等」を意味し,使用商品が,
「靴」である点に照らすと,自他商品識別力,顕著性が乏しい。そして,同
標章部分は,創造語・造語・創造標章ではなく,特定観念を有する既成語で
あるから,顕著な特徴を有するものでもない。したがって,このような「S
HOESOURCE」を部分的に備えた本件商標を,指定商品の「靴」等に
使用しても,需要者が,原告や各引用商標に関係する商品であると誤信する
ことはなく,提供性や関連性を誤解する可能性は存せず「他人の業務に係,
る商品と混同」を生ずるおそれはない。
不正の目的()4
本件商標は一体不可分の造語的結合商標であり,原告の社名略称や引用
商標1ないし3とは,同一又は類似ではない。したがって,被告が本件商標
を採択,使用する行為に「不正の目的」は存在しない。,
また「SHOESOURCE」の部分は「靴屋,靴供給元」等を意味,,
する既成語であるとともに「SHOE」や「SOURCE」はいずれもな,
じみ深い単語であり,指定商品が「靴」に関連する商品であることに照らし
ても,商品識別力,顕著性は乏しい。したがって,被告が「SHOESOU
」,「」RCEを一部に含む本件商標を使用することに不正の利益を得る目的
や「他人に損害を与える目的」はない。
なお,被告は,本件商標を使用して,靴店を4店舗営業している。その使
用態様は,濃いピンク地に白い細線のアルファベットで本件商標を記してい
るのであり,各引用商標とは同一又は類似ではなく,混同のおそれはない。
第5当裁判所の判断
当裁判所は,本件商標の登録が商標法4条1項11号,15号,19号に違
反してされたものではないとした審決の認定判断には誤りがあると解するもの
である。その理由は,以下のとおりである。
1商標法4条1項11号について
()商標法4条1項11号該当性の判断基準について1
商標法4条1項11号は「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る,
他人の登録商標又はこれに類似する商標であって,その商標登録に係る指定商
品若しくは指定役務‥‥‥又はこれらに類似する商品若しくは役務について使
」,。用をするものについては商標登録を受けることができない旨規定している
そして,商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された
場合に,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決す
べきであり,誤認混同を生ずるおそれがあるか否かは,そのような商品に使用
された商標が,その外観,観念,称呼等によって取引者及び需要者に与える印
,,,象等を考察するとともにその商品の取引の実情具体的な取引状況に照らし
その商品の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として,総
合的に判断すべきである。
,,,そこで引用商標及びそれらの指定商品との対比において上記の観点から
本件商標の登録が商標法4条1項11号に違反するものであるか否かについ
て,検討する。
()本件商標について2
ア本件商標の構成
本件商標は「MAGICALSHOESOURCE」の欧文字を標準文
字で表記してなるものである。同構成からは「MAGICAL「SH,」,
OE「SOURCE」という3つの英単語を抽出することが可能であ」,
る。そうすると,本件商標については,①「MAGICALSHOESO
URCE」全体を一体にとらえるもの,②「MAGICAL」と「SHO
ESOURCE」の2つの構成部分からなるもの,③「MAGICALS
HOE」と「SOURCE」の2つの構成部分からなるもの,④「MAG
ICAL」と「SHOE」と「SOURCE」の3つの構成部分からなる
ものとの理解が一応可能であるといえる。
ところで,本件商標「MAGICALSHOESOURCE」のうち,
「,,,先頭にあるMAGICALの部分は「」,魔法の不思議な魔術的な
神秘的な,魅力的な」等を意味する語として,我が国においてもよく理
解され,普通に使用されている英単語であること(乙1,2。この点に
「SHOESOURCE」の部分が指定商品とのつき被告は争わない。),
関連で見る者の注意をひくことに照らすならば「MAGICALSHO,
」,「」「」ESOURCEにつきMAGICALとSHOESOURCE
とを一つの区切りと理解できるから「MAGICAL」と「SHOES,
OURCE」の2つの部分からなるものととらえる理解が自然である。
イ本件商標の特徴的部分
そこで,本件商標について,商品の出所表示機能を有する特徴的部分
に関して検討する。
「魔法の,不思議な,魔「MAGICAL」の部分は,上記のとおり,
術的な,神秘的な,魅力的な」等を意味する語として,我が国において
もよく理解され,普通に使用されている英単語であり,しかも,商品の
内容を説明する修飾語と理解できることからすれば,その自他商品識別
機能は小さい。
これに対し「SHOESOURCE」の部分は「靴の供給元」なる,,
観念を生ずると理解する余地がないわけではないが,そもそも「SHO,
ESOURCE」なる語が英単語として存在することを認め得る証拠はな
く,少なくとも一般には「SHOESOURCE」なる表記を目にした,
者がその意味を理解することは困難であり,仮に当該表記から靴の製造者
・販売者としての観念を読みとり得るとしても,それは辞書等に収録され
ていない新たな言葉ないし造語であるから,これを見る者の注意をひくも
のと認められる(靴の製造者・販売者を意味する語としては,通常「s,
hoeshop「shoestore「shoemaker」等」,」,
の語が用いられるものと考えられる。。)
上記によれば,本件商標においては「MAGICALSHOESOU,
RCE」の全体のほか「SHOESOURCE」の部分が,自他商品識,
別機能を有する特徴的部分であるというべきである。
ウ本件商標の称呼
上記イにおいて述べたところからすれば,本件商標からは「マジカル,
シューソース」の称呼のほかに「シューソース」の称呼を生ずるものと,
いうべきである。
()各引用商標について3
ア各引用商標の構成及び特徴的部分
次に,引用商標について検討するに,引用商標1は「THESHOE
」,,SOURCEの欧文字を標準文字で書してなるものであり引用商標2
3は別紙商標目録(1(2)のとおり,いずれも「PaylessS)
hoeSource」の欧文字よりなるものである。
引用商標1については,このうち「THE」の部分は英語の定冠詞であ
り,自他商品識別機能を有する部分とはいえない。したがって,引用商標
1のうち自他商品識別機能を有する部分は「SHOESOURCE」の部
分というべきである。
引用商標2,3は「Payless「Shoe」及び「Sourc,」,
e」の各部分の頭文字が大文字で書されているものであり,また「Pa,
yless」と「ShoeSource」の間に約半字分の空白が設けら
れていること甲3の14の1に照らせばPaylessとS(,),「」「
hoeSource」の2つの部分からなるものと認めることができる。
このうち「Payless」の部分は「無料「廉価「支払う必要の,,」,」
ない」というような漠然とした観念を生ずる語であると理解することも一
見可能なようにも思われるが,一般に知られていない語であり「pay,
less」なる語自体が英単語として存在することを認め得る証拠は認め
られない。そうすると「Payless」の部分は,辞書等に収録されて
いない新たな言葉ないし造語として,見る者の注意をひく部分であり,ま
た,前記のとおり「ShoeSource」の部分も同様に造語として,
見る者の注意をひくものということができる。
イ引用商標の称呼
上記によれば,引用商標1からは「ザシューソース」及び「シューソ
ース」の称呼を生じ,引用商標2,3からは「ペイレスシューソース,」
「ペイレス」及び「シューソース」の称呼を生ずるものと認められる。
()類否判断4
以上検討したとおり,本件商標は「MAGICALSHOESOURC,
E」全体及び「SHOESOURCE」の部分を特徴的部分とするものであ
る。他方,引用商標においては,引用商標1は「THESHOESOU,
RCE」全体及び「SHOESOURCE」の部分を特徴的部分とするもの
であり,引用商標2,3は「PaylessShoeSource」全,
体「Payless」の部分及び「ShoeSource」の部分を特徴,
的部分とするものである。
そうすると,本件商標と各引用商標とは,いずれも特徴的部分として「S
HOESOURCE」ないし「ShoeSource」の部分をとらえるこ
とができ,その称呼において共通する(なお,当該部分について外観におい
て共通する。また,当該部分からいかなる観念が生ずるにせよ,観念が生ず
る限度で共通する。)
上記によれば,本件商標と各引用商標とは類似するというべきである。
()指定商品等5
,,本件商標の指定商品と各引用商標の指定商品はいずれも第25類に属し
靴,履物等を含むものとして同一ないし類似のものである。
また原告は既に平成16年4月1日本件商標の査定時にはペ,,,(),「
イレスシューソース」をその略称とし,店舗数約5千店の北米最大の靴専門
の小売店として我が国においても広く知られるに至っており,各引用商標も
(,原告に係る商品を示す商標として広く知られていたと認められる甲6∼8
10,弁論の全趣旨。なお,この点について,被告は積極的には争っていな
い。。)
()結論6
以上によれば,本件商標は,その審決時(当裁判所は,判断の基準時を審
決時と解するものであるが,査定時においても,その事実が存在していたこ
とについては同様である)において,各引用商標に類似し,その指定商品。
と同一ないし類似の商品に使用するものに該当するから,本件商標の商標登
録は商標法4条1項11号の規定に違反してされたものというべきである。
したがって,本件商標が同号の規定に違反して登録されたものではないと
した審決の判断には誤りがあるから,審決は違法なものとして取消しを免れ
ない。
2商標法4条1項15号,19号について
上記のとおり,本件商標の商標登録には商標法46条1項11号所定の無効
事由があり,審決が違法なものとして取消しを免れないが,事案に鑑み,念の
ため,本件商標の商標法4条1項15号,19号該当性についても,当裁判所
の判断を示すこととする。
()商標法4条1項15号該当性について1
ア商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を
生ずるおそれがある商標」には,当該商標をその指定商品等に使用したと
きに,当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な
営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関
,,係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれすなわち
いわゆる広義の混同を生ずるおそれがある商標をも包含するものであり,
同号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は,当該商標と他人の表示との
類似性の程度,他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や,当該商標の
指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質,用途又は目的におけ
る関連性の程度,取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照ら
し,当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注
意力を基準として総合的に判断されるべきである最高裁平成10年(行,(
ヒ)第85号同12年7月11日第三小法廷判決・民集54巻6号184
8頁参照。)
イそこで,上記の観点から,本件商標が商標法4条1項15号に該当する
かどうかを検討する。上記1において判示したとおり,本件商標と各引用
商標を対比すると,いずれもその特徴的な部分として「SHOESOUR
CE」ないし「ShoeSource」をとらえることができ,当該部分
において称呼が共通するのみならず,外観及び観念(ただし,観念が生ず
るとした場合に限る)も共通するものであって,本件商標と各引用商標。
とは類似する。
そして,本件商標の指定商品と各引用商標の指定商品は,いずれも第2
5類に属し,靴,履物等を含むものとして同一ないし類似のものである。
また,原告は,本件商標の出願時(平成14年12月4日)までには,
「ペイレスシューソース」をその略称とし,店舗数約5千店の北米最大の
靴専門の小売店として我が国においても広く知られるに至っており,各引
用商標も原告に係る商品を示す商標として広く知られていたと認められる
(甲6∼8,弁論の全趣旨。この点について,被告は積極的には争ってい
ない。。)
ウそうすると,本件商標は,その出願時において,これをその指定商品に
使用した場合には,これに接する取引者は,周知商標である各引用商標を
連想,想起して,当該商品が原告又は原告との間に緊密な営業上の関係又
は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある者の業
務に係る商品であると誤信するおそれがあるものというべきである。
したがって,本件商標の商標登録は,仮に商標法4条1項11号に違反
しないとしても,同項15号に違反してされたものというべきである。
()商標法4条1項19号該当性について2
前記1において判示したとおり,本件商標と各引用商標とは類似する。そ
して,各引用商標における「SHOESOURCE」ないし「ShoeSo
urce」の部分は,独創的な造語であり,原告の略称及び各引用商標を除
けば,本件商標以外に使用されている例は認められない。そして,原告は,
本件商標の出願時(平成14年12月4日)までには「ペイレスシューソ,
ース」をその略称とし,店舗数約5千店の北米最大の靴専門の小売店として
我が国においても広く知られるに至っており,各引用商標も原告に係る商品
を示す商標として広く知られていたことは,前記()において認定したとお1
りである。
そうすると,被告は,昭和35年設立に係る靴の製造,卸売り及び小売り
を業とする会社であり,実際に靴店舗を出店していたのであるから(弁論の
全趣旨,本件商標出願前に上記の事情を認識していたと認めるのが自然で)
あり,本件商標の商標登録は,仮に商標法4条1項11号,15号のいずれ
にも違反しないとしても,同項19号に違反してされたものというべきであ
る。
3結論
上記によれば,本件商標は,少なくとも,商標法4条1項11号に違反して
登録されたものであるから,同法46条1項によりその登録を無効とすべきも
のである。したがって,これと異なる審決の判断は誤りであり,この誤りが審
決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから,審決は取消しを免れない。
よって,主文のとおり判決する。
知的財産高等裁判所第3部
裁判長裁判官飯村敏明
裁判官三村量一
裁判官古閑裕二

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