弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄する。
     被上告人の控訴を棄却する。
     控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
         理    由
 上告指定代理人貞家克己、同鎌田泰輝、同筧康生、同岡田武夫、同高橋欣一、同
岡準三、同中山昭造、同清原健二、同井上修の上告理由について
 本件記録によれば、被上告人の昭和四四年分から同四六年分までの所得税に関す
る各更正処分及び各過少申告加算税の賦課処分に対する異議申立てにつき、上告人
は、昭和四八年四月二八日付で右申立てを棄却する旨の各決定(以下「本件異議申
立棄却決定」という。)をして同年五月八日被上告人に通知したので、被上告人は、
更に、同月二五日国税不服審判所長に対し審査請求をしたところ、同所長は、同四
九年四月二四日付で右請求を棄却する旨の裁決(以下「本件審査請求棄却裁決」と
いう。)をして同年五月一七日被上告人に通知し、そこで、被上告人は、同年六月
三日、本件異議申立棄却決定の取消しを求めて本訴を提起した、原審は、被上告人
は、本件異議申立棄却決定の通知を受けたのち適法な期間内に審査請求をし、本件
審査請求棄却裁決のあつたことを知つた日から三か月以内に本訴を提起しているの
であるから、本訴は、出訴期間を遵守した適法な訴えであるとし、本訴は出訴期間
を徒過した不適法な訴えであるとした第一審判決を取り消し、本件を第一審裁判所
に差し戻すとの判決をしたことが明らかである。
 論旨は、要するに、原判決は、本件訴えの出訴期間の起算日に関し行政事件訴訟
法(以下「行訴法」という。)一四条四項、国税通則法七五条、七六条の解釈適用
を誤つたものであり、その違法は、判決に影響を及ぼすことが明らかである、とい
うのである。
 課税処分に対する異議申立てについて税務署長がした決定の取消しを求める訴え
は、行訴法三条三項にいう「裁決の取消しの訴え」に該当し、裁決の取消訴訟は、
裁決があつたことを知つた日から三か月以内に提起しなければならず、裁決の日か
ら一年を経過したときは提起することができないものとされているのであるが(同
法一四条一項、三項)、右の出訴期間は、裁決につき審査請求をすることができる
場合において、審査請求があつたときは、その審査請求をした者については、これ
に対する裁決があつたことを知つた日から起算することとされているのである(同
条四項)。しかしながら、国税通則法によれば、異議申立てにつき税務署長がした
決定は、同法七五条一項一号に掲げる不服申立てに対してした処分として同法七六
条一号にいう「前条の規定による不服申立て……についてした処分」に該当するか
ら、これに対しては、更に審査請求等の不服申立てをすることができないこととさ
れているのである(もつとも同法七五条三項は、「当該異議申立てをした者が当該
決定を経た後の処分になお不服があるときは、その者は、国税不服審判所長に対し
て審査請求をすることができる。」旨を規定しているが、右にいう「処分」が異議
申立ての対象となつた処分(原処分)を意味することは、文理上明らかであつて、
右規定は、異議申立てについてした税務署長の決定自体を審査請求の対象とするこ
とを認めたものではない。)。したがつて、課税処分に対する異議申立てについて
税務署長がした決定の取消しを求める訴えについては、行訴法一四条四項の適用は
なく、その出訴期間は、異議申立てについての決定があつたことを知つた日又は決
定の日から、これを起算すべきものである。これを実質的に考えても、課税処分に
対する異議申立てについての決定の取消しを求める訴えにおいては異議申立ての対
象となつた課税処分(原処分)の違法を取消しの理由として主張することはできず
(行訴法一〇条二項)、右訴えは右決定の固有の瑕疵の是正を目的とする訴えであ
るところ、異議申立ての対象となつた課税処分(原処分)に対する審査請求におい
ては、右決定の固有の瑕疵を争うことは認められておらず、右審査請求についての
裁決により右決定の固有の瑕疵が是正される余地は全くないのであるから(最高裁
昭和四二年(行ツ)第七号同四九年七月一九日第二小法廷判決・民集二八巻五号七
五九頁参照)、右課税処分(原処分)に対する審査請求がされその裁決があつたか
らといつて、その裁決があつたことを知つた日又は裁決の日から右決定の取消しを
求める訴えの出訴期間を起算すべきこととする合理的理由はないのである。
 本件についてこれをみるに、本件訴えは更正処分及び過少申告加算税の賦課処分
に対する異議申立てを棄却する旨の税務署長の決定の取消しを求める訴えであるか
ら、その出訴期間は、本件異議申立棄却決定のあつたことを知つた日又は右決定の
日から、これを起算すべきものであるところ、これと異なり本件審査請求棄却決定
を知つた日から起算すべきであるとした原審の判断は、ひつきよう、行訴法一四条
四項、国税通則法七五条、七六条の解釈適用を誤つたものというべきであり、右の
違法は判決に影響を及ぼすことが明らかである。したがつて、論旨は理由があり、
原判決は破棄を免れない。そして、原審が確定した事実によれば、被上告人が昭和
四八年四月二八日付の本件異議申立棄却決定の通知を受けたのは同年五月八日であ
り、被上告人が本訴を提起したのは昭和四九年六月三日であるというのであるから、
本件訴えは、出訴期間を徒過したのち提起された不適法なものというべきであり、
これと同旨の第一審判決は相当であつて、被上告人の控訴は棄却されるべきもので
ある。
 よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇八条一号、三九六条、三八四条、九六
条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    岸   上   康   夫
            裁判官    藤   林   益   三
            裁判官    下   田   武   三
            裁判官    岸       盛   一
            裁判官    団   藤   重   光

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