弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件各上告を棄却する。
         理    由
 被告人A、同B両名弁護人長井清水の上告趣意は後記書面のとおりである。
 被告人Aに対する同弁護人の上告趣意について。
 所論は、原判決の憲法違反を主張するけれども、その実質は食糧管理法令の解釈
について独自の見解の下に被告人の無罪を主張し又は原審の量刑を非難するのであ
つて、上告適法の理由にあたらない。(そして仮りに所論のような事情があつたと
しても、本件犯罪が成立することは明らかであつて原判決になんら違法はない)。
 被告人Bに対する同弁護人の上告趣意第一点について。
 食糧管理法九条一項の「主要食糧ノ……譲渡其ノ他ノ処分……ニ関シ」とあるは、
「広く主要食糧の所有権の移転に関連し」と解すべきであるから、従つてまた買受
行為を含むと解すべきはいうをまたない。(昭和二六年(あ)第四八九六号同二七
年一二月一九日第二小法廷判決参照)。それゆえ同法施行令六条に主要食糧の買受
行為を禁止する旨を定めているのは、法九条一項の規定に含まれるところであつて
なんら違法はなく、論旨違憲の主張は前提を欠くから理由はない。
 同第二点について。
 主要食糧を違法に買受けた者がこれを違法に輸送した場合といえども、その輸送
の罪(食糧管理法九条、三一条、同法施行令一一条、同法施行規則二九条一項の罪)
が成立することもちろんであつて、輸送の罪は買受の罪に当然吸収され後罪の一罪
として処断さるべきであるとする所論を認むべきなんらの根拠はない。論旨は独自
の見解に立つて違憲を主張するのであるから前提を欠くことに帰し理由がない。
 被告人Aに対する同弁護人の追加上告趣意の論旨一は、刑訴四〇五条の適法な上
告理由にあたらない。しかし論旨について原判決を調べて見ると、大豆が食糧管理
法の主要食糧であることの根拠規定である食糧管理法の施行に関する件(昭和二一
年一二月三〇日農林省告示)を示していないことは所論のとおりであつて、このこ
とは当裁判所の判例(後記)によるまでもなく違法である。しかしまた同時に、大
豆が食糧管理法にいう主要食糧にあたることも明かであるから、原判決に所論のよ
うな違法があつても、判例の示すように、原判決を破棄しなければ著しく正義に反
するものとは認められない。されば論旨はこの点についてもとることはできない。
(昭和二五年(あ)第四〇六号同年一〇月一七日第三小法廷判決、刑集四巻一〇号
二一〇二頁、昭和二四年(れ)第一〇二九号同二六年七月二〇日第二小法廷判決、
刑集五巻八号一五五六頁参照)。次に論旨二は、原判決の憲法違反を主張するけれ
ども、実質は刑訴法違反の理由に過ぎない。そして原判決がその末段に「更に本件
について判決するに、原判決が証拠に依つて確定した行為中」云々と判示している
ことは、すなわち第一審判決の事実摘示及び挙示の証拠を引用した趣旨であること
明かであるから、所論のような刑訴法違反も認めることはできない。
 被告人Bに対する同弁護人追加上告趣意は、右追加上告趣意と同趣旨であるから
これに対する判断は右述べたとおりである。
 その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。
 よつて同四〇八条により全裁判官一致の意見をもつて主文のとおり判決する。
  昭和二八年二月二四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    井   上       登
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎

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