弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人衛藤顕同高野弦雄、同中井宗夫上告趣意第一点について。
 しかし、原判決の確定した事実の趣意は、被告人は第一審相被告人Aと判示会社
出張所に侵入して金品を竊盗することを共謀の上判示八日午後一〇時頃より一一時
五〇分頃迄の間二回竊盗を行い更に判示九日午前三時頃両名共三度同出張所に侵入
し金品を物色中本件被害者が同所四畳半の間に就寝中であるのを発見するや其の場
において、俄かに同被害者を脅迫して金品を強奪せんとする意思を起し互に意思を
通じて強盗を共謀し実行したことを認定したものであること明白である。そして原
判決挙示の各証拠を綜合考察すれば被告人が右Aと共に判示深夜判示屋内に立入本
件被害者が同所四畳半の間で就寝中を発見し判示のごとく相被告人において故ら被
害者を呼び起し「金はないか」と迫り現金を奪取し、更らに蚊帳の吊手を切落しこ
れを被害者の顔面に覆い被せその近くに座を占め同人に対し「静かにして居れ縛り
はせぬから」等を申向け同人が抵抗すれば即時危害を加うべき勢を示して同人を脅
迫監視し居ることを被告人においてこれを知りながらその間屋内を捜索して被害者
所有の衣類等四〇余点(価格三万六千百円位)を奪取した事実を肯認することがで
きる。されば被告人は相被告人と共謀して強取行為をも分担したものといふべく、
従つて、仮りに所論のごとく被告人は相被告人の兇器所持並びに兇器使用の事実を
知らなかつたとしても原判決が証拠によらずして強盗共謀の事実を認定した違法あ
りといえない。論旨はその理由がない。
 同第二点について。
 しかし第一審相被告人Aは昭和二二年一二月二五日死亡し所論原審第一回公判は、
同人死亡後被告人並びに原審相被告人Bの両名のみに対し為されたものに過ぎない
こと記録上明白なところである。したがつて所論証拠調をした「司法警察官の被告
人両名及び関係人に対する各聽取書」とある関係人中には右死亡したAをも包含す
るものと解することができる。しかのみならず右原審公判においては、被告人訊問
の際被告人に対し二回に亘り所論Aに対する司法警察官の聽取書を読聞かせ詳細に
弁解させている(記録三三八丁表及び三四四丁表参照)から原判決には所論の違法
あるものとはいえない。本論旨もその理由がない。
 同第三点について。
 しかし、犯罪の日時は、法律上別段の定め(例えば日出前文は夜間においてとい
うごとき)のない限り、主として犯行の同一性を特定する事項たるに止り、罪とな
るべき事実に属しないものであるから、判決書にこれを表示するには犯行の同一性
を特定するに足る程度を以て足り、必ずしも数学的の正確を要するものではなく、
また、必ずしも常にその証拠を判決書中に挙示せねばならぬものでもない。従つて
判決書に表示された犯行の日時に多少の正確を欠き若しくはその挙示された証拠に
多少の不備があつても判決を破棄するに足る欠点とすることはできない。それ故仮
りに原判決が所論のごとく午前二時頃の犯行を午前三時頃なりと判示し、また、そ
の引用の証拠中他の証拠と対比すれば九月と記載すべきを八月と誤記したと認めら
るべき証拠を誤記と説明せずに慢然これを引用したとしてもこれらの欠点は原判決
に影響を及ばないこと明白であるから所論は上告理由として採用することできない
ものといわねばならぬ。
 よつて刑訴第四四六条に則り主文のとおり判決する。
 この判決は裁判官全員の一致した意見である。
 検察官 茂見義勝関与
  昭和二三年一二月一六日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    齋   藤   悠   輔
            裁判官    沢   田   竹 治 郎
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎

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