弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     原判決を破棄し、本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人弁護士村田左文の上告理由について。
 原判決は、挙示の証拠を綜合すると、その頃被控訴人(原告、被上告人)が新円
に切換後の経済状勢の激変等によつて、本件売買代金の支払に窮していたのを当時
まだ被控訴人と懇意の間柄であつた控訴人(被告、上告人)が同情し被控訴人の懇
願を容れ、被控訴人主張の日時に本件残代金債務について被控訴人主張の約旨(弁
済期の定めなく、利息一ケ月につき金千円、利息支払期毎月末)の準消費貸借契約
が成立するに至つたこと、および、本件売買について、控訴人側から被控訴人に対
し本件不動産につき買戻の交渉があつたが遂に纒まらなかつた事実はあるが、控訴
人が主張するような債務不履行を理由として契約解除の意思表示がなされたことも、
本件当事者間に合意解除のあつたこともないことその他原判示の事実を認めること
ができる旨判示したことは、所論のとおりである。しかし、被上告人が本件代金の
支払期限たる昭和二一年六月三〇日までに代金の内六万円を支払つたに止まり全代
金を完済するに至らなかつたことは、被上告人の認めるところであり、また、本件
売買代金の支払期限は、昭和二〇年中に一〇万円、二一年六月末までに一〇万円と
明確に定められていたことは、当事者間に争なきところであり、かつ、上告人先代
が昭和二一年三月頃代金の支払を督促していたことは、弁論の全趣旨に照し明白な
ところである。されば、本件売買代金の大部分である金一四万円(本件売買代金の
支払期限は前記のごとく定められており、新円切換は昭和二一年三月であることは
顕著な事実であるから、少くとも内四万円を支払わなかつたことについては、原判
決のいう新円に切換後の経済状勢の激変によるものでないこと明らかである。)に
つき被上告人主張のごとき弁済期の定めなき準消費貸借契約が成立し、従つて、本
件売買残代金の支払を無期限に延期するがごとき契約をするには特段の事情がある
ことを要すること取引の通念に照し疑を容れないものといわなければならない。し
かるに、原判決は、前示のごとく単に同情した等判示しただけで何等首肯するに足
りる理由を示すことなくかかる契約の成立を認定したのは、審理不尽による理由不
備の違法あるに帰するものというべきである。
 以上被上告人主張の準消費貸借契約の成立をたやすく肯認できないとすると、原
判決の甲二号証の記載事項に関する原判示の事実認定もたやすく肯認し難く、ひい
て上告人主張の合意解約等に関する証拠の取捨判断等の当否にも影響を及ぼすもの
と認められるから、論旨はその理由あるに帰し、原判決は結局破棄を免れない。
 よつて、民訴四〇七条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    高   木   常   七

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛