弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件控訴を棄却する。
     当審における訴訟費用は、被告人の負担とする。
         理    由
 本件控訴の趣意は、弁護人遠藤雄司作成名義の控訴趣意書、控訴趣意書補充書及
び控訴趣意書再補充書に記載のとおりであり、これに対する答弁は、検察官野上益
男作成名義の答弁書に記載のとおりであるから、これらを引用する。
 一 控訴趣意第一点(事実誤認、法令の適用の誤りの主張)について
 所論は、要するに、原判示第二及び第三の各事実に関し、テレホンカードの磁気
記録部分は、電話機を作動させ或は残度数を表示する磁気情報の媒介物に過ぎず、
この部分に権利が化体していると解するのは、無形の情報に権利化体性を認めるに
等しく、無形の権利を有体物に化体させることを目的とする有価証券制度の本質に
反するので、この部分は有価証券変造罪の客体たる有価証券に当たらず、したがっ
て、磁気記録部分を改ざんしても有価証券変造罪に該当せず、また、これを交付し
ても変造有価証券交付罪に該当しないのに、本件各テレホンカードの磁気記録部分
の改ざんが有価証券変造罪、その交付が変造有価証券交付罪に該当するとした原判
決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があり、ひいては法令の適用
の誤りがあるというのである。
 そこで、原審記録を調査し、当審における事実取調べの結果をも併せて検討する
と、原判示第二及び第三の各事実に関し、原判決の事実認定及び法令の適用に所論
主張のような誤りはなく、また、原判決が「補足的説明」の項において、テレホン
カードの仕組み及びその機能について認定説示しているところ及びこれに基づき説
示する法律判断も、概ね正当なものとしてこれを維持することができる。以下に若
干補足して説明する。
 1 まず、関係各証拠によれば、現在わが国において用いられているテレホンカ
ードは、次のようなものと認められる。すなわち、テレホンカードは、A株式会社
が同会社の設置したカード式公衆電話機の利用者のために発行した、電話の役務の
提供の代価の弁済の手段として用いられる前払式証票(プリペイドカード)であっ
て、利用者は、Aの各店舗、販売代理店等でその発行度数に対応して決められた価
格に従い、代金を支払ってこれを購入し、カード式公衆電話機を利用するときはこ
れを電話機の挿入口に差し込むという方法によって、利用可能度数の範囲内で電話
の役務の提供(相手方との通話)を受けることができるというものである。Aが現
在販売しているカードは、発行度数が五〇度、一〇五度、三二〇度及び五四〇度の
四種類である。
 テレホンカードの本体は、名刺大のポリエステル様素材で作られたカードであ
る。そして、表面と裏面又はそのいずれかの面にAのテレホンカードであること及
び発行度数の表示と、パンチ穴によっておよその残度数を示すための度数カウンタ
ーとが印刷されており、また、裏面全体が磁性体で構成され、そのうちの磁気スト
ライプ部分には当該カードがAの発行した正規のカードであることを識別するため
の固定情報すなわち発行情報として磁気の入力年月日、入力の通し番号及びエンコ
ード(入力機械)番号情報並び秘密のプログラムによるパリティチェックを行うた
めのパリティビット、暗号及び暗号位置情報が印磁されているとともに、可変的な
情報として残度数情報すなわちそのカードの利用可能度数情報が印磁されている。
 利用者がカード式公衆電話機に挿入口からテレホンカードを差し込むと、電話機
に内蔵されたカードリーダーがカードに印磁された磁気情報を読み取って、パリテ
ィビットと暗号の二重のチェックによりそのカードがAの発行した正規のカードで
あるかどうかを識別し(なお、電話機としては同時にカードの形状等の物理的特性
や磁気記録の磁束密度によってもカードの真偽を識別する)、その際利用可能度数
情報をいったん内蔵ソフトに転写するとともに、電話機の表示窓を通じて利用者が
見ることのできる度数カウンターにその利用可能度数を赤色で表示し、これによっ
て利用者が通話可能になる。そして、利用者が通話中は電話の使用量に従って電話
機の内蔵ソフトに転写されている利用可能度数の数値が減算され、これに基づいて
度数カウンターに表示されている残度数が漸次減少していき、通話が終了すると、
その際の残度数が内蔵ソフトからカードの磁気記録部分に転写印磁され、一定度数
に減ったときはカードにパンチ穴が開けられたのち、カードが返却口から外に出て
来て、利用者に返還される。利用者は、残度数がある限りはテレホンカードをこの
ような形で何回でも繰り返して使用することができる。
 なお、テレホンカードは、これを所持している者がAの店舗等で換金を求めるこ
とはできないが、他人との間の譲り渡し、譲り受けは自由であって、贈答に用いら
れることもあり、いわゆる金券屋に買い取らせたり、金券屋からAの販売価格より
も安い価格で購入することも可能である。
 2 関係各証拠によれば、原判示第二及び第三の各犯行において、被告人は、A
が正規に発行した発行度数五〇度のテレホンカード約一六〇〇枚を利用し、その各
カードの磁気記録部分に印磁されていた五〇度という度数情報を消磁し、そのあと
にカード式公衆電話機の内蔵ソフトの最大許容量である一九九八度を印磁して、利
用可能度数を改ざんし、こうして利用可能度数を改ざんしたテレホンカード約一六
〇〇枚を他人に改ざんした旨告げて売り渡したものであることが明らかである。
 3 そこで、以上のような事実を前提に、テレホンカードが刑法に定める有価証
券変造罪や変造有価証券交付罪にいう有価証券に当たるかどうかを検討する。
 刑法第一六二条・一六三条にいわゆる「有価証券」とは財産上の権利が証券に表
示され、その表示された権利の行使につきその証券の占有を必要とするものをい
い、その証券が取引上流通性を有すると否とは必ずしも問わないものと解される。
そして、テレホンカードは、前記のとおり、電話の役務の提供の代価の弁済のため
に用いられる前払式証票であるところ、テレホンカードであることが券面に印刷さ
れてその旨の表示がなされ、かつ、電話の役務の提供を受けるにあたっては必ず当
該カードをカード式公衆電話機に差し込むという方法を取らなければならず、その
意味で権利の行使にカードの占有が必要的であるから、電話の役務の提供を受ける
財産上の権利を化体した証票として、右にいう有価証券の要件を備えているとみる
ことが可能のように思われる。
 ただ、そのカードで現に享受しうる権利の具体的な内容すなわちそのカードの利
用可能度数は、可変的なものであって、かつ、磁気記録部分に磁気情報として記録
されていることから、その表示についても、発行時点におけるものは発行度数とし
て券面に印刷されているものの、その後に変化したときは券面上の表示からは具体
的な権利内容を知ることができないという点にテレホンカードの特色がある。そし
てこの点、所論は、権利の化体性という有価証券の本質に照らし、権利の表示も証
券上、文字やこれに代わる記号・符号によってなされていなければならず、券面上
の表示と磁気記録部分の度数情報が食い違うテレホンカードでは、権利の表示が不
完全といわざるをえず、したがって有価証券性が否定されると主張している。たし
かに有価証券を論ずるに当たって、従来は紙その他の物体の上に可視性又は可読性
のある権利表示が必要といわれてきている。それは、従来は有価証券に財産的権利
を化体させるに当たっては、印刷、筆記その他の方法を用いて文字やこれに代わる
記号・符号でその権利内容や作成名義を紙その他の物体上に記録ないし表示させる
ほかに手段はなかったのであり、したがって、有価証券に表示される権利の行使或
は移転等に際しても、これに関与する当事者らが権利内容や作成名義の真正につい
て確認するのに、従来は人々が自らの五感の作用により、すなわち通常は目で見
る、読むという手段によってこれを行うほかなかったことによる。この場合、有価
証券上の記載によって権利の内容や作成名義などが明らかにされていなければなら
ないのは当然である。しかし、現在においては、電磁的記録が物体上に人の意思・
観念の表示を記録する方法として社会生活上重要な役割を果たすようになり、その
作成名義人すなわち意思・観念の帰属主体の特定も可能であるうえ、その内容を確
認するのも電子情報処理機器の助けを借りて容易に行いうるようになって来てい
る。
 そして、テレホンカードの場合も、前記のとおり、当該カードを用いて電話の役
務の提供を受けるに当たっては、磁気記録部分に記録された利用可能度数情報がま
さにその権利を記録したものとしての役割を果たし、更にその時点における残度数
が電話機の度数カウンターに表示されるので、いわば権利の行使に際しては刻々と
変化するとはいえその権利の内容が度数カウンターを介して表示されているとみる
ことができるのである。またその際、当該カードがAの発行した正規のカードであ
るかどうか、すなわち真正に作成されたものであるかどうかについても、電話機に
内蔵されたカードリーダーが行う当該カードに印磁された暗号情報等の読み取り、
パリティチェックなどによって確認されることとなるのである。
 以上要するに、テレホンカードを購入したり、事実上の流通過程に置いたりする
ときは、磁気記録部分に記録されている具体的な権利内容は一見して視認可能な状
態では表示されず、発行時に券面上に印刷された発行度数が表示されているに留ま
るものの、一般にAの店舗などで購入するに際しては発行度数がそのカードの利用
可能度数を表示しているものと信頼してよいものと考えられ、また、これをカード
式公衆電話機に差し込んで残度数を確認することも容易であり、また、電話の役務
の提供を受けるに当たっては、右に見たとおり、権利の内容が度数カウンターを介
して表示され、その表示されたところに従って通話を行うこ<要旨第一>とができる
のである。すなわち、テレホンカードは、券面上の表示と磁気記録部分に記録され
た磁気情報とが一体となって、電話の役務の提供を受ける権利をカード
に化体させたものとみることができ、しかも、社会生活上もそのようなものとして
財産的価値が認められて事実上の流通性を持ち、かつ、使用されているのであるか
ら、形式的な概念としてばかりでなく、社会的な実体としても刑法上有価証券とし
て保護される実質を持つものと認めることができるのである。
 <要旨第二>4 有価証券の変造とは、真正に作成された有価証券に権限なくほし
いままに変更を加えることをいうものと解されるところ、以上にみたよ
うにテレホンカードは刑法上の有価証券であって、テレホンカードの磁気記録部分
に記録された利用可能度数を権限なく改ざんすることは、テレホンカードの記録表
示している権利内容に変更を加えることにほかならないから、これが有価証券の変
造に当たることはいうまでもない。すなわち、本件においても各テレホンカードの
磁気記録部分の利用可能度数情報を五〇度から一九九八度に改ざんしたことは、有
価証券であるテレホンカードの変造に当たるものと認められるのである。もっと
も、所論は、テレホンカードは有価証券であっても権利の存在に関する社会の信頼
は券面上の記載にあるのであるから、磁気記録部分の磁気情報を改ざんしても変造
に当たらないという主張をしている。この点、テレホンカードの場合、券面上の表
示と磁気記録部分に記録された磁気情報とが一体となって財産上の権利を化体させ
た有価証券であることは、以上に十分に検討したとおりであり、したがって、磁気
情報を改ざんすることが有価証券に変更を加えることにならないという右主張は、
まずその前提において採用できない。ただ、本件においては、券面上の度数表示は
五〇度であるのに、磁気情報としての利用可能度数を一九九八度に改ざんしたこと
で、いわば外観と権利内容の記録表示である磁気情報との間に著しい食い違いが生
じたことについて若干の問題がないわけではない。たしかにテレホンカードの場合
も、流通過程においては券面に印刷された度数表示を信頼して取引するのが一般と
考えられる。とはいえ、少なくとも流通の末端等においては、ある程度の枚数のカ
ードを一括購入するときなど、電話機の度数カウンターを示されてこれに表示され
ている度数のカードであるなどと言われれば、これを信じ込む者もかなりいるであ
ろうことが想定できる。したがって、右のような想定ができる以上、本件のような
券面上の表示と著しい齟齬のある利用可能度数の改ざんも、単なる投棄等に留まら
ず、有価証券としてのテレホンカードに対する一般の信頼を害する変更と認めら
れ、結局、本件の場合も外観との食い違いがあることによって変造に当たることが
否定されるものではない。
 <要旨第三>なお、有価証券の行使は、その用法に従って真正なものとして使用す
ることと解されているところ、所論は、テレホンカードのその用法に従
った使用は、利用者がテレホンカードを道具として機械を操作するものであり、そ
の際磁気記録部分の磁気情報は電話機を作動させる道具ないし鍵の役目として機能
しているに過ぎないから、有価証券に表示された権利の行使に当たらないという主
張をしている。また、この点に関し、一般的に有価証券の「行使」について、これ
は人に対して行われなければならず、専ら機械のみに対して使用することは「行
使」に当たらないとする議論もないではない。しかし、仮に「行使」は人に対する
ものでなければならないという前提に立っても、テレホンカードの本来的用法に従
った使用すなわちカード式公衆電話機における使用も、この電話機を設置したAに
対して権利を行使したもの、いいかえると電話機を介し人に対して有価証券を行使
したものと認めることができる。この点まず、利用者が実際にテレホンカードを使
用しようとしてこれを電話機に差し込んだ場合、電話機内では内蔵ソフトによるカ
ードの磁気情報の読み取り或は転写などという処理ないし操作が自動的に行われて
通話が可能になるものであることは前記のとおりであるが、そのように電話機内で
処理ないし操作が自動的に行われるのは、電話機の設置者(テレホンカードの発行
者でもある。)が予め内蔵ソフトにそのような処理ないし操作を行うべきことを指
示したプログラムを組み込んでいることによることも明らかである。その意味で、
利用者がテレホンカードを電話機に差し込んで電話の役務の提供を求めるときは、
設置者が内蔵ソフトにおけるプログラムの設定等の機械的手段を介してとはいえ、
その意思に基づいてこれを提供しているものと認めることが可能である。加えて、
作成の真正に係る判断についても、前記のようにテレホンカードには暗号情報等が
印磁され、これに対応して電話機の内蔵ソフトにはその読み取りなどがプログラム
に組み込まれ、Aが正規に発行したものでなければ通話ができないという仕組みに
なっていることに照らし、このような仕組みを介して設置者がその判断を行ってい
るものと考えることもできる。以上要するに、テレホンカードの所持者においてテ
レホンカードをカード式公衆電話機で使用することは、そのカードを道具として電
話機を機械的に操作するというものではなく、電話機の設置者に対し自己の財産上
の権利を行使しているものと認めることができ、一方、設置者においても、機械と
いう補助手段を介してではあるものの、自らの判断と意思に基づいてその利用者に
電話の役務を提供しているものと認められ、したがって、テレホンカードの使用が
有価証券としてのテレホンカードの行使に当たることも十分肯認できるのである。
 更に、以上のことから、テレホンカードの変造或は変造したテレホンカードの交
付に際し行使の目的を有していたかどうか考えるうえでも、自己が当該変造カード
を真正なものとして公衆電話機で使用する目的又は他人に使用させる目的があれ
ば、行使の目的を有していたものと認められることになる。そして、本件において
も、被告人がテレホンカードの変造、交付に当たり右のような意味でも行使の目的
を抱いていたものと認められることは、原判決が「補足的説明」の項で認定判示し
ているとおりである。
 5 以上のとおりであるから、原判示第二及び第三の各事実に関し、原判決には
所論指摘のような事実認定の誤りはなく、また、法令の適用の誤りもない。論旨
は、理由がない。
 二 控訴趣意第二点(量刑不当の主張)について
 所論は、要するに、原判決の量刑は重過ぎて不当であり、刑の執行を猶予するの
が相当であるというのである。
 そこで、原審記録を調査し、当審における事実取調べの結果を考え合わせて検討
すると、本件の量刑において考慮すべき点として原判決が「量刑の理由」の項で説
示しているところは、正当として維持することができ、原判決の量刑が不当である
とは考えられない。すなわち、本件は、被告人が、コンピューター関係に詳しい知
り合いの者からカード式公衆電話機の内蔵されたロムを改造することにより市販の
テレホンカードの利用可能度数を簡単に改ざんできるという話を聞き、またそのこ
ろ、被告人の経営する飲食店でかつて働いたことのある者からも利用可能度数を改
ざんしたテレホンカードの密売の話を聞いたことから、自分自身でテレホンカード
を改ざんし、これを密売して利益を挙げようと企て、右コンピューター関係に詳し
い者に電話機の改造方を依頼した上、平成元年四月二六日ころ、道路脇の店舗前駐
車場に設置してあったカード式公衆電話機一台を窃取し、次いで、同人に改造して
貰ったこの電話機を用いて、同月末ころ、Aが正規に発行した発行度数五〇度のテ
レホンカード五九五枚を利用可能度数一九九八度のカードに改ざんして有価証券を
変造し、右密売の話をしていた元従業員に情を打ち明けた上、この変造したテレホ
ンカードを一枚当たり代金三五〇〇円の約定で売り渡して交付し、更に、同年五月
上旬、前同様の方法で、発行度数五〇度のテレホンカード約一〇〇〇枚を利用可能
度数一九九八度のカードに改ざんして有価証券を変造し、この変造したカード八〇
〇枚を含む一九九八度に改ざんしたテレホンカード計一〇〇七枚を同人に代金合計
三〇〇万円の約定で売り渡して交付したという事案である。被告人は、いわゆる金
儲けをしたいという気持ちから、このように自ら公衆電話機を盗み、大量のカード
の変造及び売り捌きを行っていたものであって、当時かなり多額の負債に苦しんで
いたという事情はあるものの、その動機において特に同情の余地はなく、犯行の態
様もいわば犯罪行為を営業的に反復していたというに等しく、更に本件及びこれに
関連して、変造カードの売り渡し先から代金の一部支払いなどとして現金合計一二
〇〇万円余りを受け取り、材料として使った正規のテレホンカードの購入代金や電
話機を改造してくれた者に対する謝礼などを差し引いた九〇〇万円余りが被告人の
実際の利得になっていることが窺え、また、大量のテレホンカードの利用可能度数
が改ざんされ、これが密売されて世の中に出回ろうとしていたことが明らかになっ
たことで、社会に与えた衝撃も無視することができず、これらの諸点を総合する
と、被告人の刑事責任は重いものといわなければならない。
 そうすると、本件各テレホンカードはいずれも実際に使用されるに至らず、その
意味でAに多額の損害を与えるには至っていないこと、被告人は現在では深く反省
後悔していること、被告人には昭和四五年に業務上過失傷害の罪で罰金刑に処せら
れたほかは前科がないことなど、所論指摘の諸般の事情を被告人のためにしん酌し
ても、被告人に対し刑の執行を猶予するのが相当であるとは認められず、刑期の点
においても懲役二年六月に処した原判決の量刑はまことに止むを得ないものであっ
て、それが重過ぎて不当であるとはいえない。
 更に、原判決後の事情として、電話機を窃取し破壊したことの被害弁償として、
被害者であるAに二〇万円余を支払い、この件についてはAとの間で示談が成立し
ていること、加えて、法律扶助協会に五〇万円を贖罪寄付していることが認められ
るが、これらの点を合わせ再考しても、原判決の量刑をこのまま維持することが不
当とは考えられない。したがって結局、論旨は、理由がない。
 よって、刑訴法三九六条により本件控訴を棄却し、当審における訴訟費用は、刑
訴法一八一条一項本文により被告人に負担させることとし、主文のとおり判決す
る。
 (裁判長裁判官 船田三雄 裁判官 松本時夫 裁判官 秋山規雄)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛