弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人本人の上告趣意について。
 原判決挙示の証拠によれば、原判示事実を肯認することができる。されば、所論
は、結局原判決が適法に為した事実認定の誤認を主張するに帰するから、適法な上
告理由ではない。
 弁護人筒井清五郎の上告趣意第一点について。
 しかし、原判決は、被告人に対しAに加えた傷害罪と同人外二名から暴行又は脅
迫により財物を強奪した強盗罪との二罪を認定したものであつて、その認定は、挙
示の証拠で肯認することができ、その間実験則に反する違法は認められない。され
ば、所論は結局原判決が適法にした事実認定の誤認を主張するに帰し、採用し難い。
 同第二点について。
 しかし、所論証人Aに対する訊問内容をその訊問に立ち会わなかつた被告人に通
知しなければならぬことは(新刑訴一五九条参照)、旧刑訴法上少しも要請されて
いないから、所論は採用できない。
 同第三点について。
 しかし、所論原審第三回公判調書に昭和一四年とあるのは、大正一四年の誤記で
あること記録上明白であるから、所論は採用することができない。
 よつて、旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
 検察官 濱田龍信関与
  昭和二六年四月一二日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    齋   藤   悠   輔
            裁判官    澤   田   竹 治 郎
            裁判官    眞   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎

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