弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件抗告は之を棄却する。
         理    由
 本件抗告理由の要旨は(一)抗告人から相手方に対する岐阜簡易裁判所昭和二十
五年(イ)第六一号綿撚糸損害金和解事件にA弁護士が相手方の代理人として出廷
したことは弁護士法第二十五条第一号に該当しない。其理由は、抗告人と相手方外
二名との間には綿撚糸解体加工契約不履行に基く損害賠償に関する争があつた。A
弁護士は昭和二十五年七月九日右当事者間に立つて示談の斡旋を為した結果、和解
成立し、該和解条項に従つて同月十一日岐阜簡易裁判所に於て裁判上の和解を為す
旨の合意が成立したのであるが、相手方は所用の為め右和解期日に裁判所に出頭で
きなかつたので其権限を前記A弁護士に委任したのである。即ち同弁護士が相手方
の代理人となつた経過は右の如くであつて、(イ)同弁護士が委任を受けるに就て
は和解条項を特定せられて居たから何等自由裁量の権限なく実質上使者と同一の地
位に在つた。(ロ)相手方は前記趣旨の裁判上の和解を為す私法上の債務を負担し
て居り、その履行として該和解が為されたのであるから同弁護士は単に相手方の債
務の履行を代理したに過ぎない。従つて同弁護士の行為は前記法条所定の義務に違
反しないのである。(ニ)また弁護士法第二十五条に違反する訴訟行為と雖も当然
無効となるものではない。其有効無效は専ら訴訟法により定むべきものである。然
るに原決定は、A弁護士の本件強制執行の委任は弁護士法第二十五条に違反するか
ら当然無効であると判示したのは理由不備で承服し難いと言うにある。
 依つて按ずるに、記録編綴の甲第一、二号護によれば(一)昭和二十五年七月十
一日岐阜簡易裁判所に於てBを債権者とし、C外二名を債務者とする同所昭和二十
五年(イ)第六一号綿撚糸損害和解事件に就き裁判上の和解が成立したこと。
(二)右和解事件に弁護士Aが債務者Cの代理人として出廷したこと。(三)昭和
二十五年十二月十日右債権者から債務者Cに対し、右和解調書に基き強制執行が為
されたこと。(四)右強制執行は右弁護士Aが債権者Bより委任を受け同弁護士が
執行吏に委任してなされたものであることは何れもその疏明充分である。従つて弁
護士Aが曩に債務者Cの委任を受けて裁判上の和解をなしながら後日同一事件につ
きその相手方たる債権者Bの委任を受けて右債務者に対し強制執行を為したもので
あることが明かである。右の行為が果して弁護士法第二十五条第一号の規定に違反
するものである<要旨>か否かに就いて按ずるに弁護士法第二十五条は当事者の保護
を目的とすると同時に弁護士をして誠実に其職務を行わせ、以て其の風紀を
維持し品位を涜すことのないようにする注意に出でたものであることを観取し得る
から、先に当事者の一方から訴訟上の委任を受けた事件については、其委任の終了
後であつても更に相手方から委任を受けて其職務を行うことは絶対に許されないも
のと解さなければならない。故に苟くも当事者の一方から委任を受けて訴訟上の行
為をした以上は、たとへ抗告人の主張するように其の委任内容が特定せられていて
自由裁量の権限がなかつたものであり且私法上の契約により定められた義務の履行
に過ぎなかつたとしても同一事件について相手方から委任を受けることは出来ない
ものであり、先の委任内容を云々して解釈を二途にすべきではないと云わねばなら
ない。然らば前記のように弁護士Aが先に債務者Cの代理人として裁判上の和解を
しながら後に債権者Bより該和解調書に基く強制執行の委任を受けることは同一事
件の委任を受けることに帰するから前示法条に違反するもので同弁護士の該受任は
絶対に無効である。従つて同弁護士より委任を受けて為した執行吏の執行行為は結
局適法な委任なくしてなされた違法のものであると断ぜざるを得ない。
 依つて右A弁護士の委任に基く執行史の強制執行は許されないとした原決定は是
に相当であつて本件抗告は理由がないから之を棄却すべきものと認め主文の通り決
定する。
 (裁判長判事 中島奨 判事 白木伸 判事 鈴木正路)

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛