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平成九年(ワ)第二七六一一号 特許権侵害差止等請求事件
(口頭弁論終結日 平成一一年一一月二日)
            判      決
   原告      電気化学工業株式会社
右代表者代表取締役      【A】
右訴訟代理人弁護士      品川澄雄
同              滝井朋子
   被告      太平洋セメント株式会社
右代表者代表取締役      【B】
被告      株式会社小野田
右代表者代表取締役      【C】
被告ら訴訟代理人弁護士    光石忠敬
同              光石俊郎
被告ら補佐人弁理士      【D】
      主      文
一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
            事実及び理由
第一 請求
一 被告らは、別紙物件目録(原告主張)(一)記載の急結剤を製造し、販売し、
販売のために展示してはならない。
二 被告らは、別紙物件目録(原告主張)(二)記載の「装置」並びにこれを構成
するための「急結剤添加ノズル(Y字管)」及び「乾燥高圧空気による粉体急結剤
供給機(Tクリート)」を製造し、販売し、貸し渡し、販売又は貸し渡しのために
展示してはならない。
三 被告らは、第一項記載の物件及び第二項記載の各物件を廃棄せよ。
四 被告らは、原告に対し、金八二五〇万円及びこれに対する平成一〇年一月一
二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
 原告は、被告らに対し、被告らの吹付用急結剤、急結剤供給機等の製造、販
売行為等が、原告の有する特許権の侵害に当たる旨主張して、右行為の差止め、右
物件の廃棄及び損害賠償を求めた。
一 前提となる事実(特に断らない限り、当事者間に争いがない。)
1 原告の特許権
 原告は、次の各特許権(以下、順に「本件甲特許権」「本件乙特許権」
「本件丙特許権」といい、その発明を順に「本件甲発明」「本件乙発明」「本件丙
発明」という。)を有している。
(一) 本件甲特許権
 特許番号   第二〇六〇七五九号
 発明の名称  セメントモルタル又はコンクリートの湿式吹付用急結剤
 出願日    昭和六〇年一〇月二二日
 出願公告日  平成七年三月二二日
 登録日    平成八年六月一〇日
 特許請求の範囲 別紙特許出願公告公報甲写しの該当欄記載のとおり
 (以下、右出願公告公報掲載の明細書を「本件甲明細書」という。)
(二) 本件乙特許権
 特許番号   第一七四三九八七号
 発明の名称  急結性吹付材の吹付方法
 出願日    昭和五六年一月二四日
 出願公告日  平成元年九月七日
 登録日    平成五年三月一五日
 特許請求の範囲 別紙特許出願公告公報乙写しの該当欄記載のとおり
 (以下、右出願公告公報掲載の明細書を「本件乙明細書」という。)
(三) 本件丙特許権
 特許番号   第二一一八七一八号
 発明の名称  急結性吹付材の吹付方法
 出願日    昭和五六年一月二四日
 出願公告日  平成四年八月三日
 登録日    平成八年一二月六日
 特許請求の範囲 別紙特許出願公告公報丙写しの該当欄記載のとおり
 (以下、右出願公告公報掲載の明細書を「本件丙明細書」という。)
2 被告らの行為
(一) 被告太平洋セメント株式会社(旧商号・秩父小野田株式会社)は、本
件甲特許権の出願公告日である平成七年三月二二日から平成八年九月末日まで(右
期間以外の時期については争いがある。)、①「TーR0CK」なる商品名の急結
剤、及び②急結剤供給装置を、製造し、販売し、貸し渡していた。
(二) 被告株式会社小野田は、平成七年三月二二日から現在まで(右期間以
外の時期については争いがある。)、①「TーR0CK」なる商品名の急結剤を製
造し、販売し、また、②急結剤供給装置を製造し、貸し渡している(右各行為以外
の行為については争いがある。)。
(三) ①の急結剤について、原告は物件目録(原告主張)(一)のとおりに、
被告らは物件目録(被告主張)(一)(1)のとおりに、それぞれ特定すべきであると主
張する。さらに、被告株式会社小野田は、平成一一年四月、物件目録(被告主張)
(一)(1)から同目録(一)(2)のとおり成分の一部を変更したので、そのように表現す
べきであると主張する(ただし、以下においては、便宜、①の急結剤を、「本件急
結剤」という。)。
 ②の急結剤供給装置について、原告は物件目録(原告主張)(二)のとお
りに、被告らは物件目録(被告主張)(二)のとおりに、それぞれ表現すべきである
と主張する(ただし、以下においては、便宜、②の急結剤供給装置を、本件供給装
置」という。)。
二 争点
1 本件急結剤は、本件甲発明の技術的範囲に属するか。
 なお、本件においては、本件各発明につき構成要件に分説することなく検
討する。
(原告の主張)
 本件急結剤は、以下のとおり、本件甲発明の技術的範囲に属する。
(一) 「カルシウムアルミネート」について
 本件急結剤には、酸化カルシウムと酸化アルミニウムと酸化ナトリウム
の三成分からなる物質が含まれているが、この物質は、本件甲発明の「カルシウム
アルミネート」に該当する。
(1) 本件甲明細書の発明の詳細な説明欄には、「カルシウムアルミネー
ト」の例示として、「カルシウムアルミネートとしては、CaO・2Al2O3、CaO・Al2
O3、12CaO・7Al2O3、3CaO・Al2O3やこれらにハロゲン元素が固溶した3CaO・3Al2
O3・CaF2、11CaO・7Al2O3・CaF2等が用いられるが、中でも12CaO・7Al2
O3、11CaO・7Al2O3・CaF2は急結性に優れている。」(本件甲明細書三欄二一行な
いし二六行)と記載されているので、「カルシウムアルミネート」としては、単純
に、酸化カルシウムと酸化アルミニウムとを組成成分とするもののみならず、これ
にフッ化カルシウムの如き第三成分の加わったものもそれに含まれることは明らか
である。
 したがって、本件急結剤に含まれている「酸化カルシウムと酸化アル
ミニウムと酸化ナトリウムの三成分からなる物質」は、本件甲発明の「カルシウム
アルミネート」に該当するといえる。
(2) 成分が未分明の試料を分析してそれを同定するに当たっては、「JC
PDSカードチャート」が広く用いられている。ところで、「JCPDS」と
は、“JointComitteeonPowder DiffractionStandards"の略称
で、Inter-nationalCentreforDiffractionDataと称される機関の頒布している
X線回折パターンのチャートであって、現在、多数の標準物質のチャートが検索用
として保存されている。成分の未分明の試料のX線回折チャートは右の標準物質の
チャートと対比され、どの標準物質のチャートと一致するかないしは近似するかが
判別され、それによって試料が同定される。「JCPDSカードチャート」を用い
て行う同定法は、日本工業規格中の「X線回折分析通則」、「X線回折分析通則解
説」や東京工業大学編のセラミックス基礎構造3「X線回折分析」にも示されてい
るとおり、世界的に広く用いられている方法である。
 原告は、市販の本件急結剤を入手してX線回折分析を行い、得られた
X線回折のパターンやd値が、JCPDSに登載されているどの標準物質のチャー
トと一致、近似するかを検索したところ、カード番号「三二―○一五○」なる物質
とX線回折パターン及びd値が極めて良く一致した(以下、このJCPDSカード
三二―○一五○を「本件カード」という。)。本件カードの標準物質は、化学式
Ca3Al2O6なる「カルシウムアルミネート(カルシウムアルミニウムオキサイ
ド)」である。本件急結剤のX線回折パターンが一致したところの右標準物質たる
「カルシウムアルミネート」には、若干の酸化ナトリウム(Na2O)が含有されてい
る。
 以上の事実は、①右標準物質の如く酸化ナトリウムを含むものも、当
該技術分野において、「カルシウムアルミネート」と一般に称されること、②本件
急結剤は、このような「カルシウムアルミネート」と同定される物質を含有してい
ることを示している。
 これに対し、被告らは、分析報告書(甲一〇)の「測定チャート」
は、本件カードのみならず、JCPDS番号「二六ー〇九五七A」、「二六ー〇九
五八B」、「二六ー〇九五九C」とも極めてよく一致しており、むしろ「二六ー〇
九五八B」と一致度が高い旨反論する(乙四)。しかし、被告らの反論は、以下の
とおり失当である。すなわち、これらのカードのデータはいずれもJCPDS「三
二―○一五○」と同じく、酸化ナトリウムを五重量パーセント前後の量で含有して
いるカルシウムアルミネートを示しているのであるから、一致するという結論は当
然である。ただし、これらのカードの中、最もデータの信頼性が高いと評価されて
いるのは、本件カードである。
(3) 本件甲発明における「カルシウムアルミネート」には、酸化ナトリウ
ムNa2Oを固溶体(液体であれば混合液に相当する固体の状態)として含有する場合
を含んでいると解すべきである。
 すなわち、「カルシウムアルミネート」を工業的に製造する場合に
は、不純物の混入することが普通であり、殊にセメント関連工業のように天然物を
原料として使用する場合には更にその傾向が助長される。酸化ナトリウム等は「カ
ルシウムアルミネート」のよく知られた不純物であって、固溶体として含有されて
いることが、本件甲発明出願以前から当業者に広く知られていた。そうだからこ
そ、本件カードは、それを五・七重量パーセント固溶体として含有している場合に
も単に「カルシウムアルミネート」と表示している。「カルシウムアルミネート」
がセメントに対して急結性を与える反応機構とその水和反応生成物の点で、右固溶
体であろうと純粋体であろうと何ら差異がない。
 本件甲明細書中に、酸化ナトリウムの固溶体について言及がなく、特
にハロゲン元素の固溶体についてのみ言及があるのは、「カルシウムアルミネー
ト」といえば、当業者は当然に酸化ナトリウムを固溶体として含有したものを想起
するのに対し、ハロゲン元素の固溶体は「カルシウムアルミネート」の通常の不純
物ではないためである。
 そして、本件急結剤中には、酸化ナトリウムを固溶体として含有する
「カルシウムアルミネート」が含まれている。すなわち、本件急結剤中に存在して
いる「酸化カルシウムと酸化アルミニウムと酸化ナトリウムの三成分からなる物
質」こそ、酸化ナトリウムを固溶体として含有している「カルシウムアルミネー
ト」である。本件急結剤中には、五・七重量パーセントの酸化ナトリウムを固溶体
で含有している「カルシウムアルミネート」のX線回折結果を示す本件カードと同
一視し得るX線回折結果を示すカルシウムアルミネートが含まれている(甲一
○)。
 これに対し、被告らは、本件急結剤中に含まれるのは、「CNA化合
物(8CaO・Na2O・3Al2O3)」であって、酸化ナトリウムを固溶体として含有する
「カルシウムアルミネート」ではないと反論する。しかし、被告ら主張は以下のと
おり失当である。すなわち、そもそも、仮にこのような化合物が存在したとして
も、本件甲発明の技術的範囲に属することに変わりはないし、被告らの根拠とする
NMR測定結果には、多くの問題があり、さらに、CNA化合物なるものは、現在
において、その存在自体が化学的に疑問視されている物質である。
(二) 「重量%」について
 本件甲発明における「重量%」は、「カルシウムアルミネート」と「ア
ルカリ炭酸塩」の全量を一○○として、その中で右各物質が占める重量をパーセン
トで表わした値と解すべきである。本件急結剤は、所定の「重量%」の要件を充足
している。
 「重量%」の意義が、「ある物質の全量中で目的の成分が占める質量を
%で表した値」である(乙三)ことは当然である。本件甲発明はこの当然の用語法
に沿って、記載、表現されている。したがって、本件甲発明の技術的範囲は、その
特許請求の範囲に記載された「物質の全量」、すなわち「カルシウムアルミネー
ト」と「アルカリ炭酸塩」の合計量中で、「カルシウムアルミネート」と「アルカ
リ炭酸塩」のそれぞれが占める質量を%で表わした値、すなわち「重量%」の割合
で存在している急結剤のすべてに及んでいる。
 本件甲発明の必須の構成要素である右の二成分に対し、本件急結剤にお
いて付加されているような酸化カルシウム、水酸化カルシウム、無水石膏、珪酸カ
ルシウム、酸化マグネシウムは急結性に格別寄与しない。またアルミン酸ナトリウ
ムも本件甲発明の急結性を向上させるための補助成分にすぎない。すなわち、本件
急結剤は、「カルシウムアルミネート」と炭酸アルカリの本件甲発明に係る急結機
構を利用したものであり、それ以外の成分はたかだか「カルシウムアルミネート」
と炭酸アルカリの急結性の補助的成分でしかない。したがって、技術的範囲への該
当性を検討する際には、本件急結剤の「カルシウムアルミネート」と「アルカリ炭
酸塩」を一○○とし、その各成分の「重量%」を算出すべきものである。
 これに対して被告らは、右二物質に加えて、その余の第三物質が添加さ
れた場合、その添加物も含めた全物質量を一○○として、目的とする各物質の「重
量%」を算出すべきであると反論する。しかし、右反論は以下のとおり失当であ
る。すなわち、このような見解は、本件甲発明の必須の構成要件である「カルシウ
ムアルミネート」と「アルカリ炭酸塩」に対して、他の成分を水増しして、「カル
シウムアルミネート」の量をその全体量の五○重量パーセント以下としさえすれ
ば、その急結剤は本件甲発明の技術的範囲から逃れることとなって、このような結
論は不合理である。
(被告らの反論)
(一) 「カルシウムアルミネート」について
 甲発明における「カルシウムアルミネート」には、以下のとおり、酸化
ナトリウム等の R2O(Rはアルカリ金属)を含有する「カルシウムアルミネー
ト」を含まない。
(1) 「カルシウムアルミネート」とは、「CaAl2O4(=CaO・Al2O3)=
158.04 およびCa3Al2O6(=3CaO・Al2O3)=270.20。そのほかにもCaOと
Al2O3の違った割合の物質やそれらにH2Oの付加したものがある。」(乙一)と
定義される物質である。本件甲明細書の詳細な説明欄では「カルシウムアルミネー
トとしては、CaO・2Al2O3、CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、3CaO・Al2O3やこれら
にハロゲン元素が固溶した3CaO・3Al2O3・CaF2、11CaO・7Al2O3・CaF2等が用いら
れるが、中でも12CaO・7Al2O3、11CaO・7Al2O3・CaF2は急結性に優れている。」
(本件甲明細書三欄二一行ないし二六行)と説明されている。つまり、本件発明で
は例外的にフッ化カルシウムを含んだものを「カルシウムアルミネート」に含ませ
る旨明記しているのであって、その反対解釈として、酸化ナトリウムを含有するカ
ルシウムアルミネートは、「カルシウムアルミネート」に含まれないと解すべきで
ある。
 原告自身、本件甲発明における「カルシウムアルミネート」とは、 
R2O(Rはアルカリ金属)を含有するカルシウムアルミネートを含まないことを、
平成三年七月一六日に出願した「セメント混和材及びセメント組成物」の後願発明
(乙五)において認めている。
(2) 本件急結剤に含まれているのは、CNA化合物(8CaO・Na2O・3Al2
O3)であり、これは本件甲発明における「カルシウムアルミネート」とは物質が異
なる。右CNA化合物とは、Al2O3を約七パーセント含有するNC8A3に相当する
物質であり(乙一二)、NC8A3について記した多数の文献も、これを基礎づけてい
る。
(3) 原告は、本件カードに基づいて、本件急結剤は、「カルシウムアルミ
ネート」と同定される物質を含んでいる旨主張するが、右主張は、以下のとおり失
当である。すなわち、右カードのタイトル欄に記載されている「カルシウムアルミ
ニウムオキサイド」なる名称は、JCPDSがカード形式でデータベース化する際
に付された名称で検索のための一つの索引項目に過ぎず、原告のいうような標準物
質や一般に承認されている定義とは異なる。右カードは、「カルシウムアルミネー
ト」のデータを示したものではなく、Ca3Al206とそのナトリウム含有固溶体の粉
末回折を示したものである。分析報告書(甲一〇)の「測定チャート」は、右カー
ドのみならず、JCPDS番号「二六ー〇九五七A」、「二六ー〇九五八B」、
「二六ー〇九五九C」とも極めてよく一致しており、むしろ「二六ー〇九五八B」
と一致度が高い。
 そもそも、JCPDSデータファイルは種々更新されるものである
し、未知物質の同定には、NMR(核磁気共鳴)測定試験、EPMA分析など各種
の手段を併用することが望ましい。ところで、EPMA分析によれば、本件急結剤
中の「結晶質焼成クリンカ粉砕物」中のCNA化合物は、本件カードの物質とは異
なることが明らかである(乙一二)。
(二) 「重量%」について
 本件甲発明における「重量%」とは、ある物質の全質量中に目的の成分
が占める質量をパーセントで表した値であると解釈すべきである。
(1) すなわち、本件甲発明特許における「重量%」とは、「ある物質の全
質量中に目的の成分が占める質量を%で表した値」(乙三)である。したがって、
原告が本件急結剤中に含まれると主張する「カルシウムアルミネート」と「炭酸ナ
トリウム」の「重量%」は、本件急結剤では「三四~四四重量パーセント」と「一
八~二四重量パーセント」(変更前のもの)、「二三~四四重量パーセント」と
「一八~二二重量パーセント」(変更後のもの)である。よって、本件急結剤は本
件甲発明の技術的範囲に属さない。
(2) この点につき、原告は、本件急結剤は、「カルシウムアルミネート」
と炭酸アルカリ以外の成分はそれらの急結性の補助的成分でしかないから、本件急
結剤の「カルシウムアルミネート」と「アルカリ炭酸塩」を一〇〇とし、その各成
分の「重量%」を算出すべきである旨主張する。
 しかし、原告主張のように「カルシウムアルミネート」と「アルカリ
炭酸塩」を一〇〇とし、その各成分の「重量%」を算出する場合には、例えば、両
成分の比率により記載すれば足りるはずである。また、「補助的成分」は計算から
除外できるとすれば、何が「補助的」かどうかが明らかでなく相当でない。本件急
結剤中の各成分は、急結剤成分としていずれも必要不可欠な物質であり(乙八)、
「補助的成分」などではない。本件甲明細書にも、「湿式吹付法に用いる急結剤と
しては、従来から・・・水溶性アルミン酸塩を主体とするものが用いられている」
(二欄一一~一三行)と、アルミン酸ナトリウム(水溶性アルミン酸塩)が急結剤
の主体的成分であることが記載されている。また、原告が平成八年にした特許出願
(乙四二)においても、本件急結剤中に含まれている無水セッコウ、アルミン酸ナ
トリウム、水酸化カルシウムが急結剤の主要成分であることが記載されている。
 仮に、原告主張のように解釈すると、明細書の記載要件に違反し、ひ
いては特許請求の範囲に記載された事項を当業者が正確に理解できないこととな
り、無効事由を有することになる(特許法三六条四項ないし六項)。さらに、仮
に、原告主張のように解釈すると、本件甲発明は、特開昭五〇ー一六七一七発明
(乙一六)によって公知無効となる。
 また、原告は、本件甲発明出願前から、「デンカナトミック」を販売
している(乙一七、一八)が、このうち「デンカナトミック タイプ5」は、昭和
五九年四月、東大阪線生駒トンネル建設工事において湿式工法であるSEC吹付け
工法(乙一九ないし二一)で使用され(乙二二、二三)、また、遅くとも昭和六〇
年五月までには、宮福鉄道トンネル工事(乙二〇)でも使用されている(乙二
五)。よって、本件甲発明は、出願前公用によって無効となる。
2 本件供給装置は、本件乙又は丙発明の実施にのみ使用する物に当たるか。
(原告の主張)
 本件供給装置は、以下のとおり、本件乙又は丙発明の実施にのみ使用する
物に当たる。
 本件乙発明の要点は、既に加水されて吹付ノズルに送給されるセメントに
対し、その吹付ノズル先端から比較的近い位置に吸湿性の強い「カルシウムアルミ
ネート」を含有する急結剤を空気で圧送し、所定の角度でコンクリートと混合し吹
付ける点にある。これにより急結力の大きい「カルシウムアルミネート」を含有す
る急結剤を用いながら湿式吹付をすることが可能となった。急結剤を加水セメント
に混入する角度等は極めて重要であるところ、本件乙発明実施品である「ナトムク
リート」においてはY字管が用いられている。
 本件丙発明の要点は、急結剤を圧送するのに脱水した空気を使うことにあ
る。「カルシウムアルミネート」は空気中の水分とも反応するので、長時間の吹付
け作業で配管が閉塞する事故が起きるが、本件丙発明は、このような事故を防止す
るためのものである。「カルシウムアルミネート」以外の急結剤においてはそのよ
うなことは発生しないので空気の脱水を必要としない。
 被告らが製造している本件供給装置「T-クリート」には、本件乙発明の
要点である「Y字管」が標準装備されている(乙七)。この事実は本件供給装置が
本件乙又は丙発明の方法にのみ使用される装置であることを示している。したがっ
て本件供給装置が本件乙及び丙発明を侵害していることは明らかである。
(被告らの反論)
 本件供給装置で用いられる本件急結剤は、前記のとおり「カルシウムアル
ミネートを含有するセメント急結剤粉末」ではない。すなわち、本件乙及び丙発明
における発明の詳細な説明欄に、カルシウムアルミネートは、「CaO・Al2
O3、12CaO・7Al2O3、CaO・2Al2O、3CaO・3Al2O3、3CaO・3Al2O3・CaF
2、11CaO・7Al2O3・CaF2及びこれら「カルシウムアルミネート」の水和物、カ
ルシウムアルミネート水和物の加熱脱水物、カルシウムアルミネート水和物の加熱
脱水無定形物など、種々のカルシウムアルミネートを用いることができるが、とく
に、「カルシウムアルミネート」の溶融物を急冷して得られる無定形カルシウムア
ルミネート、中でも、12CaO・7Al2O3又は11CaO・7Al2O3・CaF2の組成もしく
はこれに近似した組成を有する無定形カルシウムアルミネートは、急結性が強いの
で好ましい」(本件乙明細書三欄三五行~四欄四行、本件丙明細書四欄一三行~二
六行)と記載されていることから明らかなように、本件急結剤はこれに当たらな
い。
 本件丙発明における「カルシウムアルミネートを圧送する空気」は、その
意味が不明である。
 本件供給装置は、技術的にみて、本件乙及び丙発明につき不可欠の存在で
はない。本件供給装置は湿式吹付用急結剤であれば、本件乙及び丙発明のように
「カルシウムアルミネートを含有するセメント急結剤粉末」に限らず使用すること
ができるから、これらの発明の実施にのみ使用される装置ではない。
3 損害額
(原告の主張)
 被告らによる本件急結剤の販売額は、本件甲特許権の出願公告日以降につ
いて、八億二五〇〇万円であるから、実施料率一〇パーセントを乗じると、実施料
相当額は八二五〇万円となるので、これが原告の被った損害とみなされる。
第三 争点に対する判断
一 争点1について
1 本件急結剤は、本件甲発明に係る特許請求の範囲における「カルシウムア
ルミネート」に該当する物質を含んでいないから、本件甲発明の技術的範囲に属さ
ない。
 その理由の概要は以下のとおりである。すなわち、本件甲発明に係る特許
発明の請求の範囲における「カルシウムアルミネート」の意義について、甲明細書
の「発明の詳細な説明」欄の記載や当業者の一般的な技術認識等を参酌して解釈す
ると、「カルシウムアルミネート」は、本来の成分である酸化カルシウムと酸化ア
ルミニウムに加えて、工業上不純物として通常存在しうる約〇・三重量パーセント
程度未満の酸化ナトリウムを含むものを指すと解することができるが、その割合を
超える酸化ナトリウムを含むものを指すということはできない。他方、本件急結剤
は、原告の特定したところによれば、「酸化カルシウム(CaO)と酸化アルミニウ
ム(Al2O3)と酸化ナトリウム(Na2O)の三成分からなる物質」を含むことにな
り、被告らの特定したところによれば、「酸化ナトリウムと酸化カルシウムと酸化
アルミニウムの三成分系化合物(CNA化合物8CaO・Na2O・3Al2O3)」を含むこ
とになるが、そのいずれの特定を前提としても、右物質は、本件甲発明における
「カルシウムアルミネート」には該当しないから、本件急結剤は、本件甲発明の技
術的範囲に属さないものである。
 理由の詳細を、以下に述べる。
2 「カルシウムアルミネート」の意義について
(一) 本件甲発明の特許請求の範囲は、「五〇重量%を越える量のカルシウ
ムアルミネートと五〇重量%未満のアルカリ炭酸塩とからなることを特徴とするセ
メントモルタル又はコンクリートの湿式吹付用急結剤。」というものである。
 特許請求の範囲に記載された用語の意味については、特段の事情のない
限り、その用語が有する通常の意味内容(当業者の一般的な認識を前提とする。)
に沿って確定されることは当然である。そこで、右観点から検討する。
 まず、化学大辞典編集委員会編「化学大辞典」(乙一)には、「カルシ
ウムアルミネート」とは、「CaAl2O4(=CaO・Al2O3)=158.04 およびCa3Al2
O6(=3CaO・Al2O3)=270.20。そのほかにもCaOとAl2O3の違った割合の物
質やそれらにH2Oの付加したものがある。」と定義ないし一般的な説明がされてい
る。
 また、本件甲明細書の「発明の詳細な説明」欄には、「カルシウムアル
ミネート」の説明として、「カルシウムアルミネートとしては、CaO・2Al2
O3、CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、3CaO・Al2O3やこれらにハロゲン元素が固溶
した3CaO・3Al2O3・CaF2、11CaO・7Al2O3・CaF2等が用いられるが、中でも
12CaO・7Al2O3、11CaO・7Al2O3・CaF2は急結性に優れている。」(本件甲明細書
三欄二一行ないし二六行)と記載されているが、他方、ハロゲン元素以外の第三成
分を一般的に示唆するような記載は一切ない。
 そうすると、右一般的な定義及び「発明の詳細な説明」欄の記載を総合
すれば、本件甲発明の特許請求の範囲における「カルシウムアルミネート」は、酸
化カルシウムと酸化アルミニウムとを組成成分とする物質であって、第三成分とし
てハロゲン元素が固溶したものを含むが、ハロゲン元素以外の一般の物質が固溶し
たものまでは含まないもの(不純物については後記のとおり。)と理解するのが相
当である。
(二) もっとも、カルシウムアルミネートを工業的に製造する場合、不純物
の混入することが避けられず、特に、セメント関連工業のように天然物を原料とし
て使用する場合にはその傾向は顕著であるから、急結剤を工業的に製造し提供する
ことを目的とした本件甲発明の趣旨に照らすと、本件甲発明における「カルシウム
アルミネート」は、完全に純粋なものには限定されず、工業的に通常生産されるカ
ルシウムアルミネートに混入する不純物を含むものをいうと解すべきことは当然で
ある。
 そこで、この観点から検討する。
 「カルシウムアルミネートを基材とした急結材の水和反応」と題された
論文(甲二四)には、工業原料の炭酸カルシウムと酸化アルミニウムを使用してカ
ルシウムアルミネートを合成する場合、それに含まれる不純物(酸化ケイ素、酸化
鉄、酸化ナトリウム)の量は三・九ないし四・七重量パーセントであり、そのう
ち、酸化ナトリウムの量は〇・二ないし〇・三重量パーセントであったとの実験結
果が記載されている。したがって、不純物として酸化ナトリウムを約〇・三重量パ
ーセント程度含むものも本件甲発明における「カルシウムアルミネート」として当
業者に認識されていることまでは認めることができるが、それ以上の割合のものも
同様に認識されていることは認めるに足りない。
 これに対して、原告は、以下の①ないし⑤の各資料記載を根拠として、
右の割合を超えた酸化ナトリウムを含有するものも、本件甲発明における「カルシ
ウムアルミネート」と解釈すべきである旨主張する。
① 「TheChemistryofCementandConcrete」(甲二六)には、酸化ナ
トリウムがC3Aの固溶体に溶け込む限界は、九モルパーセントである旨(なお、
換算すると約六・二重量パーセントとなる。)、及びポルトランドセメント中のC
3A相には、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ナトリウムの固溶体が含まれて
いる旨が記載されている。
② 本件カード(JCPDSカード三二―○一五○、甲七)には、標題と
して、「Ca3Al2O6、カルシウムアルミニウムオキサイド」と記載され、さらに
「試料は五・七重量%のNa2Oを固溶体で含有する」と注記されている。なお、カル
シウムアルミニウムオキサイドは「カルシウムアルミネート」と同義である(公知
の事実)。
③ 「TheChemistryofCementandConcrete」(甲二一)には、セメン
トのクリンカー成分としてのカルシウムアルミネート(C3A)中の酸化ナトリウ
ムの固溶量を測定した結果、〇・三ないし一・七重量パーセントの値が測定された
ことが記載されている。
④ 「Lea'sChemistryofcementandconcrete」(甲二二)には、セメ
ントのアルミネートを測定した結果、酸化ナトリウムが平均〇・九ないし一・〇重
量パーセント測定された趣旨が記載されている。
⑤ 「土木・建築技術者のための最新コンクリート材料・工法ハンドブッ
ク」(甲二五)には、ポルトランドセメントのクリンカー中のアルミネート相と名
付けられた化合物は、かなり多量の酸化ケイ素及び酸化鉄を固溶しており、他のク
リンカー化合物よりも多量の酸化ナトリウム及び酸化カリウムを含有している旨が
記載されている。
 しかし、原告の主張は、以下のとおり採用できない。
 まず、①については、「カルシウムアルミネート」の固溶体に、酸化ナ
トリウムが、約六・二重量パーセント程度は溶け込むことが可能であっても、右値
はあくまで固溶の限界値であるから、急結剤を工業的に製造し、提供することを目
的とした本件甲発明の趣旨に照らすと、本件甲発明における「カルシウムアルミネ
ート」を、約六・二重量パーセントの酸化ナトリウムを含むものまでを指すと当業
者に理解されるとするのは相当とはいえない。
 また、②については、本件カード(JCPDSカード三二―○一五○)
には、五・七重量パーセントのNa2Oを固溶体で含有する試料を用いたものについ
て、「Ca3Al2O6、カルシウムアルミニウムオキサイド」との標題が付されてい
るが、これも工業的に通常生産されるカルシウムアルミネート製品に混入する不純
物についての測定結果ではなく、単にそのような試料を用いたにすぎないから、酸
化カルシウムと酸化アルミニウムに加え、右程度の割合の酸化ナトリウムを含有す
る物質まで「カルシウムアルミネート」として当業者が認識していると認めること
はできない。
 さらに、③ないし⑤については、本件甲発明においては、急結剤を工業
的に製造するに当たり、例えば、炭酸カルシウム及びアルミナを工業原料として合
成することを想定しているのであって、ポルトランドセメントのクリンカー中の成
分である「カルシウムアルミネート」を原料とすることを想定していないことは明
らかであるから、本件甲発明における「カルシウムアルミネート」を、ポルトラン
ドセメントのクリンカー中の成分と同程度の割合で酸化ナトリウムを含むものを指
すと当業者に理解されると考えるのは相当でない。
(三) 以上のとおり、本件甲発明の特許請求の範囲における「カルシウムア
ルミネート」は、酸化カルシウムと酸化アルミニウムとを組成成分とする物質を指
し、その中には、第三成分としてハロゲン元素が固溶したものを含み、また、工業
的に製造する際に不可避的に混入した不純物を含有したものを含むものと解釈すべ
きであるが、他方、当業者の通念に照らして不純物であると理解される範囲を超え
る物質を含有するものは含まれないと解釈すべきである。すなわち、酸化ナトリウ
ムについていえば、前記のとおり、約〇・三重量パーセント程度の割合を超えて含
有するものは含まれないと解すべきである。
3 本件急結剤の組成及び甲発明との対比
(一) 本件急結剤は、原告の特定したところによれば、「酸化カルシウ
ム(CaO)と酸化アルミニウム(Al2O3)と酸化ナトリウム(Na2O)の三成分から
なる物質」を含有し、被告らの特定したところによれば、「酸化ナトリウムと酸化
カルシウムと酸化アルミニウムの三成分系化合物(CNA化合物8CaO・Na2O・3Al
2O3)」を含有する(以下、三成分から構成される物質を、便宜「本件物質」とい
う。)。
 甲七号証及び乙四号証によれば、本件物質についてのX線回折の「測定
チャート」(甲一〇)について、当事者双方がこれと類似する旨主張するJCPD
Sカード、すなわち本件カードの他、番号「二六ー〇九五七A」、「二六ー〇九五
八B」、「二六ー〇九五九C」の各カード記載の物質は、酸化ナトリウムを四・二
ないし五・七重量パーセント程度含有することが示されている。また、乙一二号証
のEPMA分析の結果によれば、右物質は、酸化ナトリウムを六・八ないし七・八
重量パーセント程度含有することが示される。
 以上のいずれの測定結果によっても、本件急結剤においては、酸化カル
シウム、酸化アルミニウム、酸化ナトリウムを全体とした酸化ナトリウムの重量パ
ーセントが前記の約〇・三重量パーセント程度を大きく超過するものであることは
明らかである。
(二) したがって、本件急結剤は、本件甲発明における「カルシウムアルミ
ネート」を含有するものとはいえず、結局、本件甲発明の技術的範囲に属さない。
二 争点2について
1 本件供給装置において、少なくとも本件急結剤が用いられていることは当
事者間に争いがない。そして、本件急結剤は、以下に述べるとおり、本件乙及び丙
発明の「カルシウムアルミネートを含有するセメント急結剤粉末」には該当しな
い。したがって、本件供給装置は、本件乙又は丙発明の実施にのみ使用する物には
当たらない。
 本件急結剤が本件乙及び丙発明の「カルシウムアルミネートを含有するセ
メント急結剤粉末」に該当しない理由は、以下のとおりである。
 本件乙及び丙発明の特許請求の範囲においては、「カルシウムアルミネー
トを含有するセメント急結剤粉末」を用いることが明記されている。
 本件乙及び丙明細書の各「発明の詳細な説明」欄には、「本発明方法で使
用されるカルシウムアルミネートとしては、CaO・Al2O3、12CaO・7Al2
O3、CaO・2Al2O、3CaO・3Al2O3、3CaO・3Al2O3・CaF2、11CaO・7Al2
O3・CaF2及びこれらカルシウムアルミネートの水和物、カルシウムアルミネート
水和物の加熱脱水物、カルシウムアルミネート水和物の加熱脱水無定形物など、種
々のカルシウムアルミネートを用いることができるが、とくに、カルシウムアルミ
ネートの溶融物を急冷して得られる無定形カルシウムアルミネート、中で
も、12CaO・7Al2O3又は11CaO・7Al2O3・CaF2の組成もしくはこれに近似した
組成を有する無定形カルシウムアルミネートは、急結性が強いので好ましい。」
(本件乙明細書三欄三五行~四欄四行、本件丙明細書四欄一三行~二六行)と記載
されている。
 以上の事実に、前記一で認定した事実をあわせると、本件乙及び丙発明に
おける「カルシウムアルミネート」とは、本件甲発明におけると同意義に解釈され
るから、本件急結剤は、右「カルシウムアルミネート」を含有するものとはいえな
いことになる。
2 さらに、以下のとおり、本件供給装置は、本件乙及び丙発明における「カ
ルシウムアルミネートを含有する急結剤粉末」のみならず、他の急結剤も使用でき
るものであると認められるので、本件乙又は丙発明の実施にのみ使用される装置で
はない。
 すなわち、弁論の全趣旨によれば、本件乙発明の出願手続において、①昭
和六二年五月二五日付けの手続補正書では、「特許請求の範囲」において、使用す
る急結剤を単なる「セメント急結剤粉末」と記載し、「発明の詳細な説明」欄にお
いて、右急結剤について、炭酸ソーダー、アルミン酸ソーダー、硫酸ソーダー、カ
ルシウムアルミネート、焼成ミョウバン石、半水石こう等を例示し、さらに、実施
例5で、消石灰を、また、実施例6で、小野田社Tーロック(当時は仮焼明礬を主
体とした急結剤であった。)、日本シーカ社Dー5を急結剤として用いて実施する
方法を記載していたこと、②昭和六三年七月一四日付けの手続補正書で、特許請求
の範囲を「カルシウムアルミネートを含有するセメント急結剤粉末」と補正すると
共に、これに該当しない右Tーロック等の実施例を削除したことが認められる。
 右出願経緯によれば、出願人が本件乙発明及びこれから分割出願された本
件丙発明の「セメント急結剤の空気圧送機」において、「カルシウムアルミネート
を含有する急結剤粉末」以外の急結剤も使用できることを前提としていたことは明
らかである。
 したがって、この点からも、本件供給装置は、本件乙又は丙発明の実施に
のみ使用する物には当たらないと解すべきである。
三 よって、その余の点を判断するまでもなく、原告の本件請求はいずれも理由
がない。
  東京地方裁判所民事第二九部
    裁 判 長 裁 判 官      飯  村  敏  明
          裁 判 官      沖  中  康  人
          裁 判 官      石  村     智

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