弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件各特別抗告を棄却する。
         理    由
 被告人ら八名の弁護人高橋万五郎、同半沢健次郎、同太田幸作および同樋口幸子
の特別抗告趣意第一について。
 所論は憲法一四条違反をいうけれども、原決定に所論のような判示があるからと
いつて、これをもつて直ちに労働運動に対する不当な偏見と誤解に出でているもの
ということのできないのはもちろん、原決定をもつて特別抗告人らがただ組合員で
あるということのみを理由として、管轄移転の決定をしたものということはできな
いから、所論違憲の主張は、既に、その前提において失当であつて、採用できない。
 同第二について。
 所論は憲法三一条違反をいうが、その実質は訴訟法違反の主張に帰し、特別抗告
適法の理由とならないばかりでなく、原決定が本件につき刑訴一七条一項二号に該
当する事由の存することを十分に判示していることおよび原裁判所がこの管轄移転
により被告人らの被るべき不利益の点についても十分考慮の上で決定していること
は、原決定の全説示に照らし明らかなところであるから、原決定をもつて、所論の
ような違法があるものとすることもできない。
 同第三について。
 所論は原決定の憲法三二条、三七条、七六条違反を主張する。しかし、憲法三二
条は、すべて国民は憲法または法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける
権利を有し、裁判所以外の機関によつて裁判をされることはないことを保障したも
のであつて、訴訟法で定める管轄権を有する具体的裁判所において裁判を受ける権
利までも保障したものではないこと(当裁判所昭和二三年(れ)第五一二号同二四
年三月二三日大法廷判決、集三巻三号三五二頁)、憲法三七条一項は、偏頗でない
公平な組織構成を有する裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を被告人に与えたに
ほかならないものであること(同昭和二三年(れ)第一〇一号同二三年七月一四日
大法廷判決、集二巻八号八四六頁)および憲法七六条三項にいう裁判官が良心に従
うとは、裁判官が有形、無形の外部の圧迫ないし誘惑に屈しないで、自己の内心の
良識と道徳感に従う意味であること(同昭和二八年(あ)第一七一三号同三二年三
月一三日大法廷判決、集一一巻三号九九七頁)は、いずれも、当裁判所大法廷の判
例とするところであるから、所論の採用し難いことは、右各判例に照らして明らか
である。
 被告人Aの弁護人渡辺大司の特別抗告趣意(三)について。
 所論は判例違反をいうけれども、原決定は所論の如く単に一般民衆が裁判の帰趨
に甚大な関心を寄せているということだけで裁判の公平を維持し得ない虞れがある
とは判断していないのであるから、所論判例違反の主張は、既に、その前提におい
て失当であつて、採用できない。
 同(一)、(二)および(四)について。
 所論(一)は憲法三二条違反、同(二)は憲法七六条違反、同(四)は害法三一
条違反を主張するけれども、その採用し難いことは、既に、弁護人高橋万五郎ほか
三名の特別抗告趣意第三、第二につき述べたとおりである。
 よつて、刑訴四三四条、四二六条一項に則り、裁判官全員一致の意見で、主文の
とおり決定する。
  昭和三五年一二月二〇日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    河   村   又   介
            裁判官    島           保
            裁判官    高   橋       潔
            裁判官    石   坂   修   一

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛