弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人船内正一の上告趣意第一点について。
 (一) 他の証拠と同時に自白調書の取調請求をしても、自白調書よりも前に他
の証拠が取り調べられた以上、右の取調請求は違法でないこと及び刑訴三〇一条に
いう「犯罪事実に関する他の証拠が取り調べられた後」とは、すべての、補強証拠
が取り調べられた後という意味でないことは、当裁判所の判例の示すところである
(昭和二五年(あ)第八六五号同二六年六月一日第二小法廷決定、集五巻七号一二
三二頁)。また、共同被告人の検察官に対する供述調書は、他の被告人との関係に
おいては刑訴三〇一条の「犯罪事実に関する他の証拠」にあたり、これを最初に取
り調べても違法であるとはいえない。即ち同条は他のすべての証拠が取り調べられ
た後という意味ではなく、自白を補強し得る証拠が取り調べられた後であれば足り
るのである(昭和二七年(あ)五一一一六号同二九年三月二三日第三小法廷決定参
照。近く判例集に掲載される予定)。 記録によると、被告人の司法警察員に対す
る第一、二回供述調書及び検察官に対する供述調書の取調は、他の補強証拠が取り
調べられた後に行われたものであることを認めることができるから(記録一四丁以
下)、原判決のこの点についての判断は正当であるといわなければならない。
 (二) 第一審第一回公判調書に、検察官は右各書証の要旨を告げて被告人及び
弁護人に示して裁判官に提出したと記載されているのは(記録一六丁)、刑訴規則
二〇三条の二の規定に従つて記載されたものと認められるが、右規則の規定は、所
論のように法律の規定を規則で変更したものではなく、刑訴三〇五条の定める証拠
書類に対する証拠調の方式を合目的的に簡易化したにとどまるものと解されるから、
違憲論は前提を欠き採るを得ない(論旨に刑訴三一〇条と記載してあるのは刑訴三
〇五条の誤記と認められる)。
 (三)適法な証拠調を経ていない証拠を他の証拠と総合して犯罪事実を認定した
違法があつても、その証拠調を経ない証拠を除外してもその犯罪事実を認めること
ができる場合には、右の違法は判決破棄の理由にならないことは、当裁判所の判例
とするところであり(昭和二六年(あ)四六七号同年三月六日第一小法廷判決、集
六巻三号三六三頁)、第一審判決挙示の証拠中、Aの司法警察員に対する第一回供
述調書を除外した他の各証拠によつても優に犯罪事実を認めることができるから、
原判決のこの点についての判断も正当である。
 同第二点について。
 第一審判決原本の掲げている証拠の標目を見ると、八項にAの司法警察員に対す
る第一回供述調書、九項に同人の検察官に対する第一、第二回供述調書と正確に記
載されており、原判決の説示しているような誤記を認めることができないから、所
論は前提を欠くものである(記録三二二丁参照)。
 同第三点について。
 右は事実誤認の主張に過ぎない。
 よつて同四一四条三八六条一項三号により主文のとおり決定する。
 この決定は、裁判官全員一致の意見である。
  昭和二九年六月一九日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    霜   山   精   一
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    谷   村   唯 一 郎

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