弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件控訴は之を棄却する。
     弁護人大野正直、同飯野豊治の控訴の趣意は末尾添付の控訴趣意書と題
する書面記載の通りであつて之に対する当裁判所の判断は次の通りである。
     昭和二十二年勅令第一号が所謂覚書該当者の政活上の活動を禁止した法
意は是等の者の包懐する思想傾向がポツダム宣言の趣旨の実現に障害を与えるもの
として、その活動及之によつて生ずる影響を封殺せんとするにあるものと解すべき
であるから、所論の如く単純為る経済上の活動又は之に類する言動は同勅令違反の
罪を構成しない事は論を俟たないが、記録によれば原判決理由(二)乃至(五)に
認定した事実は結局被告人が覚書該当者であり乍ら右(二)乃至(五)に記載の如
き言動に出で、以て政冶上の活動を為したと謂ふにあり、原判決の挙示する証拠に
より優に右事実を肯認する事が出来る。論旨は縷々原判決が採用した証拠よりも排
斥した証拠に証明力がある旨論述しているけれども証拠の証明力の価値判断は固よ
り事実承審官の自由裁量に属する事であり記録を精査しても原判決が採証した証拠
の証明力を経験法則に照して否定すべき資料はない。而して主食糧等の生産及供出
に関する事項は食糧確保臨時措置法に基き、その生産及供出を確保する為、公正か
つ計劃的に生産数量及供出数量の割当を行い食糧事情の安定を図る目的を以て、同
法の規定に依拠し、農林大臣、都道府県知事、市町村長の所管事務として夫々所定
の農業計劃を立案実施されるものであるから、とりも直さず国の重要なる食糧政策
に外ならないのである。而して村長は所轄県知事の指示に従い諸種の事情を斟酌勘
案した上当該村農業調整委員会の議決を経て、区域内に住所を有する生産者別農業
計劃を定め之を実施し、以て食糧事情の安定に寄与すべき職責を有するものであつ
て、是等の事項は村政の重要な一部門を成すものと謂わざるを得ない、固より村長
の農業計劃に不服ある生産者は法律上異議申立の手続が許されており、又法定の事
由を具して、供出割当の変更を求める途も開かれておるのであるから、村長の農業
計劃に不服のある生産者は此の手続を履践して村長の処分の是正を求め、或は之と
同視すべき経済的活動を為す事は当然適法な行為として許容されるべ<要旨>きであ
るが、原判決認定の如く覚書該当者たる被告人が利害を共にする生産者数名と共に
A組合なる組合を結成し、その目的達成の為同認定の如き言動に出でた事は
前叙の如き国の食糧政策の一環たる村政の重要な一部門としての農業計劃に容喙し
たものと謂ふべく、被告人の斯かる行為は明に同勅令第一号に所謂政治上の活動を
為したものと認めぎるを得ない。従つて原判決には所論の如き事実誤認の違法はな
く本件控訴は理由がないから刑事訴訟法第三百九十六条に則り之を棄却する事とす
る。
     仍て主文の通り判決する。
     (裁判長判事 杉浦重次 判事 小林登一 判事 佐藤盛隆)

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