弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件抗告を棄却する。
     抗告費用は抗告人の負担とする。
         理    由
 本件抗告の趣旨ならびに理由は別紙記載のとおりである。
 <要旨第一>およそ、民事訴訟法第七三三条民法第四一四条第二項の規定により第
一審受訴裁判所がなしたいわゆる授権決定において指定された債務者以
外の第三者は、執行機関である第一審受訴裁判所の代替執行を補助する地位にある
ものであつて、その執行の実施について補助的に行動するだけで独立の執行行為を
するものでない。たとえ、指定された債務者以外の第三者がたまたま執行吏であつ
ても、その理を異にするものでないのである。
 <要旨第二>そして、授権決定で債務者以外の第三者として指定された執行吏が代
替執行の実施を拒否した場合、その処置に対し、直接に民事訴訟法第五
四四条第二項所定の執行方法に関する異議を申立てることは許されないものと解す
るのが相当である。けだし、同法条は、執行機関である執行吏が独立の執行行為に
関してとつた違法不当の処置の是正を目的とするものであるからである。
 本件についてこれをみるに、抗告人が民事訴訟法第七三三条民法第四一四条第二
項の規定に基ずき、同人と債務者A間の釧路地方裁判所昭和三〇年(ユ)第六号宅
地建物(家屋収去土地明渡)調停事件の調停調書の執行力ある正本に基ずき、昭和
三一年一月二七日同裁判所に対し、債務者の費用を以て、債務者の義務に属する右
調書記載の建物の収去を債務者以外の第三者にさせることを債権者である抗告人に
授権する旨の裁判を求めたところ、同裁判所は、昭和三一年四月二日抗告人は、そ
の委任する釧路地方裁判所執行吏Bをして右調停調書に記載してあり建物を債務者
の費用を以つて収去させることができる旨の決定を与え(授権決定)その決定はそ
の頃確定したこと、抗告人が昭和三一年一月一三日釧路地方裁判所執行吏Bに対
し、右決定の趣旨にしたがつて前記建物を収去すべきことを委任したこと、右建物
については、債務者Aが昭和二六年四月一〇日相続による所有権移転登記を経る以
前の同年二月一五日、申立外Cにおいて、同人が右Aの被相続人亡Dとの間になし
た同月一一日の売買予約を原因として所有権移転請求権保全の仮登記をなし、つい
で同三一年七月二一日所有権移転の本登記を経由したものであること、債務者Aか
ら右趣旨の記載ある登記簿謄本等の提出を受けた執行吏Bは、右事実関係の下にお
いては、前記建物を収去すべきでないとしてその実施を拒絶したこと、抗告人は執
行吏の右実施の拒絶を失当として原裁判所に対し、民事訴訟法第五四四条第二項に
より本件異議を申立てたものであることは、いずれも本件記録に徴して明かであ
る。されば、前段説示の理田からして、本件異議の申立は不適法のものとして却下
を免れない。
 よつて、抗告理由の判断を省略し、民事訴訟法第四一四条、第三八四条、第九五
条、第八九条により主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 猪股薫 裁判官 臼居直道 裁判官 安久津武人)

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