弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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       主   文
本件控訴及び当審における第一次予備的請求をいずれも棄却する。
当審における訴訟費用は訴訟人らの負担とする。
       事   実
(訴訟人らの求める裁判)
一 原判決を取消す。
二 (主位的請求)
 被控訴人福岡ラツキータクシー株式会社は別紙当事者等目録の一ないし一三九
(但し、二、一一、七六、一一四、一二八は欠番。)記載の各控訴人に対し、被控
訴人福岡セブンタクシー株式会社は同目録の一四〇ないし二一一(但し、一六一、
一七八、一八九、一九〇、一九四、二〇〇、二〇二は欠番。)記載の各控訴人に対
し、それぞれ金九二万六八〇一円及び内金七一万九三八三円に対する昭和五二年一
二月八日から、内金二〇万七四一八円に対する昭和五三年一月一日から各完済に至
るまで年五分の割合による金員を支払え。
三 (第一次予備的請求)
 被控訴人福岡ラツキータクシー株式会社は同目録の一ないし一三九(但し、二、
一一、七六、一一四、一二八は欠番。)記載の各控訴人に対し、被控訴人福岡セブ
ンタクシー株式会社は同目録の一四〇ないし二一一(但し、一六一、一七八、一八
九、一九〇、一九四、二〇〇、二〇二は欠番。)記載の各控訴人に対し、別紙賃金
等目録請求金額欄記載の金員及びそのうち同目録請求賃金欄記載の金員に対する昭
和五二年一二月八日から、同目録請求賞与欄記載の金員に対する昭和五三年一月一
日から各完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。
四 (第二次予備的請求)
 被控訴人福岡ラツキータクシー株式会社は同目録の一ないし一三九(但し、二、
一一、七六、一一四、一二八は欠番。)記載の各控訴人に対し、被控訴人福岡セブ
ンタクシー株式会社は同目録の一四〇ないし二一一(但し、一六一、一七八、一八
九、一九〇、一九四、二〇〇、二〇二は欠番。)記載の各控訴人に対し、それぞれ
金五五万六〇七九円及び内金四三万一六二九円に対する昭和五二年一二月八日か
ら、内金一二万四四五〇円に対する昭和五三年一月一日から各完済に至るまで年五
分の割合による金員を支払え。
五 控訴費用は、第一、二審とも被控訴人らの負担とする。
(被控訴人らの求める裁判)
 主文同旨
(当事者双方の主張及び証拠関係)
次に付加訂正するほかは、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。
一 原判決二枚目表九行目及び同一一枚目表一〇行目の「一ないし一三九」の次に
「(但し、二、一一、七六、一一四、一二八は欠番。)」を、同二枚目表一〇行目
及び同一一枚目表一二行目の「一四〇ないし二一一」の次に「(但し、一六一、一
七八、一八九、一九〇、一九四、二〇〇、二〇二は欠番。)」を加える。
二 同一〇枚目裏六行目の次に、次のとおり加える。
 「仮に、右による賃金、賞与の請求が理由がないとしても、控訴人らは、次のと
おりの賃金及び賞与を請求する(当審において主張する第一次予備的請求)。
1 賃金
(一) 控訴人らは、被控訴人らから昭和五二年四月ないし六月分の賃金としてそ
れぞれ別紙賃金等目録受領賃金欄記載の賃金を受領した。但し、受領賃金欄が空白
のものは、資料なきため受領賃金が不明のものである。
(二) 同目録平均賃金額欄に記載された金額は、次のとおりである。
(1) 四月ないし六月の三か月とも受領賃金が知れている控訴人についてはその
平均額
(2) 四月ないし六月のうち二か月分の受領賃金が知れている控訴人にについて
はその平均額
(3) 四月ないし六月のうち一か月分のみ受領賃金が知れている控訴人について
はその受領賃金額
(4) 四月ないし六月の受領賃金がすべて不明の控訴人については、右(1)な
いし(3)の記載の平均賃金額の平均額(※金一五九、九二九円)。
 右(1)ないし(3)の控訴人らについてはそれぞれの実績にもとづく得べかり
し賃金月額であり、(4)の控訴人らについては少なくとも他の同僚控訴人らと同
額の賃金を得べかりしものと推認されるので、いずれも控訴人らが被控訴人に請求
しうる得べかりし賃金月額である。
(三) よつて、本件争議期間中(七月二七日から同年一一月三〇日まで)控訴人
らが被控訴人から得べかりし賃金は同目録請求賃金欄記載の金額となる(但し七月
については日割計算。)。
2 賞与
 被控訴人は冬季賞与を毎年遅くとも一二月末日までに従業員運転手に支払う例で
ある。
 同目録請求賞与欄記載の金員(但し※印のあるものは除く)は右記載のある控訴
人らが昭和五一年一二月に受領した冬季賞与金額である。これらの控訴人らは昭和
五二年一二月に昭和五二年度冬季賞与として少なくとも右同額の金員を受領しえた
ものと推認される。
 同目録請求賞与欄に※印つきで金一四六、二六八円の記載のある控訴人らは、昭
和五一年度の冬季賞与受領額が不明のものである。しかし、右控訴人らも昭和五二
年度において他の同僚控訴人らと同額の冬季賞与を受領し得たものと推認されるの
で、右昭和五一年度冬季賞与額の判明した控訴人らについての受領平均額金一四
六、二六八円と同額の昭和五二年度冬季賞与を請求するものである。」
三 同一一枚目裏六行目の「求め」の次に「第一次予備的に、前記第一次予備的請
求の請求賃金及び請求賞与並びに内請求賃金に対する弁済期後である一二月八日か
ら、内請求賞与に対する弁済期間後である昭和五三年一月一日から各完済に至るま
で民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求め、第二次」を加える。
四 同一三枚目裏九行目の「支給する例であること」の次に「、別紙賃金等目録記
載の受領賃金欄及び請求賞与欄の各金額が※印表示金額を除いて控訴人ら主張のと
おりであること」を加える。
五 新たな証拠(省略)
       理   由
一 当裁判所も、控訴人らの本訴請求を理由がないものと認定判断するが、その理
由は、次に付加訂正するほかは、原判決理由説示のとおりであるから、これを引用
する。
1 原判決二八枚目表一〇行目の「証人A、同B」を「原審及び当審証人A、原審
証人B」に、同二八枚目表末行の「証人A」を「原審及び当審証人A」にそれぞれ
改める。
2 同二八枚目表一二行目の「同C」の次に、「、当審における控訴人D」を加え
る。
3 同三四枚目裏五行目の次に、次のとおり加える。
 「そして、被控訴会社がチヤート紙の装着を乗務員の労働契約の内容としたこと
は前記運輸規則の規定に反するものとはいえない。」
4 同三九枚目表五ないし七行目を次のとおり改める。
 「(四) 以上を要するに、控訴人らは、労働契約上その内容とされていたチヤ
ート紙の装着をせずそのタクシー運行を不能にし、労働契約の内容に従つた労務の
提供をしなかつたのであるから、労働契約上の労務の提供をしたことを前提とする
賃金等請求権はなく、また、被控訴会社がロツクアウトをしたとは認められないの
で、その違法であることを前提とする賃金等の請求権も認められない。そして、控
訴人らのその他の民法五三六条二項の債権者たる被控訴会社の責に帰すべき事由が
あるとする請求は、チヤート紙を装着することが本件労働契約上使用者がすべきも
のか乗務員がすべきものかどうか判然としていなかつたならばともかく、就業規則
等により乗務員たる控訴人らの義務内容となつていることが明らかであり、右チヤ
ート紙の装着は乗務員にとっては極めて容易な作業であつたのに、適法な争議行為
とはいえ、控訴人らにおいて争議行為としてチヤート紙の装着を拒否して、タクシ
ーの運行を不能にしたものであるから、被控訴会社においてチヤート紙を装着する
ことがその意思さえあればさほど困難でなく可能であつたとしても、労働法上の衡
平の見地からも、契約上の信義則上からも、被控訴会社がチヤート紙を装着しなか
つたからといつてその責に帰すべき事由があつたと解することはできず、控訴人ら
の賃金等の請求は理由がない。」
 そうすると、控訴人らの本訴請求中原審における請求及び当審における第一次予
備的請求は、いずれも失当として棄却を免れないものと解すべきである。
二 よつて右と結論を同じくする原判決は相当であり、本件控訴及び当審における
第一次予備的請求は、いずれも理由がないからこれを棄却することとし、当審にお
ける訴訟費用の負担について民訴法九五条、八九条、九三条を適用して、主文のと
おり判決する。
(裁判官 矢頭直哉 諸江田鶴雄 日高千之)
別紙(省略)

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