弁護士法人ITJ法律事務所

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         主    文
     原判決を破棄する。
     本件を大阪高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 上告代理人中島三郎、同谷口稔の上告理由一について
 相続財産に属する不動産につき単独所有権移転の登記をした共同相続人の一人及
び同人から単独所有権移転の登記をうけた第三取得者に対し、他の共同相続人は登
記を経なくとも相続による持分の取得を対抗することができるものと解すべきであ
る。けだし、共同相続人の一人がほしいままに単独所有権移転の登記をしても他の
共同相続人の持分に関する限り無効の登記であり、登記に公信力のない結果第三取
得者も他の共同相続人の持分に関する限りその権利を取得することはできないから
である(最高裁判所昭和三五年(オ)第一一九七号同三八年二月二二日第二小法廷
判決・民集一七巻一号二三五頁参照)。そして、母とその非嫡出子との間の親子関
係は、原則として、母の認知をまたず分娩の事実により当然に発生するものと解す
べきであつて(最高裁判所昭和三五年(オ)第一一八九号同三七年四月二七日第二
小法廷判決・民集一六巻七号一二四七頁参照)、母子関係が存在する場合には認知
によつて形成される父子関係に関する民法七八四条但書を類推適用すべきではなく、
また、同法九一〇条は、取引の安全と被認知者の保護との調整をはかる規定ではな
く、共同相続人の既得権と被認知者の保護との調整をはかる規定であつて、遺産分
割その他の処分のなされたときに当該相続人の他に共同相続人が存在しなかつた場
合における当該相続人の保護をはかるところに主眼があり、第三取得者は右相続人
が保護される場合にその結果として保護されるのにすぎないのであるから、相続人
の存在が遺産分割その他の処分後に明らかになつた場合については同法条を類推適
用することができないものと解するのが相当である。
 本件についてこれをみると、原審が適法に確定したところによれば、Dには、E
(大正二年四月二八日生)、上告人(同六年一月五日生)、F(同八年三月三〇日
生)の三子があつたところ、E及び上告人についてはGとその妻Hの三女及び四女
として、FについてはIとその妻Jの長女として出生届がされ、Fは昭和一五年四
月八日に実母のDと養子縁組をしたので、昭和四四年八月二八日Dの死亡により、
E及び上告人は非嫡出子として、Fは養子として本件各土地を含む遺産を共同相続
(相続分はFが二分の一、Eと上告人は各四分の一)したのであるが、Fは戸籍上
では自己が唯一の相続人になつていたところから、上告人及びEの了解を得ること
なく、昭和四五年六月三日本件各土地について自己単独の相続登記を経たうえ、同
年一二月一四日登記簿の記載のとおりFの単独所有であるものと信じていた被上告
人B1及び同B2に本件各土地を売り渡したものであり、他方、上告人はDの死亡
後検察官を被告としてDとの間の母子関係存在確認の訴を提起し、上告人勝訴の判
決が昭和四九年九月二〇日確定したというのである。右事実関係のもとにおいては、
被上告人らは、民法七八四条但書、九一〇条の類推適用によつて、保護されるべき
ものではなく、上告人及びEにおいてFの単独所有権の登記の作出について有責で
ある場合に民法九四条二項の類推適用によつて保護される余地があるにとどまるも
のと解すべきものである。しかるに、原審が、民法七八四条但書、九一〇条の類推
適用を認め、被上告人らは保護されるべきものとして上告人の請求を棄却したのは、
民法七八四条但書、九一〇条の解釈を誤り、違法をおかしたものというべきであり、
その違法は結論に影響を及ぼすことが明らかである。
 したがつて、論旨は理由があり、その余の点について判断するまでもなく、原判
決は破棄を免れず、被上告人らは善意の第三者として民法九四条二項の類推適用に
よつて保護されるべきである旨の被上告人らの主張について更に審理を尽くさせる
ため、本件を原審に差し戻すこととする。
 よつて、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す
る。
     最高裁判所第二小法廷
            裁判官    大   塚   喜 一 郎
            裁判官    本   林       讓
            裁判官    栗   本   一   夫
裁判長裁判官吉田豊は退官につき署名押印することができない。
            裁判官    大   塚   喜 一 郎

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