弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 弁護人畑野有伴の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇
五条の上告理由にあたらない。
 なお、原判決の是認した第一審判決は、酒酔い運転の所為につき道路交通法一一
七条の二、一号、業務上過失傷害の所為につき刑法二一一条前段(昭和四三年法律
六一号による改正前のもの)を適用し、前者の罪につき懲役刑、後者の罪につき禁
錮刑を選択したうえ、以上は同法四五条前段の併合罪であるとして、同法四七条本
文により後者の罪の刑に法定の加重をし、結局禁錮四年六月以下で処断しているが、
右は各罪につき定めた刑の長期の合算額を超える場合であるから、同条但書を適用
し禁錮四年以下で処断すべきであつたにかかわらず、第一審判決がこれを遺脱し、
原判決がこれを看過したのは、法令の適用を誤つたものといわなければならない。
 しかし、記録にあらわれた一切の事情を総合すると、被告人に対する本件宣告刑
が不当に重いものとはいえないから、原判決を破棄しなければ著しく正義に反する
ものとは認められない。
 よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、
主文のとおり決定する。
  昭和四四年二月二二日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    色   川   幸 太 郎
            裁判官    村   上   朝   一

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