弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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主文
1原判決を次のとおり変更する。
第1審判決を次のとおり変更する。
(1)上告人は,被上告人に対し,5億円及びこれに対
する平成13年8月30日から支払済みまで年5
分の割合による金員を支払え。
(2)被上告人のその余の請求を棄却する。
2訴訟の総費用は上告人の負担とし,参加によって生
じた費用は上告補助参加人の負担とする。
理由
上告代理人広瀬英二,同小島浩一の上告受理申立て理由(ただし,排除されたも
のを除く。)について
1原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。
(1)上告人(平成16年2月23日に「Y’信用組合」から名称変更)は,組
合員に対する資金の貸付け,組合員及び組合員以外の者からの預金の受入れ等を事
業とする信用協同組合(信用組合)である。
(2)被上告人は,平成12年11月21日,上告人の富山支店において,10
00円を入金して普通預金口座(以下「本件口座」という。)を開設し,翌22
日,本件口座に振込みの方法で5億円を入金した(以下,この入金に係る契約を
「本件預金契約」という。)。
(3)被上告人は,平成13年8月29日,上告人に対し,本件預金契約に基づ
き5億円の払戻しを求めた。
2本件は,被上告人が上告人に対し,本件預金契約に基づき5億円及びこれに
対する平成13年8月30日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅
延損害金の支払を求めるものである。
3原審は,被上告人の請求を全部認容した。
4しかしながら,原審の上記判断のうち遅延損害金請求についてその利率を商
事法定利率年6分として認容した点は,是認することができない。その理由は,次
のとおりである。
中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合は,今日,その事業の
範囲はかなり拡張されてきているとはいえ,なお組合員の事業・家計の助成を図る
ことを目的とする共同組織であるとの性格に基本的な変更はないとみるべきであっ
て,その業務は営利を目的とするものではないというべきであるから,商法上の商
人には当たらないと解するのが相当であり(最高裁昭和46年(オ)第781号同
48年10月5日第二小法廷判決・裁判集民事110号165頁,最高裁昭和59
年(オ)第557号同63年10月18日第三小法廷判決・民集42巻8号575
頁参照),また,被上告人が商人であることは原審の何ら確定するところではない
から,本件預金契約が商法503条に規定する商行為に当たるということはできな
い。さらに,上告人の業務は,上記のとおり,営利を目的とするものではないか
ら,本件預金契約が商法502条8号に規定する商行為に当たるということもでき
ないし,原審の確定した事実に照らせば,本件預金契約がその他の商行為に当たる
ということもできない。
以上によれば,上告人の本件預金契約に基づく債務は,商法514条にいう「商
行為によって生じた債務」に当たるとはいえないから,本件預金契約に基づく預金
返還債務についての遅延損害金の利率を商事法定利率とした原審の前記判断には判
決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由がある。そして,
原審確定事実によれば,本件預金契約に基づく債務の不履行については民法所定の
年5分の割合による遅延損害金を付すべきであるから,原判決を主文のとおり変更
するのが相当である。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官津野修裁判官滝井繁男裁判官今井功裁判官中川
了滋裁判官古田佑紀)

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