弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決及び第一審判決を破棄する。
     被告人を免訴する。
         理    由
 弁護人岡崎一夫、同山内忠吉の上告趣意は、末尾添附のとおりである。
 裁判官真野毅、同小谷勝重、同島保、同藤田八郎、同谷村唯一郎、同入江俊郎の
意見は、昭和二五年政令三二五号「占領目的阻害行為処罰令」は、平和条約発効と
同時に当然失効し、その後に右政令の効力を維持することは、憲法上許されないか
ら本件については犯罪後の法令により刑が廃止された場合にあたるとするものであ
ること、昭和二七年(あ)第六六九号同二八年一二月一六日言渡大法廷判決記載の
右六裁判官の意見のとおりであり、又裁判官岩松三郎、同河村又介、同小林俊三の
意見は、右政令三二五条の平和条約発効後の効力については、その内容となつてい
る指令の内容において合憲なものは、その指令のかぎりにおいて、わが国法として
有効に存続し得るけれども、その指令の内容が憲法に違反するものは、その指令違
反を処罰するかぎりにおいては、右政令は平和条約発効後はその効力を存続し得な
いこと及び本件に適用されている昭和二〇年九月一〇日附連合国最高司令官の「言
論及び新聞の自由」と題する覚書第三項の「公式に発表せられざる連合国軍隊の動
静」を「論議すること」を禁止する部分は憲法二一条に違反するから、右指令を適
用するかぎりにおいて、平和条約発効と共に失効し、従つて、本件は犯罪後の法令
により刑の廃止があつた場合にあたるとすること、前記大法廷判決記載の河村、小
林各裁判官の意見のとおりである。よつて以上九裁判官の意見によれば、本件は犯
罪後に刑が廃止されたときにあたるものとして、刑訴四一一条、四一三条但書、三
三七条二号により主文のとおり判決する。
 裁判官栗山茂の無罪の意見は次のとおりである。
 昭和二五年政令三二五号の平和条約発効後の効力については、前記岩松、河村、
小林各裁判官の意見と同一であるが、本件に適用されている前記覚書第三項の「公
式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「論議すること」を禁止する部分は、何
ら憲法に違反するところはなく、従つて犯罪後に刑の廃止があつたものとはならな
いとすること前記大法廷判決記載のわたくしの意見のとおりである。しかし本件第
一審判決の確定した事実は、何ら「公式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「
論議」したものというにあたらないから、原判決及び第一審判決を破棄し、被告人
に対し無罪の言渡をなすべきである。
 裁判官田中耕太郎、同斎藤悠輔、同本村善太郎の反対意見は次のとおりである。
すなわち平和条約発効前に犯した昭和二五年政令三二五号違反の罪に対する刑罰は
平和条約発効後といえども、廃止されたものといえないことは前記大法廷判決記載
のわれわれの意見のとおりである。
 裁判官岩松三郎の補足意見は、昭和二五年政令三二五号の平和条約発効後の効力
については、昭和二七年(あ)第二八六八号同二八年七月二二日言渡大法廷判決記
載の裁判官井上登の補足意見のとおりであり、本件連合国最密司令官「言論及び新
聞の自由」と題する覚書第三項の「公式に発表せられざる連合国軍隊の動静」を「
論議すること」を禁止する部分は憲法二一条に違反するとする理由は、昭和二七年
(あ)第六六九号同二八年一二月一六日言渡大法廷判決記載の裁判官井上登の補足
意見のとおりである。
 なお本件に対する裁判官真野毅、同河村又介、同小林俊三の各補足意見及び裁判
官斎藤悠輔の意見は前記昭和二七年(あ)第六六九号事件の大法廷判決記載のとお
りである。
  裁判官霜山精一、同井上登は退官につき評議に関与しない。
  検察官 安平政吉、同竹原精太郎、円福原忠男、同神山欣治出席
  昭和三〇年七月二〇日
     最高裁判所大法廷
         裁判長裁判官    田   中   耕 太 郎
            裁判官    栗   山       茂
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    小   谷   勝   垂
            裁判官    島           保
            裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    河   村   又   介
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
            裁判官    小   林   俊   三
            裁判官    本   村   善 太 郎
            裁判官    入   江   俊   郎

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