弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人山中静次の上告理由第一点について。
 原判決が一審における昭和二八年一月二二日午前一〇時の口頭弁論調書に原告は
被告B商事株式会社に対する訴を取下げる旨陳述し、同被告訴訟代理人は右取下に
同意した旨の記載は誤記であるとの事実は認められず、上告人は一審において、被
告B商事株式会社に対する訴を取下たものと認定したことは、証拠関係からこれを
肯認し得るところである。従つて原判決は、右B商事株式会社に対する控訴を却下
したのであつて、原審の右措置は相当である。
 論旨は独自の見解に立つて、原審の適法になした証拠の取捨判断、事実の認定を
非難するに帰し、原判決に所論の違法はなく、論旨は採るを得ない。
 同第二点(イ)(ロ)について。
 原判決が本件第六次強制疎開においては、戦局は危急となり、空襲は益益苛烈と
なつたので、東京都は第五次強制疎開以前の場合の補償方法と異り、一定の基準に
従つて、建物と借地権とを一括して補償することとしたが、結局右第六次強制疎開
の場合においても、第五次強制疎開までと同じ様に、疎開建物敷地の借地権を借地
権者から譲渡せしめる目的で、補償金を支払つて買收し上告人もまたこの事実を諒
承して、本件土地上の建物の補償金を受領し、もつて暗黙のうちに、本件土地の借
地権を東京都に譲渡したものと認定したことは、証拠関係からこれを肯認し得ると
ころである。論旨は独自の見解に立つて、原判決の適法になした証拠の取捨判断ま
たは事実の認定を非難するものであつて、原判決に所論の違法は存せず、論旨は採
るを得ない。
 同第三点について。
 論旨は原判決は戦時防空等の必要上東京都は行政官庁として、通常の方法によら
ず、借地権を收用し得るものなりと判示し、また東京都は本件において借地権の補
償につき建物の補償価額中に包含せしめ之が補償をなしたりと為し、特別に之が補
償をなさざるが如きは憲法二九条、九九条等に違背するものと主張するけれども、
原判決が東京都は本件第六次強制疎開においては、第五次強制疎開以前の場合の補
償方法と異り、一定の基準に従つて、建物と借地権とを一括して補償することとし
たが、結局右第六次強制疎開の場合においても、第五次強制疎開までと同様、疎開
建物敷地の借地権を借地権者から譲渡せしめる目的で、補償金を支払つて買収し、
上告人もまたこの事実を諒承して、本件土地上の建物の補償金を受領し、もつて暗
黙のうちに、本件土地の借地権を東京都に譲渡したものと認定したことは右第二点
に述べたとおりである。従つて論旨はその前提を欠き採るを得ない。
 同第四点について。
 原判決は昭和二〇年一一月一二日附で東京都板橋区長は各土地所有者に対し「建
物疎開跡地処理に関する件」と題した書面を送り、建物疎開跡地の賃借を申入れた
ことを認定しており、右は証拠関係から、これを肯認し得るところである。
 論旨は原審の適法になした証拠の取捨判断または事実の認定を非難するに帰し、
採るを得ない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    池   田       克
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛