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平成28年2月17日判決言渡
平成27年(行コ)第359号運転免許取消処分取消請求控訴事件(原審・東京
地方裁判所平成26年(行ウ)第332号)
主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1控訴の趣旨
1原判決を取り消す。
2処分行政庁が平成26年4月11日付けで控訴人に対してした運転免許取消
処分を取り消す。
3訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
第2事案の概要等
1本件は,第一種運転免許(中型自動車免許及び大型自動二輪車免許)を受け
ていた控訴人が,普通乗用自動車を運転中に歩行者が傷害を負う交通事故が発
生し,処分行政庁から,違反行為に係る累積点数が15点に該当したとして,
平成26年4月11日付けで,運転免許を受けることができない期間を同日か
ら1年間と指定し,運転免許を取り消す旨の処分(以下「本件処分」という。)
を受けたため,本件処分の取消しを求めた事案である。
原判決が控訴人の請求を棄却したため,控訴人が控訴した。
2関連法令等の定め,前提となる事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,
次のとおり補正するほか,原判決「事実及び理由」中の第2の1ないし3記載
のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決3頁9行目の「負った」の次に「(以下「本件事故」という。)」を
加える。
(2)原判決4頁24行目の「道交法」を「道路交通法(以下「道交法」とい
う。)」に改める。
(3)原判決11頁8行目末尾の次に行を改めて次のとおり加える。
「道交法38条1項により,運転者は,横断歩道等に接近する場合に,横断
歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない
ところ,走行中の車両は制動後停止距離の分だけ走行するから,運転者が横
断歩道に進入する際に左右を確認しなければならないのは,横断歩道に接近
した時であり,具体的には,横断歩道より停止距離の分だけ手前の地点に至
った時である。控訴人の運転する本件車両は時速約10kmで走行していた
から,控訴人が本件横断歩道の左右を確認しなければならないのは,本件横
断歩道直前(本件見取図③の地点)に至った時ではなく,それより約3m手
前に至った時(以下「横断歩道接近時」という。)である。本件被害者は,小
走りではなく駆け足をしていたから,本件車両の横断歩道接近時には,本件
横断歩道の10数メートル手前におり,控訴人はその存在を把握することが
できなかったし,また,本件被害者が小走りをしていたにとどまるとしても,
本件車両の横断歩道接近時には,本件被害者は衝突地点から約7.5m手前
におり,モニュメントの陰にいた可能性が高く,いずれにしても,本件被害
者は,本件横断歩道により進路の前方を横断しようとする歩行者等には当た
らなかった。」
第3当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人の請求は理由がないものと判断する。その理由は,次の
とおり補正するほか,原判決「事実及び理由」中の第3の1ないし4記載のと
おりであるから,これを引用する。
原判決23頁5行目末尾の次に行を改めて次のとおり加える。
「控訴人は,運転者が横断歩道に進入する際に左右を確認しなければならない
のは,横断歩道より停止距離の分だけ手前の地点に至った時であり,控訴人が
本件横断歩道の左右を確認しなければならないのは,横断歩道に接近した時で
あるとした上で,本件被害者は,小走りではなく駆け足をしていたから,本件
車両の横断歩道接近時には,本件横断歩道の10数メートル手前におり,控訴
人はその存在を把握することができなかったし,また,本件被害者が小走りを
していたにとどまるとしても,本件車両の横断歩道接近時には,本件被害者は
衝突地点から約7.5m手前におり,モニュメントの陰にいた可能性が高く,
いずれにしても,本件被害者は,本件横断歩道により進路の前方を横断しよう
とする歩行者等には当たらなかった旨主張する。
しかし,横断歩道接近時に安全を確認すればその後は安全を確認しなくても
免責されるとする根拠はなく,前記認定(前記アないしウ)のとおり,本件被
害者は,小走りで本件横断歩道を通行していたものと認められ,遅くとも本件
車両が本件横断歩道への進入を開始した時点においては,本件横断歩道の通行
を開始していたか,本件横断歩道の左方の歩道付近において本件横断歩道の通
行を開始しようとしていたものと推認され,控訴人としては,遅くとも本件横
断歩道の直前に至った時点で本件横断歩道の左方を注視していれば,本件被害
者の存在を確認することが可能であり,本件車両を一時停止して本件被害者と
接触することを避けることができたものであるから,控訴人の上記主張は,採
用することができない。」
第4結論
よって,控訴人の請求は理由がなく,これを棄却した原判決は相当であり,
本件控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
東京高等裁判所第11民事部
裁判長裁判官瀧澤泉
裁判官中平健
裁判官布施雄士

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