弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
         理    由
 被告人Aの上告趣意について。
 論旨は、要するに、昭和二二年六月一七日東京地方裁判所において判決を言渡さ
れ目下東京高等裁判所に繋属中の、被告人に対する強盗幇助罪と本件とを併合罪と
して処罰を受けるために、両件を併合して再審理して貰いたいという主張に帰する。
しかし同一被告人に対し同時に繋属した数個の被告事件を各別に審判するか又は併
合して審判するかは、審理の便宜上裁判所か自由に決し得る職権に属することであ
つて、必ずしも併合して審判することを要するものでないこと、屡々判例の示す通
りであるから、論旨は理由がない。
 弁護人有田順吉の上告趣意第一点について。
 (一)住居侵入罪と強盗罪とは、その被害法益及び犯罪の構成要件を異にし、住
居侵入の行為は強盗罪の要素に属せず別個独立の行為であり、しかも通常右両罪の
間には手段結果の関係のあることが認められるから、原判決が右両罪を刑法第五四
条第一項後段の所謂牽連犯として擬律しているのは正当である。所論のように、住
居侵入から退去迄の一連の行為が一個の脅迫行為として不可分のものであつたとい
う所論は、原審の認めない事実を主張することに帰する。従つて強盗罪の外に住居
侵入罪が成立することを否認する論旨は理由がない。
 (二)銃砲等所持禁止令違反罪と強盗罪との関係についても、前者は銃砲等の不
法所持自体によつて成立し、その犯罪構成要件も被害法益も後者とは異なるのみな
らず、銃砲等の不法所持は強盗罪の要素に属するものではない。それ故に被告人か
日本刀を所持したのは時間的には強盗行為の間だけであつたとしても、強盗罪の中
に銃砲等所持禁止令違反罪が吸収せられて、強盗罪の外に別罪か成立するのではな
いという所論は採用できない。よつて論旨はいずれも理由がない。
 同第二点について。
 記録を調べてみると、本件第一審判決書中に、「判事池田正亮」とあるのは、「
判事補池田正亮」と書くべきところを、不注意に「補」を遣脱したものであること
が看取である。従つて、判事池田正亮なるものは実在しないから、第一審裁判所は
適法に構成せられていなかつたという所論は、理由かない。仮りに第一審の裁判に
関して違法があつたとしても、本件上告は第二審に対するものであるから、そのこ
とは適法な上告理由とならない。論旨は、第一審の違法を見逃した原審判決は違法
である、と主張しているけれども、第二審は第一審とは別個の覆審であるから、第
二審が第一審の瑕疵を不問にしたとしても、これを違法とする理由とはならない。
よつて論旨は理由がない。
 右の理由により刑事訴訟法第四四六条に従い主文の通り判決する。
 以上は裁判官全員一致の意見によるものである。
 検察官 宮本増蔵関与
  昭和二三年一二月二四日
     最高裁判所第三小法廷
         裁判長裁判官    長 谷 川   太 一 郎
            裁判官    井   上       登
            裁判官    島           保
            裁判官    河   村   又   介

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