弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     原判決を破棄し、本件を東京高等裁判所に差し戻す。
         理    由
 まず、罹災都市借地借家臨時処理法一〇条の立法趣旨を考えてみる。先般の戦争
においては、建物の所有を目的とする借地権者であつて、空襲その他戦争に因る災
害の為めの建物の滅失又は防空上の必要による建物の除却を余儀なくされた者の数
は極めて多数にのぼつた。ところが、右法条が設けられる以前においては、建物の
所有を目的とする借地権者は、その借地権につき登記をしているか又は「建物保護
ニ関スル法律」(以下建物保護法と略称する。)の規定に依るほかは、その目的と
した建物が存在しなくなつた場合には、その借地権をもつて、その後その土地につ
いて権利を取得した第三者に対抗し得ないものとされていた。それ故、前記の先般
の戦争において建物の滅失又は除却を余儀なくされた借地権者は、その借地権の登
記があるか又は建物保護法による要件を具備するかいずれかによらない限りは、そ
の借地権をもつて第三者に対抗することができないこととなつていたのである。し
かし、先般の戦争における上記のような建物の滅失又は除却は、戦争の非常時態の
下においては、真に已むを得ない犠牲ではあつたが、これらの借地権者に、右戦争
に伴う已むを得ない犠牲を蒙らしめた上に、更に、その借地権の第三者に対する対
抗力について、上記のごとき状態に放置することは、当時の実情に鑑み、借地権者
の地位を著しく不安定ならしめ、苛酷な結果を来たすものといわなければならなか
つた。罹災都市借地借家臨時処理法一〇条は、このような借地権者が、戦争によつ
て蒙る不利益をできる限り少からしめ、その地位を安定せしめ、ひいて住宅難を緩
和して都市の復興促進に資することを目的として設けられた規定であつて、同条は、
借地上の建物が同条所定の事由のため滅失し又は除却された当時から、引き続き、
その建物の敷地又はその換地に借地権を有する者は、その借地権の登記及びその土
地にある建物の登記がなくても、これを以て、昭和二一年七月一日から五箇年以内
に、その土地について権利を取得した第三者に対抗することができる旨を定めてい
るのである。
 次に、同条と、建物保護法との関係を考えてみるに、先般の戦争に因る災害のた
め建物が滅失し又は先般の戦争に際し防空上の必要により建物が除却されたがため、
建物保護法の保護を受けることができなくなつた借地権者の中には、滅失又は除却
の当時その建物につき登記をしていた者と、滅失又は除却の当時未だ登記をしてい
なかつた者との両者があるが、前記一〇条の立法趣旨が、前記のごとく、戦時の非
常時態の下における借地権者を特別に保護してその戦争による不利益をできるだけ
少からしめようとするものであるとすれば、右両者の間にその借地権の第三者に対
する対抗力についての法律上の保護に差別を設けることは、同条の法意に照らし不
合理であるといわなければならない。それ故同条の適用を受ける借地権者の中には、
右両者を包含するものと解するを相当とする。されば、原判決が同条の対抗力を有
する借地権者たるがためには、滅失又は除却前その建物につき登記があるため建物
保護法により、その借地権をもつて第三者に対抗し得た者たるることを要するとし
て、控訴を棄却したのは法律の解釈を誤つた違法があり、原判決は破棄を免れない。
そして原判決は、他の争点の判断を省略し、上告人の本訴請求を棄却し、被上告人
の反訴請求を認容したものであるから、民訴四〇七条一項に基き、本件を原裁判所
に差し戻すべきものと認め、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    斎   藤   悠   輔
 裁判官岩松三郎は退官につき署名押印することができない。
         裁判長裁判官    入   江   俊   郎

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