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裁判例


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平成24年3月23日宣告
平成22年第1010号,同第1101号,同第2056号
判決
主文
被告人を無期懲役に処する。
未決勾留日数中450日をその刑に算入する。
理由
(犯罪事実)
第1被告人に対する器物損壊,建造物損壊被告事件に関する平成24年1月25
日宣告の部分判決(以下「部分判決①」という。)の犯罪事実1及び2の各記載を引
用する。
第2被告人に対する強盗致傷,強盗被告事件に関する平成24年2月20日宣告
の部分判決(以下「部分判決②」という。)の犯罪事実柱書並びに1及び2の各記載
を引用する。
第3被告人は,娘であるAの友人のBと交際していたが,Bが被告人を避けるよ
うになり,連絡が取れなくなったことに憤慨し,会わないと危害を加える旨の内容
のメールを送り付けるなどしたり,Bの自宅や当時Bが寝泊まりしていた友人宅を
見張って動向を監視したり,押しかけたりすることを繰り返す中で,仕事に行かな
くなって金銭や食料に困るようになった。そこで,被告人は,Bの自宅に行ってB
の祖父であるCを縛って脅すなどして金品及び食料を奪った上,なんとかBと接触
しようと企て,Aと金品を強取することを共謀の上,平成22年5月11日午後零
時30分頃,千葉県八街市DE番地F方において,C(当時76歳)に対し,Aが,
持っていた鉄の棒様のもので殴りかかり,被告人が,殺意をもって,持っていた刺
身包丁(刃体の長さ約20.2㎝)でCの背中を刺すなどし,よって,その頃,同
所において,同人を血気胸による呼吸不全又は出血性ショックにより死亡させて殺
害した上,同人ほか1名所有の現金約18万円及び現金約1万5000円在中の財
布等積載の普通貨物自動車1台(時価約10万円相当)を強取した。
第4被告人は,Bの父であるFほか2名が現に住居に使用する前記同人方家屋(木
造瓦葺2階建,床面積約155.9㎡)に放火して焼損しようと企て,その頃,同
人方2階において,軽油を撒いた上,点火したろうそくを置いて火を放ち,その火
を壁及び天井等に燃え移らせて同家屋を全焼させ,現に人が住居に使用する建造物
を焼損した。
(証拠)
省略
(犯罪事実第3及び第4の事実認定に関する補足説明)
1証拠によれば,犯罪事実第3記載の年月日頃,Cが自宅で背中を片刃の刃物
で刺されて死亡し,その後,CがFほか2名の家族と共に住居に使用していた家屋
が全焼したこと,Cの背部中央には縦方向の刺切創があり,傷口の長さは約4.5
㎝,深さは約9.5㎝で,傷の方向は遺体を基準にして前下右方に向かい,右肺に
達するものであったこと,司法解剖の結果,Cは右肺を損傷し,血気胸による呼吸
不全又は出血性ショック,あるいはこれらが併発したことにより死亡したことが認
められる。なお,本件各犯行につき,犯罪事実記載の日時・場所において,これら
の客観的な各被害が生じたことについては,特段の争いはない。
被告人及び弁護人は,被告人は事件当日には犯行現場に行っておらず,本件各犯
行の犯人ではない旨主張するが,当裁判所は,犯罪事実第3及び第4のとおり,被
告人が本件各犯行に及んだと認定したので,以下,補足して説明する。
2本件各犯行につき,証人Aは,要旨,以下のとおり証言する(ここで「自
分」とはA自身のことを指す。)。
すなわち,①被告人は,当時交際していた自分の中学校の同級生で友人であるB
が被告人と別れたがり,連絡が取れなくなったことに立腹し,家に火をつけてやる,
つぶすなどと言ったり,交際を続けるためにBがいる場所に押しかけたり,Bの自
宅等を見張ってその動向を監視したりするようになり,仕事にも行かなくなって,
平成22年5月10日頃には食べ物にも困るようになった。②同日及び翌11日朝
に,被告人から,C一人しか在宅しない昼頃にBの家に行き,Aがトイレを借りる
振りをしてCが油断した隙に,被告人がCを縛ってガムテープで口を塞ぎ,金と食
べ物を奪った後,CとBの話をして逃げるなどという計画を聞かされ,同日昼前頃,
鉄の棒やガムテープ,洗濯ロープ,ライター,被告人がBを監視する際にいつも携
帯していた包丁等を持って,B宅に行った。③Bの家に誰もいなかったため,被告
人が窓ガラスを割り,鍵を開けて順に家の中に入ったが,その際に被告人は,Bの
家の倉庫にあった油の入ったポリタンクも家の中に持ち込んだ。④被告人に言われ
てBを探しに2階に上がったがいなかったので,そのことを被告人に伝え,1階リ
ビングで食べ物を探していたが,被告人は,ポリタンクを持って2階に上がり,油
の臭いがした後,被告人が2階から降りてきた。⑤その後,1階で金品を物色して
いたところ,Cが車で帰宅する音が聞こえ,被告人が鉄の棒を渡してきてCを殴る
よう言った。家の中に入ってきたCが,自分が隠れている場所に近づいてきたので,
鉄の棒を振り下ろしたが,Cに鉄の棒を掴まれ奪われてしまった。被告人が鉄の棒
を掴みCと引っ張り合いになり,被告人は,Cを殴ったり,手に持った包丁をCの
こめかみに突き付けたりしたが,Cは鉄の棒を離さなかった。すると,被告人が包
丁を自分の前に投げて刺せと言ってきたので,包丁を拾ってCの脇腹辺りを3回刺
したが深く刺さらなかった。被告人が包丁よこせと怒鳴ったので渡すと,被告人は
包丁を右手で順手に持ち,左手で鉄の棒を引っ張ってCを前屈みにさせ,Cと向か
い合ったまま,Cの左肩越しに横から手を回すようにしてCの背中の真ん中辺りを
刺し,さらに,Cの背中に刺さったままの包丁を逆手に握り直してもう一度深く突
き刺した。⑥被告人は包丁を引き抜き,肩を抱くようにしてCを1階の南側6畳和
室に連れて行って寝かせ,CにBが使ったお金を返してほしいなどと言っていたが,
そのうちにCは亡くなった。被告人は,1階8畳和室でお金を探し始め,バッグの
中から千円札を,仏壇から封筒に入った18万円位のお金を見つけ,渡してきた。
⑦被告人は,仏壇の辺りから何かを持って2階へ行き,戻ってきて,自分と一緒に,
玄関前に止まっていたCの自動車(以下「被害者車両」という。)で逃走した。その
車中で,被告人から,Bの部屋に油を撒き,ろうそくに火をつけて立てかけてきた
ことを聞いた。また,Cの財布が家から見つからなかったので車の中を探すよう被
告人に言われ,助手席のダッシュボードから一万五,六千円が入った財布を見つけ
て,Bの家から奪った現金と合わせて被告人に渡した。⑧被告人は,包丁を川に捨
て,二人分の服及び靴等を買い,その後ラブホテルで服等を着替え,犯行当時着て
いた服等は川に捨てた。被害者車両をG駅付近で乗り捨てて,電車でG駅からJ駅
を経由してH駅まで行き,タクシーに乗車して被告人をパチンコ店で降ろし,自分
は自宅に戻って家賃の振込みなどをした。
そこで,このAの証言の信用性を検討すると,まず,事件後,刺身包丁と被
害者車両がそれぞれAの案内した場所から発見されている。司法解剖をした医師の
供述によれば,この刺身包丁の形状は,Cの背中の刺切創と整合するものであり,
本件に用いられたものとして矛盾はない。これらの事実からすれば,Aが本件各犯
行に関与していたことが強く推認される。
また,被告人とAが,本件各犯行当日の午後1時36分頃千葉市所在の衣料品店
において衣料品と靴を,午後1時46分頃同市所在のコンビニエンスストアにおい
て弁当等を,それぞれ購入した事実が,各店舗の防犯カメラ画像等によって裏付け
られている。さらに,同日午後2時15分頃に,同市所在のホテルに被害者車両と
同一のナンバーの自動車で来店した客が客室利用した記録が残っており,同日午後
3時20分頃から午後4時11分頃にかけて,前記買い物の際とは異なる服装の被
告人とAの姿がG駅,J駅及びH駅の各防犯カメラ画像に記録されている。これら
の客観的な証拠は,いずれもAの証言内容と合致しており,本件各犯行の直後頃,
被告人とAが一緒に行動し,着衣を替えるなどしていたことが認められる。
そして,本件各犯行の状況についてのAの証言内容をみても,被告人が向き合っ
たCの背部を刺身包丁で刺したとする刺突態様は,Cの創傷の位置,形状や方向と
も矛盾しない。また,被告人がCの背部に刺身包丁を突き刺した後,包丁を持ち替
えて更に深く刺したとする点は,Cの創傷が内部で異なる方向に肋骨を切断してい
たとする司法解剖をした医師の所見とも合致する。その他,1階8畳和室に置かれ
たバッグと仏壇の現金やCの財布の保管状況,ろうそくが仏壇にあったこと,軽油
を入れたポリタンクが倉庫付近から持ち出されていたことなどは,Fの供述内容等
と合致しており,放火の犯行態様や出火時刻についても,犯行状況を再現した燃焼
実験の結果と整合している。このように,Aの証言内容は,他の証拠から認められ
る客観的状況とよく符合しているものと評価することができる。
加えて,Aの述べる被告人による特徴的なCに対する刺突行為やF方への放火の
犯行態様は,現場での被告人とのやりとりを含め,具体的で迫真性に富んでおり,
Aが想像して虚偽の内容を話したものとは考え難いし,Aは本件に関して少年審判
を受け,既に処分が決まっているのであって,敢えて被告人が本件各犯行に及んだ
との虚偽の供述をするとも考えがたい。
そして,本件各犯行に至るまでの経緯としてAが証言する被告人とBとの関係や
被告人の行動は,証人B,同K,同Fの各証言や,被告人の携帯電話からBの携帯
電話への電子メールの送信履歴とも概ね整合しており,十分に信用することができ
る。
以上の各事実に照らせば,本件各犯行につき,被告人がAと本件強盗を共謀し実
行したこと,その際,被告人が刺身包丁でCの背中を刺して死亡させたこと,被告
人からF方2階に軽油を撒いた上,点火したろうそくを置いて火を放った旨を聞い
たことについてのAの証言は,十分に信用することができるのであって,被告人が
本件各犯行に及んだ犯人であると認めることができる。
これに対し,弁護人は,①Aが包丁でCの脇腹を刺したことは捜査段階では
述べられていないなど,Aの供述は変遷していること,②Cと鉄の棒の引っ張り合
いをしている最中に被告人が棒から手を離して包丁を持つ手を持ち替えたとする点
など,証言自体に不自然,不合理な部分があること,③将来被告人と一緒に生活を
したくないと供述するAには被告人を長期間服役させるために虚偽供述をする動機
があることなどを挙げ,Aの供述は信用できないなどと主張する。
確かに,Aの供述内容には,AがCの脇腹を刺したという犯行態様に関わる重要
な部分につき,変遷があったことが認められる。しかし,その理由について,Aは,
本件は被告人とBとの板挟みになってやった事件であるから被告人が悪いと思い,
自分がやったことを話したくなかったが,少年院で事件のことや関係者のことを整
理して考え,自分がやったことは自分で責任を取りたい,やっていないことで被告
人に一番重い刑になってほしくないと思ったから正直に話すことにした,などと述
べており,その説明は納得のいくものである。また弁護人が指摘するその他の部分
については,供述の変遷の存在や前記包丁の持ち替え等内容に若干不自然な部分が
あることは否めないものの,包丁の持ち替え等は短時間に行われた動きの中でのこ
とである上,その他の指摘部分も些細な点についてのものであり,事件自体が2年
近く前の出来事であるから記憶が減退していても不自然ではない。Aが前記のとお
り客観的証拠から認められる犯行状況等によく整合する内容の証言をしていること
からすれば,弁護人が指摘する諸点が,被告人が本件各犯行に及んだというAの証
言の根幹部分の信用性を揺るがすものとはいえないし,自身の処分が決まり,当公
判廷でCの脇腹を刺したことについて自己の関与を認める証言をしたAが,殊更に
虚偽供述をして被告人を陥れる動機があるとは考えがたい。
このほか弁護人がAの証言の信用性を争って種々主張するところを検討しても,
その証言の基本的部分の信用性が揺らぐものとはいえない。
3被告人の殺意について
Aの証言から認められるCへの刺突態様等からすれば,被告人には刺突行為時に
殺意があったものと認められる。すなわち,被告人は,Cの背中の中心という肺や
心臓等重要な臓器がある部分を,刃体の長さ20.2㎝の刺身包丁という鋭利な刃
物で刺突している。しかも,被告人はこの刺身包丁を普段から携帯していたのであ
るから,その形状を十分認識していたと認められるし,一度刺して刺突位置を十分
に認識している状態で,包丁を握り直した上でさらに相当程度の力を加えて刺し直
し,肺にまで達する深い傷を負わせているのであるから,被告人は,自己の行為に
よってCが死んでしまうかもしれないと認識しながら,敢えて刺突行為に及んだも
のと認められる。
4以上からすれば,被告人は,本件強盗殺人,現住建造物等放火の犯人であっ
て,犯罪事実第3,第4記載のとおりの各犯行に及んだものと認められる。
(法令の適用)
罰条
犯罪事実第1の1刑法60条,261条
犯罪事実第1の2刑法60条,260条前段
犯罪事実第2の1刑法60条,240条前段
犯罪事実第2の2刑法60条,236条1項
犯罪事実第3刑法60条,240条後段
犯罪事実第4刑法108条
刑種の選択
犯罪事実第1の1について懲役刑を選択
犯罪事実第2の1について有期懲役刑を選択
犯罪事実第3について無期懲役刑を選択
犯罪事実第4について有期懲役刑を選択
併合罪の処理刑法45条前段,46条2項本文(無期懲役刑を
選択した犯罪事実第3の罪の刑で処断し,他の刑
を科さない。)
未決勾留日数の算入刑法21条
訴訟費用の処理刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)
(量刑の理由)
1まず,犯罪事実第3,第4の強盗殺人,現住建造物等放火についてみる。被
告人は,犯罪事実記載のとおりの犯行に及んでおり,強盗については計画性も認め
られる。そして,鋭利な刃物を用いて背中を二度刺し肺にまで達する傷を負わせて
被害者を殺害し,その後には平然と金品を物色して強奪した上で,軽油を撒くとい
う確実に家が燃える方法を用いて放火をした犯行態様は,危険かつ残忍である。こ
れらの犯行は凶悪なものといえる。
この犯行によって,被害者の尊い生命が奪われるという取り返しのつかない結果
が生じており,少なくない現金等も奪われている。また,放火によって,殺害され
た被害者の家族3名が住む家屋が全焼している。これらの犯行によって生じた結果
は極めて重大であるが,殺害された被害者には何ら落ち度はないのであって,現住
建造物等放火事件の被害者でもある殺害された被害者の遺族らが,被告人に対して
峻烈な処罰感情を抱くのは至極当然のことである。
被告人は,被告人との関係を絶とうとした未成年者である元交際相手に一方的に
執着して付きまとい,働くこともやめて食べるのにも困る状態になったことから,
食料等を手に入れた上で元交際相手と接触を持つべく本件各犯行に及んだのであっ
て,その動機及び経緯は余りにも身勝手で,同情の余地は全くない。
2犯罪事実第2の強盗致傷,強盗については,部分判決②中の(犯罪事実に関
連する情状に関する事実)のとおりである。特に,通りすがりの被害者らに因縁を
付けての犯行であり,当該事件の被害者らが強い暴行,脅迫を加えられたことから
すれば,その犯行態様も悪質で,生じた結果も重大である。強盗致傷の被害者が厳
しい処罰感情を抱いているのも当然である。
3さらに,部分判決①中の(犯罪事実に関連する情状に関する事実)をも併せ
考えて,本件全体についてみると,被告人は,自分の娘や自宅に出入りしていた未
成年者と共に不良グループを作り,こうした未成年者らを率いて投石によるガラス
割りを繰り返す中,犯罪事実第1の学校や交番への器物損壊,建造物損壊に及び,
未成年者らと共に通行人に対する路上強盗を繰り返す中で,犯罪事実第2の強盗致
傷,強盗に及び,さらに,未成年である娘も巻き込んで強盗殺人,現住建造物等放
火という犯行にまで及んでいる。このように起訴された事件だけでも,多様な犯行
に及び被害者も多数である。しかも,被告人は,成人でありながら,未成年者を巻
き込み率先して犯罪を繰り返している上,全ての事件において主導的な役割を担っ
ており,犯情は悪く,その責任は極めて重い。
また,被告人は,いずれの事件についても,関与を否認したり,不合理な弁解を
したりして,反省の態度が全くみられない。未成年者を巻き込んで多くの犯罪を行
ってきた経緯などからすれば,被告人には捕まらなければ何をしてもよいという身
勝手な考えがあることがうかがえ,法や社会の決まりを守る意識が乏しいといえる。
被告人が自己の犯した犯罪の重大性と向き合い,その歪んだ独自の考え方を改めな
い限り,更生の見込みは薄いといわざるをえない。
4以上を前提として,同種事案における量刑傾向も参考の上検討すると,殺害
には計画性がないこと,前科がないことを考慮しても,被告人の刑事責任は極めて
重く,酌量減軽すべき事情があるとはいえない。被告人に対しては,無期懲役をも
って臨むのが相当である。
(求刑無期懲役)
平成24年3月23日
千葉地方裁判所刑事第3部
裁判長裁判官稗田雅洋
裁判官水上周
裁判官小野寺真耶
平成24年1月25日宣告
平成22年第1101号等-1区分事件(平成22年第1010号)
部分判決
主文
本件区分事件の各公訴事実につき,被告人はいずれも有罪。
理由
(犯罪事実)
1被告人は,A,B及びLと共謀の上,平成21年6月16日から同月17日
までの間,千葉県八街市HM番地所在のN中学校前路上において,八街市所有の同
中学校校舎1階技術準備室南側の窓ガラスにアスファルト片を投げ付けて,そのガ
ラス1枚を割り(損害額1万500円相当),他人の物を損壊した。
2被告人は,引き続き,そのころ,A及びBと共謀の上,同市HO番地P所在
の千葉県Q警察署R交番付近において,千葉県所有の同交番玄関脇壁面に固定され
たガラスにアスファルト片を投げ付けて,そのガラス1枚を割り(損害額3万46
50円相当),他人の建造物を損壊した。
(証拠)
省略
(事実認定の補足説明)
1犯罪事実記載の年月日頃,それぞれの場所において,器物損壊,建造物損壊の
各被害が発生した事実に争いはなく,これらの点は証拠からも明らかである。
弁護人は,被告人の供述に沿って,本件各犯行のいずれにも被告人は関与していな
いと主張するが,当裁判所は,犯罪事実1及び2のとおり,被告人がAらと共謀の上
で本件各犯行に及んだと認定したので,以下,補足して説明する。
2証人A,同B及び同Lの供述によれば,犯罪事実1及び2の各犯行は,いずれ
も,被告人が主導し,共犯者らと共に実行したものと認められる。
すなわち,犯罪事実1の事件(以下「N中学校事件」という。)について,A,B
及びLは,①犯罪事実1の年月日頃,被告人の提案により,被告人,A,B及びLの
4名で被告人の運転する自動車に乗車してガラスを割りに行くことになり,N中学校
に向かう途中,S中学校付近でA,B,Lの3名が投石のためのアスファルト片を拾
ったこと,②N中学校に着いた後,自動車で付近を周回して投石場所を同中学校裏手
の校舎が道路に接近している場所に決めたこと,③被告人の指示によりBとLが自動
車から降りて同中学校校舎に向けてアスファルト片を投げたもののガラスを割るこ
とができなかったこと,④両名が自動車に戻った後,被告人が手本を見せることにな
り,自動車を同中学校の正門側に移動させた上で,自動車から降りた被告人が運転席
側から自動車及びフェンス越しに同中学校の校舎に向けてアスファルト片を投げ,窓
ガラスを割ったことなどについて,具体的かつ詳細に供述している。また,犯罪事実
2の事件(以下「R交番事件」という。)についても,A及びBは,⑤N中学校事件
の後,引き続き被告人が運転する自動車でコンビニエンスストアに立ち寄り,その駐
車場で更に投石のための石を拾った上で,R交番付近まで行き,被告人の指示により
Bが自動車を降りて同交番に投石してガラスを割ったことなどを具体的に供述し,L
も,N中学校事件の後は自動車内で眠っていたため断片的にしか覚えていないとしな
がらも,⑥コンビニエンスストアに立ち寄り石を拾ったこと,⑦R交番付近に行った
こと,⑧BとAが自動車に戻ってきて「割れた」と言っていたこと,⑨走行する自動
車の中から同交番のガラスが割れているのを見たことなどを供述している。
A,B及びLの本件各事件についての供述内容は,その経緯を含め,概ね一致ない
し整合しているだけでなく,自動車内での被告人とAらとのやり取りや,N中学校事
件における投石の具体的な位置,態様等についても一致しており,相互にその信用性
を補完し合っているものと評価できる。また,A,B及びLは,いずれも,本件に関
して少年審判を受けて既に処分が決まっており,殊更に虚偽の供述をして被告人を陥
れる動機に乏しい上,その供述態度も記憶にある部分とない部分を分けて供述するな
ど真摯なものであって,供述の信用性に疑いを入れる余地はない。
3この点,弁護人は,A,B及びLの供述につき,(1)Aらが他に被告人と何度
もガラス割りをしており,それらと混同して供述している可能性があること,(2)N
中学校事件における被告人の投石態様につき,B及びLの供述は捜査段階のものから
内容が変遷していること,(3)R交番事件でBが投石した回数や自動車を停止させた
場所につき,AとBの供述が食い違っていることなどを挙げ,信用性に乏しいと主張
する。
確かに,弁護人が指摘するとおり,N中学校事件での投石態様についてのB及びL
の供述内容は,捜査段階における供述調書の内容と異なり,また,AとBの供述内容
は,R交番でBが投石した回数や自動車を停止させた場所などについて食い違いがみ
られる。しかし,本件各事実に関する捜査が行われ,A,B及びLがこれらに関する
供述をしたのは,本件各犯行から1年近くを経過した後であり,同人らが証言をした
のは2年半以上経過した後であることからすれば,各供述時点で同人らの記憶にある
程度の減退がみられることはむしろ自然といえる。また,A及びBは,本件当時,被
告人と共に中学校や交番,商店等に対する落書きや投石等を繰り返していたというの
であるから,経緯や犯行態様の一部などについて他の機会と混同して供述することも
あり得るところであるが,そのことから,必ずしも供述全体の信用性が損なわれるも
のではない。そして,BとLは,いずれも,被告人がいない機会にAらと共にガラス
を割ったことはない旨明言している上,本件各事件は,中学校と交番のガラスが同じ
夜間に立て続けに割られたという特徴的なものであるところ,Aは交番と学校を一緒
に襲撃したのはこのときだけであったと供述し,BはR交番のガラスを割ったのはこ
の機会だけであったと供述していること,A,B,Lの供述は,このような特徴的な
事件の経緯について,前記のとおり概ね一致し,整合しており,他の同様の犯行とは
区別して本件各犯行について明確に供述していること,B及びLの供述の変遷につい
ては,いずれもその変遷の理由を合理的に説明していることからすれば,弁護人主張
の供述の変遷がAら3名の証言全体の信用性を損なうものとはいえないし,3名が揃
って他の事件と本件各事件とを混同して供述したものと考える余地もない。弁護人の
主張は採用できない。
4また,弁護人は,N中学校事件につき,Aらが証言するように校舎敷地外から
アスファルト片を投げた場合,フェンスを越えるように山なりに投げなければならな
いため,アスファルト片は割れた窓ガラスから近い位置に落ちるはずであるのに,ア
スファルト片が発見された場所は窓ガラスから4m70cmも離れた段ボール箱上
であったことからすると,山なりではなく勢いよく水平方向にアスファルト片がガラ
スを突き破ったはずであるから,Aらの証言内容は,被告人が投げたとする位置,フ
ェンスの高さ,割れた窓ガラスの位置,アスファルト片の発見場所といった客観的状
況と矛盾し,信用できないと主張する。
しかし,Aらの証言によると,被告人は中学校のフェンスから歩道と駐車中の自動
車を挟んだ位置から自動車とフェンス越しにアスファルト片を投げたものであると
ころ,アスファルト片の発見位置,割れたガラス窓の位置と高さ,N中学校のフェン
スの位置と高さ,道路との距離等からすると,弁護人が主張するように山なりに投げ
たものとはいえず,これにアスファルト片の重量を併せ考えると,成人男性である被
告人がそのような位置から自動車及びフェンス越しに投げて,窓ガラスが割れ,アス
ファルト片が発見位置まで届いたとすることが不自然とはいえない。弁護人の主張は
採用できない。
その他,弁護人が種々主張する点を検討しても,前記結論を左右するものはない。
5以上より,被告人が本件各犯行に及んだものと認定できる。
(罰条の適用)
犯罪事実1刑法60条,261条
犯罪事実2刑法60条,260条前段
(犯罪事実に関連する情状に関する事実)
被告人は,自分以外は全て未成年者で構成された暴走族まがいの不良グループを
作り,そのグループの名前を売るため,また,ストレス発散のために,当時中学生
であった娘も含む未成年者らと共に,学校,交番,商店等への落書や,投石をして
ガラスを割るなどの行為を繰り返す中で,一晩のうちに立て続けに本件各犯行に及
んでいる。
本件各犯行による損害額は合計4万5000円余りである。
本件各犯行についても被告人がAらに実行を提案し,率先して自動車を運転して
各犯行現場へ向かい,Bらに指示して投石行為を行わせた。そして,N中学校事件
についてはBらがガラス損壊に失敗したため,手本を示すべく被告人自身が投石行
為を実行した。
被告人は,公判廷において不合理な弁解に終始するなど反省の態度が見られず,
被害弁償も行われていない。
平成24年1月25日
千葉地方裁判所刑事第3部
裁判長裁判官稗田雅洋
裁判官水上周
裁判官小野寺真耶
平成24年2月20日宣告
平成22年第1101号等-2区分事件(平成22年第2056号)
部分判決
主文
本件区分事件の各公訴事実につき,被告人はいずれも有罪。
理由
(犯罪事実)
被告人は,T,Uと共謀の上,自動車の運転者等から金品を強取しようと考え,
平成21年9月18日午後11時頃,千葉県東金市VW番地X先路上において,次
の各犯行に及んだ。
1Y(当時19歳)らが乗車し同所に停車した自動車(以下「被害者車両」と
いう。)に対し,その進路を塞いで前進できないように被告人らが乗車する自動車(以
下「被告人車両」という。)を停車した上で,被告人が,被害者車両の運転席に近付
き,運転席に乗車していたYに窓を開けさせ,その窓から手を差し入れるなどして
エンジンを停止させ,Yに対し,「追ってきた分,ガソリン代払え。」などと強い口
調で言い,「バールを持ってこい。」と言ってUから受け取った棒様のものを手にし
て,「車を壊されたいのか。」などと言って脅迫し,さらに,T及びUが,降車した
Yの顔面を拳骨及び棒様のもので数回殴る暴行を加えて同人の反抗を抑圧し,同人
からその所有の携帯電話機1台(時価約3000円相当)を強取し,その際,前記
暴行により,同人に全治約1か月間を要する顔面,頸部の挫創及び擦過傷,鼻骨骨
折,顔面打撲の傷害を負わせた。
2被害者車両の助手席で前記脅迫を見聞きし被告人らを恐れていたZ(当時2
0歳)に対し,Tが「あっちは持ってないと言ってるけど,お前はどうなの。」「金
を出せ。」「小銭もよこせ。」などと強い口調で言って脅迫するとともに,Zの顔面を
拳骨で1回殴る暴行を加えて,同人の反抗を抑圧し,同人から同人所有の現金約1
万2300円及び携帯電話機1台(時価約4万円相当)を強取した。
(証拠)
省略
(事実認定の補足説明)
被告人は,本件において強盗をするつもりはなく,共犯者のTとUの暴行は見て
いないし,共犯者がそのような暴行をするとは考えていなかった旨述べ,弁護人も
これに基づき,共犯者らの行為が強盗に当たることは争わないが,被告人の認識は
恐喝の限度にとどまり,被告人には強盗の故意及び共謀がない旨主張するので,当
裁判所が犯罪事実のとおり認定した理由を補足して説明する。
1犯行の状況
まず,信用できる証人Y,同Z,同T,同Uの証言等の関係証拠によれば,本件
の経緯は以下のとおりであったことが認められる。
すなわち,①被告人らは,本件当夜に,Yが運転しZが助手席に乗車する被害者
車両が,前照灯を上に向けた状態(以下「ハイビーム」という。)のまま被告人車両
を追い越していったことに腹を立て,被害者車両を追跡して後方から接近し煽った
り,同車に先行した上で同車の前方で蛇行運転をしたりするなどして執ように嫌が
らせをした。そして,②被害者車両が脇道へと進んだことから,被告人は運転者と
交代し自ら運転してこれを追跡し,被告人車両をやり過ごそうと道路の左端に寄せ
て停止した被害者車両の右横に一旦横付けした後,更にその進路を塞ぐように被告
人車両を停車させた。同所は,民家や街灯がない竹や木々に囲まれた人及び車の通
行がほとんどない場所であった。③被告人は,運転席に近付き,Yに対し,「窓を開
けろ。」などと言って窓を開けさせ,車中に手を入れるなどして被害者車両のエンジ
ンを切らせた上で,「追ってきた分,ガソリン代払え。」と強い口調で言ったところ,
Yが金はない旨述べたことから,「バールを持ってこい。」と言い,Uから受け取っ
た棒様のものを手にした状態で,「車を壊されたいのか。」などと脅迫した。その後,
④被告人は,Tに対し,「助手席のやつの財布と携帯持ってこい。」などと指示し,
Tは,助手席に座っていたZに,「あっちは持ってないって言ってるけど,お前はど
うなの。」「金を出せ。」「小銭もよこせ。」などと言うとともに,その顔面を1回拳骨
で殴って,現金及び携帯電話機を奪った。また,⑤被告人がUに,後はやっとけな
どと言い,棒様のものを渡して被告人車両に戻ったところ,Uが被害者車両の運転
席側ドアポケット内から携帯電話機を奪い,車外に出て携帯電話機の返還を求める
Yに対し,Tが拳骨で,Uが前記棒様のもので,Yの顔面を数回殴るという暴行を
加えたため,同人はその場にうずくまり,被告人らは被告人車両で逃走した。
このように,被害者両名は,被告人車両に執ように追跡された後,その進路を塞
がれてエンジンを停止させられた上,他者に助けを求めることが困難な状況の下で,
被告人ら3名に取り囲まれて,前記のような脅迫,暴行を受けて,現金や携帯電話
機を奪われたものであり,その時間的,場所的状況や,脅迫の内容,暴行の程度等
に照らせば,被告人らの前記脅迫及び暴行が,被害者らが抵抗することができない
程度のものであったことは明らかである。
2強盗の故意及び共謀
まず,前記1で認定した被告人らの行為のうち,被告人自身の脅迫行為だけをみ
ても,夜間,人通りのない場所で,被害者車両の進路を塞ぎエンジンを切らせるな
ど逃走が困難な状況にした上で,因縁をつけて強い口調で金銭の交付を求め,更に
バールを持ってこいなどと共犯者に指示した上で棒様のものを手にして車を壊すな
どと脅しており,相当強度なものといえる。
そして,本件犯行に至る経緯からすれば,以下に述べるとおり,遅くとも被害者
車両の進路を塞ぐように被告人車両を停車させた段階で,被告人と共犯者らには強
盗の故意及び共謀があったものと認められる。すなわち,証拠によれば,被告人は,
TとUに対し,実際に通行人に暴行を加えて金品を奪う路上強盗を行ってみせるな
どしてそのやり方を教え,平成21年3月頃以降,両名と共に「狩り」と称する路
上強盗を繰り返すようになったこと,その態様は,標的とした相手を脅迫して金を
要求し,応じない場合には殴るなどの暴行を加えて金品を奪うものであり,「狩り」
の際には,被告人の自動車を使用し,標的を決めるのは被告人の役割であったこと,
また,被告人自身も標的に対する暴行,脅迫に及ぶことがあり,ヌンチャクで相手
の頭部を殴ったこともあったこと,本件当日も「狩り」をするために集まり,本件
犯行の前にも被告人自身が通行人に対して金を出せなどと脅迫し,頭突きをするな
どの暴行を加えていたことが認められる。
本件犯行の直接の契機が被害者車両のハイビームに腹を立てたことであるとして
も,このような被告人とT,Uらとの関係やこれまでの経緯,犯行当日の被告人ら
の行動等を前提として,本件犯行に及ぶにあたって被告人から共犯者らに対して特
に被害者らに暴行を加えることを禁ずる発言もなかったこと,その後の被告人及び
共犯者らの言動などを併せ考えれば,被害者車両の進路を塞ぐ状態で被告人車両を
停止させた段階で,被告人は,もはや単に被害者らに文句を言う,嫌がらせをする,
謝罪をさせるというだけでなく,共犯者らと共に,被害者らを脅迫し,状況によっ
てはこれまでの「狩り」と同様に暴行を加え抵抗できないようにして金品を奪うと
いう強盗の故意があったものと認められる。そして,「狩り」の標的を選び,実際に
「狩り」の標的に対して暴行を加えることもあった被告人が被害者車両の進路を塞
ぐように被告人車両を停車させたという状況を認識した車中のT,Uと被告人の間
では,被害者らを「狩り」の標的として選び,脅迫して金を出さなければこれまで
の「狩り」と同様の強度の暴行に及ぶという意思を通じていたものと認められる。
以上より,被告人には,強盗の故意及び共謀が認められる。
3弁護人の主張について
T,Uが暴行に及ぶとは想定しなかった,強盗をするつもりはなかったとする被
告人の供述及び弁護人の主張は,本件犯行までの経緯や共犯者,被害者らの供述と
は整合せず,採用できない。
したがって,認定した犯罪事実のとおり,Yに対しては強盗致傷罪が成立し,Z
に対しては強盗罪が成立する。
(罰条の適用)
犯罪事実1刑法60条,240条前段
犯罪事実2刑法60条,236条1項
(犯罪事実に関連する情状に関する事実)
被告人らは,被害者車両がハイビームで走行していたことに腹を立て,これを追
跡して煽ったり,先行して蛇行運転したりするなど執拗に嫌がらせを行った上,不
安を感じた被害者車両が脇道にそれると,更に追跡して,夜間,人気のない路上で,
言いがかりをつけ,3人で被害者両名を襲い,犯罪事実記載のとおりの強力な暴行,
脅迫を加えて,現金約1万2300円と携帯電話機2台(合計約4万3000円相
当)を奪うとともに,Yに鼻骨骨折など全治約1か月間を要する重傷を負わせた。
被害者らは,財産的損害や肉体的苦痛だけでなく,大きな恐怖や精神的苦痛も受け
ている。被告人に対して,Yは,事件後2年半近くを経過した現在も,なるべく長
い間刑務所に入ってほしいなどと厳しい処罰感情を抱いており,Zは,事件当時よ
りは処罰感情が緩和しているものの,あまり軽く済んでほしくはないとして適切な
処罰を望んでいる。
被告人は,中学生であった共犯者らに,手本を示すなどして通行人等を脅して金
銭等を要求し,出さない場合には暴行を加えて金銭等を奪うという路上強盗のやり
方を教え,これを「狩り」と称し,共犯者らと共に同様の行為を多数回にわたり繰
り返す中で,本件当日も共犯者らと「狩り」に出かけた帰りに被害者車両を見付け,
本件犯行に及んだものである。このように,被告人は,本来は自分の子供と同世代
の共犯者らが非行に走るのを止めなければならない立場にあったにもかかわらず,
むしろ共犯者らを巻き込んで同様の行為を繰り返していた。また,被告人は,本件
においても,自ら率先して被害者らに因縁をつけて脅迫行為に及ぶとともに,共犯
者らに指示して金品を奪わせ,共犯者らが暴行を加えるままにさせていたのであっ
て,主導的な役割を果たすとともに,その態度は無責任ともいえる。
しかも,被告人は,公判廷において,共犯者の少年らは金品欲しさだったが,自
らは警察への当てつけで路上強盗を繰り返していたのであり,こうした行為を楽し
んでいたし,自宅が放火されても警察が動いてくれなかったことなどから,見つか
らなければ何をやってもいいと思ったなどと述べ,本件の被害者らや一連の路上強
盗の被害者らについて問われても,その心情を思い遣ることがない。このように,
被告人は,単に不合理な弁解に終始しているというだけではなく,身勝手な独自の
論理を主張するばかりで,自らの行為や結果の重大性を全く理解しようとしておら
ず,現に,被害弁償や被害者らへの謝罪も行われていないのであって,全く反省し
ていない。
平成24年2月20日
千葉地方裁判所刑事第3部
裁判長裁判官稗田雅洋
裁判官水上周
裁判官小野寺真耶

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