弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     第一、二審判決中上告人A1を除くその余の上告人等の本件農地売渡計
画及び訴願裁決の取消請求に関する部分を破棄し、右に関する事件を山形地方裁判
所に差し戻す。
     原判決中その余の部分に関する本件上告を棄却する。
     前項に関する訴訟費用は、上告人等の負担とする。
         理    由
 上告代理人大塚春富、同村上信金、同平塚貫一の上告理由第一点乃至第四点につ
いて。
 一、上告人A1は、本件農地の解放を申し出た前所有者であつて、自創法一七条
の規定による買受の申込をしたものでないことは、原判決の確定するところである
から、同上告人は、本件農地の売渡計画に対し異議・訴願を申し立てる適格を欠く
ものであつて、この理由により、同人の訴願を却下したD農業委員会の裁決および
これを是認した原判決は正当である。
 また、同人が右のごとき不適法な訴願を提起したに対し、前記県農業委員会がこ
れを却下する旨の裁決をしたからといつて、本件売渡計画自体に対する不服の訴の
出訴期間が右裁決のときより起算すべきものとなるの理はないのであるから、これ
と同旨に出で右売渡計画の取消を求める同人の訴を却下した(出訴期間経過後の訴
として)原判決は正当である。従つて、この点に関する論旨は理由がない。
 二、原判決は、上告人A2、A3、A4、A5の本件売渡計画の取消を求める訴
については、出訴期間徒過を理由としてこれを不適法として却下した第一審判決を
肯定し、この部分に対する上告人等の控訴を棄却したのである。
 しかし、農地売渡計画に対し異議の申立をしないで法定期間経過後、直接、訴願
庁に提起された訴願であつても、訴願庁が宥恕すべき事情があると認めてこれを受
理し棄却の裁決をした場合には、行政事件訴訟特例法五条四項の適用により、売渡
計画に対する出訴期間は、裁決があつたことを知つた日から起算されることとなる
ものと解すべきところ(昭和二七年(オ)第六四〇号昭和三〇年九月二三日第二小
法廷判決参照)、本件訴願は異議申立を経ないで法定期間経過後、直接、訴願庁に
提起されたものではあるが、本件においては訴願庁がこれを宥恕して受理すること
を不相当とすべき特段の事情も認められないから、訴願庁が右訴願を不適法として
却下することなくその実体につき棄却の裁決を与えたのは、宥恕事由があると認め
てこれを受理したものと解するのが相当である。そして、原審の確定した事実によ
れば、本件売渡計画取消の訴は、上告人等が訴願裁決書謄本の交付を受けることに
より裁決の存在を知つた日から一箇月以内に提起されたものであることは明らかで
あるから、売渡計画取消の訴は、出訴期間内に適法に提起されたものといわねばな
らない。それ故、第一審判決中売渡計画取消の訴を出訴期間徒過の理由により、不
適法として却下した部分、及び第二審判決中右第一審の判決を是認して控訴を棄却
した部分は、いずれも、爾余の上告論旨の判断をまつまでもなく、上記の点におい
て破棄を免れない。
 次に、原判決は、A2、A3、A4、A5の本件訴願裁決取消の訴については、
上告人等の訴願が異議の申立を経ないで直接訴願庁に提起された不適法なものであ
ることを前提として、本件訴願の裁決が、もし取り消さるベきであるとすれば、右
の違法を理由とするものでなければならないのみならず、本件売渡計画は、もはや、
出訴期間の徒過によりその取消、変更が許されない状態となつているが故に、右訴
願裁決の取消を求める訴の利益がないとしたのである。
 しかし、異議申立を経ない訴願であつても、訴願庁においてこれを受理し、その
実体につき裁決を与えた以上、訴願の提起につき異議申立を経由しなかつたという
瑕疵は、訴願人に対する関係においてはすでに治癒され、異議申立を経由しなかつ
たということは訴願人に対する関係においては、もはや、裁決を取り消す理由とな
るものではないと解すべきであるのみならず、本件売渡計画取消の訴は、出訴期間
内に適法に提起されたものと解すべきことは前段に説明したとおりであるから、原
審のいうように、本件訴願が異議の申立を経ないで提起された不適法なものである
ことを前提として、右訴願裁決取消の訴の利益を欠くものということはできない。
それ故、第一審の判決中本件訴願の裁決の取消請求を出訴期間徒過を理由として却
下した部分、及び第二審判決中右第一審の判決を取消して右請求を棄却した部分は、
爾余の上告論旨の判断をまつまでもなく、右の理由により破棄を免れない。
 論旨第五点乃至第七点について。
 自創法四七条の二の規定は、昭和二二年法律第二四一号「自作農創設特別措置法
の一部を改正する法律」により新たに追加され、同法律の施行期日である同年一二
月二六日からその効力を有するに至つたものであるから、右規定は、行政特例法附
則三項にいう「昭和二二年三月一日前に制定された法律」に当らないことは明らか
である。従つて、自創法に基く行政処分の取消変更を求める訴については、行政特
例法の施行にかかわらず、右四七条の二の規定の適用があるものと解すべきである。
 従つて、本件売渡令書交付の日である昭和二三年五月二九日以降二ヶ月をはるか
に経過して提起された本件売渡処分取消の訴をもつて、法定の出訴期間を経過した
不適法な訴として却下すべきものとした原判決は正当である。論旨はいずれも理由
がない。
 その余の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」
(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法
にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
 よつて民訴四〇八条、三八八条、三八四条、三九六条、九五条、八九条を適用し
て主文のとおり判決する。
 この判決は全裁判官一致の意見である。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    栗   山       茂
            裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    谷   村   唯 一 郎
            裁判官    池   田       克

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