弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


戻る

平成21年10月21日判決言渡
平成21年(レ)第15号損害賠償請求控訴事件
(原審・岐阜簡易裁判所平成20年(ハ)第2051号)
主文
1本件控訴を棄却する。
2控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第1当事者の求めた裁判
1控訴人
(1)原判決を取り消す。
(2)被控訴人は,控訴人に対し,10万円及びこれに対する平成20年10
月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(3)訴訟費用は,第一,二審とも被控訴人の負担とする。
(4)(2),(3)項につき仮執行宣言
2被控訴人
主文同旨
第2当事者の主張
1控訴人の請求原因
(1)控訴人と被控訴人は,平成20年6月19日,次の駐車場利用に関する
契約(以下「本件契約」という)を締結した。。
ア控訴人が名古屋市a区bc丁目で管理する時間貸有料駐車場「d(以」
下「本件駐車場」という)に一定の時間,被控訴人の車両(以下「本件。
車両」という)を駐車し利用する。。
イ利用代金40分100円
ウ利用時間48時間以内
エ代金支払時期出庫前
オ利用方法入庫時には,所定の位置にフラップ板が下がっていることを
確認の上,完全にこれを乗り越えて駐車する。出庫時には,料金精算後フ
ラップ板が下がったのを確認後,出庫する。
カ不正行為又は利用方法,利用規約に違反した場合,駐車場利用者(所有
者及び同乗者を含む)は,(1)正規駐車料金,(2)損害賠償金(チェーン。
施錠,レッカー移動費用等実損諸費用)及び(3)違約金10万円を管理者
に支払う。
(2)被控訴人は,同日,本件車両を本件駐車場に駐車する際,本件車両が車
,,。輪止めを踏みつけた状態で駐車し駐車料金の支払いがないまま出庫した
(3)よって,控訴人は,被控訴人に対し,本件契約(賃貸借契約)の債務不
履行による損害賠償請求権に基づき,違約金10万円及びこれに対する平成
20年10月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損
害金の支払いを求める。
2請求原因に対する被控訴人の認否
請求原因事実は否認する。
第3当裁判所の判断
1請求原因(1)につき検討する。
(1)証拠(甲1ないし6)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められ
る。
ア控訴人は,名古屋市a区bc丁目で本件駐車場を管理している。
本件駐車場は無人の駐車場で,駐車代金の精算は駐車場の利用者が精算
機に千円札又は硬貨を投入することによってなされている。
イ本件駐車場には「昼間8:00∼18:00100円/40分夜,
間18:00∼8:00200円/40分土日祝昼間8:00∼
18:00100円/30分」と大きな文字で書かれ「入庫時フラ,
ップ板(ロック板)が下げっていることを確認の上,ゆっくり入庫してく
ださい。フラップ板を前輪又は後輪で完全に乗り越えて車室枠線内に駐車
してください「出庫時料金精算後,フラップ板が完全に下がったこ。」
とを確認の上,5分以内に出庫願います「駐車場のご利用は,48時。」
間以内に限ります。ロック板が上がっていたり,車高が低く,車に破損を
与えそうな車両は十分に注意していただくか,又は駐車を見合わせてくだ
さい。料金精算後にロック板が完全に下がって,車両が出庫出来るのを確
認の上,車を出庫させてください。不正行為又は利用方法,利用規約に違
反した場合・・・駐車場利用者(所有者及び同乗者を含む)は,(1)正,。
規駐車料金,(2)損害賠償金(チェーン施錠,レッカー移動費用等実損諸
費用)及び(3)違約金10万円を管理者に支払わなければなりません」。
などと小さな文字で書かれた看板がある(甲4,5。)
,,。ウ被控訴人は平成20年6月19日本件車両を本件駐車場に駐車した
その際,被控訴人は,本件車両がフラップ板を踏みつけた状態で駐車し,
駐車料金の支払いをしないまま,出庫した。控訴人の関係者は,同日午前
11時19分ころ,本件車両が車輪止めを踏みつけた状態で駐車している
のを見つけ,写真を撮影した(甲6)
(2)この点,被控訴人は「平成20年6月19日ころ,本件車両を修理に,
出してあって,修理代金が支払えなかったことから,本件車両を引取りにい
くことができなかった。したがって,被控訴人は,本件駐車場に本件車両を
駐車していない」旨主張する。。
しかし,被控訴人は,平成20年6月ころ本件車両を使用していたもので
あること(甲3,被控訴人は本件車両を修理に出したと主張しながら,ど)
こに修理に出したかも明らかにしないことからすると,被控訴人が本件駐車
場に本件車両を駐車したものと推認するのが相当であって,被控訴人の同主
張は採用できない。
(3)ところで,財又はサービスの提供を受けようとする者が,自ら硬貨や紙
幣等を入れて代金を精算するという無人の設備でもって,財又はサービスの
提供を受けた場合,財又はサービスの提供者と利用者の双方とも契約の申込
み又は承諾の意思表示をしたとはいえないものの,財又はサービスの提供者
と利用者の双方が契約を成立させる意思を有すると認められる限りにおい
て,その契約が成立したものと解するのが相当である。
これを本件についてみるに,被控訴人が,フラップ板を踏みつけた状態で
本件車両を駐車し,駐車料金の支払いをしないまま,出庫していることから
すると,被控訴人は,そもそも本件駐車場の駐車料金を支払う意思は全くな
く,本件契約を締結する意思がなかったものと認められる。そうとすると,
控訴人と被控訴人との間で本件契約は成立していないというべきである。
この点,控訴人は「控訴人が,管理する駐車場を利用者に対し一定の内,
容で賃貸する意思があることを駐車場内の看板で表示していること,被控訴
人が,控訴人の掲示した看板に表示された意思内容を十分に認識しているこ
とから,控訴人と被控訴人間に意思表示の合致がある」と主張するが,控。
訴人が駐車場施設を設置して看板に賃貸する意思があることを掲示しただけ
では,本件契約の申込みの誘因があったというにとどまり,控訴人に本件契
約の申込みの意思表示があるとはいえず,また,被控訴人が看板を見て駐車
場内に駐車しただけでは被控訴人に本件契約の承諾の意思表示があるとはい
えない。また,被控訴人の本件駐車場の利用形態からして,被控訴人に本件
駐車場の駐車料金を支払う意思がないと認められることは上記認定のとおり
である。したがって,控訴人の同主張は採用できない。
3以上によれば,控訴人の請求は理由がないからこれを棄却すべきである。
よって,原判決は,結論において相当であって,本件控訴は理由がないから
これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
岐阜地方裁判所民事第2部
裁判長裁判官内田計一
裁判官永山倫代
裁判官山本菜有子

戻る



採用情報


弁護士 求人 採用
弁護士募集(経験者 司法修習生)
激動の時代に
今後の弁護士業界はどうなっていくのでしょうか。 もはや、東京では弁護士が過剰であり、すでに仕事がない弁護士が多数います。
ベテランで優秀な弁護士も、営業が苦手な先生は食べていけない、そういう時代が既に到来しています。
「コツコツ真面目に仕事をすれば、お客が来る。」といった考え方は残念ながら通用しません。
仕事がない弁護士は無力です。
弁護士は仕事がなければ経験もできず、能力も発揮できないからです。
ではどうしたらよいのでしょうか。
答えは、弁護士業もサービス業であるという原点に立ち返ることです。
我々は、クライアントの信頼に応えることが最重要と考え、そのために努力していきたいと思います。 弁護士数の増加、市民のニーズの多様化に応えるべく、従来の法律事務所と違ったアプローチを模索しております。
今まで培ったノウハウを共有し、さらなる発展をともに目指したいと思います。
興味がおありの弁護士の方、司法修習生の方、お気軽にご連絡下さい。 事務所を見学頂き、ゆっくりお話ししましょう。

応募資格
司法修習生
すでに経験を有する弁護士
なお、地方での勤務を希望する先生も歓迎します。
また、勤務弁護士ではなく、経費共同も可能です。

学歴、年齢、性別、成績等で評価はしません。
従いまして、司法試験での成績、司法研修所での成績等の書類は不要です。

詳細は、面談の上、決定させてください。

独立支援
独立を考えている弁護士を支援します。
条件は以下のとおりです。
お気軽にお問い合わせ下さい。
◎1年目の経費無料(場所代、コピー代、ファックス代等)
◎秘書等の支援可能
◎事務所の名称は自由に選択可能
◎業務に関する質問等可能
◎事務所事件の共同受任可

応募方法
メールまたはお電話でご連絡ください。
残り応募人数(2019年5月1日現在)
採用は2名
独立支援は3名

連絡先
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所 採用担当宛
email:[email protected]

71期修習生 72期修習生 求人
修習生の事務所訪問歓迎しております。

ITJではアルバイトを募集しております。
職種 事務職
時給 当社規定による
勤務地 〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
その他 明るく楽しい職場です。
シフトは週40時間以上
ロースクール生歓迎
経験不問です。

応募方法
写真付きの履歴書を以下の住所までお送り下さい。
履歴書の返送はいたしませんのであしからずご了承下さい。
〒108-0023 東京都港区芝浦4-16-23アクアシティ芝浦9階
ITJ法律事務所
[email protected]
採用担当宛