弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     当審における訴訟費用は被告人Bの負担とする。
         理    由
 被告人Aの弁護人鶴和夫の上告趣意第一点は、単なる法令違反の主張であつて、
刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、所論昭和二三年法律一〇七号、一〇
四条は、貨物の輸出若は輸入につき免許を受くべき旨の関税法(明治三二年法律六
一号以下これに同じ)三一条の規定の適用につき所論地域は当分の間これを外国と
看做す旨規定しているから、免許を受けないで、同地域との間に貨物を輸出入した
本件につきその罰則である関税法七六条、八三条を適用したのは正当であつて、右
一〇四条において、とくに同七六条、八三条の適用について外国と看做さなくても
差支ない。
 同第二点は、事実誤認、これを前提とする法令違反の主張であつて、刑訴四〇五
条の上告理由に当らない。
 同第三点中関税法八三条の解釈を誤つたとの点は、単なる法令違反の主張であつ
て、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、昭和九年(れ)一五七三号同一
〇年四月八日大審院第一刑事部判決(判例集一四巻三九一頁以下)は、「関税法に
おいて、犯罪に係る貨物を没収し又は没収することできない場合においてその価格
を追徴する趣旨は、国家が同法規に違背して輸入した貨物又はこれに代るべき価格
が犯則者の手に存在することを禁止し、もつて、密輸入の取締を厳に励行せんとす
るに出たものと解すべく、そして、共犯者ある場合において、この趣旨を貫徹せん
とするには、同法八三条一項により算定すべき価格につき共同連帯の責任において
これを納付せしむべきものと解するを至当とする」旨判示した。この判示は正当で
あつて、これを維持するを相当と認める。そして、その趣旨は、密輸出の場合にお
いても、また、その共犯者が幇助犯にすぎない場合においても同一であつて、これ
を別異に解すべき理由はない。そして、関税法八三条の規定により同一の供用船舶
または犯則貨物に関し共犯人に対しそれぞれその価格又は原価の全額を追徴する言
渡をしても、かかる判決はその全員に対し重複してその全部につき執行することが
許されるわけではなく、その中一人に対し全部の執行が了れば、他の者に対しては
執行し得ないことは、当法廷の判例とするところであるか ら(判例集九巻一三号
二六〇八頁以下参照)、前示のごとく解したからといつて、共犯者に対し酷に失す
ることはない。されば、所論は、職権事由としても採用できない。また、論旨中判
例違反をいう点は、所論引用の判例は、本件に適切でないから、その前提を欠き刑
訴四〇五条の上告理由に当らない。
 同第四点は、本件は免訴の言渡を受けねばならないというのであるから、刑訴四
〇五条の上告理由に当らない。そしてある地域が外国とみなされていた当時、免許
を受けないで日本内地から同地域へ若しくは同地域から日本内地へ貨物を密輸出し、
若しくは密輸入した罪については、その後右地域がわが国に復帰し、外国とみなさ
れなくなつても、刑の廃止があつたものとはいえないことは、当裁判所大法廷が屡
々なした判例の趣旨としているところである(判例集九巻二号三四四頁以下、同巻
九号一九二二頁以下、一〇巻七号一〇三五頁以下参照)。されば、所論は、職権事
由としても採ることができない。
 同第五点は、違憲をいうが、原判決は、被告人の自白のほか、挙示の補強証拠を
綜合して判示犯罪事実を認定したものであること記録上明らかであるから、その前
提を欠くものであり、同第六点は、単なる訴訟法違反の主張であつて、いずれも、
刑訴四〇五条の上告理由に当らない。
 被告人Bの弁護人吉沢喜作の上告趣意第一点は、単なる法令違反の主張であり(
なお、その採用できないことは、前記鶴弁護人の上告趣意第三点についての判断参
照)、同第二点は、単なる訴訟法違反の主張であつて、いずれも、刑訴四〇五条の
上告理由に当らない。
 被告人C、同D、同Eの弁護人藤本信喜の上告趣意は、単なる法令違反又は犯罪
後の法令に依り刑の廃止があつたことを主張するものであるから、刑訴四〇五条の
上告理由に当らない。そして、職権事由としても採用できないことについては、鶴
弁護人の上告趣意第四点についての説明によつて知るべきである。
 よつて、刑訴四〇八条により、被告人Bについては同一八一条をも適用し、裁判
官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
  昭和三二年一月三一日
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    入   江   俊   郎
            裁判官    下 飯 坂   潤   夫

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