弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人D名義、同長戸路政行の上告理由一及び二について。
 本件町長選挙においては、公職選挙法一九四条及び同法施行令一二七条による選
挙運動費用額は一八四、〇〇〇円であるべきところ、八四、〇〇〇円と誤算して告
示されたというのである。それがいわゆる選挙の規定に違反することはいうまでも
なく、しかもこのように告示額が正しい法定費用額の半にも満たない著しい誤算の
存する場合においては、各候補者が告示の費用額をもつてできるだけ効果的な運動
方法を採用したとしても、到底正しい費用額のもとの運動効果と同様ではありえな
いから、その違法は各候補者の得票数に影響し、その選挙の結果、すなわち当落に
異動を生ずる可能性をもつことを否定しがたい。
 論旨は、本件選挙が一〇二二票にのぼる当落得票差を生じた事実に徴し、たとえ
それが正しい運動費用額によつて行なわれたとしても、費用制限は各候補者に対し
て同一である以上、次点者たる被上告人Bが当選したであろうという蓋然性は認め
がたいものとし、かかる蓋然性の見出せないかぎり、本件告示の違法は選挙の結果
に異動を及ぼす虞れのないものと主張する。しかし前叙のような著しい誤算のある
告示のもとにおいては、右の得票差を生じた事情から直ちに所論のようにBに当選
の蓋然性はないと断じがたいのみならず、その違法の各候補者の得票数の増減に及
ぼす影響の程度、範囲をみだりに憶測することは許さるべきではないから、その違
法にかかわらず当落に異動を及ぼす可能性のないことを確実と肯認するに足りる具
体的事情の認むべきもののないかぎり、選挙は無効と判定せざるをえない。
 なお論旨は、原判決が本件告示の瑕疵は、当選人Eに比すればいわゆる新人候補
である被上告人Bにより多くの不利益をもたらし、不公正な選挙をした結果を招来
したものとして、これを違法の選挙の結果に異動を及ぼす虞れのあることの理由と
したのを非難する。本件告示による選挙運動費用額の違法な制限は、各候補者の均
しくうけるところであるにしても、候補者それぞれの個人的事情その他により各自
の現実に被る影響に差異の存することはいうまでもないが、B候補が新人候補なる
が故に本件告示の違法が同人に対しより不利益に影響したもののごとく一概に断じ
うべきものではない。しかし本件選挙については、前叙のように、その違法の当落
に異動を及ぼす可能性を否定しがたいものが認められ、原判決もまた「本件選挙が
正しい法定選挙費用の下で行われたとすれば、原告Bが当選したと断定することが
出来ないと同様に当選しなかつたと断定することもできない」旨を説示して、この
ようなBの当選の可能性の存在をもつて、違法が選挙の結果に異動を及ぼす虞ある
ものとしているのである。従つて原判決の前示判示部分は相当でないとしても、本
件選挙を無効とした原判決の判断の結果を動かすに足りない。結局原判決は正当で
あつて、論旨はいずれも採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の
とおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    奥   野   健   一
            裁判官    山   田   作 之 助
            裁判官    草   鹿   浅 之 介
            裁判官    城   戸   芳   彦
            裁判官    石   田   和   外

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