弁護士法人ITJ法律事務所

裁判例


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         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。
         理    由
 上告代理人坂田十四八の上告理由書及び上告理由書の二記載の上告理由について
 所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯する
に足りる。
 ところで、民法六五八条二項が再寄託に同法一〇七条二項の規定を準用すること
としたのは、契約関係のない寄託者と復受寄者との間にも直接の権利義務の関係を
生じさせることが便利であるためであり、これらの規定のために寄託者と復受寄者
がそれぞれ受寄者と締結した各寄託契約に基づいて有している権利義務に消長をき
たすものではなく(最高裁昭和四九年(オ)第一〇二六号同五一年四月九日第二小
法廷判決・民集三〇巻三号二〇八頁参照)、受寄者と復受寄者との間の権利義務に
ついてはその間の寄託契約に基づいて判断すべきものと解するのが相当である。そ
して、このことは、受寄者が倉庫営業者である場合の再寄託に民法六五八条二項に
より同法一〇七条二項が準用されるときであつても異なるところはない。原審の適
法に確定した事実関係によれば、訴外D株式会社から本件ワイヤー・ロツドの寄託
を受けた上告人及び上告人からその再寄託を受けた被上告人はともに倉庫営業者で
あるところ、被上告人の倉庫寄託約款四条には、被上告人は寄託者が被上告人に対
し通知、指図その他の意思表示を行うときは書面によることを要求することができ
る旨の定めがあり、被上告人B支店のE課長は、昭和五四年一月二七日上告人のF
部長から電話で、上告人がさきに出庫指図書により訴外G株式会社に出庫するよう
指図をした本件ワイヤー・ロツドにつき、その出荷を一切停止するよう指図を受け
た際、出荷停止の指図書がない限り出荷は止められないから、直ちに指図書を送つ
てほしい旨依頼したのに、上告人からその送付がなく、被上告人は、その後係争の
約二六〇トンのワイヤー・ロツドを出荷したのちの同年二月二三日になつて上告人
から出荷停止の指図書を受け取つたというのであつて、受寄者である上告人と復受
寄者である被上告人との間の権利義務は、本件再寄託関係に民法一〇七条二項が準
用されるかどうかにかかわらず、上告人と被上告人との間に締結された寄託契約に
基づいて判断されるべきものであり、本件電話による出荷停止の指図は右約款四条
の定めによりその効力を生ぜず、被上告人がこれに反して本件ワイヤー・ロツドの
出荷をしても上告人に対し債務不履行の責めを負うものではないというべきである。
結論においてこれと同旨の原審の判断は、是認することができ、原判決に所論の違
法はない。論旨は、独自の見解に基づき若しくは結論に影響を及ぼさない事項につ
いて原判決を論難するか、又は原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を
非難するものにすぎず、採用することができない。
 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主
文のとおり判決する。
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    牧       圭   次
            裁判官    大   橋       進
            裁判官    島   谷   六   郎
            裁判官    藤   島       昭
            裁判官    香   川   保   一

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